ヨルン・リーエル・ホルストのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ数十年も前の未解決に終わった女性失踪事件に取りつかれ、書類を家に持ち帰り事件の細部を日夜見直す警部ヴィスティング。
流れゆく歳月の中で、被害者の夫であるハウゲンとは交友を深め毎年事件のあった日には言わずもがな集い、想いを馳せる習慣すら生まれている。
だが、今年に限ってハウゲンを訪れると不在。
そんなとき、また別の未解決事件の新たな証拠が見つかりその容疑者として浮上したのがハウゲンだった。
クリポス(国家犯罪捜査局)からの協力要請を受け、ハウゲンに探りを入れることに半ば強引に同意させられたヴィスティングだが、肝心のハウゲンは所在不明。
容疑者不在の真相を追いかけるのかと思いきやあっけなく帰還。ヴィスティングとハウゲンの交友は実は疑いを礎に築かれていたと知らされるワンシーン。序盤から中々の引き込みっぷり。
容疑を裏付ける事実が徐々に固まり、自白を引き出そうとするヴィスティングとハウゲンの間の緊張感の高まりも読みどころ。 -
Posted by ブクログ
ノルウェー発の警察小説。
17年前の誘拐殺人事件で容疑者有罪の決め手となった証拠は偽造されていた。捜査を指揮した刑事ヴィスティングは責任を問われて停職処分を受ける。自分の知らないところで何が行なわれたのか?そして真犯人は誰なのか?世間から白眼視されるなか、新聞記者の娘リーネに助けられながら、ヴィスティングはひとり真相を追う。しかしそのとき、新たな事件が起きていた…。北欧ミステリの最高峰「ガラスの鍵」賞をはじめ、マルティン・ベック賞、ゴールデン・リボルバー賞の三冠に輝いたノルウェーの傑作警察小説。
途中でヘニング・マンケルのあのシリーズに登場する町が登場。何だかうれしかった。 -
Posted by ブクログ
シリーズ八作目というハンデは関係なしにすらすら読めた。訳が秀逸。ブラボーです。
タイトルの『猟犬』は事件に喰らいつくさまを表しているが、そこからイメージするような直情型の主人公ではない。受難の状況下にあっても感情をコントロールし、今できることをやる、大人なプロフェッショナルなのだ。そんな父に協力するのが新聞記者の娘。この父娘の関係が非常によい。家族としての絆は感じるがべたべた感はなく、職務ときっちり線引きしながら調査を遂行してるのも好ましい。
北欧の警察シリーズというと、どうしてもヴァランダー・シリーズと比べてしまうのだが、ヴァランダー・シリーズのような社会的メッセージはなく、警察官としての心情や、捜査に対する取り組みが静かに丁寧に描かれている。これは、本作品を執筆当時、現役の警察官だったという作者の想いが作品に投影されたのかな。謎解き度は低めだし、ご都合主義的展開もちょいちょい目についたが、じっくり作品と向き合える骨太の警察小説に出会えただけで大満足。
久々に翻訳ミステリに読み耽った。やっぱ警察小説は北欧よね。次回作熱望! -
Posted by ブクログ
ノルウェイを舞台にする本書は北欧ミステリー界有数の賞であるガラスの鍵賞の受賞作。
訳者の後書きによれば、シリーズ物の8作目との事ですが、前7作を読まずとも十分楽しめる内容でした。
ストーリーは17年前の女性誘拐及殺人と冤罪疑惑を絡めたもので、犯人とされた男性が釈放されることから始まります。
男性は警官による証拠の捏造を訴えるのですが、その主張には根拠があり、その為、かつてその事件の捜査指揮を取った主人公は停職、そして刑事捜査の対象となってしまいます。
この事態に受け、主人公はかつての捜査資料の中から証拠捏造犯を探しだそうとします。
しかし、17年前と同じく、女性が誘拐される事件が発生し・・・
シリーズ8作目ということもあるのでしょうか。
冤罪と責任追及と言う物騒なテーマの割にどことなく安定感を感じさせてくれる内容となっており、ギスギスした人間関係はフィクションの中でも見たくないという方にもお勧めな内容となっています。
息抜きの読書に如何でしょうか。