東田直樹のレビュー一覧
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重度の自閉症により、思いついた言葉が突然口から何度も飛び出てきたり、かつて怖い思いをしたことがフラッシュバックして叫び出してしまう。
著者の東田直樹さんはコミュニケーションを容易に取ることはできない。
初めて東田さんをみたのは、たしかNHKのドキュメンタリーだったと思う。記者の質問に対して、彼が一文字ずつ忍耐強く答えたその内容の素晴らしさに、私は圧倒された。
これまでに、東田さんのような自閉症の症状のある方は何度か出会ってきたけれど、その人達の内面世界がどうなっているかなんてまったくわからなかった。
しかし、この本を読めば、かなり理解が進むことは間違いない。こんなにも美しい衝撃を受けるこ -
Posted by ブクログ
自閉症の本人がその行動の理由を説明している画期的な本。
平易な言葉遣いで、淡々と、症状や、人々の反応に対する想いが書かれていて、じんわり心に響く。
最後のデイヴィッド・ミッチェル氏(自閉症のお子さんをもつ作家)の解説もまた良い。
学生の頃、研究室に自閉症と思われる同級生がいて(比較的症状は軽い様子だったけれど)どのように接したら良いかわからないことがあったので、あの頃、読みたかったと思う。
著者は会話ができないという。
本書の中で、人の質問に答えたくても、適切な言葉が見つからなかったり、言おうとしたことをすぐに忘れてしまったり、自分の本当の思いとは違う言葉が出てしまうのだと説明されている。 -
Posted by ブクログ
言葉だけがコミュニケーションではない。
私は人より発達障害、自閉症について詳しく知っていると思っていた。
生きづらさを感じた時に、色々調べて勉強したし
学生時代、特別支援学校にボランティアに行ったり学級の子と触れ合ってきたから。
だけどもっと深い話だった。
今作は筆者が13歳の時に執筆したのだという。
言葉として表現が難しいけれど、文章としてここまで表現が出来ることに愚かながら驚いたし
発言や行動の裏でどのように考えているのか、知らなかったし分からなかった。
理解してるつもりだった自分の愚かさにも呆れた。
外で大声を出す人や変わった行動をする人を理解出来ない人、正直めちゃくちゃいると思う -
Posted by ブクログ
自閉症の僕が飛び跳ねる理由1.2を読みました。
自閉症の人が見ている世界を、こんなにもイメージやすい言葉で伝えてくれる本があったなんてとてもびっくりしました。
障害を持つ人が生きていくことは、本当に綺麗事だけではないし、本人も周りの人も大変な思いをするのは避けられないことだと思います。でもこの本を読んで、自閉症を持っていても幸せだ、楽しいと心から思える瞬間があることを知りほっとした自分がいました。
将来自分が子供を持って、その子が障害を持っていたら…という未来について考えるきっかけにもなりました。自分のことを好きでいられる子を育てられるような親になりたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1の続きで新たに勉強になったことを記していく
・同時に2つのことをするのが難しい
例えば、相手の顔を見ながら話をするなど
変な方向を向いているのは、相手の声に集中するため
・こだわりは好きでやっているとは限らないから、周りの人が本人を観察して本当にやりたいのか見極めることが大事
・物事がうまく進むとは限らないのは頭ではわかっているけれど、ハプニングがおきるとその事実だけしか捉えられなくなる。ちょっと待ってと言われても待てないし、どうしようもない
・辛くても、悲しくても、笑ってしまうことがある
・なんでもかんでも褒められて嬉しいわけではない。頑張ったことを褒めてほしい
・記憶は点になっていて線 -
Posted by ブクログ
こっとんさんの、『わたしの心のなか』のレビューで、紹介されていた本書は、私にとって、とても得るものが多く、大切な気付きを促せてくれた、素晴らしい作品でした。
改めて、ありがとうございます。
私がまず驚いたのは、作者の「東田直樹」さんが、当時、13歳で執筆されていた事(自身で執筆できないので、尚更、困難さが加わる)と、Q&A方式で構成された、内容の具体性です。
『僕たち』という表現は、当時の自閉症で悩む人達へ向けて、そうしたということですが、見方によっては、自分がどういう人間なのかを、自問自答しているようにも思われる、当時の閉鎖的な社会環境において、この何とかしたいんだという、彼の思いの強さ