鈴木晶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
死に直面した人達のインタビューがたくさん載っていて
死ぬ前の不安や気がかりについて色々聞くことが出来る
無意識下では自分は不死身であるという言葉にハッとさせられた
確かに普段からあと1年で死ぬかもしれないとかそういうことを考えてはいないが、可能性としてはいつでも、なんなら明日にでも死ぬ可能性はある
死というのは命が消える瞬間ではなくその過程であるらしい
そして命が消える瞬間は穏やかな身体機能の停止でしかないとのこと
本書を通して死への恐怖が薄れた
死が迫っている人に対してその話を避けるべきではなく、死にゆく人も残される人も死を受けいれた方がお互いに良い結果になるようだ
もし自分も死が迫っ -
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Posted by ブクログ
ディアギレフのバレエ・リュスを追われ、自身が興行主となったバレエ公演に
失敗したニジンスキー。心を病んだ彼は妻と娘と共に、サンモリッツで療養
する。
そこで書かれたのが本書の元になった4冊のノートである。なんとも言い難い
「愛」への渇望が綴られている。
「(前略)私は誤りを自覚した。妻は他の人びとよりも私を愛してくれたが、
私を感じてはくれなかった。私は別れたかったが、それは不実だと感じ、
彼女のもとに留まった。彼女はあまり私を愛してくれなかった。彼女が
感じていたのは金と私の成功だった。彼女が愛したのは私の成功と私の
肉体だった。(後略)」
妻となったロモラは、確かに「成功した世界的ダ -
Posted by ブクログ
葬儀屋さん、私たちより遙かに多くの「死」にであう。何を感じ、どんな言葉を語るのか、それを知りたくて読みました。
「人生で最も辛い体験の一つは、愛する者が別れも告げずに去っていくことである」(P125)と述べ、
「たとえそこに苦痛と涙が満ちていても、愛が支配するところに天国はある。時に天国は地上にあらわれるのである」(P127)と語る。
大切なのは日々の生活の中で、近しい人を大切にし、その時その時にかけたい言葉、かけるべき言葉があれば後回しにしないこと。日々のささやかな積み重ね。
難しいことではないはずなのに、実行できないのはどうしてだろう?・・・と自問ばかりしていてはダメなんです。まず -
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Posted by ブクログ
死は土で天国は花。
死の土壌から美しいものがにじみ出し、天国が出現する、という考え方に共感。
エンバーミング含めた葬儀を家業とする著者のブログがきっかけに書かれた本書。
死を隠し、忌み嫌うことで、恐怖が増す。そして幸福から遠ざかる。
昨今の愚かな選択のために、いま、幸せに生きることを奪われている子どもたち。死なないために生きているのではなく、いま、ここで、生きる喜びを感じるために、いのちを燃やすために、生きるべき。死は不可避で、何よりも優先されることではない。
死について、生について、考えることが大切だと改めて思った。
中村哲さんは、地獄に天国を出現させた人だなあ、ということも、読みながら頭を -
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別冊NHK100分de名著 「幸せ」について考えよう (島田 雅彦;浜 矩子;西 研;鈴木 晶)
アダムスミス、フロイトなどの過去の識者は幸福をどうとらえたのか?を総合的に解説。
まず資本主義の開祖アダム・スミス。どちらかというと自由放任のイメージがあるが、金銀財宝の量に富の源泉を見出す重商主義を否定し労働によってこそ価値が生まれるという労働価値説を展開しました。重商主義ならぬ「重人主義」。
人々に、話す力と同じくらい黙っている力があれば、世の中はもっと幸せになるだろう。──スピノザ
「幸福」について、初めてちゃんとしたかたちで語った哲学者はアリストテレス(*)です。『ニコマコス倫理学』という -