アン・クリーヴスのレビュー一覧
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ネタバレアン・クリーヴスのシェトランドシリーズ(カルテット)第1巻。
全8冊のシリーズがとうとう完結したとのことで。
15年ぶりの再読(奥付見て、購入してからそんなに経つかと愕然)。
女の子が殺された。過去にも行方不明になった女の子がいる。現場近くに怪しい男が住んでいる。
事件自体はシンプルで、大掛かりなトリックはない。小さなコミュニティのシェトランド諸島で、誰が何のために殺したか。4人の視点から語られる。
終盤近くになり、殺された女の子の行動が明らかにされる。そこからの展開は早い。
シェトランド諸島の有名な祭りアップ・ヘリー・アーの最中、容疑者と思われる登場人物が順番に姿を現す場面は圧巻。最後の最後まで犯人が分からず、フーダニットを楽しませてもらった。 -
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イギリス最北端にあるシェトランド諸島を舞台に、それぞれの人生でこの諸島と何らかの関係を持ち続ける人々の間で発生する事件。ある女学生が死体で発見され、8年前に発生した少女失踪事件(その後死体で発見される)が想起されるなか、両方の事件の容疑者として知的障害のある老人が逮捕される。
事件の謎がクリアに解き明かされないなか、新たに少女失踪事件が発生する。犯人は誰だ?第三の連続事件か?と謎を膨らませて最終章へと向かう。
派手さはないが、事件の真相へと地道に捜査を進める地元の警部ジミー・ペレス。静かに進行していた犯人探しが、第三の事件発生と同時に急展開する。
犯人として絞り込まれた人物を追い求め、たどり着いたと思った矢先に待ち受ける、どんでん返し。
事件の背景にある人間関係、そこから生まれた犯人の心理、よく考えられた謎解きとして楽しめる。 -
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ネタバレシェトランド島シリーズの五作目。
その後のお話。
忘れ形見のキャシーの世話をしながら、
病気休暇中のぺレス警部は、
ゆるやかに事件捜査に巻き込まれていく。
誰もがファーストネームで呼び合うシェトランド島で、
孤高を保っている地方検察官が殺害された死体を発見する。
被害者は地元出身の新聞記者で、むかし、妊娠させた恋人を捨てて島をでていたが、
里帰りをしていたところだった。
また別の島出身の女性警部が捜査にやってくる。
ペレス警部は悲しみの淵から戻ってくることができるのだろうか、
事件を解決することができるのだろうが。
最初はいらいらさせられたサンディが。
なんだか愛らしく感じられてくるのは、
少しずつ成長しているからだろうか。
ペレス警部への敬愛を失っていないからだろうか。
少しづつ立ち直りつつあるペレス警部と女性警部の仲が
どうなっていくのか、かなり気になる。 -
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ネタバレシェトランド島シリーズの四作目。
平和ボケと言うべきか。
ここのところ、ハッピーエンドを約束された
コージーミステリーとも言うべき古いミステリーを読んでいたので、
まさかこんな衝撃的な展開になるとは、
全く予想していなかった。
バードウォッチャーたちのオタクな世界も、
このシリーズで初めて登場したペレス警部の故郷フェア島の風景も、
ペレス警部の家族問題も、
著名なフィールドセンターの職員が殺された事件も、
すべて吹っ飛んでしまった。
婚約したばかりのフランが殺されてしまったので。
このシリーズを読み進めて来て、
ある時はシェットランド島の自然を、
ある時は濃い目の人間関係を、
ある時は部下の成長を、
そしてもちろん殺人事件の解決を楽しみながら、
ぺレス警部とフランが関係を育んでいくのを
暖かく見守ってきたのに。
ほんとうに、酷い話だ。 -
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ネタバレシェトランド島シリーズの三作目。
意外なことに、
ちょっとお荷物でぺレス警部をいらいらさせていた
サンディ刑事のお話になっていた。
フェリーを日常的に使うような土地に住んだことがないので、
どんな感覚なのか、うかがい知れないところはあるが、
クリーニングを出しに行くのに、フェリーでシェトランド本島へ行くような
すぐ近くの島、ウォルセイ島が舞台。
若くして未亡人となり、男性たちと浮名を流し、
知らないゴシップはなく、
