アンディ ウィアーのレビュー一覧
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ビデオゲームをテーマにした、現代SFを牽引する豪華執筆陣によるオリジナルSFアンソロジー。全12編を収録。
「リスポーン」「救助よろ」「1アップ」「NPC」「猫の王権」「神モード」「リコイル!」「サバイバルホラー」「キャラクター選択」「ツウォリア」「アンダのゲーム」「時計仕掛けの兵隊」を収録。
創元文庫がときどき出すSF系アンソロジー。本書は『スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) 』というタイトルである。これを見て手に取った人なら、間違いなく楽しめる傑作ぞろい。書いているのはもちろんSFで著名な作者ばかりだ(……といっても自分は3人くらいしか知らなかったのだが^^;)。
「救助よろ」はMMOのあるあるを思わせる体験者ならニヤリとしてしまう面白さ。ネットスラングなどをうまく日本語に訳してくれた。
「リコイル!」はそのまま映像化できそうな、スリル満点のアクション佳作。オチがゲーム小説らしくて良き。
「ツウォリア」は「火星の人」のアンディ・ウィアーなので期待して読んだが、見事に期待にこたえてくれた。既視感のあるSF設定ながら、ユーモアと夢のあるこの作者らしい落とし方。
「時計仕掛けの兵隊」はケン・リュウらしい作風が光る、さすがの安定感。
個人的に一番のお気に入りの「1アップ」は往年のテキストアドベンチャーをリスペクトしまくった、好きな人にはたまらない快作。あの時代のアドベンチャーは懐かしいだけでなく今でも楽しめるんだよなぁ。
全体を通してクオリティが高いのはもちろんそれを選んでいるからだが、ゲームとSFの親和性が高いことと、ゲームSFというジャンルがあるとすれば、人間の根源的な何かを探求していくのにこれほどふさわしい小説の分野はないと思わせてくれたことが大きな収穫。自分自身ファミコン世代で今もってゲーマー(ゲームファン)なので、最高に楽しめた一冊だった。第二弾、三弾と出してくれないかな~。 -
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ネタバレ「夏の霜」ブレイク・クラウチ
人工知能モノ。最初は世界観が飲み込めなかったが、ゲームだとわかり、そこからは新しい人工知能の誕生にワクワクした。主人公が女性でレズビアンなのがイマドキ。でも子育てや夫婦?仲がうまくいかないところは普遍的。
主人公と一緒になってマックスに騙された。ブライアンを殺すところはゲームと一緒だったな。
“喉の奥に金属の味がする。”の絶望感が良かった。
AIに愛された人類はAIのようにされてしまうのか。
「エマージェンシー・スキン」N・K・ジェミシン
宇宙人モノ。はるか昔に分化した地球人類だが。
温度差がシュールで笑ってしまう。一大隠密プロジェクトのはずが、地球の人には筒抜けで、任務に気負っていた主人公がだんだん馬鹿らしくなっていく気持ちに同調できた。
与えられた環境と支配の声に疑問を持たずに言いなりになるなということなんだろうな。
「方舟」ベロニカ・ロス
終末モノとして、最後に残った人間の動向が面白い。植物学者。新種のランの発見。それまでの会話と父と母の記憶で、残るのではなく旅立とうと決心したのが良かったな。希望が生まれた瞬間。
「目的地に到着しました」エイモア・トールズ
デザイナーズベイビーモノ。
家族単位での個人のモノとして考えてたら国家が軍事的に介入していたというオチというか、設定。
自分が子供に望むように国家が国民に望んでいる。
IFを3つ見られたのが面白かったし、成長段階を分けていたのも面白かった。奥さんはこれから過渡期で変化前、自分は変化後。変化によってどうなるかわからない不安定さも良かった。
「最後の会話」ポール・トレンブイ
クローン人間像モノ。アンが、アンのホームビデオは何回も見たが最後は数回しか見てないということは、そこまで成長出来たものも数が少ないのかな、と考えた。記憶を引き継いでも、彼は彼であるが自分自身ではないという感覚が面白いな。
でもアンが必死になってクローンを作り出すのはわかってしまう。
「乱数ジェネレーター」アンディ・ウィアー
量子コンピューターモノ。
面白かった。カジノに限定しての攻防と最後の駆け引き。短いながらも緩急あって面白かった。さすが。 -
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ゲームをテーマにしたSF短篇アンソロジー。
