東田直樹のレビュー一覧
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自閉症の男性が書いた彼の世界の見え方を紹介する本。
福祉施設で働いていて、自閉症の方もいらっしゃるので勉強になった。
自分で自分をコントロールできないことに対してそんなに自尊心を損ねていることを初めて知った。
さまざまな描写が利用者さんと重なって同じような気持ちだったのかなぁと想像した。人それぞれな部分もあるが、どのように関わっていくかを考えさせられた。
コミニュケーションが上手く取れない自閉症の方にやきもきすることもあったけど、もっとおおらかに構えて不安や恐怖を与えない環境づくりをするべきかもしれない。それから、成功体験がたくさん積める場を作りたい。
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Posted by ブクログ
自分で自分を奮い立たせるってことある。
最後の文中にもある。13歳の時に書いた前作よりも、ひとつひとつの文章が長くなった。それは、自分自身を励ますため。胸の内をありのままに語ることで、明日を生きるために、自分を奮い立たせたかったからです、と。
誰かに聞いてほしい時ってある。答えがほしいわけではなく、共感、慰めでなく、話す相手がほしい時。ありのまま話せばどこかで心繋がった、と思う嬉しい勇気が出る瞬間。
そんな一筋の訴えを感じました。
文章の所々、心に残る表現があります。
・この社会は、たくさんの人々で構成されています。その中で自閉症の人も生きているのです。
・もし、みんなが自閉症の僕たちの -
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ネタバレ●内容
・前回と同じく一問一答式
・物語はないが、合間に詩が書かれている
●学び
・話をする相手は風景にくっついているもの
→場所が変わると誰か分からない事が多い、何度も会えば覚えていく
・声に対して反応できない、人の声だからと意識を向けられない
・声は向こうからやってくるもの、自分から探す事はできない
・見ながら聞くことは難しい、見る時間と聞く時間を分けて欲しい
・ウォークマンを聴く事で安心できる、雑多な音は不快
・乗り物に乗って流れる景色を見るのが好き
・なんでも口に入れてしまうのは安心するから、悔しい時も気持ちを落ち着ける
・時間の流れが分からず不安、開始時間と終了時間で時間のけじめが -
Posted by ブクログ
良い本です。
キャッチーな書評をするのなら、「自閉症の彼らが何をどう感じているのかが分かる」などはどうでしょうか。読み進めてもらえれば、読者に自閉症という言葉より、その人の個性を知ろうとする感覚が重きに置かれると思います。
僕自身自閉症の方と関わる体験があるのでこの本を取ったわけですが、これは小さいお子さんがいるお母さんたちとも共鳴する本のように感じました。
(自閉症とお子さんを「思考が読み取りにくい」という一点において同一視したわけで、決してお子さんを自閉症かもと疑うという意味ではございません。)
理解できないから人は恐れ、嫌悪します。理解できないのは、自分の世界にその尺度が見当たらないか -
購入済み
不思議がわかった
自閉症の子どもを持つ親です。子どもが小さな時から、不思議に思って来た事に答えが出た様に思える本でした。
是非多くの方々に読んでいただきたい内容です。
出会えてよかった -
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著者は自閉症者です。
テレビで著者の特集を見たことがあるのですけれども、
発語のみによる会話が難しく、
文字盤を使う「文字盤ポインティング」という方法で会話していました。
そのような、他者とコミュニケーションをとることが難しい自閉症者が、
自らを自らの言葉で表現し伝えるのが本書です。
自閉症の人たちは一般的に社会に適応できないと言われていますし、
障害者でもあるわけで、いったいどういうことを考え、
どういうことを感じて生活しているのかがほとんどわからなかったりします。
僕もこれまで身近に自閉症の人がいたことがなく、
まるでどういう障害の人たちかまったくわかりませんでした。
ともすれば、知的障 -
Posted by ブクログ
自閉症の方が書いた文章を初めて読んで、彼らがどんな感覚で日々過ごしているのかが以前よりも理解できた。なぜそのような行動を取るのかも理解できた。
私たちは知らないものに勝手にこういうものだとステレオタイプ化しがちだ。だが、自閉症うんぬんでなく、個人としてもっと知り関わっていかなくてはならないと思った。
言葉がうまく出なくても、頭の中ではこんなにも考えて言葉にしているのかと驚かされた。少しでも共生しやすい社会に近づいて欲しい。
*毎日の生活の中で重要なことは、注意された今日とは違う明日が来るのを信じ続けることです。明日に希望を求めるのではなく、今日のやり直しを明日行うのです。