中村安希のレビュー一覧

  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    アジアから中東を経てアフリカへの旅の記録。ほぼ一人で。それができる語学力と情報収集力と判断力、そして度胸。感嘆。
    旅の終盤の、先進国といわれる国とそう呼ばれない国との関係性への思考は、実際に見聞した人が掴んだ歯応えのある言葉になっている。
    臆病な私はこういう本で、世界をほんのちょこっとだけかじらせてもらってる。

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    2023年11月05日
  • N女の研究

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    ネタバレ

    だいぶ前に一度読んだ本。
    インタビュー、取材本。
    NGOで働く人は、おそらく女性が多くなるんだろうなー。
    仕事としてはその後にどうつながるか、見えてこない部分もあり。現実的に、ずっとそこでやっていく、というセクターではないようにも思う。プロとして働かれている人たちが紹介されていて、励みにはなるし、経験としてはとてもいいと思うけれど。一定の経済的安定が保証されている立場にある人、という条件についても共感した。
    社会的に価値あることをしていたらその対価を得られる社会を作りたい。

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    2023年08月13日
  • ラダックの星

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    筆者は2014年の9月7日から10月1日にかけて、北インドのラダック地方に一人旅をする。
    目的は星を見ること。
    「黙々と、山の中を歩きたかった。社会の喧騒から遠く離れて闇の中で眠りたかった。誰もいない孤独の中に身も心も委ねてしまいたかった。その旅には目的と呼べるものがひとつだけあった。人生観をその根底からひっくり返してしまうような、ものすごい星空に出会うこと。私は、ヒマラヤ山脈の中を二五日間かけて歩き回り、そこに完璧な星空を見つけ出すつもりだった。」
    そして、それが「人生観をその根底からひっくり返してしまうような、ものすごい星空」だったかどうかは別として、筆者はラダック地方で心を動かされるよう

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    2021年07月04日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    表紙と題名に惹かれて買ってしまいました。

    本書は第七回開高建ノンフィクション受賞作です。題名と表紙の清々しさが気に入り出張先で購入しました。

    26才の女性が単身でアジアからアフリカを約二年間に亘り放浪した記録ですが廻った国々の殆どは貧困国や紛争地域で恐らく殆どの同年代の女性が楽しむ海外旅行とは対極な旅行?を少ない予算の中で未知の地域を進む著者と出逢った人々の生活や思想は昨今の表層しか語れないメディアで知らされている彼らの姿とはあまりにもかけ離れた素のままの日常が描かれて居ます。

    現地で生活している人の目線で著者が語り感じる様は臨場感溢れ困難な放浪旅行?を実行した勇気と行動力には感心と羨

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    2021年05月02日
  • 食べる。

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    "この世界のことを何も知らないままでは、自分が何をすればよいかを正確に知ることはできないと思うからです"

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    2020年09月22日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    2年近くに渡るユーラシア大陸、アフリカ大陸の旅をした記録をかなりの駆け足でダイジェストした本です。シニカルで勢いのある文章で、旅の一部を鋭角に切り取って放り出すような雰囲気で非常にかっこいいです。柔らかい旅行記に比べると埃臭さや土っぽい香りがプンプンして息苦しいほどであります。
    世界と自分との境界線をどこで引くのかで、見えてくる世界が全く違うんだなあとしみじみ思う本でした。実は最初あまり共感できない状態で読み進めていたのですが、良く考えたら共感も感情移入も必要が無い、究極の個人主義の集合体としての集まり、それがもしかしたら本来の世界との関わり方なのかなと。そんなことを思いました。

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    2016年11月02日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    広大なユーラシア大陸を横断し、イスラム圏の国々を越えてアフリカ大陸へ―。絵葉書を売るカンボジアの少女に凛とした生きる意志を感じ、排他的な印象を抱いていたイランで受けた細やかな配慮に戸惑い、ザンビアでは貧富についての議論を交わす。周囲の声に惑わされず、自らの素直な感覚を頼りに47カ国を旅した著者が綴った684日間。第7回開高健ノンフィクション賞を受賞したデビュー作。

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    2016年10月11日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    とてもクールな人なのかな。でも全力でけんかしたり、無謀な感じのところも。
    イランの「バラ色のジャム」なんかいいし、タンザニアの「男よ、泣くな」なんかアフリカ男の生態が、ほ〜って感じ。

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    2015年10月20日
  • 食べる。

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    もの喰う人々、を思い出す。あの本も世界中を巡って食というミクロ且つ文化の凝縮されたものから世界の現在の姿を読み解く試みでした。
    この中村さんの本は、旅で出会った食に絡めた、ただありのままの旅のことをつづるエッセイ集です。違いといえば、前者ほど大仰な試みではなく、思い出話のようなもの。薄味ではあるが、しかしただの旅人の瑞々しい視点が、まるで自分の視点のよう。追体験として読めるということは、やはり自分の延長線上にはこの人がいるのだろう。

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    2014年08月05日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    ユーラシア大陸、アフリカ大陸をひとり縦横断した作者の旅行記。

    >私は新宿のビルの谷間から、星のない夜空を見上げた。
    >それから口を閉じたまま、静かに首を反転させた。
    >私は「西」を見た。

    序章の一節、「東」を向いて仕事をしていた作者が旅立ちを意識するシーン。
    この一節でぐいっと作品に引き込まれました、旅立ちの必然性を強く感じながら。


    「できれば知りたくない」、「できれば考えたくない」ことを主体的に感じに行く彼女のスタンスに、感心はするものの共感はできない私。
    そもそも彼女は共感を求めてはいないと思いますが。

    右傾化についてあまり意見は持っていませんが、「失敗を許さない世の雰囲気」には

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    2014年05月16日
  • 食べる。

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    旅人の本
    料理の本ではない。

    旅は出会い
    旅は食

    そんな事を思い出させてくれる本です。
    少し独特のクセみたいなものがあると感じたのは、旅に出ていないからかなぁ??

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    2014年03月07日
  • 食べる。

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    『食べる。』というタイトルからして、世界各国食べ歩き紀行かと思いきや。
     食を起点にした、人との交流を中心に描いたノンフィクション。

     でも、一番印象に残ってるのはヨルダン南部の村、宿の屋上に腰かけて食べるサッポロ一番塩らーめんの描写でしたが。

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    2014年01月29日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

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    本書は著者が、東南アジア・中東・アフリカを放浪したときの記録である。その日数は延べ684日。この旅は旅行といった生やさしいものではなく、バックパックを背負って、野宿なども行いながらの貧乏旅行である。

    彼女は実際の眼でみた世界の状況を非常に興味深く読んだ。

    国境を越えるために偽装結婚までして、また、女性として一人でパキスタンなどの紛争地域にも向かっている。ジンバブエでは強盗に顔面を殴られている。本当に怖いもの知らずだ。

    彼女が実際に眼でみたルポを読んで感じたことは、アフリカや東南アジアに実際に今でも支援を必要としているのだろうけど、本当に必要な支援が行き届いているのかどうかということ

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    2013年12月21日
  • 愛と憎しみの豚【電子特別版】

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    牛の本というのはなぜかあんまり目にしないけど、定期的に引っかかってくる豚本。表紙もタイトルも豚度が高いのだけど、中身は豚をきっかけにした旅のエッセイといった感が強い。チュニジアの人たちは、ジャスミン革命と呼ばない、呼びたくない、といった話や、チェルノブイリでホットスポットを避けながらの話など、なかなかに面白い。豚本バブル(?)がなければ、もうちょっと冷静に評価できるけど…。豚を題材にした、自分と旅の本、といった感じです。

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    2013年06月10日