野嶋剛のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「日本は二度台湾を捨てた」この言葉は日本の敗戦と、その後の台湾との断交〜中国との国交正常化について書籍や映画などでよく出てくる言葉だ。日本にとっては苦渋の選択だったかもしれないが、それ以上に台湾という国と、そこから巣立って日本に来て活躍した多くの政治家や文化人、作家などにも多くの影響を及ぼした。
日本と台湾の文化的な距離は非常に密接になっているなかで、日本に住んでいるタイワニーズの存在がぽっかりと空いているのをこの本を読み終わって改めて痛感した。
台湾への興味や関心の次のステップとして歴史と政治、そして二重国籍問題なども含む人間のアイデンティティーについて考えを巡らすことが出来る良作。 -
Posted by ブクログ
台湾の自転車メーカー、GIANTのルポ。
70年代から現在に至る、産業構造の変化と、それに立ち向かうGIANT創業者のストーリーが興味深い。
東アジア各国の自転車事情にも触れていて、自転車産業や文化のアウトラインをなぞるにもとっつきやすい内容だと感じた。
ただ、この産業に関する分析はやや表面的というか、数字を追っかけたに過ぎない感じがあり、GIANTやシマノの持つ、自転車への情熱と絡めるにはやや突っ込み不足な印象も受けた。著者は新聞記者なのだが、良くも悪くもなるほど、記者か、という感じ。物語を紡ぐよりも、客観的なデータ分析に重きが置かれるのかもしれない。
その部分はともかく、自転車に乗ってみ -
Posted by ブクログ
我々が日常的に使う台湾という国名は、正式には中華民国である。大陸中国が中華人民共和国、共和国を名乗るのに対して、中華民国は共和国ではない、民の国である。これは名付けの孫文が説明する様に、海外ではすでに民主化が進み、多くの国が共和政という名の下で民主政治を施行しているが、遅れていた自分たち(中華民国)が民の力でそれに性急に追いついていく事を信念とし、国名にその決意(民の国)を表したと言える。
本書の筆者は学生時代を中国(長春)、香港(返還前)、そして本書のメインである台湾で過ごした経験を活かして、今の(2023年時点)台湾が自分たちの国の在り方をどの様に考えているかについて説明する内容となってい -
Posted by ブクログ
友人の読書記録から興味をもったので。台湾人の筆者による半導体ファウンドリーのTSMCに関するビジネス書。歴史、業界、企業文化、経営方針などについて、当然、地政学についても、たっぷりと書かれている。台湾を守るものは軍事力だけではなく世界の要である半導体産業だ。繰り返し書かれていることに、TSMCのコアは技術集約型産業で比類なき競争力を獲得していること、そのエンジンが台湾人エンジニアのコストパフォーマンスにあることだ。台湾からみた世界情勢や日本・日本人についての記述も興味ぶかい。
技術に投資し人を鍛え競争に勝ち事業を育て報酬を払う、というサイクルを長期的に繰り返す、基本的だと思うが日本でそのよう