野嶋剛のレビュー一覧

  • TSMC 世界を動かすヒミツ

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    台湾人の経済記者が書いた台湾半導体業界とTSMCの歴史と、その強さの秘密を書いた本です。
    TSMCの創業者モリス・チャンの思想やTSMCの哲学、ファウンダリビジネスの考え方などの丁寧な説明があり、とても参考になった。半導体業界の人におすすめの一冊です。

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    2026年05月01日
  • 白球は海を渡る ――台湾の中の日本野球

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    WBCを機に読んでみた。100年にわたる日台野球交流史。
    台湾出身の野球選手といえば自分には郭源治、郭泰源、荘勝雄。実は戦前から台湾出身戦車が中等野球なとで活躍している。蒋介石の中華民国ではバスケットボールがメインで棒球はそれほど。そんな中でも野球のセンスがあるという先住民族中心に棒球は続けられてきたという。
    日本人のプロ野球選手が台湾に渡り復活することも多い。西武ライオンズのエースだった渡辺久信は台湾行きから指導者の道が開けている。
    台湾という国を知るために、野球棒球という視点は実に面白い。

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    2026年03月11日
  • TSMC 世界を動かすヒミツ

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    今、最もホットな半導体業界で圧倒的な成功を収めている会社の勝因研究である。30年間この業界とこの会社を見てきた台湾の著名ジャーナリスト林宏文が満を持して書き上げたTSMC分析の傑作だ。
    アメリカと中国のデカップリング、’22 米CHIPS法施行、コロナによるサプライチェーンの綻びなど地政学的要因で、台湾のTSMCは半導体の受託製造工場をアメリカや日・欧に分散することを始めた。米アリゾナ州、日本の熊本、シンガポールやヨーロッパなどへ莫大な補助金付きの本格的な工場進出である。
    かつて日本の半導体産業は世界を席巻しアメリカとの貿易摩擦で衰退したが、日本は大企業の一部門として設計・製造・製品と垂直展開する事業構造であった。
    1980年代、台湾政府は大陸中国を視野に入れた世界目線で製造請負の受託製造業=「ファウンドリー」モデルを作り上げた、それは巨大な設備投資とスピードで圧倒的な競争力を発揮する。
    又、台湾出身でアメリカで学び競争を勝ち抜いた人材を呼び戻し、国策として半導体産業を育成した。
    1987年TSMCが台湾政府とモーリス・チャンの出資で設立された。彼はUMC(’85設立)のようなIBMからの技術導入策はとらず、自社工場での自前開発にこだわり、今では蘭ASMLの最先端製造装置(UMC 240億円)を使いこなせる唯一の企業でiPhoneの半導体を殆ど供給している。ファウンドリーモデルをサービス業として徹底し、先端技術へのこだわりがこの会社の勝因であった。
    今進めている工場の世界展開ができれば、iPhoneはもとよりAIやEVなど今後の半導体の爆発的需要を取り込むメーカー密着・多用途対応・グローバル展開の新しいステージに進化する。大陸中国の欠損を埋めて余りある。
    社員のハードワークは、かつての日本の技術者や労働者の働きを見ているようだ、いつの間にかお株を奪われた、日本人は働かなくなった。
    国の本気度や経営者のアメリカとの結びつきの強さ、地政学戦略の把握やマーケットの最新動向の感応度、人材を育成する体制など学ぶことは多くある。
    従来読んだ数多くの日本企業物に較べて、地政学を踏まえて会社の内情・業界や技術を長年の密着でよく知った上で深く分析している。

    大型機のIBM、PCのMS(Intel)のようにiPhoneの半導体はTSMCという立場を確立したが、今後のAIやEVでもNVIDEA など各メーカーに圧倒的なシェアの供給を続けることができるかがポイントである。
    韓国も台湾と地政学的に似たところがあり、サムスン、SKハイニクスのHBMなど後工程の技術開発動向も要注意だ。課題はいろいろあるが、当分はTSMCの優位は揺るがないことがよくわかる。

    翻って再起を期す日本は、熊本工場はSONYのCMOSイメージセンサーとトヨタのEV用途と顧客がはっきりしているのでそれなりの勝算が見える。
    一方、期待の千歳のRapidusの動向が気になる。IBMに100人超の技術者を送り込んで、2ナノを‘27年までに開発するとしているが最終顧客をどうするか。TSMCとは異なるオールラウンド顧客対応の多品種少量生産のファウンドリーというが、それを実現するには、TSMCが乗り越えてきた壁以上のものと日本人の真面目さ・器用さ・丁寧さ・粘り強さを如何に発揮できるかが勝負だ。小池社長をはじめ、かつての栄光を背負った技術者達が集まっているが、過去の成功体験を捨てられるか、どれだけ台湾TSMCの軌跡に学べるか。
    易しく要領よくまとめてある林宏文のこの論考はポイントをついている。半導体事業経営の教科書にもなりうる内容の傑作だと思う。
    この業界で三週回遅れの追撃は決して簡単ではない。
    しかし、今を置いたら永久に日本のチャンスはない。
    健闘を祈るだけである。

