佐藤大輔のレビュー一覧
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奇襲、野戦の指揮官として頭角を現してきた新城でしたが、彼を快く思わない五将家・守原により、殿軍さらには撤退途中の要塞司令官と籠城防衛を命じられます。
またしても圧倒的に不利な状況の中でわずかな勝機を見いだしますが、彼我の物量の差は明白です。
2日間の攻防戦では双方に甚大な被害が出ます。
振り返ってみれば、先の大戦でも多くの将兵が命を落としましたが、戦場での特異な精神状態についても、想像することができるのがこの作品の特徴ではないでしょうか。もちろん、戦争は避けるべき「絶対悪」ですが、そこに(否応なしに)巻き込まれてしまった以上は、そのシステムに飲まれて動いた方が「苦しみが少ない」というのもま -
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<帝国>の<皇国>侵攻が本格化します。北領を占領した<帝国>が上陸作戦をすすめるなか、近衛の大隊長・少佐となった新城もまた戦場に駆り出されます。
面倒な政治に巻き込まれることを嫌いながら、その渦中に放り込まれた新城の奮闘が続きます。
彼の作戦は軍隊の常識とはかけなはれているものであるものの、なるほど理論的な面もあり、「周囲の莫迦ども」がいなければ大戦果を挙げることができるものばかりです。
うまく行くはずだった作戦が、自分の努力ではどうしようもないことによって破綻してゆく、そして「敗軍の将」となってゆく姿を見るに、それが新城の「運命」であるようにも思えますし、しかしその運命に可能な限り抵抗して部 -
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RSBC別バージョン
RSBCが架空の日独戦争なのに対してこちらは架空の日米戦争を描いた物語だ。何時もの佐藤大輔作品として安定して面白い。
RSBCにあった書き換え校正(彼をかれと必ず平仮名書きにするなど)が本作ではなくなっており、ようやく正常に戻った事に一安心した。 -
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購入済み
作品は文句なしに面白いが…
作品は文句なしに面白いが、この本自体には一部問題がある。
校正のせいで読みづらくなっている文章が多々あるのだ。例えば「彼」をこの巻では何故か「かれ」と平仮名に統一している。1巻では「彼」と表記していたから表記の揺れがおきている。他にも「考え」「思う」など、様々な単語を無理に平仮名表記に換えたような文章が終盤に増えてくる。一つの文がほとんど平仮名になっていたり、非常に読みづらい場合がある。
4000円もする本でこの校正はちょっとどうかと思う。 -
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ネタバレパンツァーエルフは1(上)、1(下)で終わる(打ち切り)かと思っていただけにでると聞いた時は、『こっちかよ』と言いつつ喜んだりしたものの、(他の数冊と同じく)『遺作』になっちゃったわけで、しばらく寝かせていた訳よ(埋まっちゃったとも言う)
帯に『これが佐藤大輔の真骨頂』とあるが、『これも、佐藤大輔の真骨頂』くらいの印象かな。
ユタカくんが戦闘童貞を捨て、3000年生冷暖(の一部?)のアルフェイムへの取り込みに成功したけど、人類兵団を掌握したアリアたんがまずは一当てしたところまでが2(上)
そうそう。アリアたん!
(人類兵団が「A君の戦争」の親衛師団"総統ファンクラブ"ののり -
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ネタバレリェータで生誕種別対立の予兆が始まり、事態の悪化は進む。そして南郷と永井がN-3へ
新作短編が追加されていなかったが、これまでの文庫化で最も大きく加筆されている驚き。
これまで、接触戦争の詳細は語られていなかったからね。
『その気になってしまった日本人は正義の戦争に熱狂した』
『イギリス人、その根性の悪さは異星人相手でも変わりは無かった』
『アメリカ人は、かれらの国家を成り立たせているファンタジー、すなわち独立戦争の再来を思わせる強大な敵の侵攻に奮い立ち、自国領内で反応兵器を使用することすらためらわなかった』
まあ、最悪の敵だよね。『全てあわせると何が出来るか…悪魔というのだ』とか言いたくなる