村上靖彦のレビュー一覧
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大事な問題提起でした。客観性とは自然現象、社会現象を測定し、法則性を追求することで数値化され統計化されてきたこと、そしてその数値によって優劣がされ排除がされること、学校での偏差値から優生思想を生み出すことまで、今の世の中、思い当たることはたくさんあります。
筆者はそれを否定しているわけではなく、筆者の言う、それ以外も真理がある、一人一人の経験の内側に視点をとることが大切ということを、実践を紹介しながら展開していて、説得力があった。
大学の先生らしく、文章は論理的だがとっつきづらいかも。
個人的には「働く意思のない人を税金で救済するのはおかしい」という学生のコメントに対して、「彼らが統治者の視点 -
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数値による評価を客観的事実として絶対視する考え方は、何が問題なのか。数値データを用いた研究が生まれた経緯、その結果社会にもたらされた影響等を踏まえつつ、その危うさに言及、未来への提唱という形で展開している。
なかなかに難しい内容で「言ってることは理解できるが…」と思わず唸ってしまったが、考えることそのものに意味のある社会問題だと半ば開き直り読み終えた。読後、100%納得できたかと言われればちょっと首を傾げざるを得ないのだが、そのような視点を持つことが自身の選択肢に増えたという点では良かったと思う。
個人的に特に印象に残ったのは、「働く意思のない人を税金で救済するのはおかしい」という学生の意見を -
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昨今話題のヤングケアラーについての一冊。実際に家族の介護や様々な体験をした人々のインタビューからヤングケアラー当事者がどのようなことに苦しみ、それに対してどのような支援を受けたことでその苦しみを乗り越えられたのか解析しながらヤングケアラー支援に必要なことを考察している。
精神科の専門家が書かれていることもあり、ド素人の私には時々難解な箇所もあったが全体的には非常に分かりやすく、またヤングケアラーの生々しいリアルが描かれていた本だと感じた。
「ヤングケアラー」と聞いて『ああ、両親が共働きで祖父母の介護や兄弟の面倒を見ている未成年のことだな』という認識しか私はこれまで持ってこなかった。
これも全 -
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研究者である筆者が、対人支援職(看護や福祉職の現場で働く人々)と接し、実際の現場を観察する中で学んだケアに関する本質についてが述べられている。
ケアとは病む人と共にある営みであって、コミュニケーションを絶やさない努力の重要性が本の中で、何度も綴られていた。
人は孤独の中では生きられない。だからこそコミュニケーションを取ろうと声をかけ続けることがその人の存在を支える力になる。
21世紀に生まれて発展してきたピアの文化(同じ立場のフラットな関係の人たちが語り合う場所)も、自分が孤独ではないことを確認する手段の一つであることが記されていた。
また、ケアする立場の人(ケアラー)が注意すべきこと -
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虐待してしまう母を対象としたグループワーク「MY TREE」プログラムを取り上げた本。プログラムについては良く知っているつもりだったけれど、ファシリテーターの人たちの細やかな準備、配慮は想像以上だった。虐待に関しては加害者である母親たちはそれぞれ過酷な人生を歩んでいる。具体的なエピソードはこの本には出てこないけれど、それぞれが自分の被害的側面にも向き合いながら、ファシリテーターとグループの力で回復していくプロセスが描かれている。「人は変われる」「回復する力を持っている」と信じている人たちで作られた安全な場であるからこそ、自分のことも他人のことも信じられなかったところから少しずつ変わっていく。と