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    2024年07月19日
  • 台湾の本音~“隣国”を基礎から理解する~

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    台湾の歴史、国際的な立ち位置を知ることが出来た
    台湾有事リスクの渦中、日本と台湾の関係性を考えることが出来る貴重な本だと感じた

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    2024年07月14日
  • TSMC 世界を動かすヒミツ

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    台湾の半導体産業躍進の秘密を明らかにして、
    今、台湾-日本-韓国-米国の「世界戦略モデル」が一新される

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    2024年06月11日
  • 日本の台湾人 ――故郷を失ったタイワニーズの物語

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    日本の政界、経済界、学界、芸能界、文芸界で活躍する、台湾のルーツを持つ著名人たちのファミリーの歴史を通して、故郷喪失者の物語が描かれる。

    紹介されたのは蓮舫、辜寬敏、東山彰良、温又柔、ジュディ・オング、余貴美子、羅邦強、安藤百福、陳舜臣、邱永漢ら。彼ら自身及び先祖の物語を通して、戦前は日本、戦後に中華民国になった台湾の歴史の複雑さがよく伝わる。

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    2024年05月25日
  • ふたつの故宮博物院

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    圧倒的に読ませる文章力。
    北京と台北の二つの故宮から、近代中国の悲哀と昨今の両岸関係事情をも包含したドラマを紡ぐその展開に思わず一気読みした。
    故宮の文物が中国大陸を彷徨い、最後に台湾まで渡ったその経緯は数奇に思えるが、文化は即ち政治であり、正統性を与えるものとして権力の象徴であった、中国の長い歴史から見れば、その流浪の旅もまた歴史上に繰り返されてきた一コマに過ぎないのかもしれない。混沌としているから、それを生き抜いてきた文物がより眩く見えるのか。
    辛亥革命から100周年の年に、二つの故宮展を東京国立博物館で統一させようとした平山郁夫の演出も味があり、日本が、その歴史的経緯からも主要な参画プレーヤーだということを改めて思い知る。
    台北の故宮が台湾の人から受け入れられるのか、台湾化と中華主義の攻防も、台湾の複雑な内部事情を物語る。執筆時から相当時間が経っているが、いまだに内容として褪せない。
    二つの故宮から、ここまで両岸、そして時に日本をも巻き込んだ歴史、政治、文化にわたるドラマを描けるものなのか。ただただ脱帽する。

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    2023年11月20日
  • タイワニーズ 故郷喪失者の物語

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    【大日本帝国から戦後へと続く日本,分断された中国,そして出身地の台湾という東アジアの境界を行き来しながら,失われてしまった自分の帰属すべき祖国・故郷を探し求めてきた人々がタイワニーズなのである】(文中より引用)

    国際情勢の荒波に揉まれながらも,日本・中国・台湾という国家の国境をひらりと越えて自らの思うところに従った,台湾と関係を持つ「タイワニーズ」たちの半生を記した作品。著者は,『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』等の台湾をテーマとした作品でも知られる野嶋剛。

    国際社会の荒波をもろに被り続けてきた人々の一人ひとりのエピソードが中心となっているため,非常に読みやすいというのがまず高評価に値するかと。著者の丹念な取材活動を基に記録されていますので,それぞれの章が抜群に読み物として興味深い点にも驚かされました。

    ジュディ・オングのエピソードが特に印象に残ります☆5つ

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    2021年06月24日
  • タイワニーズ 故郷喪失者の物語

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    登場する一人一人のタイワニーズのエピソードが大変興味深い。陳舜臣の著作は手広く読んでみたいと思った。

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    2021年04月03日
  • 香港とは何か

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    「パリは燃えているか」ならぬ、「香港は泣いているのか」とでも問いたくなるような騒乱に見舞われた近年の香港。西欧と中国の共存社会が急速に変わりつつあるように見えるそんな香港を解説する本。
    2014年の雨傘運動から2019年の逃亡犯条例改正に始まる大規模なデモ。そこには単なる中国による締めつけと片付けられない歴史と香港人のメンタリティがあるらしい。
    アヘン戦争による香港の誕生史から、ブルース・リーやジャッキー・チェンに代表される映画界、ヤオハンやナショナル炊飯器を通じた日本との関係。
    そこは中国でも西欧でもない、国家とも言い難いような場所であり、香港人が住む地である。その今の香港を理解するために良くまとめられた一冊。

