あらすじ
メンターは悩みを聞き、アドバイスをする人。アダムソンのもとへお客がやってきて…。『ちょっと今から仕事やめてくる』著者新作
すべての悩める人に贈る、人生応援ストーリー!
ちょっと勇気がわく! 元気が出る!!
「どうも、こんにちは。あなたのメンター、アダムソンです!」
大ベストセラー『ちょっと今から仕事やめてくる』著者最新作!!!
彼の肩書は「メンター」
その仕事は、話を聞くこと
昔、音楽喫茶だった場所に、
アダムソンの事務所兼自宅がある。
彼はカウンセラーでも精神科医でもなくメンター。
話を聞き、受け止め、時にアドバイスをする。
自殺志願少年、足を引っ張りたい女、
闇を抱えた刃物男など個性的な客の相談に、
助手のワタソンとともに解決に乗り出すが……。
『ちょっと今から仕事やめてくる』著者の感動作!
目次
File1 自殺志願少年
File2 足を引っ張りたい女
File3 ワタソン、風邪をひく
File4 刃物男
File5 完璧な自殺
File6 はじめまして、メンターです
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一つ、面倒くさい事をやめてみる。
二つ、面倒くさいことから離れてみる。
三つ、考えるな、感じろ
アダムソンが自殺しようとしている少年に伝えた三つのアドバイスが心に響きました。
生きていると誰でも辛い事があると思うのでそういう時に親身になって話を聞いてくれる人はとても大切だと思います。
ワタソンとアダムソンの会話のやり取りがくすっと笑える事もありまた読み返したい一冊でした!
Posted by ブクログ
精神科医でもカウンセラーでもない「メンター」。ただ話を聞き、受け止めてアドバイスする。助手のワタソンと共に、お客様の話を紐解いていく…
様々な相談があるけれど、メンターのアダムソンに話す事で悩みの本質が見えてきて、それに対して自分で納得する。目から鱗な回答で、お客さんも心が軽くなっているのが爽快でした。
そして謎めいたアダムソンの本当の正体、ワタソンとの関係。メンターに入る時のヴェートーベンの「悲愴」の訳。全てが繋がった時、切なくなりました。
いつか再会できる日が来る事を願っています。
Posted by ブクログ
職業“メンター”なアダムソンと助手・ワタソンの会話が面白い。令和の時事ネタも含まれている。登場人物が死(自殺)について真剣に議論するほど、読んでいるこちらは冷静になれた。それにしても、アダムソンはどうしてそこまでやるのか。実は隠れメンティーなワタソンの背景が明かされる一方、アダムソン自身のことはよくわからない。他者に見せている姿は本心なのか計算なのか。彼の視点もあれば更に楽しめたかも。
Posted by ブクログ
うーん。
期待か大きかっただけあってちょっと残念感が残りました。
今までが面白すぎたのかな?
