アン・クリーヴスのレビュー一覧

  • 水の葬送

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    イギリスの作家「アン・クリーヴス」の長篇ミステリ作品『水の葬送(原題:Dead Water )』を読みました。

    『大鴉の啼く冬』に続き、「アン・クリーヴス」作品です。

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    シェトランド島の地方検察官「ローナ」は、小船にのせられ外海へ出ようとしていた死体の発見者となる。
    被害者は地元出身の若い新聞記者だった。
    本土から派遣された女性警部が「サンディ刑事」たちと進める捜査に、病気休暇中の「ペレス警部」も参加し、島特有の人間関係とエネルギー産業問題が絡む難事件に挑む。
    〈シェトランド四重奏(カルテット)〉を経て著者が到達した、現代英国ミステリの新たな高

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    2023年03月14日
  • 大鴉の啼く冬

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    イギリスの作家「アン・クリーヴス」の長篇ミステリ作品『大鴉の啼く冬(原題:Raven Black)』を読みました。

    「P・G・ウッドハウス」、「セバスチャン・フォークス」の作品に続き、イギリス作家の作品です。

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    【CWA最優秀長編賞受賞作】
    新年を迎えたシェトランド島。
    孤独な老人「マグナス」を深夜に訪れた黒髪の少女「キャサリン」は、4日後の朝、大鴉の舞い飛ぶ雪原で死んでいた。
    真っ赤なマフラーで首を絞められて。
    住人の誰もが顔見知りの小さな町で、誰が、なぜ彼女を殺したのか? 
    8年前の少女失踪事件との奇妙な共通項とは? 
    「ペレス警部」の前に

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    2023年03月14日
  • 炎の爪痕

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    ネタバレ

    シリーズ完結。
    15年かけてシェトランドに思いを馳せて来たので
    感慨深いものがあります。
    特に4作目の衝撃は今なお忘れられません。

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    2023年01月26日
  • 白夜に惑う夏

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    ネタバレ

    シェトランドシリーズ第2巻。
    前回と打って変わり、今回は夏のシェトランド諸島。描写が良い。

    北極圏に近いからか、夏は白夜があるらしい。
    いまいち距離感が掴めないけど、イギリス本島(と言っても良い?)の北の方でもそうなのだろうか?

    2作目の今回も、事件自体は結構シンプル。
    ペレスとフランの前で泣き崩れた記憶喪失の男が、翌日ボート小屋で死体となって発見される。しかもピエロの仮面を被って。シェトランド諸島の北側が舞台。夜でも明るいことによる不協和音と、前作以上に閉塞感のある人間関係。

    今回も、最後の最後まで犯人がわかりません笑
    2作目でようやく気付いたけど、伏線は張ってあれども、真相まで辿り着

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    2023年01月22日
  • 大鴉の啼く冬

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    ネタバレ

    アン・クリーヴスのシェトランドシリーズ(カルテット)第1巻。
    全8冊のシリーズがとうとう完結したとのことで。
    15年ぶりの再読(奥付見て、購入してからそんなに経つかと愕然)。

    女の子が殺された。過去にも行方不明になった女の子がいる。現場近くに怪しい男が住んでいる。
    事件自体はシンプルで、大掛かりなトリックはない。小さなコミュニティのシェトランド諸島で、誰が何のために殺したか。4人の視点から語られる。

    終盤近くになり、殺された女の子の行動が明らかにされる。そこからの展開は早い。
    シェトランド諸島の有名な祭りアップ・ヘリー・アーの最中、容疑者と思われる登場人物が順番に姿を現す場面は圧巻。最後の

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    2023年01月03日
  • 大鴉の啼く冬

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    シェトランドについては犬しかイメージがなかったが、木も生えない寒い土地で、イギリスからもノルウェーからも14時間も掛かる場所だとは思っていなかった。天然のクローズドサークルだが、謎解きのミステリではなかった。狭い世界に暮らす人間模様をミステリ仕立てで表現したものといった印象。
    手掛かりらしい手掛かりは与えられないので、最後まで犯人は分からなかったが、胸に何かが残る作品だった。

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    2022年11月12日
  • 大鴉の啼く冬

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    イギリス最北端にあるシェトランド諸島を舞台に、それぞれの人生でこの諸島と何らかの関係を持ち続ける人々の間で発生する事件。ある女学生が死体で発見され、8年前に発生した少女失踪事件(その後死体で発見される)が想起されるなか、両方の事件の容疑者として知的障害のある老人が逮捕される。
    事件の謎がクリアに解き明かされないなか、新たに少女失踪事件が発生する。犯人は誰だ?第三の連続事件か?と謎を膨らませて最終章へと向かう。
    派手さはないが、事件の真相へと地道に捜査を進める地元の警部ジミー・ペレス。静かに進行していた犯人探しが、第三の事件発生と同時に急展開する。
    犯人として絞り込まれた人物を追い求め、たどり着

