信田さよ子のレビュー一覧

  • 傷つく人、傷つける人

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    (心理的に)傷つく、傷つけるということは、人間同士のある程度以上の距離の地下さの中で起こる。
    もちろん通りすがりの人に傷つけられることはあるが、それも、他人と自分の距離が分からないと、長く引きずることになるのではないか。

    人間関係の距離を車間距離に例えたのはわかりやすい。
    危険な車には近づかないのはあたりまえ。
    前の車が、安全運転の優良ドライバーだったとしても、一定の車間距離で安全を保つのです。
    親密でなくてはならないという幻想に囚われ、家庭の中では数々の問題が起きている。
    そして、傷つけられたり、傷つけたりしていることに気づかないし、認めようとしない。

    母と娘の問題は、自分に置き換えられて読むのが苦しい。
    理由が分かったとしても、解決できるのではないなら、軽度の心理的虐待なら、気づかない方が幸せかもしれない。

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    2013年09月15日
  • 傷つく人、傷つける人

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    なぜ傷つけるのか、傷つくことをどうとらえたらよいのか、傷つくことが必要なのか。虐待、DV、いじめ等の例を交え両者をカウンセラーの視点から考えていくという本。常識は時に被害者に追い打ちをかけ、加害者の側に立つ事があるというのが印象的。また、傷ついた時にはアクションが取れず茫然としてしまう、近しい人間から傷つけられたと認識するには何年もの時間がかかるなど、そうだよなぁと思う事が多く書かれている。目新しい事が書かれているわけではないが、改めて「傷つく」と向かい合う時に見落としている何かに気付ける一冊。お勧め。

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    2013年08月31日
  • 選ばれる男たち 女たちの夢のゆくえ

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    決して暴力などふるわず、疲れているパートナーをいたわり、ゆっくり話を聞いてやる。そして相手を見上げ、相手からかわいい!と思われる。そして、自らの持つ権力性に自覚的であること。

    草食系男子って、経験に学ぶ、時代の必然なのですね。日本の若者に、ハッピーが続きますように。

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    2013年11月04日
  • 家族収容所

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    親の夫婦関係が子供に深い影響を与える。共依存とDV、ふつうの家族と暴力や虐待は地続き。危険性を認知していればこそ、安全な運転ができる。

    世の中のオジサンを見る目がちょっと変わった感じです。

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    2013年11月04日
  • 選ばれる男たち 女たちの夢のゆくえ

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    WEB連載がもとになっているというせいもあるかもしれないけど、この前に読んでいた『変わる家族と介護』の地に着いた感に比べると、威勢はいいんだけどどっかでも聞いたことある感で進んでいく話。結局、女たちが求めているのは女みたいな男(ま、純草食男みたいなね)だというんだけど、本当かなあ? 物足りなくなっちゃうんじゃないの? それに男の立場も考えてあげるべきだと思う。希少価値だから元気がいいってこともあるわけで、消沈した男がデフォルトになったら、確かに今まで女たちが面白くない思いをしていた一部は癒えるかもしれないけど、別の意味の楽しさがなくなってしまうような……。
    日本で女やるのって、いちばんお気楽だと思ってる。そりゃ、男女差別が今だってたくさんあるけど、弱そうな立場を利用しつつ楽しくしたたかに生きることもできてるじゃない。ま、日本の男もある意味、世界に類をみないお気楽な立場だなとも思うんだけどね。この本みたいに、声高に訴えられないぶんだけ、男たちのほうがつらそうかなと。結局、そういう男女がつくる社会ではイーブンな男女関係は進みそうにない。
    以下の引用部には共感!

    だから、草食系男子という一群の男性たちがいつまで草食系でいるのかについて、私はきわめて深い懐疑を抱いている。
    男性の育児休業取得の割合が低いという事実が明らかにしているように、従来の価値観(性別役割分業、男尊女卑など)に基づくコードは厳然と生きている。親戚づきあい、保育園の送迎などの様々な場面で、コードに抵触する男性は必ず「男のくせに情けない」と評価されるだろう。女性のほうも、「ひどい妻」として酷評されるかもしれない。
    このように、結婚という制度に参入することは、日本に脈々と流れ続ける家族の常識に巻き込まれるということを意味する。
    その中にあって、男性がなお草食系であり続けるためには、多くの軋轢と戦う覚悟が必要となる。自然体で流れに逆らわないことを旨としてきた草食系の男性に、そんな覚悟があるのだろうか。 
    (p.186-187)

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    2012年04月22日
  • 選ばれる男たち 女たちの夢のゆくえ

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    なんというか、観察も分析もあらゆる点でまちがっているのではないかと思わされるが、でもまあこれが正直なところなのだろう。正直は美徳。信田先生自身が一つの現象としていろいろ分析されるべきだ。

