森崎緩のレビュー一覧
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札幌の企業に就職して新生活をスタートさせた主人公・幡上は、昔から料理が好きで毎日手作り弁当を持参していた。そんなある日、社員食堂で暗い顔をした同期の清水に気が付く。そんな彼女に弁当のおかずをお裾分けしたことから、2人は昼休憩を共に過ごす”メシ友”になるが……。
お弁当とお料理が繋ぐ、ほのぼの系恋愛小説です。
恋愛の過程が丁寧な小説は良い小説。何せ主人公が”メシ友”だった彼女を好きだと自覚するまで3年、デートに誘おうと決意するまで4年。告白までは……。
とにかくのんびり屋で鈍感な2人の関係が緩やかに変化していくところ、とっても良
いです。
くっついたあとを描いたものも楽しいんですけどね……。ど -
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ネタバレ前作の主役カップルの影で、東京でお弁当男子爆誕。
前作の彼の指導はあったとはいえ、北海道名物を弁当にできてしまう渋澤君のポテンシャルの高さよ。
そりゃ芹生さんじゃなくても落とせる。
最初のちゃんちゃん焼きから、こちらも胃袋を掴まれて大変お腹が空きました。
王子様と称される長身女子ゆえ、女の子らしさや恋愛からも遠のいていた芹生さん。
自ら生き辛い考え方で自分を縛っていたが、周囲から貼られたレッテルに抗うのが大変なのもよく分かる。
お互い両思いなのに、もどかしい展開に。
ここで諦めなかった渋澤君の想いが届いて本当によかった。
これからは、自分のことをちゃんと見てくれている人の言葉を素直に信じられ -
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2010年デビュー。
2018年、この作品で第6回ネット小説大賞受賞。
受賞時、このタイトルは「隣の席の佐藤さん ランチからディナーまで6年」
北海道函館市出身。
この作品は、函館の古料理屋の一人息子、はたがみが、会社員になり、総務課へ配属。なれない仕事にストレスが溜まる毎日。
唯一の楽しみは趣味でもある料理。
料理にはこだわる。全て自炊し、前日から仕込む弁当もかなりのもの。
ある日同期入社の秘書課の清水からあまりの弁当のクオリティーに、ツッコミが入ったことから、毎日一緒に弁当を食べ、互いの料理にコメントやアドバイスなどを話し合いながら、同僚だけにわかるストレスも愚痴る仲に。ただしあくまで -
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ネタバレこれは何とももどかしい!
最初は本当にメシ友で、そこから片方が恋心を自覚するまでに4年。
もう片方は土壇場まで自覚すらしていなかったという。
今どき、10代ですらこんな恋はできないかもしれないと思えるほど、純粋で澄み切った恋愛を読めて、こちらが浄化された気分。
いや、確実に浄化された。
多少ドロドロしたこともあったけど、恋愛面ではなく、社会人では誰でも一度は持ち得る嫉妬心からのもので、ちゃんと作中で昇華されるので黒さが印象に残らない。
社会人の恋愛で、こんなピュアピュアな作品って貴重なのではないだろうか。
出てくる料理も美味しそうなのもポイントが高い。
また彼女が美味しそうに食べるからなあ。 -
購入済み
ほのぼのの青春劇
佐藤さんのモノの見方が素晴らしいですね。人によっては、ネガティブな感想しか出ないモノをいつの間にかポジティブな見方に変えてしまってるのが凄いです。山口くんが文化祭であれだけ嫌がってたあるモノがお話進むとキーアイテム&なくてはならないモノに変わってくのとかも面白かったです。
最後、この本限定の佐藤さん視点での2人のやりとりも、原点を振り返りながら2人で母校の桜を見ながら語らうのがまさに青春といった感じで感無量でした。
残念な点として、目次のタイトルが2つしかないことですね。所々に小さなサブタイトルならあるのですが、それが目次ページからは省略されてるので、読みたいお話のページに -
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かわいいwwww
こーんなかわいい本をまた何かの機会に手にする時が来るだろうなどとこれまでの私は思ったであろうかいや、あるまい。
カッコイイ幼馴染の男の子が妖怪の種である雷獣ていうモノで、天女やら狐やらも人間に交じって登場しメアド交換したり一緒に下校したから女の子たちに嫉妬の眼むけられたりなどなど・・・・
ずっと昔を思い出してキュンキュンし通し。
表紙からしてラノベ。
どうして寸暇を惜しむように、呼吸するように本を読み続けるこの私がいつ何の気まぐれを起こしてこの本を手にしたかは、誰かしっているひとはいるであろうか、いや、いるまい。
当の本人でさえ理由など見つけられないのだから。
ただ、手掛かり -
