村上靖彦のレビュー一覧

  • 客観性の落とし穴

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    ・数字に支配された世界においては、人間が序列化されること。

    ・科学の客観的価値は、個々の対象/性質ではなく、物事の関連性=対象間の法則を教えるものであること。

    は意識する必要を感じた。

    顔の見えない数字やデータによる定量化によって、ひとりひとりの経験の価値が顧みられなくなるのでは?には同意だが、著書の研究手法でもある「現象学」のアプローチの必要性を飲み込むには少し骨が折れる感覚があった。

    定量と定性をバランスよく見ていくように心がけたい。平均でつくられたコクピットに合うパイロットがいない、なんてことにならないようにしなくては。

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    2025年10月12日
  • 客観性の落とし穴

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    仕事でも私生活でも客観的に物事を考えることが多いが、何か忘れていることがあるのかも、と気になり読んだ本。本書のキーワードでもある「客観性」とは関係が薄そうな話がチラホラ出てきたので、読みづらさを少し感じた。会社のミーティングなど、議論の場では客観性が重視されるが、違った観点の考え方を知る機会になった。

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    2025年10月05日
  • 客観性の落とし穴

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     著者の言っていることには基本的に賛成だし立場も似ている気がするけれども、一冊の本としては、だいぶとっ散らかっている感じがする。たしかに書かれている内容は『客観性の落とし穴』なのだ。その穴に落ち続けると、どこに行き着いてしまうのかが書いてあるのだ。だけど、このオビだと、ひろゆきのような冷笑系の人々の煽りに対する返答が直接的に書いてあるのかと思ってしまい、それにしては随分遠回りだなあ、という読後感になってしまう。著者が研究する際の方法論である現象学やインタビューのススメみたいにも読めてしまう。オビが読み手をミスリードしている気がする。わたしだけミスリードされてるのかもしれないけど。

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    2025年10月05日
  • ケアとは何か 看護・福祉で大事なこと

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    ネタバレ

    この方の講義の動画を見る機会があって、かいつまんでるからか分かりにくいなというのが正直な感想だったけど、ケアラーへの聞き取りを、話し言葉そのまま載せている感じが社会学っぽくて好きと思って本を読んでみた
    引用がたくさんあって読んでみたいものが本当にたくさんできた!
    私は医療者介護者のこうゆう話し言葉の語りをたくさん読みたいのだなーと思った
    講義の印象と文章の印象は淡々としてる感じだったけど後書きは人間味があったな

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    2025年07月25日
  • 傷つきやすさと傷つけやすさ ケアと生きるスペースをめぐってある男性研究者が考えたこと

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    真摯に書かれた内容だが、少し読み応えが軽く期待したもの、読みたかったものと違った。私自身はマイノリティの属性がいくつかあり、マジョリティの属性もあるが、ついマイノリティの属性に頼ったものの見方をしてしまい、自分の加害や、無知に鈍感になることがある。その意味で、そうなんだよな…と思うことが多かった。

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    2025年07月15日
  • となりのヤングケアラー ――SOSをキャッチするには?

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    昨今、ニュースやCMなどでも取り扱われている"ヤングケアラー"。
    それら問題を子ども向けに解説した本。読みやすい。

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    2025年06月08日
  • 客観性の落とし穴

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    ネタバレ

    『客観性の落とし穴』を読んで、客観的なデータや合理性ばかりを重視する社会が、少数派や弱い立場の人の実情を見落としやすいという指摘には納得できた。効率や数字を優先するあまり、人の個別の事情や感情が軽視されるリスクは現代社会の課題だと思う。

    ただ、著者が強調する「一人ひとりの語りに耳を傾ける」ことは理想的ではあるが、現実的には時間や資源の制約もあり、全ての声を平等に拾うのは難しいという印象も受けた。現場の実情を考えると、なかなか実践が難しい部分もある。

    だからこそ、客観的なデータや制度の整備と、個々の声を尊重する姿勢とのバランスをどう取るかが重要になる。この本は、「客観性」という言葉の裏にある

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    2025年05月31日
  • 客観性の落とし穴

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    「客観性」。もはや神格化されていると言っても過言ではないこの言葉に警鐘を鳴らす1冊。

    ものごとをどこまでも客観的に見ていくと、それは全て数値化・データ化されてしまう。
    例えば、スギの木は花粉症の原因となりうる植物であるが、その花粉が原因で鼻がムズムズしたり目が痒くなったりなどの人間の「経験のダイナミズム」は、客観的に見れば無駄である、とされてしまうのだ。

    そういった、「経験のダイナミズム」の重要性を今一度説き、昨今社会が抱えている問題解決の糸口を見つけていく。

    正直、終盤の筆者の意見はなかなか理想論で実現は難しいと思ったが、面白い内容ではあった。

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    2025年05月31日
  • 客観性の落とし穴

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    本書は
    前半-客観性と序列化について
    後半-客観性の対照となる個人の経験について

    書かれているのだが、前半の客観性と序列化についての経緯や問題点には、大いに興味があり、納得できる部分も多かった。

    科学によって、自然や人間でさえも数値化されてしまい、『正しい』とされることからズレることの難しさや、序列化による優劣の社会的な常識の息苦しさは感じるところがある。

    後半の客観から排除された「個人の経験」に注目することについては、納得は出来るが現実的に人間の認知領域の限界により難しいのではないかと感じた。

    ただ客観性が真理ではない、という考えは非常に重要であり、一人ひとりが客観性やエビデンスがあ

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    2025年04月20日
  • となりのヤングケアラー ――SOSをキャッチするには?