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    2020年06月15日
  • 結婚帝国

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    「結婚」というものとそれにまつわるあれこれの問題について2人の巨頭が対談する本書。カウンセラー(但しかなり型破りな!)の信田先生が、社会学者である上野氏とどのような「化学反応」をするのか、楽しみながら読んだ。…と、言いたいところだが、テーマがテーマだけになかなか単純に「楽しむ」とはいかないのである。お互いに身も蓋もない発言を乱発しつつエスカレートしていく議論はエキサイティングではあるが、やはり術語のすれ違いは否めない気がする。いや十分刺激的なのではあるけれども。DVや性犯罪など、心理臨床とも社会学とも強く関連するテーマにかなりディープに踏み込んでいるので、多少なりとも関心のある向きは必読か。但し男性が本書を開く前には深呼吸してからにしよう。

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    2011年08月25日
  • 選ばれる男たち 女たちの夢のゆくえ

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    この本は、アラカン(アラウンド還暦)の女性の立場から同世代の男性を論じたものである。

    著者と同世代の方が読んだら共感できることが多いかもしれないし、まだ余裕のある方が読んでも、将来の夫選びの役に立つのではないかと思われた。

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    2011年07月25日
  • 父親再生

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    今週おすすめするのは、『父親再生』という挑発的なタイトルの一冊。臨床心理士として長く家族の問題を扱ってきた信田さよ子氏による父親論です。

    著者は、これまで多くの本を著していますが、父親について書くのは実は初めてだそうです。父親について書かなかった理由は、「父親は家族の中に存在しているのに、その姿が見えない。話しているのに、言葉が沁みてこない」から。何とも手厳しい評価ですが、実際、著者が出会ってきた家族では、家族の問題と向き合おうとせず、協力もしようとしないとう父親のほうが普通のようです。カウンセリングをしても、まるで会議をでもしているようにしか話せない。自分の感情や言葉というものが奪われてしまっている。

    何故か。著者は、「怖れ」が理由ではないかと推測します。それは「現実を認めることへの怖れ」であり、「妻に負けることへの怖れ」であり、「誤解・批判されることへの怖れ」です。現実を認めるのが怖いから家族の問題から目を背け、主導権を握られたくないから妻への協力を拒む。誤解や批判を避けるために習慣化したロジカルで客観的な仕事モードの話し方は、家族との関係づくりを妨げる…。

    本書では団塊の世代の父親に焦点を当てていますが、このような問題というのは、多かれ少なかれどの世代の男性にも共通するものではないでしょうか。ほんと、男ってどうしようもないですね。でも、そういうところがあるということについては、認めておいたほうがいい。著者が言うとおり「失敗しないためには失敗例から学ぶのがいちばんいい」からです。そういう意味では、男性・女性、既婚・未婚を問わず、読んでおくべき本だと思います。

    もっとも、個人的には、父親論よりも、団塊世代論のほうが圧倒的に面白かったです。本書を読んで初めて認識したのは、団塊の世代の多くが身を投じた学生運動が、「運動」ではなく「戦争」であったということです。多くの学生が思想に命をかけ、実際に命を落としているという事実。それは、実際の戦争と同じく、生き残った人々から言葉を奪います。自分だけ生き残ったことに対する後ろめたさや、自らの「正義」を守ることができなかったことへの挫折感や罪悪感から、生存者は自らの過去に対して口をつぐむのです。

    だから団塊の世代は語る言葉を持っていない。いや、語り得ないのだ。というのが自身も団塊の世代である著者の見方です。自分のことを語れないから、息子ともコミュニケーションできない。青春を総括できないことが世代間の断絶の原因になっているのです。それは親子の間だけの問題ではないでしょう。過去と断絶した社会は、人々を支える強さと根拠を失います。今の社会が底が抜けてしまっているのは、戦後の60年以上を、語り得ぬままに生きてきてしまったからだと思うのです。

    未だ戦後処理は終っていないということに気付かせてくれる一冊です。是非、読んでみてください。

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    ▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)

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    カウンセリングの基礎は、目の前のクライエントがどのような考えをもっていようと、どのような言葉を発しようと、そのことを否定しないところにある。(…)おそらくトオルさんの父親のように組織内でまじめに働いてきた男性は、無批判に話を聞かれることは初めてだったのだろう。飲み屋に行って酔ったときぐらいしか、自分の話を無批判に聞いてもらうことはなかったのかもしれない。もしくは、先手必勝とばかりに先に他者を批判することによって、自分への批判を封じるという逆パターンを用いてきたのかもしれない。

    犯人捜しはそれほど難しくはない。多くの父親たちは、ほぼ全員が犯人は妻だと考えているからだ。「お前の育て方が悪かった」と妻に言えば、一件落着とでも思うのだろうか。一生懸命息子を育ててきた妻にしてみれば、夫のこの言葉は何より残酷である。

