ヨルン・リーエル・ホルストのレビュー一覧
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ノルウェー発の警察小説。
17年前の誘拐殺人事件で容疑者有罪の決め手となった証拠は偽造されていた。捜査を指揮した刑事ヴィスティングは責任を問われて停職処分を受ける。自分の知らないところで何が行なわれたのか?そして真犯人は誰なのか?世間から白眼視されるなか、新聞記者の娘リーネに助けられながら、ヴィスティングはひとり真相を追う。しかしそのとき、新たな事件が起きていた…。北欧ミステリの最高峰「ガラスの鍵」賞をはじめ、マルティン・ベック賞、ゴールデン・リボルバー賞の三冠に輝いたノルウェーの傑作警察小説。
途中でヘニング・マンケルのあのシリーズに登場する町が登場。何だかうれしかった。 -
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シリーズ八作目というハンデは関係なしにすらすら読めた。訳が秀逸。ブラボーです。
タイトルの『猟犬』は事件に喰らいつくさまを表しているが、そこからイメージするような直情型の主人公ではない。受難の状況下にあっても感情をコントロールし、今できることをやる、大人なプロフェッショナルなのだ。そんな父に協力するのが新聞記者の娘。この父娘の関係が非常によい。家族としての絆は感じるがべたべた感はなく、職務ときっちり線引きしながら調査を遂行してるのも好ましい。
北欧の警察シリーズというと、どうしてもヴァランダー・シリーズと比べてしまうのだが、ヴァランダー・シリーズのような社会的メッセージはなく、警察官として -
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ノルウェイを舞台にする本書は北欧ミステリー界有数の賞であるガラスの鍵賞の受賞作。
訳者の後書きによれば、シリーズ物の8作目との事ですが、前7作を読まずとも十分楽しめる内容でした。
ストーリーは17年前の女性誘拐及殺人と冤罪疑惑を絡めたもので、犯人とされた男性が釈放されることから始まります。
男性は警官による証拠の捏造を訴えるのですが、その主張には根拠があり、その為、かつてその事件の捜査指揮を取った主人公は停職、そして刑事捜査の対象となってしまいます。
この事態に受け、主人公はかつての捜査資料の中から証拠捏造犯を探しだそうとします。
しかし、17年前と同じく、女性が誘拐される事件が発生し・・・ -
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ネタバレ警部ヴィスティングシリーズのコールドケースカルテット3作目。
過去の未解決事件、現在は目立った動きなしの事案を掘り起こした先に、、というのがコールドケースカルテットの型なのかと思いきや、のっけから収監中の暴行殺人犯が脱走を企てるわ、クリポスはそれを見越したかのように協力者アザー・ワンを捉えようと画策するわで全然コールドじゃない、むしろホットな状況が展開される。
いや、別に面白くなかったわけではないのだが期待値と違っていたというか。
アン・クリーヴスやヨハン・テオリンのテイストのつもりだったらカリン・スローターやピエール・ルメートルだったという感じ。
アザー・ワンは一体誰なのかという疑いの矛 -
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・あらすじ
ノルウェーのラルヴィクが舞台。
もうすぐ定年を迎える警部ヴィスティングとその娘、フリージャーナリストのリーネが主人公。
未解決のまま24年経過した失踪事件と
26年前の誘拐事件を未解決事件担当捜査官のスティレルと捜査して解決していく。
・感想
スティレルと反目しあい最後にお互いを認め合う!的な有りがちな展開…じゃなかった!!
みんな大人でプロフェッショナルに仕事してた。
ドラマティックで派手な出来事が起こり、二転三転するような作風じゃなく、人間模様を大事にしてるミステリー。
容疑者と24年間友人として関係をもってきた主人公と容疑者のひりついた空気感と対話が印象的だったな。
しか -
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ノルウェーの警察小説、ヴィスティング警部シリーズのコールド・ケース・カルテット3作目。
今回は少し違う雰囲気で物語が始まる。2人の女性への暴行・殺人・死体遺棄の罪で服役中の男トム・ケルが、第3の犯罪を告白。自供の裏付けのため、刑務所から搬送し、死体を遺棄したという現場を確認させることになった。しかし、当日の警備を任されたヴィスティングやスティレルたちの目をすり抜け、共犯者アザー・ワンの手引きで、ケルはまんまと逃走してしまう。ケルはどこにいるのか、アザー・ワンとは果たして誰なのか。警備体制の不備を指摘され、内部調査の対象となったヴィスティングは苦しい立場に置かれ、自身も己のとった行動を自責する -
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閣僚を歴任してきた大物政治家バーナール・クラウセンが心臓発作で急逝した。
直後、ラルヴィク警察の主任警部ヴィリアム・ヴィスティングは検事総長に呼び出される。
クラウセンの臨終に立ち会った労働党幹事長が、機密文書の有無を確認するため故人の別荘を訪ねた際、大金のつまった段ボール箱を発見したのだという。
クラウセンは外務大臣を四年務め、議会の防衛委員会の重鎮でもあった。見つかったのは巨額の外国紙幣であり、汚職につながる可能性があった。
鑑識員のエスペン・モルテンセンに声をかけ、ヴィスティングは別荘に向かった。問題の段ボール箱は全部で9箱。紙幣は米ドル、英ポンド、ユーロの三種類で、総額はノル