”魔女”とまで呼ばれていたサンディの祖母ミマが亡くなる。
サンディの従兄弟による散弾銃の事故と思われていたが…。
殺人事件やその事件がもたらす共同体や人間関係の緊張感が、
リアリティと言うよりかは、
自然な感じで描き出されているのがすごいと思う。
ロンドンへの出張についていけるかと思って目を輝かせていたサンディが、
ひとりで行くことになって怯えたところや、
ぺレス警部が子供を見送るような気持ちで送り出したところ、
無事、重要な出張をやり終えて、
サンディがちょっぴり大人になったところが面白かった。
そして、ぺレス警部はフランと結婚するの? -
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ネタバレ「大鴉の啼く冬」の続編。
季節は冬から夏へ。
白夜の時期を迎え、たくさんの観光客が船で訪れている
シェットランド本島。
前作で少女の死体を発見したフレアは、
地元の有名な画家のと個展を開く。
見知らぬ男が現れ、フレアの絵を見て泣き出す。
ぺレス警部が男を部屋から連れ出すが、
姿を消し、死体をなって発見される。
自殺ではなく他殺だと判明して、
テイラー主任警部がまた島へやってきて、
ぺレス警部と捜査に当たる。
行方不明の男が殺されていたのは予想通りだったが、
死体のつけていた仮面とか、
有名な画家が酷評した素人の水彩画とか、
何か殺人と関係あるかと思ったが、肩透かしにあった。
でも、その肩透かし感が
地に足がついた事件、というとおかしいが、
猟奇的でも、過剰な演出や残虐性もなく、
いかにも実際に起りそうな事件に感じさせるのかもしれない。
テイラー主任警部は、
金のかかった優雅な家に住みたいと思ったり、
有名人になることにあこがれていたりと、
意外と人間臭い側面を出してきたので、
リヴァプールの重大犯罪捜査班に異動してしまうのが、
ちょっと残念だった。
そして、もちろんフレアとペレス警部の仲が
友人から恋人になったのは良かった。
日本人観光客の一団が、
がシェットランド島の空港にいたのには吹き出した。
もちろん、自分も行ってみたい。 -
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ネタバレネットで見かけて。
シェトランド島。
イギリス、グレートブリテン島の北東部にある、
佐渡島の1.1倍の面積の島が舞台。
新年の雪の中を若い女の子が死体で発見される。
8年前、同じ家に住んでいた少女が失踪しているが、
何か関連があるのだろうか。
正しくはメインランド、本島とだけ呼ばれており、
最もさかえている町、ラーウィックですら、
誰にも知られずおならもできない、と言われるぐらい
こじんまりとした、誰もが顔見知りの社会そのものが、興味深かった。
周りの島の子供たちは、高校になると本島の寄宿舎に入って学校へ行くとか。
島によっては、週末も家に帰れないとか、
ヴァイキングの格好をして練り歩く、ウップ・ヘリアーという祭りとか。
といっても、閉塞感はあまりない。
比較的登場人物たちが、それほど感傷的でも、
それほどヒステリックでもないせいだろう。
どちらかというと、内省的。
意外なことに、二つの事件が同一犯でなかったのも、
陰惨さを軽減できたのかもしれない。
読み終わった後に、火の祭り、ウップ・ヘリアーを調べてみて、
ちょっとがっかりした。
なんだろう、コスプレしているだけにしか見えないというか。
日本にも時代祭、という似たようなお祭りがあるが、
どうも「祭り」には思えない。
私にとっては、自分が何をやっているのか意味が分かるようなお祭りは
「祭り」ではないようだ。
なぜ、大木の柱にまたがって急な坂を降りるのか。
なぜ、寒い中、裸で押し合いへし合いするのか。
なぜ、山盛りのご飯を食べるか。
起源や、理由や意味がわからないところに「祭り」はある気がする。 -
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ネタバレ忘れがたいシェットランド四重奏の衝撃の結末が未だに尾を引いているのだが、
その後のペレス警部シリーズも3作目となる。
なるほど、マイルストーンね。
主役はシェットランドの地とも言えるこのシリーズの冬の部を、こちらも極寒の季節に読めるというのは至福。
何人もの目撃者が異常に記憶力よいのと、後出し的な都合の良すぎる部分が謎解きとしては少々気にはなったが、それよりも派手なところのない登場人物たちがとても好きなので楽しかった。
シェットランドにスペイン系のハンサムがいたらそりゃかっこよさが際立ちますわ。しかも世界一優しい!