    妻に比べてともに過ごす時間が圧倒的に少ないことが、息子の現実に直面する恐怖から彼らを守ってくれる。もしくはそのためにわざと自宅にいる時間を減らしているのかもしれない。

    父親はなぜ息子の現実を見るのが怖いのだろう。彼らの恐怖はどこから湧いてくるのだろうか。
    恐らくそれは、彼らが息子を自分の分身と思っているからだろう。

    もし父親たちがカウンセリングにやってくる機会があればこう言いたい。
    「息子さんがコースから外れたことであなたが深く傷ついていることはよくわかります。それだけ息子さんのことを思っていらっしゃるのですね。しかし、あなたが傷つき、まるで自分の人生が否定されるかのような恐怖を抱かれたとしても、それはあなた自身の問題なのです。苦しいでしょうがそれを自分で抱え込み、それでも踏みとどまり、息子さんの現実から逃げずに対峙してもらいたいのです」

    いくら社会的に成功者であろうと、仕事ができようと、家族における父親のふるまいが息子からの評価を決定するのだ。

    父親たちの言い分も取り上げなければ不公平だろう。しかし、そこでハタと考え込んでしまった。彼らの言い分が見えないのだ。彼らの自分語りが聞こえないのだ。

    同じ政治の季節を過ごした男女が、結婚後、かたや日本経済を支える企業戦士となり、かたや専業主婦として手探りで女性の生き方を探る。同じ世代でありながら、ジェンダーによってこのような二方向へ分化せざるを得なかったことは強調されなければならない。それは彼ら/彼女らの家族における夫婦関係を規定する大きな要因となった。これが多くの団塊世代の夫婦の基本形だと言えばあまりに断定しすぎだろうか。

    多くは定年を迎え、社会の第一線を退きつつある団塊世代の男性たちだが、彼らが学生時代に体験したことは、いまだに語られないまま総括されずにいるのではないだろうか。この総括の未遂と保留が、奇妙な空白となって息子への沈黙を生んでいるように思われる。

    しかし、それでも父親には語るべき責任がある。どんな中途半端な内容でもいい、語れないと言葉に出すだけでもいい。それが息子の空白や断絶を埋めることであり、息子に対して父親のできる「愛情表現」なのだ。どのような語り口であっても伝える責任がある、と私は思う。

    流行語になった草食系男子だが、背景としてあまり指摘されていないのが、彼らの母親の存在である。多くは団塊世代である彼女たちは、おそらく夫のようにはならないように息子を育て上げたのだ。(…)母親の夢の男に育て上げることで、仕事中心で家庭を顧みない夫や専業主婦である自分を見下す視線に復讐しようとしたのだろう。

    少し改まった会話になると、会議調でしか語れない男性は多い。規範や常識を語ることはできても、個人としての自分について語る言葉を失ったかのような彼らは、しばしば最も身近な存在に対して暴力という方法で自己表現を行なう。この自分を語る言葉の貧困さは、個性や性格というより、組織から期待された人間像の結果なのかもしれない。

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    ●[2]編集後記

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    先日、41歳の誕生日を迎えました。

    勤め始めた頃、40代の人々は雲の上の人でしたが、今、こうやって40代になってみても、当時、自分が見上げていたような立場には全然なれていないなと感じます。ほんと、いい歳になったんだから、頑張らないといけません。

    土曜日は久しぶりに家族で揃って食事。友人がやっているレストランで誕生日ディナーをしました。妻と娘からは、絵手紙をプレゼントにもらいました。娘の描いた絵と妻の言葉。どんなプレゼントよりもこういうもののほうが嬉しいですね。We are always with youという言葉に、胸の底が温かくなりました。

    妻からは別にプレゼントがあって、それはなんと、純白のフンドシでした。早速、はいて、というか、締めてみたのですが、贅沢にも絹製なので、これが実に気持ちよく、癖になりそうです。

    フンドシを締めてかかる、と昔から言いますが、不惑の40代、ブレることなく、気持ちを引き締めて頑張らないといけないですね。そんな意もこめてのフンドシなのだろうな、と思ったのでした。

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    2010年09月13日
  • 父親再生

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    視点はよいが、ぼくに響かなかったのは団塊ジュニアじゃないからか。それとも登場人物のサンプルの問題か。

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    2010年08月03日
  • 選ばれる男たち 女たちの夢のゆくえ

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    世間でちゃんとしていると評価されているおじさんたちでも家に帰ってきたらこんなもんなんでしょうか女の関係は並列男の関係は上下 とかいいますけど。実は電車で読んでいて目の前のおじさんになんか大変申し訳なく。。

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    2011年09月20日