柳川範之のレビュー一覧
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近年脚光をあびている「アンラーン」を解説した書。さくさくとよめました。
学習とは、どんどん知識や情報をプラスにしていくこと、それによって思考の力を高めていくことです。そのプロセスの中で、インプット以上に大切なことがあります。それが「アンラーン」といっています。
アンラーンとは、これまで学習したものを取り去って新しい学習を行うという意味ではなく、これまでに身に着けた思考のクセを取り除くことです。
経済学者である柳川範之氏がビジネスを対象としてみたアンラーンと、為末大氏がスポーツのスキルとして捉えたアンラーンが具体的な例として描かれています。
これまでの学習をし続けていくと、新しい環境で行 -
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一生涯学ばないと生きていけないと言われている100年時代。
学びよりも今持っている思考や慣習をあえて捨てる、アンラーンが必要になります。
いつもこうしてるから、やったことがないから、今まで積み上げてきたものがある...
これらは成長を止め、変化に適応できなくなる原因になります。
自分を客観視して、一旦思考の癖を取り除くことで、新たな考えやスキルが入ってきます。
水がいっぱい入った桶は水を捨てた分、新しい水を入れることができます。
そんなイメージで、手放す⇄入れるを繰り返すことを小さく続けていくことが今を生きるポイントなんだなと思いました。
良書です! -
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ネタバレ以前に読んだ独学勉強法の本が大変興味深かったので、同じ筆者のこの本を読んでみました。この本では、学歴や社会に出るまでの課程には様々な方法がありルートは一つではない、ということが書かれていました。偏差値の高い高校へ行き、有名な大学に入り、名のある大企業に入る、という日本には画一的な信仰があり、それに反れると人生が終わってしまうのではないかと思う傾向がありますが、そうではなく、多様な道があると説いていました。自分のペースで学ぶことの面白さと、生きていくための勇気とヒントが書かれていました。
以下、印象に残った部分です。
良い高校、良い大学、すぐ就職。皆その道しかないと思って、ここを走らなければ -
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「幸せの形は一つではありません。幸せになるために必要なものも一つではありません。
でも、幸せになるために使うことができる資源には共通性があるのです。
経済という科目が問題にするのは、幸せの中身ではありません。幸せになるために資源をどううまく使うかなのです。
経済では、どうすれば幸せになるかは教えてくれません。
だって、あなたの幸せは、あなた自身しか知らないでしょ?
でも、あなたが幸せを実現するために、限りあるお金と時間をどう上手く使うかを考える方法を教えるのが『経済』という科目の仕事。
-はじめに より-
経済という漠然とした概念について、非常に分かりやすく解説をしてくれた。
経 -
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ネタバレ大検→通信生大学卒(経済学)→国立大学院(経済)→現在准教授
という経歴の柳川先生による自身の独学主体の勉強法について説明いただいている。
経歴だけに目が留まりそうだけど、実はとても真摯誠実、そして丁寧な学修法の教授になっている。
講演を拝聴しているような読書感があり、100数十頁ほどの分量のためすぐ読めてしまった。
ご自身の幼少の頃からの歩みと照らして、その時々の学修への取り組み方、工夫したこと、そして現在の研究者としての執務でどのように役立っているのか、という話がメイン。
基本的に教科書や参考文献を読むことと、レポートという小論文を論述することが日々の学修の根幹である通信大学生には、柳 -
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なるほどこういう道もあるのかと目からうろこでしたし、大きな勇気をもらいました。外国での暮らしが長く、中学卒業後は独学で学び、通信課程の大学から大学院へ、現在東大大学院准教授である著者の歩んできた道は日本で考えられている普通の道とは異なるけれど、こういうやり方も確かにあるなぁと思わされました。外国で暮らしたことがこういう道を選びやすくさせた気もします。同一であることを強く求める傾向にある現在の日本にあってこれと同じ道を進もうとすると、ずっと強く他との違いを意識せざるをえなかったのではないかと思うからです。もともと異邦人である外国では、選んだ道が周りと違ってもそう差異を感じなかったのではなかったの
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為末大氏による、スポーツの世界に喩えた言語化にハマっている。熟達論を読んで、他にも読みたいと思って手に取ったのが本書。アンラーンって何?という所からスタート。
アンラーンとは、思考の癖を取り除くこと。悪い癖を直すこと。いきなり炸裂する為末氏。スポーツで言えば、身体化された悪い癖を意識することにより直す事だと。身体の事に当て嵌めると、何故こんなに分かりやすいのだろう。スッと理解できる。無意識でできるようになった自転車のペダリングを変えていく場合、意識的に、無意識の動きを1回忘れる必要がある。
仕事とか思考については?無意識・自動化された行動、ルーチン行動を紙に書き出すと良いらしい。無意識を書 -
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・「アンラーン」とは、これまで身につけた思考の
クセ(パターン化した思考)を取り除くこと
・変化の多い時代だからこそ、変わり続ける勇気
と気概を持ち値づけなければならない
・「アンラーン」することにより、柔軟な発想がで
きるようにしておくことができる
・「思考のクセ」から解放される
固定化されたパターンかを一旦忘れる
一点に集中しすぎていると思ったら立ち止まる
これまでの「当たり前」や既存の概念を捨て去る
・アンラーンを阻む7つの壁
①「このままでいいんじゃないか」
②「今あるものを手放したくない」
③「せっかくここまで頑張ってきたのだから」
④「自分におやり方でやりたい」