野嶋剛のレビュー一覧

  • 台湾の本音~“隣国”を基礎から理解する~

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    台湾の入門書として出色かと。無味感想な概説書にならないようにしたかったというニュアンスのことを著者が後書きに書かれていましたが、とても読みやすく面白く、狙いは成功していると思います。

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    2025年04月26日
  • TSMC 世界を動かすヒミツ

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    TSMC設立からの歴史やUMCとの関係など知らないことも多く、最近の状況も整理されていて、良い読書になった

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    2025年01月05日
  • TSMC 世界を動かすヒミツ

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    TSMCの研究開発部門が3交替性で対応する夜鷹部隊、日本の半導体関連の助成金より多い研究開発費など、他社の追随を許さない理由がわかった。
    日本には割と好意的な記載が多いが、ラピダスの行く末に疑念を呈しているのは、TSMCがIBMの技術協力ではなく、自社開発を選択してブレークスルーした事も関係あるのかな。

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    2024年11月17日
  • 台湾の本音~“隣国”を基礎から理解する~

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    ネタバレ

    台湾の入門本でありながら、基本的な論点が網羅され、順番も章立ても読みやすく構成されている。具体的には、以下のとおり。

    ・台湾は国なのか
    →人民・領土・統治機構の国家の三要素は満たしているので、基本国だが、国家承認を満たしていない。
    ・台湾の歴史はいつからか
    →スペイン・オランダの支配からの400年を捉えるのが一般的
    ・台湾の人々は中国をどう考えているのか
    →民主化の旗手は蒋経国と李登輝。国民党は反共、民進党は反中だが、現実的な舵取り志向で独立も吸収もない。一方、中国は台湾統一は政策ではなく、原則でありドグマ。
    ・台湾のアイデンティティはなぜ生まれたか
    →中国生まれの外省人が減る中で、台湾人の

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    2024年09月23日
  • TSMC 世界を動かすヒミツ

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    その名を聞かない日がないほど重要な企業であるものの、実態は何も知らないので読んでみた。
    まず設立されてから40年にも満たない企業であること、にも関わらず時価総額の世界ランキング10-12位に位置し、純利益では4位、先端半導体の世界シェアは9割を握るという驚異的な成長を遂げたことに驚いた。

    半導体は高度な技術と非常に多くの工程を要する製品なため、設計と製造の分業が進み、tsmcは製造に特化したファウンドリーという形態をとる。製造と言っても設備投資や研究開発には莫大な資金投入が長期的に必要となる。1976年には台湾がアメリカラジオ会社からの技術供与を受けている。1980年に新竹サイエンスパークが

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    2024年08月24日
  • 香港とは何か

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    香港の情勢を歴史とインタビューから丁寧に考察した良書。特に現在の中国人の中では香港は植民地化根性が抜きてってないから中国人としてのアイデンティティが確立していないという傾向が強まっているのに驚いた。一昔前は中国人にとっての香港は香港文化、映画に代表される憧れのまちでもあったのに。

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    2024年05月02日
  • 台湾の本音~“隣国”を基礎から理解する~

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    台湾に親近感を持っていても歴史を歴史、特に戦後の歴史を知らなかった私にとって有益であった。特に、蒋経国については全く知らなかった。

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    2024年05月01日
  • 台湾の本音~“隣国”を基礎から理解する~

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    ネタバレ

    帯の台湾観光雑誌みたいなワクワクする写真や文字の色に惹かれて買った。
    内容が難しく理解をしながら読んだので時間がかかったが、文章自体は読みやすくてためになった。
    台湾人が、日本に義援金をたくさん送ってくれるのは親日だからってだけではなく、義援金ブームに乗ってるだけであって「あの時は義援金をありがとう」といっても「なんのこと?」ってなることも往々にしてあるってあたり面白かった。

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    2024年02月10日
  • 台湾とは何か

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    2024年の台湾総統選が間近に迫っているけれど、台湾政治をふわっとしか知らないので読んでみた。読んでよかった。特に、馬英九政権の台湾についての理解が進んだ。台湾関連のニュースの解像度もかなり上がった。

    改めて、難しい場所だと感じる。特に、「第五章 台湾アイデンティティ」「第六章 例外と虚構の地「台湾」」を読むと、台湾への言及の仕方に迷い、幾分慎重にもなる。

    それでもやっぱり、この場所が大好きで、これからも通い続けて台湾の文化を一層理解したいと思う。

    本書は、蔡英文が総統に就任した直後の2016年に出版された。あれから、世界の状況も大きく動いた。1月に総統選を迎える台湾から目が離せない。

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    2023年11月22日
  • 日本の台湾人 ――故郷を失ったタイワニーズの物語

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    陳舜臣の文体が好きだ。生まれた台湾の亜熱帯の様な粘着質な感じでも、育った神戸の港町の様な陽気な感じでもない、大陸シルクロードに吹く風の様などこか乾いた文体。

    本書にも陳は取り上げられ、陳は「戦前の日本や戦後の台湾、あるいは中国の激動のなかで味わった喪失感を、さらなる作品の原動力に変えてきた」とある。喪失感の代わりに得たマイノリティとしての視点から一歩退いて物事を見つめ、乾いた文体によって表現したのだろうか、と思ったりした。

