「……ここがあの馬鹿の通っている高校……」
学園都市・常盤台中学の超能力者 御坂美琴
「……友達?」
『一端覧祭』準備中の学園都市に現れた人物 謎の女性
「とりあえず上条。キサマは泊まり決定。サボりまくっていたんだから当然でしょ」
上条のクラスメイトで『対カミジョー属性』を持つ少女 吹寄制理
「えーっ!? ていうか俺はいつになったら寮に帰れるんだ!?」
学園都市の無能力の学生 上条当麻
「はまづら、帰る前に洗剤を買っておかないと。だから銀行でお金を下ろして」
元『アイテム』構成員・大能力者『能力追跡』 滝壺理后
「……全体的に色気がねえなぁー」
元『アイテム』構成員・ただの無能力者 浜面仕上
「……保護者さん、あとよろしく」
量産能力者計画などにも携わった高名な元科学者で、現無職の女性 芳川桔梗
「ふざけンな!! 俺に振ってくるンじゃねェ!」
闇から抜け出した学園都市最強の超能力者 一方通行
「うにゃー……。だーめだぁ、やる気出ないんですけどー……」
科学と魔術の融合組織『グレムリン』メンバー マリアン=スリンゲナイヤー
「つーか、なんだか小さくなっちまったなあ、俺の敵ってヤツは」
『グレムリン』の中でも『戦争代理人』と呼ばれる戦闘専門の魔術師 トール
「やあ。そろそろ話をしようか。幻想殺しの秘密……というより、そもそもの正体について」
『魔神になるはずだった』魔術師 オッレルス
【あらすじ】
11月。超巨大文化祭『一端覧祭』の季節がやってきた。
そんなさなかに、ようやく学園都市に戻ってきた上条当麻。ロシアより勃発した第三次世界大戦を起因とする『対グレムリン遠征』を経て、ついにインデックスや御坂美琴とのほのぼのした平穏な日常が戻ってきた――。そう楽観していた上条当麻だが、意外な人物の登場で、その願いは虚しく霧散することに!? 彼の前に現れた最強の『敵』とは!?
セルフ迷子メーカーなフレメアの保護者となって学園都市内を走り回る浜面仕上や、打ち止めの子守りでキレる平常運転な一方通行、リハビリついでに手料理を作る麦野沈利などなど……学園都市を舞台として、『新約』シリーズは新展開に突入!
【あとがき】
新約の五巻目です。今回は、名前だけは以前から出ていた『一端覧祭』についてのお話です。グレムリン、幻想殺し、そしてオッレルスとオティヌスの関係性などなど。新約全体の大きなテーマについての説明をチラチラとやっています。
ハワイ諸島、バゲージシティと苦い経験を積んできた上条当麻は、この巻では『人を信じたいのに、無闇に信じてはいけない状況』に立たされています。オッレルス、バードウェイ、そして雷神トール。状況の説明を求められればいくらでも言葉を重ねてくれる人達は近くにいるのですが、相手の言葉を聞いているだけでは駄目だと気づいてしまった訳ですね。
今回、そんな彼らに対する手段として『騙す』という方法を選んだ上条は、『信念と信念をぶつけ合ってくれない、平気な顔で騙しに来る人にどんな態度で臨めば良いのか』その方法を確立できていなかったりします。
ここをクリアすると、また人間として一回り成長するような気もしますが、さて、一筋縄ではいかないあの連中が、そんな簡単に少年の成長を促してくれるのやら……?
ところで序章にメインテーマがあるのをお忘れなく 鎌池和馬