野田サトルのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これまで9巻、12巻、18巻と感想を書いてきて、今年遂に31巻で完結した。一挙に終わりまで読み通そうと思ったら、そんな薄っぺらい話ではなかった。話はロシア革命の皇帝暗殺グループも関わってくるやら、単なる悪役軍人グループと思っていた鶴見中尉たちの過去の経緯が詳細に描かれるわ、と主要登場人物の背景まで全部描かこうという勢いである。そんなことすると、そいつらに感情移入してしまうじゃないか、と困ったことになっている。
特に鶴見中尉は、ウラジオストックで青年将校としてロシア女性と家族までもうけてスパイ活動をしていたかと思えば、鹿児島で鯉登少尉をたらしこみ、新潟で宇佐美をたらし込み、同胞のためには人を殺 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの巻の入れ墨男は渋い。「人斬り用一郎」は幕末に勤皇派のために汚れ仕事を引き受けていた殺し屋だが、すっかり年老いて呆けてしまっている。土方との闘いの中で、彼の精神は信念のために生きた青年時代に戻ってしまうのだった。
杉元一行も樺太の豊原に到着。そこでロシアを旅する曲馬団「ヤマダ一座」のイベントに参加する。ハラキリショーの最中、杉元はロシア人の刺客に殺されそうになる。座長の山田は元陸軍将校で、ロシア各地で集めた情報を軍に流すスパイだったのだ。
一方のアシリパたちは現地アイヌのウィルパ族に交じって、樺太の国境線を越え、ロシアに密入国しようとする。しかし、彼らの意図を察した鶴見がロシア側に情報を -
Posted by ブクログ
ネタバレ樺太は北海道とは生態系が異なる。早速グズリの攻撃の洗礼を受ける杉元一行。樺太アイヌの犬ぞりに救われる。
さて、アシリパの消息を訪ねに町の居酒屋のロシア人たちに聞き込みを開始する一行。そこでロシア人たちのスチェンカ(集団殴り合い競技)に参加する羽目に。
入れ墨を持った囚人・岩息が登場。この男は殴ったり殴られたりすることに興奮を覚える性癖の持ち主。久々の変態キャラで、激しく殴り合った杉元は正常な意識が飛び、誰彼となく殴りかかってしまう。
一方、アシリパたちは父・ウィルク(=のっぺらぼう)の生まれ故郷にたどり着く。
最後の話は月島軍曹と鶴見のエピソード。鶴見は人たらしなのだ。 -
Posted by ブクログ
辺見和雄…聞きしに勝る変態だった。
作者はこのキャラがお気に入りなんだろうとわかるけど、巻末のオマケはちょっとくどかったかな笑
でも、ニシン漁に関する道具の紹介はわかりやすかった。
子持ち昆布の卵はニシンの卵だったんだ。普通に知らなかった。
水草にメダカが卵を産み付けるのと仕組みは一緒か。
アシㇼパの料理美味しそうだけど、白石も意外と料理上手だ。
白石は荒事と真っ当に生きること以外だったら、結構なんでもできるやつだな。
シャチの竜田揚げを食べてみたい。子持ち昆布の串揚げも美味しそう。串を打てるほど分厚い子持ち昆布って、かなりな高級食材だよな…
アニメは良い出来だったし、一通り見て話の筋は -
Posted by ブクログ
ネタバレ都丹一味との死闘を素っ裸で戦った杉元一行。どうも薔薇族的な展開になってきた。逃走の途中に、谷垣に救われるインカマッラ。二人の間には愛情らしきものが芽生える。
いよいよ網走刑務所についた一行。キロランケと谷垣が網走川と刑務所の壁の間に鮭漁の小屋を建て、そこからひそかに刑務所内部へとつながるトンネルを掘る。夜間にアシリパは杉元たちとともに、収監されているのっぺらぼうに会いに行く。しかしこの人物は監守・犬童が仕込んだ替え玉で、アシリパの顔を見るなり大声で叫ぶ。侵入者に騒然となる獄舎。
しかしインカマッラから情報を得た鶴見は、駆逐艦隊を率い川を上って網走監獄へと迫っていた。目的はアシリパとのっぺら -
Posted by ブクログ
ネタバレ第七師団に捕まった白石を、土方とキロランケが奪還に向かう。脱獄王・白石がいなければ、網走監獄ののっぺらぼうにアクセスできないからだ。しかし白石は杉元たちと再合流する気はなさそうだ。
江渡貝邸で片足をなくした二階堂に、兵器開発の名人・有坂中将が散弾銃を仕込んだ義足をプレゼント。
樺戸監獄長に変装させた天才詐欺師・鈴木を伴い杉元は白石を監禁している旭川連帯の淀川中将を訪ねる。鶴見の放った鯉登にすんでのところで変装を見破られ銃撃戦に。一行は白石を連れ、連隊が試作していた気球を乗っ取りかろうじて脱出。
杉元が旭川の連隊に乗り込む際につけている仮面は、「犬神家の一族」のパクリかな。角川映画には猟奇 -
Posted by ブクログ
ネタバレ辺見和雄は幼いころ、弟がクマに殺されるのを見て、殺人願望とともに希死念慮を抱くようになった。杉元を見て、「この人に殺されたい」と思うようになる。鰊御殿におびき寄せたところで、鶴見と偶然再会する杉元。
死闘の途中で辺見はシャチに襲われる。海へと辺見の入れ墨を取りに行く杉元。
鰊御殿で戦いの始末をしている鶴見のところへ、尾形上等兵と二階堂一等兵の姿が消えたという報告が入る。二人は谷垣の潜伏しているアイヌの村を訪れていた。
二瓶の遺した銃で谷垣は尾形と銃撃戦となる。そこに鶴見の追ってが加わり、尾形はかろうじて逃げるが、二階堂は捕獲される。
新キャラ、キロランケが登場。彼はアシリパの父と一緒に -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ二瓶と杉元の戦いの場に谷垣がアシリパを人質に現れ、杉元と白石は逃走。二瓶と谷垣はアシリパを出しにレタラをおびき寄せる。谷垣はアイヌの仕掛け罠で毒が回り、二瓶はレタラとの一騎打ちの瞬間、背後から現れた別の狼に絶命させられる。
谷垣はアシリパの集落に運ばれ手厚い介護を受ける。そこで谷垣が語るには、アイヌの集めた金塊はどうも総額8千億に上り、鶴見はこれを元手に北海道征服を企てている。
一方、小樽に現れた土方の一派は銀行を襲撃し金と名刀を奪う。騒ぎに気付いた鶴見派は現場を去る土方と遭遇。
後半は新しい入れ墨の囚人・辺見和雄が登場。各地を放浪しつつ息をするように人を殺すこの殺人鬼がニシン漁の現場に -
Posted by ブクログ
ネタバレ203高地を生き抜いた帝国陸軍第七師団の猛者たちが杉元を追跡。すんでのところでヒグマの穴倉に飛び込んだ杉元。追手はヒグマによって全滅させられる。
杉元と別れたアシリパは第七師団の一人・谷垣に追い詰められるが、こちらも白狼のレタラに救われ、谷垣は重傷を負う。
ヒグマの子供を連れ帰った杉元は、アシリパの集落に招かれる。
第七師団の鶴見は自らが放った部隊が大損害を受けたのを見て、杉元を追い始める。杉元はアイヌの村をひそかに離れ、入れ墨の囚人を追って小樽にでるが、そこで鶴見の捕虜となる。鶴見の野望は北海道制圧で、そのために金塊を追っている。杉元は自分につかないかと持ち掛ける鶴見の誘いを断り、入れ