北川恵海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
北川さんの作品はとても読みやすく、人生の考え方について教えてくれる。
【2023年7月30日、再読終了】
コロナ禍という、時代を反映している内容だった。音楽喫茶「メメントモリ」で働いているアダムソン。彼の仕事の位置付けは、カウンセラーでも精神科医でもないメンターというもの。人の悩みをただ聴いてアドバイスをする。
現在、年間2万人越えの人が自殺している。こんな時代に希望なんかもてない。そう思って亡くなってしまう人が多い。今の世の中、社会からの孤立が問題になっている。
自分が悩みを相談したいという立場なら、資格をもった信頼できる人にしたい。でも、今の日本ではそんなことを言っている場合ではないのではなかろうか。アダムソンみたいなメンターといわれる仕事が本当にあったらいいなと思う。もっと気楽に相談できると思う。
本作で一番印象に残った場面がある。
ワタソンくんが、自殺志願者の少年であるアキトくんに語りかけるシーン。場所はビルの屋上。人はみんな誰もが孤独。結婚しているとか独身とかそんなのは関係ない。
ふと寂しくなることもあるけど、このシーンを読んで、みんな孤独なんだと励まされた。
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Posted by ブクログ
「ずっと辛いわけでもなければ、ずっと楽しいわけでもない。実際にはそういう人がほとんどです。けれど、一つ確かなことは、大人になれば、あなたは今よりもっと自由になれる。選択肢が増えます。今より良くなる可能性は大いにあります。それに賭けるのも一つの手だと思います」
「では、本日のアドバイスです」
「一つ、面倒くさいことをやめてみる。二つ、面倒くさいことから離れてみる。三つ、考えるな、感じろ」
「 心を鍛えるのではなく、自分の心に寄り添うことです。嫌な事をどうにかしようと考えるから疲れるのです。嫌だと思ったことはどうしたって嫌なんですから、嫌じゃないことだけを選んでいけばいい。話したくない人と話さなくていい。そもそも口を開きたくない気分の時にはずっと黙っていればいい。」
世界で一番不幸なわけで訳じゃない。それでも人生に疲れていた。一生懸命生きることに疲れていた。未成年という鎖から解き放たれて僕は自由になれたのに。僕はただの名も無き大人になってそして余計に不自由になった。楽しく学校に通ってさえいればそれだけで認められていたのに、今では能動的な何かを当たり前のように求められる。勉強していればえらいと褒められたのに、今ではそれを金にかえることを求められる。金を稼ぐはすごいやつで、稼がなければ馬鹿にされる。夢を語る事は正義だったのに、いつから夢なんて語ってることが恥ずかしくなる
「業務に支障が出るのであれば、わからないことは素直に部下に尋ねるというのはいかがでしょう」
「 要するに、人を自分に合わせて変えるのではなく、自分が変化していくのです」
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Posted by ブクログ
ネタバレ「オレは、人と比べてどうかってことは、考えたことなかったッスね。だってそんなの、比べる人が変われば意味なんてないっしょ。例えばオレが二番だったとして、一番と比べれば『それより下』になる。三番と比べれば『それより上』になる。で、結局オレの位置は変わるんスか?下になって落ち込んで、上になって喜んで、オレの位置は変わんねーッスよね。だったら、昨日と比べて今日のができるようになってたいッスよ。昨日の自分より上手くなって喜んだり、昨日の自分より下手になって反省したり、そのほうがよっぽど意味があるような気がするんスよ」
「才能って、結局ね、それを好きかどうかだと思うんスよ。オレは美容師の仕事が好きだったから、くそほど練習したッス。でもそれを辛いなんてこれっぽっちも思わなかった。だって、好きなことやってると楽しいっしょ?だからきっと、オレには才能があったんスよ」
「でも助け合いって、何も金だけじゃないと思うんスよね。さっきも言ったけど、自分で朝飯作ってみたり。そしたら母ちゃんは自分の起きるタイミングギリギリまで寝ていられるし、家に帰ってたたまに飯の用意がしてあったら、どんなに嬉しいだろうって。それがたとえ何の変哲もないただのカレーだったとしても」
「母ちゃんは今現在、ちっひーがバイトするよりもずっと稼げる。なら母ちゃんに頑張って稼いでもらって、そのかわりにちっひーは将来稼げるように今から計画を練ったほうがいいッス。マラソンで食っていける可能性だってあるんなら、マラソンも頑張る。学費抑えたいなら国立も狙う。めちゃくちゃ大変かもしれないけど、ちっひーが今頑張れば、将来の自分に対する財産になるッス。マラソンも勉強もやめて、焦って就職を決めるより、大卒のほうが選択肢も広がるし、実際初任給からして違う可能性が高いッス。毎日コツコツ経験値積み上げて、自分おしたいこと、将来のこと、真剣に考えていけばいいッスよ。現在食っていくに困ってないなら、オレみてーにバイトで稼ぎまくることに多くの時間をさくより、勉強とマラソンを頑張ったほうが、ちっひーにとっては絶対にいい!」
「いいッスか?今の千円より、将来の百万ッスよ!学や特技なんていくらあっても荷物にはならないッスからね」
「大丈夫だよ。僕、ちゃんと幸せになるから」
母さんは答えなかった。代わりに、涙が滲んだ目元を人さし指で拭った。
「当たり前じゃない。お父さんもお母さんも、そのために働いてきたのよ」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「修司くんの悪い癖だよ。できないことばっかり先に数えちゃうの。先にできないことばっかり数えちゃうと怖くなっちゃうでしょ?そんなの楽しくないじゃない」
「 だから、俺はなるべく人の失敗を責めないようにしているんす。その方が自分が失敗したとき庇ってくれる人が多くなるしょ?そんな俺ってマジチキンっすよ。」
「で、もしもなんとか叶うとするでしょ?でもその瞬間に夢は消え去って、その後に残るのはただの現実。そしてまた別の夢を探す日々が始まる。夢って叶っても叶わなくても、結局虚しさだけは付きまとうんだよなあ。キラキラして見えるのは叶うまでなんて、なんかずるいよね」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ちょっと今から仕事やめてくる」を読んで、どハマり中の著者。
今回は、真夜中に開かれているメンター事務所。
足を引っ張りたい女、刃物男。
これだけ読むと、何やら物騒だな。と思うが、足を引っ張りたい女は、自分のことを蔑ろにしている女であり、刃物男は、言葉をナイフのように使っている男。
あー、いるいる。。。と思った。
特に、足を引っ張りたい女は、正直、耳が痛い部分もある。
刃物男は、その刃物に傷付けられたことが何度となくあるので、それを思い出して、少し嫌な気分を思い出したけど。
読んでいくうちに、この物語の時代が「今」なのだと言うことを知り、知った途端に、物語の舞台が少し近くに寄ってきた感じを受けた。
pandemic中の今だからこそ、読みたいストーリーなのかも。
誰も彼もが闇の中にいる「今」に。
『「一つ、面倒くさいことをやめてみる。二つ、面倒くさいことから離れてみる。三つ、考えるな、感じろ」』(68頁)
『「一つ、まずは自分を見つめてください。二つ、あなたは自分で思っているより素敵です。三つ、他人と自分を比べるのはやめましょう」』(111頁)
しかし。。
私はずーーっと、「ワトソン」と読んでいた。。。
人間の脳って、本当に適当だな(笑)