ゲームを扱った作品と言っても様々なパターンがあり、ゲームをやることがストーリーの基軸となるもの、ゲームの中の世界が書かれたもの、ゲームのような展開があるもの、などなど。それぞれゲームに対するアプローチが違っており、こんな風に扱うこともできるのかと驚かされるアンソロジーでした。
死んだ時に近くの人間に乗り移ってしまう男、友が残したゲームには友の死の真相が隠されている、脳の障害による病気の治療に効果があるというシミュレーションゲーム、命を懸けたパズルゲームの行方、FPSゲームの私ならではのプレイ法、MMORPG内のミッションでリアルマネーが手に入る理由とは。
どれもゲームの魅力と小説の魅力が融合し、思いもがけない展開に目を見張ります。
ゲームは元々大好きでずっとやっていたのですが、ここ15年くらいはご無沙汰しているんです。その間に様々な新しいゲームが現れ、新しい世界が広がり、新しい遊び方が増えてきました。
このアンソロジーに出てくるゲームにも驚かされることしきり。そうか今はこんな楽しみ方もあるのかと、ゲーム熱も再熱させられそうでした。
実に贅沢で満足度の高いアンソロジーです。 -
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「スタートボタンを押してください(ゲームSF傑作選)」
全作が書籍初収録。
「紙の動物園」のケン・リュウ、「All You Need Is Kill」の桜坂洋、「火星の人」のアンディ・ウィアーら、現代SFを牽引する豪華執筆陣が集結。ヒューゴー賞、ネビュラ賞、星雲賞受賞作家たちが、ビデオゲームと小説の新たな可能性に挑む。本邦初訳10編を含む全12編を厳選した、傑作オリジナルSFアンソロジー。
という触れ込み。桜坂洋しか知らなかったのですが、どれも面白い。ゲームSFと言うジャンルすら初耳なんですが、こんな小説の世界観があったとは知らなんだ、、、
まず1発目の「リスボーン」が強烈なインパクトを放つ。未知なジャンルの場合、しかも傑作編、短編集等の纏め版だと、一番最初に読むモノの力が弱いと読者は離れる可能性大かと思いますが、それをさせないパワーがある。ゲーム(RPG等)の“何度でも生き返るという特性”を活かすだけでなく、こんな形で適応させるとは。All You Need Is Youに通ずるものがありますね。とりあえず、読み出して途中でGIVE UPすることは無いと思います。
続いて「救助よろ。」。ゲームばかりして遂には大学を退学してしまう彼氏に愛想をつかしたガールフレンドの下に、彼氏からSOSが届き、毛嫌いしていたゲームにログインする話。現実と仮想世界の違いに触れるワードが頻繁に出てくるが、ポイントなのが「何が現実世界なのか」ということ。読んだらすぐ違和感が出ると思いますが、その時点で既に創造者(彼氏)の企みは成功していたということ。ゲームらしい世界観が良く出ている作品でした。
翻って「1アップ」は、ミステリーに近い。ネットゲーム仲間が死に、彼の葬式で初めて出会う友人達の物語であり、彼は誰かに殺されたのではないか?という疑惑が、彼が残したゲームにより確信に近づいていく。思春期らしい描写が多く、青春モノのような雰囲気を漂わせます。ゲームといえば、シューティングや格闘技といったイメージを思い浮かべる人が多いと思いますが、この短編で使われるのは古くから愛されるロジックのRPG。このゲームをフックに、真相に迫ります。
どれもお勧めで、外れはない印象でした。其々の著者による作品も手に取って見たいものです。 -
Posted by ブクログ
物理、数学、化学のオンパレードで、読むのに骨折れたところもあったけど、全体的に楽しかった。
宇宙ってやっぱりロマンがあるなー。
「タウ・セチ星は実在する星?」とか「過去の星を見てるっていうけどそれはどういうこと」とか「水金地火木土天海……の位置とか距離ってどんなんだっけ」とか、読みながら色々気になったので、調べて読んで、また調べて、としていた。
読み終わったあと、最初の場面を振り返ってみると、昏睡状態から地道に周りを検証し、対応していくグレースの賢さにとてもワクワクする。
ストラットは最初は傲慢で嫌な人だと思ったけど、最後の方とかは、「やってやりましょう」みたいな、泥臭くみんなを鼓舞する、覚悟の決まったかっこいい人という印象に変わった。
ロッキーがどんどん可愛くなっていってて、お願いだからグレースと楽しく明るい未来を……と思っちゃう。
早く下巻を読みたい!