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    2022年05月18日
  • 地の告発

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    シリーズ7作目。
    ペレス警部の心理、行動とシェトランドの風土も絡んだ捜査の進行など、文章も読みやすく読んでいて楽しい。
    サンディも少し成長してきた。
    次作が最終作とのこと、新たな恋の行方も含め、最後はある程度のハッピーエンドを期待。

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    2021年12月20日
  • 大鴉の啼く冬

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    ヴェラシリーズの作者だと知り読んでみた。
    舞台はスコットランドのさらに北にあるシェットランド諸島。文章からだけでこの土地の寒い厳しい冬を体感しているかのように感じられる。タイトルの「大鴉」は「おおがらす」と読む。

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    2021年12月09日
  • 水の葬送

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    ネタバレ

    シェトランド島シリーズの五作目。

    その後のお話。
    忘れ形見のキャシーの世話をしながら、
    病気休暇中のぺレス警部は、
    ゆるやかに事件捜査に巻き込まれていく。

    誰もがファーストネームで呼び合うシェトランド島で、
    孤高を保っている地方検察官が殺害された死体を発見する。
    被害者は地元出身の新聞記者で、むかし、妊娠させた恋人を捨てて島をでていたが、
    里帰りをしていたところだった。
    また別の島出身の女性警部が捜査にやってくる。
    ペレス警部は悲しみの淵から戻ってくることができるのだろうか、
    事件を解決することができるのだろうが。

    最初はいらいらさせられたサンディが。
    なんだか愛らしく感じられてくるのは

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    2021年07月26日
  • 青雷の光る秋

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    ネタバレ

    シェトランド島シリーズの四作目。

    平和ボケと言うべきか。
    ここのところ、ハッピーエンドを約束された
    コージーミステリーとも言うべき古いミステリーを読んでいたので、
    まさかこんな衝撃的な展開になるとは、
    全く予想していなかった。

    バードウォッチャーたちのオタクな世界も、
    このシリーズで初めて登場したペレス警部の故郷フェア島の風景も、
    ペレス警部の家族問題も、
    著名なフィールドセンターの職員が殺された事件も、
    すべて吹っ飛んでしまった。
    婚約したばかりのフランが殺されてしまったので。

    このシリーズを読み進めて来て、
    ある時はシェットランド島の自然を、
    ある時は濃い目の人間関係を、
    ある時は部

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    2021年07月12日
  • 野兎を悼む春

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    ネタバレ

    シェトランド島シリーズの三作目。

    意外なことに、
    ちょっとお荷物でぺレス警部をいらいらさせていた
    サンディ刑事のお話になっていた。

    フェリーを日常的に使うような土地に住んだことがないので、
    どんな感覚なのか、うかがい知れないところはあるが、
    クリーニングを出しに行くのに、フェリーでシェトランド本島へ行くような
    すぐ近くの島、ウォルセイ島が舞台。

    若くして未亡人となり、男性たちと浮名を流し、
    知らないゴシップはなく、
    ”魔女”とまで呼ばれていたサンディの祖母ミマが亡くなる。
    サンディの従兄弟による散弾銃の事故と思われていたが…。

    殺人事件やその事件がもたらす共同体や人間関係の緊張感が、

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    2021年07月05日
  • 白夜に惑う夏

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    ネタバレ

    「大鴉の啼く冬」の続編。

    季節は冬から夏へ。
    白夜の時期を迎え、たくさんの観光客が船で訪れている
    シェットランド本島。

    前作で少女の死体を発見したフレアは、
    地元の有名な画家のと個展を開く。
    見知らぬ男が現れ、フレアの絵を見て泣き出す。
    ぺレス警部が男を部屋から連れ出すが、
    姿を消し、死体をなって発見される。

    自殺ではなく他殺だと判明して、
    テイラー主任警部がまた島へやってきて、
    ぺレス警部と捜査に当たる。

    行方不明の男が殺されていたのは予想通りだったが、
    死体のつけていた仮面とか、
    有名な画家が酷評した素人の水彩画とか、
    何か殺人と関係あるかと思ったが、肩透かしにあった。

    でも、そ

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    2021年06月25日
  • 大鴉の啼く冬

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    ネタバレ

    ネットで見かけて。

    シェトランド島。
    イギリス、グレートブリテン島の北東部にある、
    佐渡島の1.1倍の面積の島が舞台。
    新年の雪の中を若い女の子が死体で発見される。
    8年前、同じ家に住んでいた少女が失踪しているが、
    何か関連があるのだろうか。