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ネタバレご近所系あやかし青春物語第二弾。
本人たちは幼なじみ全開だけど端から見ればラブい熟年夫婦にしか見えない主人公たちではありますが、今回はそれはさておき野生(笑)の妖怪がやってきてすったもんだするという話。女狐ちゃんがメインに近い場所にいますが、やっぱり今回も恋愛云々より辰巳の葛藤と成長(というか決心?)がメインかなと思いました。
恋愛ネタに萌えさせつつも別の部分にメインを持って行くのが前作も今作も上手いなぁと思います。というか、レガロシリーズのこの絶妙のバランス感覚はホント好き。最近の少女小説レーベルにはない良い意味での古くささ。
今回も淡々とした萩子ちゃんは驚くよりも考えることを優先するある -
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ネタバレ森崎さんなので恋愛モノかなーと思いつつ、その一歩手前のお話。
妖怪が出てくるあたりが私好みでした。でも恐ろしいものじゃなくて、人々に混じって穏やかに平穏に暮らしたいと願うやさしい人々。その中で実は妖怪でしたという幼馴染と主人公萩子の長い長い仲直りのお話。
始まりは確かに驚きの実は、ですけども中身はいたって普通の思春期のお悩み相談でした。でも丁寧な筆致で描かれていてかわいらしい。あと色々と悶えた。
小さい頃のトラウマとまでは行かないけどそういう出来事で距離をとってしまった幼馴染。彼との忘れてしまった距離感を取り戻していく過程がなんというかもうもだもだした。あと幼馴染が機嫌を損ねる部分がわかりやす -
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ネタバレ真面目で堅物(本人は内心で否定)な委員長の女の子が、今は疎遠になってしまった幼なじみの男の子(人気者系)の重大な秘密に直面してしまい、真摯に、そりゃもう真摯に滑稽なほど真面目に向き合う話。
そう書くと割と単純なんだけどね。
なんていうか、久々に読んだ、私好みの少女小説でした。恋愛方面は主人公はあまり頑張らずヒーローが頑張ってくれています。
主人公の女の子は、特別な力は持っていません。だけど、主人公の幼なじみや、ご近所さんや、先輩や後輩は、いわゆる『あやかし』。彼らが町内会とか老人会とか偽って互助制度を敷いていることが妙に現実的でカワイイです。
この話のメインは、主人公の幼なじみが雷獣化し -
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去年名古屋へ弾丸旅行にいったことを思い出した。
水族館やお城などの観光スポットも多いけど、やっぱりグルメに惹かれる街。
この本を読んでから行けばよかった~と後悔。
あんかけスパゲティしか食べてない…
太麺のもちもち具合と、なかなか冷めないあんかけをはハフハフしながら口いっぱいにほおばった幸せをもう一度味わいたい。
小倉トーストを食べながら本場のコメダ珈琲でモーニングしたかったし、キャベツのはいった醤油風味のたこ焼きも経験したかった。
物語も会社の人たちが皆いい人ばかりでほんわかした。
出版業界の大変さはなかなか…
最初に出てきたおじいさんの話がこう繋がるのかとなんとも言えない気持ちに。
名 -
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この作品を読んで「相貌失認」と言うのを
知りました。すごく大変だろうけどそれでも
自分なりに工夫をして自分に合った働き
肩を模索する主人公。そしてとある理由から
引きこもりがちになったいとこの芽未。
お互いの距離感と抱える悩み等々、
すごくいい2人の関係性がいい感じでした。
たまたま居ぬきで借りた物件が
地元では愛されつつも突如閉店してしまった
名店でその名店のいい意味での呪縛にも
とらわれつつ成長していく2人。
出てくる埼玉名物の武蔵野うどん、
ゼリーフライ、すいとん、かて飯・・・
どれも素朴なんだろうけど間違いなく
美味しいだろうと思わせる内容に
食べてみたくなりました。
作品を通して -
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ネタバレ札幌の調理器具メーカーの商品企画部に念願叶って就職した新津。
ヒットメーカーだけど天然な先輩や、商品知識のない営業たちと関わりながら過ごす半年間。
使いやすそうな調理器具と、北海道の美味しいごはんに料理がしたくなるような一冊だった。
2段スチーマーを使った煮浸しうどんなんか美味しそうだったなあ。ふわかる泡立て器で作ったホタテのフリッターもどんな感じなんだろう。じゅるり。
出身が長野なので、おやきも恋しくなった。おやきはごはんにもなるし、おやつにもなる便利な食べ物だよねえ。
正直恋愛要素はいらないかなとは思ったけど、恋愛展開がほどほどな所で終わったので程よいスパイスになった。お互いを高め合