中村安希のレビュー一覧

  • 食べる。

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    なんかすっごくいい本に出会った…。ほとんどジャケ買いで、おいしいものがいっぱい出てくる旅エッセイなのかな、と軽い気持ちで買ったけれど、この濃さは何。深夜特急をはじめて読んだときのような感動。それは旅のハードさを大げさに語るでもなく、つまらない自分語りばかりをきかされるのでもなく、ほんとうに、ただ、旅。その視線がまっすぐでシンプルでただ美しくて、まるでそれが当たり前のことのような感じで書かれているのがいい。すごい高尚なことは何も書かれていないけどなぜかこの人の魂の気高さに触れてしまう。そんなにひどくないはずの解説ですら、この人の透明すぎる文章の前ではくすんで感じられた。すごい人が現れたな。

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    2014年02月07日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    時間をかけてゆっくりゆっくり、旅をするように読みました。
    本の醍醐味である疑似体験と学びがたくさんできます!
    著者の足元にも及びませんが、視野が少し広くなったように思います。

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    2013年10月31日
  • 愛と憎しみの豚【電子特別版】

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    そもそもなぜ豚が飼育されるようになったのか?、禁忌とされるイスラム圏の実態は?そんな疑問を解決すべく、アラブから、イスラエル、東欧、シベリアへ足を運ぶ。なんとなく、宗教的に豚を避ける理由や、なぜ美味しいのかがわかったように思います。

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    2013年05月22日
  • 愛と憎しみの豚【電子特別版】

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    豚に振り落とされることなく、かろうじて終章に辿り着いた中村さん。その後、無事に帰国は出来たのだろうか…。安否確認の為にも、次回作をお待ちしております。

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    2013年02月26日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    当時26歳の作者が歩き見聞きしてきた世界がストレートな感情で書かれていてとても良かった。
    他の旅行記にありがちな「彼らは貧乏で汚いかもしれないがその魂は高潔である」とか抜かす"理解のある彼くん"的なものは一切なく、汚いものは汚い、嫌いなものは嫌いとしっかり主張する姿勢で、若干思想的な部分やほかの旅行者や現地人を見下しているように感じられるところもありつつもそうした人間らしい部分を隠さないところがかえって好印象だった。

    扱われるエピソードはドラマチックなものは少なく、その場所でのワンシーンや著者の心に残ったことなど"ちょっとしたこと"ばかりで構成されてお

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    2025年11月20日
  • 食べる。

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    ネタバレ

    旅といえば思いつくがまま行きたい場所に行き、宿と交渉したり、現地の人と食べて飲みコミュニケーションを取る、そんなイメージが浮かんでくるが、まさにそのイメージまんまの旅をしている中村さん。

    旅人たちの間でゲロ雑巾と言われるエチオピア料理のインジェラに魅了され、スーダンではカビ臭くて土の味がする水を渇望し、アルメニアでは浴びるように自家製ウォッカを飲まされ...想像絶する世界にいる。

    食べるということは生きるためでもあるが、人とコミュニケーションを取るためのものでもあるんだなと改めて思った。


    旅と食べ物といえば小泉武夫が出てくる。
    彼の著書にもモンゴルの遊牧民のゲルで主人たちと沢山の酒や肉

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    2025年10月05日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    久々にこれぞ「旅」と感じさせてくれる話だった。
    アフリカでの体験が多く書かれていて、人々の温かさや悪質な部分、貧困の実態について、リアルな姿を感じることが出来た。私もアフリカに行ったことあるので想像しやすく、
    初対面の外国人でも家に招待されるエピソードも多々あり、日本では起こらないような体験が新鮮だった。女性一人では入国できない場合も、見せかけ上の結婚をするなど、芯が強い人だと感じた。
    日本に生活していると安定を求めすぎてしまうきらいがあるので、定期的に旅をすることが自分にとっては必要だと思った。

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    2025年06月13日
  • ニジェール探検行

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    西から東に流れるニジェール川が見たい!の一心でニジェール川を目指した探検家の記録。身ぐるみ剥がされようが、捕えられて奴隷にされようがひたすらニジェール川を目指す姿はもはや変態の域。奴隷貿易全盛期でもアフリカ内部には白人の支配は及んでいないのだと思いました。

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    2024年11月30日
  • 食べる。

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    題名通り、観光地ではない海外の食(韻)に関する紀行記。

    スーダン人の田舎の子が都会で働いていて、でも、ゆくゆくは村に帰って細々と生きていくよという言葉が、田舎から出て東京で働く日本人と重なった。

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    2024年12月23日
  • 食べる。

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    本書の筆者である中村安希を最初に読んだのは、3年ほど前のことであり、それは、開高健ノンフィクション賞を受賞した「インパラの朝」という本だった。「インパラの朝」は旅行記だった。アジア・中東・アフリカ・ヨーロッパの47か国をを684日間まわる、とても過酷な旅の記録だった。私はこの本がとても気に入り、その後も中村安希の本を何冊か読んでいる。
    本書「食べる。」も久しぶりに中村安希の本を読んでみようと思って手にとったものだ。「食べる。」という題名から考えて、当然、何か「食」「食文化」等に関するノンフィクションだと思っていたが、実際には、この本も旅行記だった。「食べる。」ことは、収載されている16話に必ず