ただ、
メメントモリって言葉。
最近、ゲームのタイトルで聞いたことがあったけど、聞き流していたんだよね。
「死を忘れる事なかれ」
なんか、かっこいいですよね。
知らない言葉でした。
Posted by ブクログ
北川さんの作品はとても読みやすく、人生の考え方について教えてくれる。
【2023年7月30日、再読終了】
コロナ禍という、時代を反映している内容だった。音楽喫茶「メメントモリ」で働いているアダムソン。彼の仕事の位置付けは、カウンセラーでも精神科医でもないメンターというもの。人の悩みをただ聴いてアドバイスをする。
現在、年間2万人越えの人が自殺している。こんな時代に希望なんかもてない。そう思って亡くなってしまう人が多い。今の世の中、社会からの孤立が問題になっている。
自分が悩みを相談したいという立場なら、資格をもった信頼できる人にしたい。でも、今の日本ではそんなことを言っている場合ではないのではなかろうか。アダムソンみたいなメンターといわれる仕事が本当にあったらいいなと思う。もっと気楽に相談できると思う。
本作で一番印象に残った場面がある。
ワタソンくんが、自殺志願者の少年であるアキトくんに語りかけるシーン。場所はビルの屋上。人はみんな誰もが孤独。結婚しているとか独身とかそんなのは関係ない。
ふと寂しくなることもあるけど、このシーンを読んで、みんな孤独なんだと励まされた。
Posted by ブクログ
「ずっと辛いわけでもなければ、ずっと楽しいわけでもない。実際にはそういう人がほとんどです。けれど、一つ確かなことは、大人になれば、あなたは今よりもっと自由になれる。選択肢が増えます。今より良くなる可能性は大いにあります。それに賭けるのも一つの手だと思います」
「では、本日のアドバイスです」
「一つ、面倒くさいことをやめてみる。二つ、面倒くさいことから離れてみる。三つ、考えるな、感じろ」
「 心を鍛えるのではなく、自分の心に寄り添うことです。嫌な事をどうにかしようと考えるから疲れるのです。嫌だと思ったことはどうしたって嫌なんですから、嫌じゃないことだけを選んでいけばいい。話したくない人と話さなくていい。そもそも口を開きたくない気分の時にはずっと黙っていればいい。」
世界で一番不幸なわけで訳じゃない。それでも人生に疲れていた。一生懸命生きることに疲れていた。未成年という鎖から解き放たれて僕は自由になれたのに。僕はただの名も無き大人になってそして余計に不自由になった。楽しく学校に通ってさえいればそれだけで認められていたのに、今では能動的な何かを当たり前のように求められる。勉強していればえらいと褒められたのに、今ではそれを金にかえることを求められる。金を稼ぐはすごいやつで、稼がなければ馬鹿にされる。夢を語る事は正義だったのに、いつから夢なんて語ってることが恥ずかしくなる
「業務に支障が出るのであれば、わからないことは素直に部下に尋ねるというのはいかがでしょう」
「 要するに、人を自分に合わせて変えるのではなく、自分が変化していくのです」
Posted by ブクログ
メメントモリ=死を忘れるなかれ
"完璧に死ぬために生きる"
2冊のなかでそれぞれ指す意味は少し違うけど、ひすいこたろうさんの『あした死ぬかもよ?(2012)』と通じるものを感じた。
死にたいと思う人にとっても、死を自分ごととして捉えられていない人にとっても、
死を身近に感じることはそれだけで生きる活力になる。
Posted by ブクログ
「ちょっと今から仕事やめてくる」を読んで、どハマり中の著者。
今回は、真夜中に開かれているメンター事務所。
足を引っ張りたい女、刃物男。
これだけ読むと、何やら物騒だな。と思うが、足を引っ張りたい女は、自分のことを蔑ろにしている女であり、刃物男は、言葉をナイフのように使っている男。
あー、いるいる。。。と思った。
特に、足を引っ張りたい女は、正直、耳が痛い部分もある。
刃物男は、その刃物に傷付けられたことが何度となくあるので、それを思い出して、少し嫌な気分を思い出したけど。
読んでいくうちに、この物語の時代が「今」なのだと言うことを知り、知った途端に、物語の舞台が少し近くに寄ってきた感じを受けた。
pandemic中の今だからこそ、読みたいストーリーなのかも。
誰も彼もが闇の中にいる「今」に。
『「一つ、面倒くさいことをやめてみる。二つ、面倒くさいことから離れてみる。三つ、考えるな、感じろ」』(68頁)
『「一つ、まずは自分を見つめてください。二つ、あなたは自分で思っているより素敵です。三つ、他人と自分を比べるのはやめましょう」』(111頁)
しかし。。
私はずーーっと、「ワトソン」と読んでいた。。。
人間の脳って、本当に適当だな(笑)
Posted by ブクログ
誠実で、まっすぐで、だけどどこか足掻きながら諦めながら、今日の自分と明日の、明後日の自分を考える人たちへの、応援歌のような優しい物語だった。死ぬために生きる、という言葉が、とても優しく染み入るお話だった。みんな孤独で、だから、だけど、群れる人間たちの中で、みんなこうして立ってるんだな。
私もがんばろう。適度に、適当に。