松尾豊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こういう因果推論的感覚というのは、人の性格によって、生得的に身につけているように見える事もある。いわゆる、騙されやすい人とそうじゃない人だ。生贄を捧げている最中に雨が降るとか、何の効用もないサプリを飲み続けていると体調が良くなり、それらが関係あるものと思い込んでしまう。関連性を常に疑うクセがついていると騙され難いが、そういう人生は楽しみが減る気もするので、ある程度のバランスが必要。疑うだけでも出口がない。因果推論とは、疑う側にも疑わない側にも、重要な審美眼を養う科学だ。
ユヴァル・ノア・ハラリは、信仰による共同幻想共通によって人々が結束するようになったと言っている。人間が想像力を持ったことと -
Posted by ブクログ
いま、日本で人工知能業界を牽引し、多くの人材を輩出している(←これ大切。人を育てまくっている)松尾豊先生の約10年前の著書。
この本に書いてあることは、ふたつ。
人工知能技術の仕組みや魅力の紹介と、これからの予測である。
前者は今も通じる基礎的な教養で、読んでよかった。続く後者が、今の時点から読むと興味深い。
ChatGPTが世界に波及したいま、松尾先生の予測が外れているのである。つまり、ホワイトカラーの支援から人工知能の普及が始まっているのだ。
一方で、ここで書かれた問題提起とその予測について今も地続きなものがある。技術普及に伴う人権問題、倫理問題はたしかにそう簡単に収まっていない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ作者が言いたかったのはこのようなことだと感じた。「人工知能が人類を征服する心配をする必要は無い。人工知能が本当の意味で人間のようになるのはまだまだ遠い先の話だからだ。それよりも過度の軍事目的利用、市場の占有などの方が日本の未来にとって脅威だ。まだまだ発展途上の人工知能の進展を応援するいち研究者として、読者にも人工知能に興味を持って使ってみることをお勧めする。人工知能がもたらす未来はバラ色でも逆に暗黒でもない。少しずつ人間の世界に浸透していき、なくなったり、生まれたりする職業が出てくるだろう。自分事としてこの世界をどんな社会にしていきたいのか、自分は何ができるのか考えながら人工知能を使ってみて欲
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Posted by ブクログ
※ 出版社さんから紙版をいただきましたが,自分でも電子版を購入してレビューしています
著者のLeCunさんは,HintonさんやBengioさんと並んで,第3次AIブームの火付け役である.AIの歴史,自叙伝,ニューラルネット仕組み,そしてAIのさまざまな問題や今後の展望について語った本である.
◆ 第1章:AI革命
データがあればいくらでもすごいAIが作れるぜ!みたいなタカ派のLeCunさん,それに対してハト派のBengioさんみたいな印象を今まで持っていた.現状のニューラルネットに出来ないことを率直に認め,論理の必要性を述べている.初期の論理ベースのAIにも気を遣って紹介している印象を受 -
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