谷口由美子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
題名からして『長い冬』に比べたら安心して読める…しかし最初のうちは本当に、楽しき日々なんだろうなと心配になった。ブルースターさん酷すぎない?特に奥さん。病んでるのだろうけど、旦那さんもケアしてあげないんだろうな…でも先生としてしっかり勤めたローラえらいよ…お針子さんとしても立派にやったし、違う学校でも先生やったし、働き者だ。メアリのオルガン…感動。キャリーもグレイスも大きくなって…!アルマンゾはまだ100%信用してないぞ私は…まあ人間だもの。でもちゃんと家建ててくれたもんね。すごい。しかし、かあさんのお料理がいつも何でもおいしそう。ミシンよかったねかあさん…!
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購入済み
自分を軽んじる母をはじめとした親戚一同に怯えながら生きてきたオールドミスの主人公、ヴァランシー。そんな彼女が「心臓病で長くは生きられない」と宣告された所から物語が始まる。
かなり絶望的な展開だが、そこから彼女の開き直りにも似た今までの人生への反撃がとても痛快。
残りの人生をより良く生きようと覚醒するヴァランシーはどんどん魅力的になる。
特にユーモアのセンスは抜群で「おとうさんがそれを聞いたらお墓の中でひっくり返るでしょうよ」と言う母に対して「たまには向きを変えるのもいいと思うわ」
このあたりの言い回しにある独特のユーモア、これは本当にモンゴメリにしか書けないと思う。
巧みな人間観察、後半の美しい自然描写、待ち受ける意外な展開など赤毛のアンシリーズに通じる見所がいくつもあるので、赤毛のアンしか知らないという人にもぜひ読んでほしい。 -
Posted by ブクログ
この物語はおそらく最も痛快な喜劇であり最もロマンティックな恋愛小説だと思います。
あまりに硬直した超保守的なスターリング一族に対する皮肉めいたユーモアには思わず笑ってしまうし、ミスタウィスの自然についての描写は、文章それ自体が極めて美しく、青い城の幻想的な魅力に読者を没入させる。
そして本書のあらすじにも書かれているように、究極のハッピーエンディングが待ち受けています。さながらディズニー映画のような、きれいで爽やかなハッピーエンドで、今の世の中に必要なのはこれだ!と私なんかは思ってしまいます。
何か今のSNS社会って、他人の迷惑とか己の品性とかを顧みずに、自己顕示欲の塊みたいな生き方をしている人が利を得ちゃうので、そんなこと歯牙にもかけないヴァランシーやバーニィのような生き様が私にはとても素晴らしく映るんですよね…。
読んでよかったです。 -
Posted by ブクログ
数十年ぶりの再読。おもしろいーーー!
17歳のジェルーシャ・アボットは、生まれてから孤児院暮らしで他の生活を知りません。引き取り手も現れなかったので孤児院の手伝いをしています。
第一水曜日は憂鬱。だって評議委員のお偉い方々が個人を視察に来るんです。一番年上のジェルーシャは、何もかもを整えなければいけません。
でもその第一水曜日は違いました。ジェルーシャのユーモアたっぷりの作文を読んだ匿名の評議委員が彼女を気に入り、大学で学ぶ資金を全部出し、将来は作家になる手助けをしたい、と申し出たというのです。
突然降って湧いた将来への扉!