    正しくはメインランド、本島とだけ呼ばれており、
    最もさかえている町、ラーウィックですら、
    誰にも知られずおならもできない、と言われるぐらい
    こじんまりとした、誰もが顔見知りの社会そのものが、興味深かった。
    周りの島の子供たちは、高校になると本島の寄宿舎に入って学校へ行くとか。
    島によっては、週末も家に帰れないとか、
    ヴァイキングの格好をして練り歩く、

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    2021年06月17日
  • 地の告発

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    ネタバレ

    忘れがたいシェットランド四重奏の衝撃の結末が未だに尾を引いているのだが、
    その後のペレス警部シリーズも3作目となる。
    なるほど、マイルストーンね。
    主役はシェットランドの地とも言えるこのシリーズの冬の部を、こちらも極寒の季節に読めるというのは至福。
    何人もの目撃者が異常に記憶力よいのと、後出し的な都合の良すぎる部分が謎解きとしては少々気にはなったが、それよりも派手なところのない登場人物たちがとても好きなので楽しかった。
    シェットランドにスペイン系のハンサムがいたらそりゃかっこよさが際立ちますわ。しかも世界一優しい!

    ミステリに恋愛要素が入るのは好きでなく、まして捜査員同士というのはとてもいや

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    2021年01月09日
  • 大鴉の啼く冬

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    なんでも日本のミステリ界では数年来「北欧ミステリ」と言うのが人気のジャンルのようですね。北欧ミステリとは、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの主に5か国が舞台となるミステリー作品のことを言います。最近だとアイスランドを舞台にした「湿地」が有名になりましたね。

    私たちが北欧と聞くと、福祉が充実しているとか子供の教育では世界でも定評があるだとかを想像します。しかし実際のところは、高福祉の代償として現役世代へ非常に重い税負担が強いられていたり、移民問題が重くのしかかり移民への排斥が問題視されているといった負の側面も少なくありません。豊かな自然や高福祉などの明るい部分と

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    2020年12月30日
  • 大鴉の啼く冬

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    ネタバレ

    やっぱり好きだなぁこの作家。
    だいぶ前に何の気なしに一作品だけ読んだけど、思いがけず心理描写に優れ、何とも言えないひりひりした世界観をつくり出すなぁと感じたことだけは憶えている。

    シェトランド島四重奏の第1作。
    誰もが顔を知っている閉ざされた環境の中で起きた少女の殺人事件。
    8年前の事件との関連からすぐに容疑者が浮上し逮捕へと。

    一方、少女の父親ユアン、本土から来た警部テイラー、そして島出身の刑事ペレスは真相は別のところにあるのではと少女が生前のめり込んでいた映画製作の課題に目を向ける。

    後半のとある場面でそれっぽくなく、さらりと真犯人に真相を語らせるなんてにくすぎる。

    事件だけ見ると

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    2020年09月15日
  • 青雷の光る秋

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    ネタバレ

    CL 2018.8.11-2018.8.14
    シェトランド四重奏のラスト。
    ここまで読んできて、とても好きなシリーズだったのに。
    衝撃の結末に納得がいかない。
    どうして作者はこの人を死なせる必要があったのか。
    残念、残念。

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    2018年08月21日
  • 空の幻像

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    *概要のコピー
    ペレス警部のもとに、アンスト島でエレノアという女性が失踪したとの知らせがはいる。彼女はテレビ番組の制作者で、親友の結婚式への出席と取材を兼ねて、夫や友人たちと島を訪れていた。現地に渡ったペレスが捜索をはじめてまもなく、エレノアは死体で発見される。島に伝わる少女の幽霊――1930年に溺死した“小さなリジー”のことを取材していた彼女は、失踪する前日に「浜辺で踊る白い服の女の子を見た」と話していたが、そのことと事件との関係は……。シェトランド諸島を舞台に、繊細かつ大胆に織りあげられた、現代英国本格ミステリの優品。

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    2018年07月31日
  • 水の葬送

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    4部作で終わった「シェトランド四重奏(カルテット)」に続く新シリーズ。
    ジミー・ペレス警部シリーズということのようです。

    スコットランド最北端のシェトランド諸島。
    地方検察官のローナは、家の近くで不審な小船を発見します。
    被害者は地元出身の若い新聞記者で、何かの取材に戻っていたらしい。
    ジミー・ペレスはいまだ病気休職中。幼い娘と暮らしています。
    ペレスの部下でいささか頼りないサンディ刑事が迎えたのは、本土から派遣された女性警部ウィロー・リーヴズ。
    慣れない土地で型通りの捜査をきちんと進めるといった感じで、失意のペレスもしだいに参加することに。

    この島には珍しい都会的なキャリアウーマンのロー

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    2018年06月10日