あらすじ
考えてもみて下さい。生まれて一度も人に本当の言葉を伝えたことのない人間が、どんなに不安を抱えながら自分の言葉を伝えているのかを――。
皆が自閉症者に感じる「なぜ?」について当事者の気持ちをQ&Aで綴り、大反響を呼んだ前著『自閉症の僕が跳びはねる理由』。高校生編となる本書では、会話ができず苦しみ、もがく中で気づいた喜びや希望が活き活きと綴られる。
文庫化にあたり16歳当時の貴重な日記を初公開! 瑞々しい感性とリアルな心の声が胸を打つ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
とってもいい本であるからこそ、胸が苦しくなるそんな想いになりました。
自閉症ってこんなに純粋なんだ。
感じる事が多すぎて書ききれないくらい。
この本は繰り返し何度も読みます。
Posted by ブクログ
良本です。
言葉にする事が苦手な自閉症の著者が、自閉症の世界を言語化してくださってます。相当な苦労があったはず。
息子が自閉症です。
発語が乏しい。ただ、何かわかることはないか。いろいろな先生が書く本はあるが、本書は自閉症の本人がいろいろな自分自身の行動について解説している。息子の行動に思い当たるところも多々ある。
自閉症の子は困った子ではない
困ってる子なんです。
自閉症の子をカットしてる床屋の社長さんがおっしゃってました。まさにその通りの内容です。
ご家族、親戚に自閉症の方がいる場合。読む価値ありです。
Posted by ブクログ
16才 ここまで真摯に、目を背けず、自分と向き合える。なんて強いんだろう。
たくさんの人に、いろんな人に、老若男女問わずに読んでほしい、と心から思う。
Posted by ブクログ
1の続きで新たに勉強になったことを記していく
・同時に2つのことをするのが難しい
例えば、相手の顔を見ながら話をするなど
変な方向を向いているのは、相手の声に集中するため
・こだわりは好きでやっているとは限らないから、周りの人が本人を観察して本当にやりたいのか見極めることが大事
・物事がうまく進むとは限らないのは頭ではわかっているけれど、ハプニングがおきるとその事実だけしか捉えられなくなる。ちょっと待ってと言われても待てないし、どうしようもない
・辛くても、悲しくても、笑ってしまうことがある
・なんでもかんでも褒められて嬉しいわけではない。頑張ったことを褒めてほしい
・記憶は点になっていて線として繋がっていない
・説明してもらって理解できないことよりも、どうせ理解できないだろうとハナから決めつけられることの方がずっと辛い
・パニックになった時1人にしてほしいわけではない。可能であればそばにいてほしい。困ったような悲しそうな態度をされると自尊心が傷つく
Posted by ブクログ
「パニックになったときはどのようにしてほしいですか?」を参考に、自閉症の子のパニックに対応しました。
『パニックは無い方がいいですが、パニックを起こす原因となっている「そうなるほどの辛い気持ち」が問題なのです。
どこかで、その気持ちを受け止めてもらわなければ、心はくずれてしまいます。』
受け止めたい、そう思うと、私の気持ちが落ち着いて、それが伝播して子どももいつもより早く落ち着いた気がします(^^)
Posted by ブクログ
新しい発見ばかりでした。自閉症の方はある意味不自由な生活を強いられている感じなのかなと思いました。自分を自分でコントロールすることが出来ないということが、どれほど不便なのかを少しだけですが知ることが出来ました。
Posted by ブクログ
みんな自分と向き合う時間が必要で、少しずつ成長していってるんだなぁ。自分と向き合うって凄く難しいことなのに、こんなにしっかり自分のことを知って向き合えてる東田さんは凄い。
Posted by ブクログ
言葉で話すことだけがコミュニケーションではない。色々なコミュニケーションを試して欲しい。仲間として僕たちを受け入れて欲しい。それは人間として平等にということだ。
心に刺さった。自閉症の人は言葉で伝えることがどれだけ難しいことか少しわかったような気がした。
Posted by ブクログ
自閉症の人も自分らとなんら変わりない考え方を持っている。しかしそれが自分で表現することができないことに辛さを覚えている。自閉症であることに誇りを持っている。まっすぐで素直で素晴らしいと思った。
Posted by ブクログ