この評議員の条件は「手紙で近況を知らせること」。そこでジェルーシャ(ジョディ)は匿名の恩人を「あしながおじさん」と呼びかけて手紙を書きます。
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これは大人が読んで非常に面白い。
まずはジョディの前向きさ。生まれてはじめて孤児院から出たジョディには新鮮かつ見慣れないことばっかり。同級生たちが当然知っている常識も全く知らない。周りから驚かれたり、最初は自分でも距離を感じるが、それはこれから学ぶことが多いことだということ。勉強も楽しい、親しくなった友達との交流も嬉しい、そしてなにより本に出会った!ジョディは毎晩染み込ませるように本を読む。
このお話は大学の4年間だが、その間にジョディの考え方の成長ぶりや自立心が伺える。孤児院にいたときは、自分の周辺のことが全世界で、世界の広さを考えることはなかった。でも人と会話をして考えが深まることに喜びを覚えていく。
気の合う友達のサリー・マクブライトとその家族は、ジョディにとってごく普通のだからこそ素敵な家族だった。サリーの兄のジミーやその学友とは、大学生グループ男女として楽しく過ごす。
お嬢様育ちのジュリア・ラトリッジ・ペンドルトンとその親族は…あまり好きになれない。自分が恵まれているのが当たり前で何かを深く考えようとはしないから。でもその一族のジャーヴィーおじさま(ジャーヴィーぼっちゃま)だけは素敵な男性で、話も合う。ジョディはジャーヴィーとの話で社会への考えが広がっていく。
ときには嫌なこともあり、こっそりと嫌いな人を嫌いと言っているところもある。はっきり書かれないけれども孤児院時代の酷い扱いや、またこの時代の男尊女卑社会が垣間見えることもある。そして明るいジョディだが捨て子で孤児院育ちという自分の生まれ育ちを人に知られたくないという気持ちの強さも感じられる。
ジャーヴィーぼっちゃまと気が合ったのも、男性主権で貧富や階級の差のあることに疑問を持ち、女性だって公民であり、仕事と家庭を両立したっていいじゃないか、という考えに同調し、自分たちで社会を変えよう、改革者になろうという同じ方向を向き合うことができるからだ。
しかしそんな嫌なことや不合理なことがあるにしても、ジョディにとって毎日はキラッキラで、真っ直ぐ。自分が援助した少女からこんな手紙をもらったらそりゃー嬉しいよなあという、自分が「あしながおじさん」の気分。
手紙には挿絵も描かれているのだが(著者のウェブスター直筆)これがまた味があっていい!
<人の人格が求められるのは、人生で大きな問題が起こったときなんかじゃありません、誰だって、危機に直面したら、ぱっと立ち上がり、勇気を持って、悲劇に押しつぶされそうになっても乗り越えようとします。でも、日々のくだらない、つまらない出来事に、笑いを持って当たることーそれにこそ、精神力が必要だと思うんです。P77>
<人生で最も大切なものは、はなばなしい大きな喜びなんかじゃありません。ささやかな喜びの中に、多くの楽しみを見つけるkと尾がとても大事なんです。ーあたし幸せになるほんとうの秘訣を見つけました。おじさん、それはね、今を生きる、ということです。P206>
そして「あしながおじさん」。
※※※以下、「あしながおじさん」の正体がわかるような記載をしていますので、読んでいない方はお気をつけください。※※※
最初は反骨精神のある「あしながおじさん」が、孤児院に世話になっているのにユーモラスたっぷりにしかし辛辣に孤児院生活の内情を書いた作文に「おもしれー女」として興味を示しただけで会うつもりはなかったのかもしれない。それが手紙のやり取り、たまたま実際に会ってみたらどんどんと…ということなんだろうなあ。
私は彼が何者か知っていて読んでいるので、ジョディの手紙を読みながらも、彼がどんな気持ちで手紙を読んでいるのか、実際に何をしたのかが分かってまたまた面白い。さらになかなかのプレゼント攻撃仕掛けているし(笑)。
たまに「あしながおじさん」はジョディに行動を規制するかのような態度に出る。ジョディは楽しみを奪われた気持ちから、または自立しなければいけないという気持ちから、「あしながおじさん」に反発を見せる。
…でも読者は知っている。それは一心に勉学に励めというのではない、ただただヤキモチを焼いているんだよ(笑・笑・笑)
しかし明るいジョディは、けっしていつまでもくよくよしたり恨み言を言ったりはしない。
知り合った人たちの影響もあり徐々に社会での自分のあり方、考え方、将来のことを決めてゆく。
そして最後は素敵な出会いとなるわけで。
物語の最初は「憂鬱な水曜日」で、最後は「幸せな木曜日」になる。
水曜日は終わった、これからは自分たちで作る新しい日々。 -
Posted by ブクログ
\何を守るためにこんなに我慢しているんだろう/
余命1年と告げられて、自分のために生きることを決めたヴァランシー。今までヴァランシーを虐げてきた家族はアタフタ。前半はなかなかに暗いのですが、そこで読むのをやめたらもったいない。ぜひ彼女が自分の力で人生を変えていく姿を最後まで見届けてあげてください。
何しろ好きな人に初めてもらったキャンディをなかなか食べられなかったり、ほめ言葉を何週間もうれしく思い出したりするヴァランシーがかわいい。
美しい自然の描写はさすが。10代の時にハマった赤毛のアンとはまた違う煌めきのある物語。日本語訳担当の谷口由美子さんの解説で紹介されていた「もつれた蜘蛛の糸」も読んでみたいと思った。
全ては自分次第!と勇気をもらえる一冊です。