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    2020年11月10日
  • 台湾とは何か

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    台湾面白い!こんなに捻れていたことを全く知らなかったことを強く恥じる。ぜひ行ってみたい。

    230105再読
    やっと行けることになりそうなので再読。
    終章の「日本は台湾とどう付き合うか」の部分は改めて考えさせられることが多い。

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    2023年01月04日
  • タイワニーズ 故郷喪失者の物語

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    とにかく面白い本。色々な台湾と日本に関係がある人々タイワニーズについてまとめた本。この本がそのまま中国や台湾で翻訳出版されると面白いのだが。

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    2019年01月07日
  • タイワニーズ 故郷喪失者の物語

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    題材が興味深い内容ということもあり、筆者の記者としての取材力もあり、それなりの分量ではありますが、非常に面白くて一気に読んでしまいました。日本で活躍している綺羅星のごときタイワニーズたちのファミリーストーリーを語りつつ、国家と民族の関係を深く考えさせられる著書となっています。

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    2018年09月26日
  • 台湾とは何か

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    とても勉強になりました。台湾の歴史的な成り立ちや中国・日本との関係性を学ぶことが、東アジアを学ぶことに直結していることに気づかされます。また、台湾史から見た、著者の沖縄への考察も洞察に満ちていると思います。

    「台湾に対する思考停止」から脱却したいものです。

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    2017年08月13日
  • 台湾とは何か

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    台湾の今、温度感が伝わってくるようで、とても興味深く読んだ。
    著者の野嶋氏が戴国煇、伊藤潔それぞれの『台湾』を今日でも学ぶことはたくさんありメーンの書棚からはずせないと語っているように、私にとってはこの本がそれにあたると思った。
    まだまだ理解しきれない点もあり、知見をひろめていくためにこの本を指針にしたいと思う。

    日本人の台湾に対しての「思考停止」について不健全と指摘していたが、それは万物にいえることであって、国家間だけではなく自分にも思い当たることがあり猛省した。

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    2016年07月03日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

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    朝日新聞の記者が書いた経営本なので、特段の深い分析はないが、十分な知識量と爽快な読後感。
    日本の書籍では珍しい台湾の企業をその成り立ちから現在まで、技術の変遷と業界環境また日本の自転車産業との比較も網羅している。Giantというアジアでも有数なブランドを作り上げた企業とその創業者の理念を分りやすく伝えている。
    Giantの成功は、技術へのこだわり、最初はアメリカのシュウィンOEMからスタートし、シュウィンが中国メーカーにもOEM先を広げると、自社ブランドの確立を目指す、そこではまだニッチ市場であった欧州のMTBをターゲットとし、素材はフルカーボンを先駆ける。中国企業が台頭してくると、より高級車にシフトし2000年代には単価を3倍程度あげることに成功する。その陰には台湾のMeridaや部品メーカーを巻き込んだAチームを作って台湾の自転車産業全体で危機脱却を目指した。その際にはトヨタの技術者によるリーン生産方式の導入もあった。現在ではGiantが先頭に立って、台湾を自転車文化の先頭を走る国にしようと、道路の整備やツアーの拡充を図っている。台湾一周は是非してみたいと思わせられた。

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    2012年11月01日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

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    スポーツサイクル世界一のメーカー「Giant」の創成を追いながら、スポーツサイクルの魅力と日本の抱える産業空洞化問題をクローズアップする良書。自転車を買おうと思っている人には、ぜひ読んでもらいたい一冊。プロジェクトXのようなストーリーなので、読み物としても面白い!

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    2012年10月19日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

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    購入書店:Reader Store; 読書環境:Reader PRS-T2; コンテンツ形式:XMDF

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    2012年09月26日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

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    面白くて一気に読んでしまった。

    なぜ日本の自転車ではなく、ジャイアントに魅力を感じるのか。
    これを見れば納得。
    他のメーカーはもう追いつけないのでは無いのかと思うほどの真摯なまでの自転車に対する熱意。

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    2012年07月15日
  • TSMC 世界を動かすヒミツ

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    TSMCが唯一無二の牙城を築けたのは、①半導体サプライチェーンの中で、一見付加価値が低いと思われる受託生産に徹底的に経営資源を集中、TSMCなしでは世界の先端半導体供給ができなくなったこと、②台湾人がかつての日本人のようにメチャクチャに働くこと。

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    2026年08月30日