一冊めでは、自閉症に対する自分の偏見を認識させられたが、この二冊めでは以前ほどの驚きは既にない。
本の内容がつまらないという意味ではなく、自閉症の人でもこれぐらいは書けるという考え方に自分自身が変わったからだと思う。
自己分析の本として素晴らしいと思う。
Posted by ブクログ
前作にあたる『自閉症の僕が跳びはねる理由』と同じことも書いてあります。それは著者の言っている「点」の記憶の話を理解していれば、かえって「なるほどなあ」と感じられる部分かと思います。
何しろ文章が洗練されているし、自分の経験や、ほかの人からの話では知り得ないことが書かれているので目からうろこの連続。人や自然との接し方について、考えさせられることの多い良書でした。
自分以上にこの本を必要としている人がたくさんいると思うので、「1」とともに絶版せず、安価で簡単に手に入る環境を存続してほしい文庫本です。
Posted by ブクログ
東田直樹さんの自身の紹介。自閉症のことを理解することができる。ただ、自閉症の全てではないし、人によって違うことを考えておくことは大切。
学校ではよく「視覚支援をすることがいい」とされているが、それが全てで、それだけではいけない。東田さんも視覚支援だけを求めてはおらず、愛情を求めている。
Posted by ブクログ
自閉症の男性が書いた彼の世界の見え方を紹介する本。
福祉施設で働いていて、自閉症の方もいらっしゃるので勉強になった。
自分で自分をコントロールできないことに対してそんなに自尊心を損ねていることを初めて知った。
さまざまな描写が利用者さんと重なって同じような気持ちだったのかなぁと想像した。人それぞれな部分もあるが、どのように関わっていくかを考えさせられた。
コミニュケーションが上手く取れない自閉症の方にやきもきすることもあったけど、もっとおおらかに構えて不安や恐怖を与えない環境づくりをするべきかもしれない。それから、成功体験がたくさん積める場を作りたい。
Posted by ブクログ
自分で自分を奮い立たせるってことある。
最後の文中にもある。13歳の時に書いた前作よりも、ひとつひとつの文章が長くなった。それは、自分自身を励ますため。胸の内をありのままに語ることで、明日を生きるために、自分を奮い立たせたかったからです、と。
誰かに聞いてほしい時ってある。答えがほしいわけではなく、共感、慰めでなく、話す相手がほしい時。ありのまま話せばどこかで心繋がった、と思う嬉しい勇気が出る瞬間。
そんな一筋の訴えを感じました。
文章の所々、心に残る表現があります。
・この社会は、たくさんの人々で構成されています。その中で自閉症の人も生きているのです。
・もし、みんなが自閉症の僕たちのことを、かわいそうな人たちとだけ思うなら、僕たちは何のために生きているのかわからない。
・家族が僕のために頑張ってくれている姿を見て、僕も自分にできることを探して生きていかねばならない、と思うようになった。
(自分にできることを探す、私も未だに考えています)
限られた表現の術のなか、その中から外の世界を見る視点は感性が研ぎ澄まされていると思いました。
春色のリボン
春色のリボンをきれいに結ぼう
少しおめかしして でも恥ずかしがらずに
色は空色がいい どこまでもすみきったライトブルー
僕の心は 春の草原 かわいらしい花々が咲き誇る
誰かに贈れなくても
リボンがうまく結べなくても構わない
自分のためにリボンを結んだら 僕はもう 春の蝶
Posted by ブクログ
●内容
・前回と同じく一問一答式
・物語はないが、合間に詩が書かれている
●学び
・話をする相手は風景にくっついているもの
→場所が変わると誰か分からない事が多い、何度も会えば覚えていく
・声に対して反応できない、人の声だからと意識を向けられない
・声は向こうからやってくるもの、自分から探す事はできない
・見ながら聞くことは難しい、見る時間と聞く時間を分けて欲しい
・ウォークマンを聴く事で安心できる、雑多な音は不快
・乗り物に乗って流れる景色を見るのが好き
・なんでも口に入れてしまうのは安心するから、悔しい時も気持ちを落ち着ける
・時間の流れが分からず不安、開始時間と終了時間で時間のけじめが欲しい
・こだわりは好きでやっている事ではない
・じっとしている事は難しい、そうしたいけれどできない
・情報収集して問題を解決する事は困難
・大騒ぎしている時は、少し離れて見守って欲しい
