松尾豊のレビュー一覧
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二〇一五年の本。少し古いが、人工知能の歴史や仕組み、それに“ディープラーニング”がどうすごいのかまで、わかりやすく書いてあるということで、人工知能についてとりあえず素人がまず知りたいならということでおすすめされて読んだ。
人工知能はすごいだの怖いだの、煽られたり批判されたりをされてきた側である、人工知能研究の当事者の学者さんの書いたものだからこそ、わかりやすく誠実に語ろうとしているのが伝わったし、実際わかりやすかった。
ディープラーニングすごい、という話がメインテーマだが、それ以外で面白かったのは「強いAIと、弱いAI」の話。
人間と同じやり方で思考することができるとするのが「強いAI」で、「弱いAI」は、同じように思考しているように見えるとしても実はやり方が違う、というような話だったか。それは、飛行機ができたとき、羽ばたかないでエンジンで揚力を生み出すことにしたのと似ているのだそうだ。人工知能研究者たちが“本質でないところにこだわらない”で前に進もうとしてきた努力だとも言える。
「弱いAI」だからといって、“思考ではない”とは言えないのではないか。人間の定義する“思考”に当てはまらなくても、彼ら(?)なりの“思考”や“感情”や“意志”だと捉えても間違いではないのではないか。と思った。 -
Posted by ブクログ
※ 出版社さんから紙版をいただきましたが,自分でも電子版を購入してレビューしています
著者のLeCunさんは,HintonさんやBengioさんと並んで,第3次AIブームの火付け役である.AIの歴史,自叙伝,ニューラルネット仕組み,そしてAIのさまざまな問題や今後の展望について語った本である.
◆ 第1章:AI革命
データがあればいくらでもすごいAIが作れるぜ!みたいなタカ派のLeCunさん,それに対してハト派のBengioさんみたいな印象を今まで持っていた.現状のニューラルネットに出来ないことを率直に認め,論理の必要性を述べている.初期の論理ベースのAIにも気を遣って紹介している印象を受けた.
◆ 第2章:AIならびに私の小史
自叙伝パートIである.誤差逆伝播法を誰が考えたのかは議論があるのだが,導出しただけでなく,実際に動かすのが難しいところを実装までやったところが,やはりHintonさんは違ったという意見は印象に残った.あと,NECの北米研究所のあたりの経営陣の話は残念だったなと思う.
◆ 第3章〜第7章
初期のパーセプトロンから,現在の深層学習までの仕組みの紹介.数式の代わりにプログラムのコードを使って紹介しているが,あまりうまい説明のようには思えない.というわけで★を一つ差し引くが,この本のおいしいところは第9章と第10章なので,この本の価値が損なわれる訳ではない.
ただ一箇所,第6章で,LeCunさんが名を上げた畳み込みニューラルネットの元になったネオコグニトロンを作った福島さんについて賛辞を述べているのは印象深かった.
◆ 第8章:Facebook時代
自叙伝パート2である.ザッカーバーグさんがLeCunさんをスカウトするとき,論文まで読んで来ていたというのは感服した.
◆ 第9章:そして明日は?AIの今後と課題
ここからがメインディッシュである.現状のAIの限界への認識と,それをどう克服してゆくかの展望を述べている.Kehnemanさんのシステム1と2を使って,意識的な処理と,無意識な処理とを統合するのが重要というBengioさんがよくされる話を紹介している.もちろん,AI研究者はこの問題を認識しているが,さてどうやればいいかはみんな悩んでいる.ただ難しいというだけでなく,学会とかでは Predictive Learning という名で呼んでいる自身の解決案を紹介ししている.だが,現状では,どんな点がうまくいなくて,どんなことが必要になるというのを存分に語っている.
◆ 第10章AIの問題点
メインディッシュの2皿目では,AIと社会に関わる問題について,LeCunさんの意見を述べている.楽観的ではあるのだが,ちゃんとその理由も考察している点はさすがである.人間を支配するAIが発生しないと考える理由が個人的には面白かった. -
Posted by ブクログ
ネタバレヤン・ルカンによるディープラーニングの本は自身の半自伝的な内容となっている。
機械学習などの話題も広く扱われているが、内容について説明することを目的とした本ではないため、ある程度の前提知識は必要になる(数式も全く出てこないわけではない)。この本で誤差逆伝播法について理解することは難しいが、歴史的な背景から書き起こしているため、誤差逆伝播法についてわかっている人が読めば得る所は多いだろう。
・AIは学習するが論理的な推論は行えない。チェス用のプログラムに将棋は指せない。
・強化学習は現実の世界では使い物にならない。強化学習は失敗をした後、パラメータをチューニングしていくというシステムなので、自動運転を強化学習でやろうとして何回も崖から落ちるというわけにはいかない。人間が20時間ほどの教師なし練習で運転を学習できるようになるので、機械学習には新しいパラダイムが必要なのだ。動物はみな、観察によって世界の仕組みを学び、世界で生き残るための予測モデル(常識)を得ている。
・人間の思考だけが特別なものではない。脳は計算する機械に過ぎず、原理的には電子機械であるコンピュータによって再現可能であると革新している。フロイト曰く「重要な科学革命はどれもみな、唯一共通な特徴として、自分たちは宇宙の中心に位置しているという確信を打破したのを皮切りに、人間の尊大さが依拠していた台座を次々に取り去ってきた」 -
Posted by ブクログ
G検定を受検する人におすすめ。
【概要】
●シラバスに沿った公式テキスト本
【感想】
●素人同然の自分が、この1冊のみの購入で2022#1の試験に合格した。
●評判どおりこの本1冊だけの勉強では合格できない。しかしながら勉強の足掛かりとしては十分な内容である。
●次の点に留意すればよい。
・本で説明されていない用語はすべてネットで調べれば初心者でも理解できる。
・過去の合格者がユーチューブで講義してくれている。自分にあったものを選らんで視聴すればよい。
・ユーチューブに模擬問題と解説の動画があり、とても有効である。
・法律関係は、経産省等のHPを活用すれば最新の改正情報を入手できる。
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Posted by ブクログ
2021年11月試験学習にて使用。
試験範囲をざっと理解するには丁度いいが、ディープラーニングの概要、手法あたりは説明不足だったり名称の羅列のみで詳細やポイントがわからない。
章末問題も悪くないが、書籍内で説明されていない内容があったりといまいちなところもある。
本書と無償で提供されていた問題集で余裕をもって合格できたが、これ一冊だとかなり心許ない。
G検定の問題自体が洗練されていないところ(190問あるが重複感のある内容があったり、いちいち記憶する必要がないような知識を問われたりなど)もあるが、試験対策としては別途問題集を解いたりネットなどで不明点を学習しておく必要があるかと思われる。
なお記載の誤りが多数あるので、翔泳社のサイトにて正誤表確認が必須。