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ネタバレあらすじ
地球と40光年彼方の星を滅亡の危機から救うため、奇跡の出会いを果たした孤独な科学者グレースと異星人ロッキー。ふたりは互いの知恵と科学技術を結集し、未知の宇宙生命体「アストロファージ」の謎を解き明かす過酷なミッションへと挑む。しかし、度重なる予期せぬトラブルと命懸けの決断が立ちはだかる。それぞれが背負う母星の未来と、種族を超えて育まれた唯一無二の友情の果てに、グレースが最後に選んだ運命の旅路が描かれる。
感想
上巻で始まったグレースとロッキーの共同作戦に引き込まれ、その結末を見届けるべく読み進めた下巻。上巻以上に緻密な科学的・生物学的描写が詰め込まれており、理屈を一つひとつ頭で消化しながら読み進める必要があったため、読み切るのにはそれなりの時間を要した。
しかし、次々と降りかかる絶望的なトラブルに対して、彼らが科学的な根拠と論理的なアプローチで立ち向かい、解決策を導き出していく過程には「なるほど、そうくるか!」と何度も唸らされた。特に印象的だったのは、物語の結末における描写だ。映画などのダイジェスト的な映像では、なぜグレースが異星人であるロッキーの星で平然と生活できているのか疑問に思える部分があったが、小説ではその生活環境や生理的な理由、生存の根拠が細部まで論理的に描かれており、すっきりと納得することができた。
そうしたハードで重厚な科学考証が物語の土台を固めているからこそ、その上で描かれるふたりの絆がより一層胸に迫る。言葉も外見も、生まれ育った星の環境さえもまったく異なるふたりが、互いを思いやり、命を預け合う姿には理屈を超えた熱い感動を覚えた。
科学的な知的興奮と、種族の壁を軽やかに越えていく温かな友情。難解な部分に挑んでじっくり読み通しただけの価値が十二分にある、圧倒的な読後感と感動をもたらしてくれる傑作だった。 -
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ネタバレ月面生まれ月面育ちの主人公ジャズが、アングラな銭稼ぎから大きなトラブルに巻き込まれるが、自前の機転で解決に持っていく話。月面のリアルな経済状況や、どんどん起こるピンチの波にショックを受けたり怯えたりしながらも立ち向かって解決するジャズが眩しい。
アンディ・ウィアー作品はやっぱり面白いなぁ…。主人公が毎回、圧倒的に賢くて、陽のマインドを持っていて、だけど時々弱みをみせるというのは特徴なのかなと。
「火星の人」「プロジェクト・ヘイル・メアリー」より映像化が遅れているのは、やや主人公がこの2作よりもダークサイドよりな面があるからかもねという論をみて、やや納得。 -
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ネタバレ解説にはなるべくネタバレしないような範囲で書いてあったが、全く同意だった。
食料問題がどうなったか、の部分からあっという間の転換だったし、10年間美味しくない食事に耐えられたところもハッピーエンドのためのご都合かもしれない。
エイドリアンがちゃんとロッキーを持っていたのも良かったし、結果的にグレースが教師としていられるエンディングになって良かった。
50代で骨にもガタが来ている状態で、「家に帰る日」が来るのか、それとも家に帰る日が来ないことを決める日が来る、ということなのか。
大問題には対処できたが、そこに至るまでの地球の様子が書かれていないのは、希望という形でぼかすしかなかったのか。
実際には争いが起きているだろうし、仮にグレースが帰っていたとしても、13年経ってる段階で、ストラットは責任やら訴訟やらで生きてなさそうなので、詳細に書かないほうが読後感は良いままで終われると思う。 -
Posted by ブクログ
映画で先に見て、そのあとオーディブルで聴いた作品。
科学的なところが多くなかなかついていけないシーンもあったが、主人公のグレースが地球の危機を救うヒーローでよくありがちな自己犠牲をもろともしない感じではなく、宇宙船に乗るのを本当に嫌がっていて、人間らしい感覚ってそうだよな…と思った。
こうしている今でも、自分たちの気づかないところでこうした選ばれし精鋭たちが地球を救うミッションに奔走しているのだろうか。このような危機があった時に、アメリカや中国や北朝鮮をはじめとする国々は本当に戦争しないでいてくれるだろうか。
ロッキーとの友情をこんなに育めたのは、グレースの人間らしい優しさや、同じ科学者としての頭脳や運などさまざまなことが重なってのことだと思うが、地球にいるときには見つからなかった、親友になったんだなと思った。
映画では普段は冷徹なストラットがカラオケを歌い、宇宙に旅立つ人への申し訳なさ、哀愁、心の葛藤のようなものが見えた気もするが、あれは映画にある、名シーンだと思う。
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ネタバレ『宙わたる教室』に出てきた本、第二弾。
マーク・ワトニーは、火星で猛烈な砂嵐にあい、吹き飛ばされて怪我を負う。他の宇宙飛行士たちは彼が亡くなったと思い込み、帰路に着く。彼は火星にただ一人取り残されてしまったのだ。
通信もできない、水も食料も不足している。
植物学者でメカニカル・エンジニアのワトニーは、知力を尽くしてサバイバルしていく。
一方NASAでも、彼が生きていることを突き止め、力を結集していく。
ワトニーの部分が日記形式なので読みやすい。彼のユーモアのある明るいキャラクターがいい。
ハラハラするところで終わってしまった。
下巻も楽しみ!