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    2023年06月26日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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     旅行記としてはとても良かった。女性で一人旅するのはなかなか苦労すると思うんだけどなかなか逞しい。男性でもちょっと躊躇するような場面でもなかなか果敢に、というか淡々とこなされる姿に脱帽でした

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    2023年05月07日
  • N女の研究

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    読みごたえのある本だった。コロナを経て、ソーシャルセクターで働くことの意味はまた変わっていそうだが、「N女」として取材された方の言葉は響くものがたくさんあり、なおかつ筆者のまとめand考察もとても興味深い視点がたくさんあった。
    もう一度、心に残ったところを振り返り、学びにつなげたい。

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    2023年02月27日
  • 愛と憎しみの豚

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    豚を訪ねて三千里。

    世界の養豚と豚肉料理を追って世界を巡る旅。宗教によっては禁忌される豚。生産性という観点では効率よくしかも脂肪分が多いという。

    なぜ豚が好まれ、また嫌われていったのか。筆者の探求は留まるところを知らない。
    チュニジア、イスラエル、日本、リトアニア、バルト三国、ルーマニア、モルドバ、ウクライナ、シベリア。

    筆者の豚にかけた情熱には驚くばかり。

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    2022年03月14日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    ネタバレ

    きっかけ バイトの先輩からのおすすめ
    著者の生命力に驚いた。
    異国の食べ物を躊躇なく食べるシーンが多くあった。自分には出来ないことだが、この行動は異国の文化を受け入れようとしていることの著者なりの意思表示でもあるのかもしれない。
    この本を読んで悔しい気持ちになった。本を読んでいるだけでは実際の体験は越えられないのだろうと思ってしまった。
    イランとイラクの違いわかってなかったなぁー。
    貧困は都市で起こるってなるほどなぁー

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    2022年03月08日
  • N女の研究

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    高給を投げ打って薄給なNPOに転職する高学歴な女性たちを「N女」と名づけ、その人たちへのインタビューを集めたもの。「研究」なんて銘打っているけど研究とはいえない。この著者の本は前にも読んだことがあるんだけど、何というか思いつきで飛び込んで浅いところで書き進んでいくような感じがするんだよね。それでいながら、泥縄的な書きぶりや素朴な疑問の連発が浅薄な感じにはならないのが不思議。
    NPOで働く女性たちの働きぶりを読んでいると、これって最近の本だったかなという錯覚が。ところが5年も前に出た本なんだよね。でも、リモートワークとか兼業とか一つ職場に長居しないとか、コロナを受けてようやく一般的になりかけてき

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    2021年06月26日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    きっかけ:友人のおすすめ

    海外にあまり興味がなかったけど、エッセイとして楽しめた。アフリカに行く人の、それでもいく、をなんとなく感じられたのがよかった

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    2021年02月21日
  • N女の研究

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    登場するN女の姿から逆に浮かび上がるのは
    家族や地縁、終身雇用の会社といった団体から
    切り離されて、ばらばらになった個人の集合体としての
    現代日本の姿。

    新しい働き方であるNPOに飛び込んだ女性たちの
    現実的、合理的な思考法は参考になる。

    自己犠牲、上から目線禁止、
    自分ごととして関わっていく姿勢は
    学ぶ

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    2020年09月12日
  • 食べる。

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    食べるというのは生きることそのもの。
    中村さんのようにのびのびと真っ直ぐよく食べてありのままに感じて生きたい。

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    2020年09月08日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    海外旅行なんてもってのほか!なご時世、せめて旅行記でも読んで…と思って手を伸ばしたのですが、2年近くバックパッカーでアジア~アフリカ~ヨーロッパと旅をする、というレベルが違いすぎる旅で、旅行気分を味わう気分にはとてもなれない1冊でした(笑
    ただ、同時に、今の時点では上手く言語化できないのですが、この清冽な湧水のような、飾り気のないのにエネルギーを秘めた文章が、自分の中に地下水脈のように静かに広がって、意識しないうちに影響を受けているような気がしています。
    解説を見ると「青少年読書感想文コンクール」の高校の部の課題図書にもなったそうで、確かに若いうちに読んだら面白そう、と思いました。

    さて、旅

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    2020年09月06日
  • N女の研究

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    ネタバレ

    最後まで読むと、良さがわかる本。

    以下、本文より

    そして、もしかしたら「N女」は、と考えた。崩れゆく日本に現れた最後の切り札になり得るかもしれない、と。

    女のキャリアライフは複雑だ。キャリア志向を持つ女性の多くは、できることなら第一線で仕事をしたいと思いつつも、男性と同じように100%では走り続けられないことを知っている。仕事にもプライベートにも、どうにか折り合いをつけて生きていかなくてはいけないことに気づいている。

    女性の場合、キャリアアップのためには努力するが、ポジションアップへの関心は薄いかもしれません。今でも女性たちは、男性中心の企業構造の中で踏ん張り続けています。

    余計なこ

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    2020年02月22日