野嶋剛のレビュー一覧

  • タイワニーズ 故郷喪失者の物語

    Posted by ブクログ

    「日本は二度台湾を捨てた」この言葉は日本の敗戦と、その後の台湾との断交〜中国との国交正常化について書籍や映画などでよく出てくる言葉だ。日本にとっては苦渋の選択だったかもしれないが、それ以上に台湾という国と、そこから巣立って日本に来て活躍した多くの政治家や文化人、作家などにも多くの影響を及ぼした。
    日本と台湾の文化的な距離は非常に密接になっているなかで、日本に住んでいるタイワニーズの存在がぽっかりと空いているのをこの本を読み終わって改めて痛感した。
    台湾への興味や関心の次のステップとして歴史と政治、そして二重国籍問題なども含む人間のアイデンティティーについて考えを巡らすことが出来る良作。

    0
    2019年04月13日
  • 台湾とは何か

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「親日国(地域?)台湾」。これが多くの日本人が台湾について語る言葉である。しかし、著者が指摘するように、残念ながら多くの日本人は、台湾の歴史(特に日本との関係)を理解することなく、ただ「思考停止」しているというのが事実ではないだろうか。台湾を等身大の台湾として理解するための入門書。これが、本書の位置づけのようである。

    台湾の歴史は複雑だがその分面白い。500年前まで南島語族の先住民族の居住地だったが、16世紀以降、福建系・客家系の南方系漢民族など新たな族群が渡来。「海洋アジア」と「大陸アジア」などが混在する多様性に富んだ民族構成になっている。日本統治50年の結果、日本文化に造詣が深い日本語話

    0
    2018年10月08日
  • タイワニーズ 故郷喪失者の物語

    Posted by ブクログ

    現代の台湾を日本との関わりで理解するために、わかりやすくかつ親しみやすい話題から入っていける、好適な一冊です。
    普通の日本人には実感の薄い、国籍、国家、民族、母語、などのテーマを考えるキッカケにもなると思います。

    0
    2018年08月30日
  • タイワニーズ 故郷喪失者の物語

    Posted by ブクログ

    タイワニーズその人となりに着目されており、とても興味深く読んだ。その生き方、歩んできた道、考え方はとても興味がひかれるし、読んでいて元気が出るようだった。まだまだわたしには難しい。また、もっと一人一人を知りたいとも感じたので、参考文献を読んで、より理解を深めたい。

    0
    2018年08月02日
  • 台湾とは何か

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【221冊目】元朝日新聞台湾特派員だった筆者が書いた2016年発行の本。筆者がここ10年の台湾を書いたと言っているが、その10年がどのような過去に規定されていたのかという点も簡単にまとめてあるので、台湾(の特に政治)に関する入門書としては最適だと思う。

     読んでいて痛烈に感じたのは、筆者の「かつて、日本においては、台湾について正面から論じることをはばかられる時代があった」という認識。これが文書の端々から感じられる。

     興味深かった指摘の1点目は、今の台湾には大陸から台湾を守る盾が2つあるという話。
     1つ目の盾は、現状維持を望む民意。しかし、アンケート結果から浮かび上がるのは、大陸中国の圧

    0
    2018年01月20日
  • 台湾とは何か

    Posted by ブクログ

    現在の台湾情勢を理解するための格好のガイドブック。台湾問題をずっと取材してきた著者の視点は確か。入門書としてもオススメできるが、一読で全部は理解できないだろうな。「1992年コンセンサス」とか難しすぎる・笑

    台湾人が台湾語で話すとき、日本語で話すとき、そして中国語で話すとき、微妙にそれぞれ違うなどの指摘も重要。

    小林よしのり『新ゴーマニズム宣言 SPECIAL 台湾論』を評価しているのだが、あれは司馬さんの『台湾紀行』の焼き直しみたいな本だと思うが……。

    0
    2016年07月24日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

    Posted by ブクログ

    ジャイアント自体の、話としてはいまいち薄い。
    ジャイアントを核にした、自転車産業の、日本と台湾、中国の歴史の動きと現状に至る分岐。それを語っている。
    印象は薄い。

    0
    2013年03月13日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

    Posted by ブクログ

    ホリゾンタルなヨーロッパ車が大好きで台湾企業のジャイアントには少し見下しておりました。本書を読む事により次はジャイアントに乗ってみようと思いました。
    創業者の自転車への変わらぬ熱い思い、ブリジストンを始めとした日本企業の勝機を逸したビジネスへの取り組みが良くわかりました。自転車の工程でカンバンを勉強しているなど具体的な取材で理解し易い内容でした。

    0
    2012年11月25日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

    Posted by ブクログ

    しずサイの古屋店長にいただいた本、やっと読み終わりました。
    ビジネスとしての自転車だけではなく、自転車に愛を持って接して、そして世界一のメーカーになったジャイアント。
    日本の自転車メーカーがいつの日か再生し、ジャパンクオリティでまた自転車を作れる日を祈って止みません。

    0
    2012年11月16日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

    Posted by ブクログ

    あまり期待しないで読んだが、日本人はアジアの他の国の人の成功事例はあまり好まないが、参考にすべきだなという感想をもった。数年前に中国の格力のサクセスストーリーを読んだかこれも参考になった。この著者の分析はやや薄べったいがインタビューを通じて生の声を拾い上げており成功している要点は十分につかめる。面白かった。