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    当たり前になってしまっていることに自身では気付いていないけど、実は十分ケアラーっていう存在に、周囲が目を光らせる必要がありますわな。

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    2025年03月10日
  • 客観性の落とし穴

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    村上靖彦(1970年~)氏は、東大教養学部卒、同大学院総合文化研究科博士後期課程満期退学、基礎精神病理学・精神分析学博士(パリ第7大学)取得、日大国際関係学部助教授・准教授、阪大人間科学研究科准教授を経て、同教授。精神分析学・現象学者。
    本書は、2024年の新書大賞第3位を獲得。
    本書の帯には、「「数字で示してもらえますか」、「それって個人の感覚ですよね」、「その考えは客観的なものですか」、「エビデンスはあるんですか」 この考え方のどこが問題なのか?」と書かれており、私も、それに大いに興味を引かれて手に取った。
    が、通読して、正直なところ少々期待外れであった。
    本書の構成は、前半で、客観性・数

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    2025年03月07日
  • 客観性の落とし穴

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    統計や平均という科学的観点だけでは抜け漏れがある
    個人の経験、体験といった個別性を消してはいけない、といった論旨
    著者は貧困、子育て、ケアなどの現場に従事しているため特に個別性の重要度を感じるのだろう
    この様な現場以外にも社会的な切り捨てを防ぐには個別性への配慮は必要ではある
    しかしながら、世の論調は理想だけを打ち出したインクルーシブという思想の提示だけであり、それを実現するための手段や環境構築は個人や企業に委ねるのみという無責任
    私見としては個別性への配慮は、現代資本主義の環境下では実現し難い
    即効性ばかりを求める社会構造では、相応の時間を要する個への対応は致しかねる
    (タイパを重視する若年

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    2025年02月18日
  • 客観性の落とし穴

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    データに基づいた客観的なエビデンスが正義!という現代の風潮に、自分自身も影響を受けていたのだなと気付かされた。
    客観的データが役立つのは間違いないけど、だからといって主観が否定されることではない。個人の経験、感想などが同様に大切にされるべきものなんだと思う。
    著者が押し付けがましくなく、その主張をされていてすんなりと入ってきた。

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    2025年02月16日
  • 客観性の落とし穴

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    (2025/01/23 1h)

    数値に縛られて見落としがちな、人と人との交流の機微について書かれた本。

    優しさの詰まった内容で、こういう生き方を忘れないようにしたいと思う。

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    2025年01月23日
  • となりのヤングケアラー ――SOSをキャッチするには?

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    職業柄あらゆる年齢の人たちに毎日接する自分に出来ることは、その人にとってその日唯一の会話が自分とのこの一言かもしれないと思って接すること。
    (もちろん度を超すおしゃべりさんにはほどほどに・・・)

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    2025年01月08日
  • 客観性の落とし穴

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    統計を駆使する抽象的な制度からではなく、一人ひとりの声を尊重するところから社会を作る試みが可能となる。

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    2024年12月29日
  • 客観性の落とし穴

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    何でもデータ化、序列化されて客観性が強化された時代。大学で客観的妥当性などが学生から問われる時代。

    しかし、統計は一人一人には意味を持たない。その中での個別の文脈、経験の重要性について、主に終末医療・生活保護などの分野のエピソードを中心に筆者は語っている。

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    2024年12月08日
  • 客観性の落とし穴

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    客観性や数値化、データに価値を置きすぎると、優生思想まで発展し、差別も生みかねないという点に驚いた。
    これからの時代に心得ておきたいこと、それは個人の経験を理解するうえで、客観性やデータなどはあくまで役に立つ程度のものであると認識しておくこと
    筆者もいうように、この内容は100年後も1000年後も人類が存在しているかぎり妥当であろう。

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    2024年12月04日
  • 客観性の落とし穴

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    統計学的な内容かと思ったら福祉の話だった。
    高所得者が低所得者のために税を納めることに不公平感を覚えていたが、それは思想統制の罠にかかったものであることにはっとした。そもそも弱者に対する分配が減ったところで、国民の負担率が下がる見込みはないのだ。

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    2024年09月13日
  • 客観性の落とし穴

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    【なぜ】出張先の本屋でおすすめされており冒頭を読み新しい視点をもらえそうだったため一読
    【どう】3.0点の★3(最初章ごとに語られる内容とリズムが違いすぎて頭がついていかなかった。7章あたりから丁寧に説明が入り理解できた。ただし、まだ腹落ちできていない部分も多くあるため再読したい)
    会社における社員のモチベーション評価のようなものに懐疑的である私からすると、こういう表現がしっくりくるのか思えた。

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    2024年08月01日