ミステリに恋愛要素が入るのは好きでなく、まして捜査員同士というのはとてもいやなのだが、まあ今回は許容範囲。結局人によるのかなぁ。
亡くなった人のかげが色濃く、冬のシェットランドがさらに暗くなる。
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なんでも日本のミステリ界では数年来「北欧ミステリ」と言うのが人気のジャンルのようですね。北欧ミステリとは、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの主に5か国が舞台となるミステリー作品のことを言います。最近だとアイスランドを舞台にした「湿地」が有名になりましたね。
私たちが北欧と聞くと、福祉が充実しているとか子供の教育では世界でも定評があるだとかを想像します。しかし実際のところは、高福祉の代償として現役世代へ非常に重い税負担が強いられていたり、移民問題が重くのしかかり移民への排斥が問題視されているといった負の側面も少なくありません。豊かな自然や高福祉などの明るい部分とともに、それら負の側面も併せ持っているところに北欧ミステリの人気の秘密があると言えそうです。
そんな北欧を舞台とした本作の舞台となるのは、アイルランドとノルウェーの中間地点くらいの海洋に位置する孤島です。孤島が舞台と言うと、クリスティの「そして誰もいなくなった」を始め有名な作品がたくさんありますが、本作がそれらと異なるのは、シェットランド諸島という実際に存在する場所を舞台にしているところです。この島にはシェトランド・シープドッグという犬がいるそうですが、私を始め日本人でなじみのある人はまずいないと思います。
大晦日の夜、長年の間家に閉じこもり、来ない訪問者を待つ孤独な追い出し者のマグナス・テイト老人を2人の女子高生が訪問するところから始まります。翌朝、2人の女子高生のうちの1人の遺体が近くで発見されることになりました。シェトランドでは数年前にもカトリオナという別の少女少女が疾走する事件が起きています。その過去の事件の容疑者でもあったマグナスは、当然今回の殺人でも皆から疑われることになります。噂やゴシップで非難されることとなったマグナス。状況証拠に基づいてマグナスを逮捕した島の警部のジミー・ペレスですが、彼は別の未知の殺人者を示す手がかりを見つけ、誰もが行きたがらないシェットランド諸島の過去に深く迫る捜査の迷路に入っていくというのがストーリーのあらすじです。プロットの中には様々な紆余曲折が盛り込まれており、最後まで犯人はなかなか本性を現しません。
「シェットランドでは、風がないときは衝撃的だった。人々は耳を絞め、何が欠けているのか疑問に思った」
「巨大なクルーズ船が港に滑り込み、建物の上にそびえ立って座っていることもあった。1時間の間、彼らの乗客は町を占拠した」
こういった風景の描写を見ると、シェットランドに行ってみたくなるものもありますが、本書のあとがきによると、シェットランド諸島にはクルーズ船でアイルランドから14時間もかかるそうで、まさに現代の絶海の孤島ですね。まぁ、日本でも北欧でも、隔絶された地域というのはたいてい住人同士の血縁・人間関係が濃く、お互い知り合い同士である場合が往々にしてあります。人口2万人くらいの隔絶された島が舞台となるシェトランド諸島も例外ではなく、ペレス警部は容疑者の洗い出しを始めるにもまずドロドロした人間関係を丹念に解きほぐすところから始めるところが本書の特筆すべきところといえそうです。そのせいか、最初の内はローカルな人間関係の事情の説明が主で、とにかくまともにストーリが動き出すのがかなり後の方になるため、読む人を選びそうな感じの一冊です。 -
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ネタバレやっぱり好きだなぁこの作家。
だいぶ前に何の気なしに一作品だけ読んだけど、思いがけず心理描写に優れ、何とも言えないひりひりした世界観をつくり出すなぁと感じたことだけは憶えている。
シェトランド島四重奏の第1作。
誰もが顔を知っている閉ざされた環境の中で起きた少女の殺人事件。
8年前の事件との関連からすぐに容疑者が浮上し逮捕へと。
一方、少女の父親ユアン、本土から来た警部テイラー、そして島出身の刑事ペレスは真相は別のところにあるのではと少女が生前のめり込んでいた映画製作の課題に目を向ける。
後半のとある場面でそれっぽくなく、さらりと真犯人に真相を語らせるなんてにくすぎる。
事件だけ見るととてもシンプルで登場人物もごくわずか。
非常にミニマムな設定の中で事件の背景となっている人間関係、心理を丁寧に紡いでいく様が秀逸。 -
Posted by ブクログ
4部作で終わった「シェトランド四重奏(カルテット)」に続く新シリーズ。
ジミー・ペレス警部シリーズということのようです。
スコットランド最北端のシェトランド諸島。
地方検察官のローナは、家の近くで不審な小船を発見します。
被害者は地元出身の若い新聞記者で、何かの取材に戻っていたらしい。
ジミー・ペレスはいまだ病気休職中。幼い娘と暮らしています。
ペレスの部下でいささか頼りないサンディ刑事が迎えたのは、本土から派遣された女性警部ウィロー・リーヴズ。
慣れない土地で型通りの捜査をきちんと進めるといった感じで、失意のペレスもしだいに参加することに。
この島には珍しい都会的なキャリアウーマンのローナと真面目でナチュラルなウィローで新しい雰囲気に。
前作の衝撃的な結末、あのままではあんまりですよねえ‥
気が優しく人の話を聞き出すのがうまいペレスの個性と、島の自然や暮らしがありありと目に見えるような描写はそのまま。
この繊細で丁寧な感触がなんとも心地よくて、嬉しい。
ペレスの人生の変化に加え、島のエネルギー問題なども時代とともに増えているのか、少し雰囲気を変えてきているのも感じます。
だんだんと、ペレスも再生に向かうのでしょう。
期待してます☆