ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
世界に蔓延するポピュリズム。はたしてそれは民主主義の異端なのか? 古代中世の神学史、丸山眞男らの議論を手がかりに、宗教・政治・文化に通底する「異端発生のメカニズム」を解き明かし、混迷する時代の深層に迫る。著者が十年来抱えたテーマがここに結実、「異端好みの日本人」に、現代の「正統」の所在を問いかける――
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
ポピュリズムなどを起点に,キリスト教における正統について複数の視点から論述,丸山眞男や堀米庸三の正統論を含む。
正統と異端に関して、カトリックをベースに社会現象も含めた議論は非常に難しかったが、基本的な考え方に関して多くの切り口を備えておくことの重要性を再認識させられた.キリスト教を基に議論が展開されていたが、仏教の話も出てきて著者の目のつけ方の深さを実感した.宗教的な、特にカトリックでいう「正典」「教義」「...続きを読む職制」の議論は正典である聖書の成立過程を追うことで正統との関連性を解き明かしてくれた感じだ.異端がでてくるから正統が確立していくという、やや矛盾した論理は最後に述べられた次の文に集約されるのではなかろうか."日本に真正の異端が生まれ、その中から腹の据わった正統が生まれることを願いつつ、筆を擱く."
トニ・モリスン「他者の起源」の日本語版序文の解説を読み、著者に興味が湧いたので読んでみた。 著者のフィールドであるキリスト教史において「正統・異端」がどのように生まれ、機能しているかから始まり、ゆくゆくは現代のアメリカや社会を覆う正統なき異端の時代を、見事に読み解いている。 「正統・異端」という...続きを読む宗教性を持った構図は宗教(キリスト教やイスラム教)に限定されず広く社会全体の仕組みに根差していると前置きをした上で、私たちが盲目的に信じている正統や権威を成り立たせているのは、キリスト教でいう教会や聖書(正典)にあるのではなく、背景にある信憑性構造(どこでも、いつでも、誰にでも信じられている、かのように思えるもの)であり、おおまかな限定性を持つものだからこそ、対比として明確な異端との対立構造を持っている、というのは非常に興味深かった。 2020年11月現在、アメリカ大統領選挙では正統たりえないトランプをバイデンが僅差の末に下したが、「反対派に投じた人も含めアメリカの代表となる」と発言したバイデンに対して、アメリカにおける正統とみなされているものはわずかであるが変わりつつあるのだろうか(現在の選挙制度に対しての疑義も投げかけられている)。 そんな中日本では何故かトランプ待望論が続いているというおかしな状況だが、著者曰く「日本ではあるべき異端は生まれず、全て政治的な問題になってしまっている」と評されている中、待望されている異端は生まれてくるのだろうか。 抽象的な表現や固有名詞が多数出てくるので容易には読めなかったが、非常に刺激を得れたので、時折読み返したい。
丸山眞男による「L正統」と「O正統」の定義をやんわり否定し、そもそも正統と異端が何であるかを論じている。丸山の定義に説得力を感じていた、自分の浅さを恥じた。
基本的にキリスト教を中心に論を進めるが、「異端たるためには、正統に取って代わるだけの信念、気概が必要」との指摘は鋭い。 正典、教義は正統から派生するもので、正典から正統は生まれないというのも考えればその通りで、プロテスタントの基盤はむしろ危うい。諸派、原理主義が生まれるのもやむ無しと思える。 い...続きを読むろいろな点で勉強になった。
キリスト教の歴史に範を求めながら、現代社会が陥っている信頼性、宗教性の喪失をえぐる。 個人主義の宗教化という、エマソン、ソロー、ジェイムズの系譜が白眉だが、あまりにその指摘が的確で戦慄する。 組織に、現代に、社会に生きる人間として、非情に示唆に富んでいた。
2018年初版の本ですが、これは名著ですね。「正統」と「異端」とは何か?について、著者の専門である宗教史・宗教社会学を軸に論じ、それを現代政治に敷衍している内容。後半の宗教史的な部分は(予備知識が薄いため)やや難解でしたが、全体を通して著者の言わんとすることは明確で、言われてみればその通りなのですが...続きを読む、ともすると私自身も持ってしまっている誤ったイメージ(正統と異端に対する)を正してもらった気がします。
・O正統とL正統 ・異端が正統を作る「異端は弾圧されたから姿をけしたのではなく、姿を消したから異端なのである」P59
権威が失われつつある今、どうすれば正統が復活するかの処方箋を示していると言える。とはいえ、正統を定義するのは社会が時間をかけて気づいてきたコモンセンスなので、時代の空気との競争ではある。
トランプ政権に対する民主主義の論評かと思ったが神学だった。丸山眞男、キリスト教に精通していないとなかなか読み下せないかも。結構難解でした。まずは神学から始めるかな。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
異端の時代
新刊情報をお知らせします。
森本あんり
フォロー機能について
「岩波新書」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
アジア神学講義 グローバル化するコンテクストの神学
アメリカ的理念の身体
陰謀論が世界を蝕む
教養を深める 人間の「芯」のつくり方
キリスト教でたどるアメリカ史
宗教が分断する世界
シリーズ・企業トップが学ぶリベラルアーツ 宗教国家アメリカのふしぎな論理
ジョナサン・エドワーズ研究 アメリカ・ピューリタニズムの存在論と救済論
「森本あんり」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲異端の時代 正統のかたちを求めて ページトップヘ