桜井鈴茂のレビュー一覧
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主人公のシローは売れっ子ではないが別れた妻に養育費を払い、好きなレコードを買い、好きなものを食べ、飲んだり映画を観たり、好きな事がそこそこ出来るコピーライター!
そんな彼の周りにいるソコソコ愉快な人々
ドラム:紅白にも出場するデカメロンズのドラム
ヒロ子:バーアラバマの店主、密かに?シローが思いを寄せる
久美ちゃん:シローとドラムのかつての同居人、今はパラグアイにいる?
ミラさん:女装するバーのマスター、かつては音楽レーベルのオーナー兼プロデューサー!
その他にも個性的なキャラクターが多数登場!
シローの役目は皆んなを微妙な弱い力で繋ぎ止める事!
奇跡は起きないかもしれないが心が何となく少しだけ満たされる物語・・・
本書との出会いは宮城県の亘理町の未来屋書店にて『亘理店夏文庫』の手作りの帯を見て、何か買おうと思い迷った挙句手に取りました!
結果は星×5
本書の前の物語『アレルヤ』も今度読んでみようと思う! -
Posted by ブクログ
ネタバレこうするしかなかったんだ。
どうしようもなかったんだ。
心の中で繰り返しながら、高速道路を走る男。
東京~新潟~函館~宗谷岬~仙台~四国~大阪~小倉~沖縄。。。2年4か月に及ぶ逃亡生活のなかで、彼が下した決断とは。
彼の人生は、最愛の妻を殺した時点で終わったものに等しかった。自殺することも自首することもできず、何人もの人と関わり、助けられ、騙され、与えられ、盗まれ、魂の旅を続ける。「どうしてこんなところに」と自らに問いかけながら、流れ流され、苦しみのたうちまわる姿がなぜか心を打つ。
仙台での復興の仕事、釜ヶ崎での日雇い仕事、どん底の生活を経て、そこに生きる人々のそれぞれの事情や深い絶望を目の当たりにし、絶望の中でこそ醸成される彼らの本当の優しさに触れる。
長い彷徨の果て、ある決断を下し、沖縄からの船を降りるラストシーンは指名手配犯の逃亡の終わりとは思えないほど希望と光に満ちている。
帯の「魂のクライム・ロードノベル」という言葉がピッタリの読み応え抜群の作品。 -
Posted by ブクログ
ぶっ飛んでいるようで、実はお手本のような群像劇なのではなかろうか。群像劇というのは、私小説と並んで、近現代において生まれるべくして生まれた文学の形態なのだろうと思う。キャラクターに過度な個性は必要なく、誰もが記号的で、けれど明確に個人である。形而下にありながらどこまでも形のない。つまりは矛盾というものに整合性を付けようという試みなのかもしれない。きっと、「世の中」というものが漠然としたものでは済まなくなって、人が一人で生きていくのに必要なエネルギーが人一人分の質量では足りなくなってしまって、それを見据えたかのように大きめに造られていた容器に、他人を部分部分、継ぎ接いで、自分+αを自分だと言い聞かせて生きていくことを強いられている。その顕れが、柳の下に見えるような気がして、現代人はそれが不安で仕方ないのではないかと、この本を読み終えて、思うのだ。
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40代も半ばを過ぎた頃から、突如ランニングにハマりました。気分転換、ストレス解消、心身の健康のために自分のペースで続けています。
走ることに飽きやマンネリが来ているわけではないのですが、走りに行きたくなるような本(How toものでなく)が読みたいなぁと探していたところ、この本にたどり着きました。
アンソロジー形式の作品集を読むのは初めて。
1冊でバリエーション豊かな作風に触れることができ、自分の好みに合う・合わないが分かるのがおもしろかった。
個人的に刺さった作品をいくつか。
『パン、買ってこい』
ちょっと歪んだ使命感から「パシリ道」を極めた高校生のランと精神の成長物語。
爽やかなラストシーンが印象的。
『飛田姉妹の話』
人間が翼を手に入れ、空を飛ぶようになった未来のお話。
ヒトの脚は見る影もなく、すっかり退化してしまった。そんな時代にも自分の脚で走ることの意味や価値を見出そうとする。
『リスタート』
ブラックな職場と不摂生からメタボになり、体の不調に悩まされていたサラリーマンが健康指導をきっかけに一念発起する物語。
「精神的偏食」という言葉が印象的。 -
Posted by ブクログ
ネタバレスポーツ雑誌 NUMBER Doに連載されたランを題材にした短編小説を集めたアンソロジー。
ランナーではなく、ランを題材にしているってのがポイント。王道に走る楽しみを描いた小説だけではなく、走ることがイヤになる小説、走らされる小説等各種色が揃っている。出来もマチマチで、トータルで評価すると凡作ってことになってしまうなぁ。アンソロジーはそこが難しい。
好きな作品は
「パン買ってこい」中田永一
「ホープ・ソング」王城夕紀
「桜の並木の満開の下」遠藤徹
どれも結局はちゃんとランに目覚める人の話だった。
読み手によって好みは絶対分かれるだろうなぁ。 -
Posted by ブクログ
「走る」をテーマに14人の作家が競作。
日々のランニングのモチベーションが上がるような疾走感あふれる作品が収録してあるのかと思いつつ手に取りましたが、そこは実力派の先生方。凡人の思い通りにはいきません。思わず膝を打ち、唸ってしまうような「走る」小説が並び、裏切られました(喜)
14本どれもが個性的で、未知の作家さんとの出会いも。もちろん、苦手な話もありましたが、それも出会いです。
お気に入りは「パン、買ってこい」(中田永一)、「桜の並木の満開の下」(遠藤徹)、「誰にだって言いぶんはある」(桜井鈴茂)
人生の半分は現実ではないと彼は思う。
なぜならば精神が摂取するものの半分以上が、現実ではないからだ。(「リスタート」恒川光太郎)