    0
    2012年10月16日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

    Posted by ブクログ

    台湾の自転車メーカー、GIANTのルポ。
    70年代から現在に至る、産業構造の変化と、それに立ち向かうGIANT創業者のストーリーが興味深い。
    東アジア各国の自転車事情にも触れていて、自転車産業や文化のアウトラインをなぞるにもとっつきやすい内容だと感じた。
    ただ、この産業に関する分析はやや表面的というか、数字を追っかけたに過ぎない感じがあり、GIANTやシマノの持つ、自転車への情熱と絡めるにはやや突っ込み不足な印象も受けた。著者は新聞記者なのだが、良くも悪くもなるほど、記者か、という感じ。物語を紡ぐよりも、客観的なデータ分析に重きが置かれるのかもしれない。

    その部分はともかく、自転車に乗ってみ

    0
    2012年09月26日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

    Posted by ブクログ

    自転車乗りなら誰もが知っているGIANTに焦点をあてつつ、日本の自転車業界の問題点などについても描かれた本です。
    自転車(特に完成車)でも車やバイクのように世界を席巻できる能力はあったのに日本メーカーが没落してしまったのは何故か?またGIANTやメリダなどの台湾メーカーが今の地位を築いたのは何故か?という点が特に興味深かったです。
    サイクリストの聖地を目指してる各首長の皆さんは是非一読して欲しい、そして街づくりにも活かして欲しいと感じました。

    0
    2012年07月19日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

    Posted by ブクログ

    世界最大の自転車メーカー、ジャイアントの物語。
    ひとつの企業の話だけではなく、グローバルな世界戦略を持てなかった日本企業への警鐘も折々混ぜている。
    自転車メーカーに身を置く立場としては「?」という内容もあるが、真摯に受け止めなくてはと思う。

    0
    2012年07月08日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

    Posted by ブクログ

    いわゆるママチャリは乗っているが、この台湾の自転車メーカー「巨大機械工業(ジャイアント)」については全く知らなかった。ツール・ド・フランスにも参戦する軽く早い高級車を売っている。
    「粗悪品」の悪評が一般的だった時代から、いかに世界に通じる企業に成長したかを紹介する一方、かつては隆盛を謳歌していた日本がいかに衰退したかを描く。ここは自転車に限った話じゃないけど。(部品メーカーの「シマノ」は頑張っている)
    本としては、写真が多くて、取っつきやすい。

    0
    2012年06月18日
  • ふたつの故宮博物院

    Posted by ブクログ

    このところ、台湾に興味津々。台北故宮が展示施設というより、宝物の保管施設として建てられたことに注目。大陸から逃れてきた国民党があくまで一時的な避難地としてしか台湾を考えていなかったことを如実に物語っている。本省人と外省人の意識の違いの淵源がよくわかる。

    0
    2011年09月01日
  • 台湾の本音~“隣国”を基礎から理解する~

    Posted by ブクログ

    台湾は「国」なのか。
    この問いを見た時に、自分は台湾についてなんとなくしか知らないなと反省して読んでみた。
    ホットテーマでもあるため、文化、歴史は正しく理解しなければならない。入門書として良かった。

    0
    2025年08月26日
  • 台湾とは何か

    Posted by ブクログ

    台湾の小説を読んでいて、台湾について勉強しようと思い立ち、読んだ本の(たしか)3冊目。先に読んだ『台湾の本音』と同じ著者であることに、読んでから気がついた。7年後に書かれた『台湾の本音』の方が、台湾に関するトピックが問いで分かれていて、数倍読みやすくなっていると思う。話題が色々と拡散しているような印象で、本全体としてこういうことを説明してくれている本だというのが説明しにくい。

    今まで勉強してきたことから、話題として新しかったのが、沖縄や金門島の話。どうしても国境を境界線にして、土地と土地の関係を考えてしまうので、シンプルに物理的に近いがために生まれる関係や近さを忘れがちだなと思った。
    筆者は

    0
    2025年08月25日
  • TSMC 世界を動かすヒミツ

    Posted by ブクログ

    友人の読書記録から興味をもったので。台湾人の筆者による半導体ファウンドリーのTSMCに関するビジネス書。歴史、業界、企業文化、経営方針などについて、当然、地政学についても、たっぷりと書かれている。台湾を守るものは軍事力だけではなく世界の要である半導体産業だ。繰り返し書かれていることに、TSMCのコアは技術集約型産業で比類なき競争力を獲得していること、そのエンジンが台湾人エンジニアのコストパフォーマンスにあることだ。台湾からみた世界情勢や日本・日本人についての記述も興味ぶかい。

    技術に投資し人を鍛え競争に勝ち事業を育て報酬を払う、というサイクルを長期的に繰り返す、基本的だと思うが日本でそのよう

    0
    2025年02月09日
  • TSMC 世界を動かすヒミツ

    Posted by ブクログ

    TSMCの成長の歴史が一挙に読める。ファウンドリービジネスを見極めた先見性、インセンティブの高い報酬体系や結果と責任を猛烈に求める社風、政治から始まり、政治にも翻弄される歴史など、が学べました。

    0
    2024年10月12日
  • TSMC 世界を動かすヒミツ

    Posted by ブクログ

    密度が濃い本。会社が作られる前から、どういった思想から作られたか、どういった人が作ったのかを語ってくれている。

    0
    2024年08月09日