    「秘本三国志」5巻の最後に呂蒙、関羽、関平、孫皎が死んだ後に孫権が「なんだ。…みんな死んだか。…」と呟く。この一言が胸を打つ。

    喜久屋書店阿倍野店にて購入。

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    2023年10月28日
  • 台湾とは何か

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    ジャーナリストなのでやはり読みやすく面白い。冒頭から巻末まで淀みなくどんどん読んでしまう。内容的には、政治的な事柄とアイデンティティについてが殆どだ。著者は、もっと台湾のことを直視しろ、議論しろ、と言う。私も二週間後、本書の内容を思い返しながら、台湾に行ってこよう。

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    2022年12月31日
  • 台湾とは何か

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    平易な文章でわかりやすい。紹介されていた司馬『台湾紀行』と小林『台湾論』は読んでおきたい。興味深い記述は以下のとおり。
    ・1953年に中国は十一段線のうちトンキン湾線と北部湾線を削除
    ・2013年に台湾外交部は「釣魚台の争いにおいて中国大陸と合作しない我が国の立場」を発表
    ・村山談話において、台湾をどう位置づけるかはまともに議論した形跡なし。「返還」されたことで日本社会の認知の中で台湾という存在が消失したのでは。

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    2022年10月23日
  • 台湾とは何か

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    台湾について少し何かを知りたいと思って借りた本。
    しかし、読み始めて最初の序章、次の第1章がとてもお堅い内容。台湾の政治に多少なりとも興味を持っていなければなかなか読み進められない。もうほとんどやめようかと思ってぱらぱらと読み飛ばして第2章に入った途端面白くなった。
    著者は朝日新聞で中国語圏に留学する機会を得て台湾の大学を選択するも、会社の方針で中国に変更させられた
    という。この体験談から、2016年当時の日本と中国、台湾との関係がとてもよくわかった。
    日本は台湾と正式な国交を結んでいないため、台湾との関係をまじめに考えようとすると矛盾が多く、「思考停止」せざるを得なくなる。台湾人も、独立国台

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    2022年04月26日
  • 香港とは何か

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    香港のデモが起きた時から気になっていた本です。香港を多角的に見て語られており、さまざまな比較対象から問題を映し出しています。

    香港民主派には、従来の民主派に加えて本土派(香港の独立や自治権確保を目標とするグループ)があるということが印象的でした。なかなかニュースでは語られない部分であり勉強になりました。

    香港の方々には自分たちが香港人であるというアイデンティティが刻まれつつあります。果たして今後中国との関係はどのようになっていくのか、非常に興味深いところです。

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    2021年09月01日
  • 香港とは何か

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    香港が成立するまでのお話…というよりは、香港が「何を持って」香港であるのか、という事を、対日本、対台湾、対英国、そして対中国といった様々な側面から切り込んでいる。

    近年香港で起きていることに興味があり、まだほとんど香港のことを知らない、そんな人に、オススメです。

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    2020年10月29日
  • 香港とは何か

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     香港が辿ってきた時代を足下の視点から整理することを試みている。2019年以降の香港の動きは、きわめてはやくそして激動であって、ここまでの展開を実際に予想した人がどれくらいいたであろうか。その歴史的背景を考えた時、世界は香港をどのように捉えればいいのか、そういったことを考える材料になる。一国二制度が形骸化していく現状を踏まえると、これまで香港が香港らしくあった姿をこれから期待することは難しいだろう。
     ただ、本書にはやや勇み足的なところも感じる。中国大陸からの視点も入れた分析があれば、さらに深い議論になるのではないか。

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    2020年09月26日
  • ふたつの故宮博物院

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    一つの美術品が数奇な運命をたどる話は良く聞くけど、ハコである博物館そのものがひとつの生き物のように時代(政治)に翻弄される壮大なストーリーでめちゃくちゃ面白かった!

    王朝によって民族が入れ替わる中国にとって政治と文物は不可分なのね。


    惜しむらくはこの本が2011年に書かれていて2014年の東博が開催した國立故宮博物院の企画展について書かれていないこと。

    国立である東博が、日本が「国」として認めていない台湾の故宮の企画展を「國立」の表記のまま開催できた経緯を知りたいぞ〜!

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    2020年05月31日
  • ふたつの故宮博物院

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    北京故宮と台北故宮のふたつの故宮博物館。
    辛亥革命により清国が消え、
    日中戦争勃発により文物の避難が始まるが、
    やがて国民党と共産党の国内紛争の中で、
    さらに迷走し、台湾省へと海を渡る。
    中国から来た人々を「外省人」と呼び、
    もともとからの台湾人を「本省人」と呼ぶ。
    台湾国内の政治は博物館建設にも影響を与え、
    民進党と国民党の政争に巻き込まれる。
    質の台北故宮、量の北京故宮の意味がよくわかった。

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    2020年03月23日
  • タイワニーズ 故郷喪失者の物語

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    連坊の回から始まりやや違和感を覚えたが、彼女の祖母を含め選ばれた人物やそのエピソードはどれも興味深く、主に客家である日台両方にルーツを持つ人々が両国を結び付けるよすがとなっていると強く感じる。

    一方で、日本ー中華民国ー台湾と外力によって帰属を変えさせられた歴史を持つ人々がコスモポリタンとなる必然性も思わされる。
    東洋のユダヤというべきか。

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    2019年05月27日
  • 銀輪の巨人 ジャイアント

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    GIANTの勢いと、(自転車業界に限らないが)日本メーカー凋落のコントラストが悲しい。2トップが去ったらGIANTはどう変わるのだろうか。

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    2019年05月24日