治まったら気持ちを聴いて共感(代弁)する
・問題行動を無視する事は、本人の心に与える影響のバランスが大事
→なんでもかんでも無視は心が傷つくので、「これだけは」の時だけにする
されて嫌な事
・何も分かってないと思われ、無視されたり自分の事を話されたりすること
・自分がいる前で、親や兄弟が大変だと話をされること
・こうするのが本人の為だと勝手に思われ、意見されること
・奇声、こだわりなど迷惑をかける行動をやりたがっていると思われること
援助して欲しいこと
・笑顔で接する
・分かりやすく、はっきりした口調で話す
・指示は1回に1つだけ
・危ない時や悪い行動はそうする前に注意して止めて欲しい
・自分の言いなりにはならないで欲しい
●感想
・全てが著者の言葉であるなら、本当にすごい事だと思う
・そうでなくとも、自閉症児と接する機会のある身として参考になる事は
多々あった
特に、声を掛けても反応がない事の多かった理由が分かり、合点がいった
Posted by ブクログ
会話ができない自閉症の高校生が書いた本。
側から見ると謎の多い自閉症、頭の中ではいったいどんなことが起きているのか。
そして自分の頭の中で、もしかしたら同じようなことが起きているような、気がする。そんな本。
とても簡素な言葉で綴られていた。一気に読んだ。
Posted by ブクログ
前著から3年...16歳になった著者の成長記録。対処スタイルが少しずつ身についていく様に感動。と同時に自身に問いかける。差別、蔑視する考えがちょっとでもないか?自信を持って“YES”と言える自分であるか...。まだまだ定期的なメンテナンスが必要なのが現実。それでも良いと言える社会の寛容さが共生社会を実現するはじめの一歩であるし、最終的にはそんな言葉が不要な社会になることが求められているように実感した一冊。
Posted by ブクログ
先日、NHKの番組で観た「命のバトン」の話に感銘を受けて手に取ってみました。
前評判に偽りのない内容で、自閉症を抱える人のもどかしさや不安を
まるで自分のことのように感じることができました。
この作品のよいところは、ただやみくもに自閉症の大変さを主張するのではなく、
ものごとを客観的に見た上で、冷静に意見を述べていることだと思います。
Posted by ブクログ
独自の思考で 目から鱗の箇所だけでなく、なんて本質を突いたことを言うのか…という箇所が数多くあった。
それはもう、質問が馬鹿げたもののように思えるくらい。
NHKのドキュメンタリーを見てから前作、今作と読み進めたからこそ彼が頭の中に浮かびながら読めるけど、そうでなかったら 「本当に重い自閉症の人が書いたのか?」と疑ってしまうくらい、素晴らしい言葉。
そして、鋭すぎるくらい研ぎ澄まされた感性。(本文も素晴らしいが詩が本当に素敵。)
Posted by ブクログ
自分でもよく分からない、記憶できない、前例のないこころのゆらぎを、よく言葉にできたなぁと感心する。しかしながら、私の想像を遥かに超える困難さなのだろう。
前作に比べ語彙は豊富になり、実感した言葉を顕しているように感じた。
繰り返し出てくる「僕の場合は」という単語。著者は自閉症にもいろいろなケースを把握し、その中で社会の一員として生きている実感を得ているのではないだろうか。
なんというか、圧倒された。
気持ちを言葉にすることに、伝えることに難しさを感じる人に薦めたい。
Posted by ブクログ
生まれて一度も言葉を伝えたことのない人間が、筆談で相手に伝える、第2弾の高校生編。前作と比べて、大人になっているなと思った。どこかに障害を持った人は、優しいのかな、と思う。章と章の間の詩が、凄くいいなと思った!
Posted by ブクログ
自閉症の方にとってどんな対応、コミュニケーションしたらいいのかわからないって人結構多いと思う。
絵カードなど視覚情報からはいったほうがいいとか言われてるけどからなずしも視覚情報から得て行動できるか、理解できるかっていわれたら全員できるわけじゃない。
障害あるないに限らず人の感情読み取る、汲み取るの苦手な人っていてるとは思う。
自分がもし自閉症者と関わって下さいっていきなり言われてもどう接していいのか分からんし、コミュニケーションもどうすればいいのか悩むし、東田さんの作品って一例とあげてくれてるから参考になる。
他人のことなんか完全には理解できひんし少しでもわかろうとする気持ちが大事じゃないかってこの作品読んで思った