鈴木晶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「はしがき」を少し読んで心をつかまれてしまい、1死の恐怖について、2死とその過程に対するさまざまな姿勢、で、この本は絶対、今私が読んで勉強しないといけない本だ!と確信させられて、3章からはもう、夢中になって読んだ。
そりゃ、『否認→怒り→取り引き→抑鬱→受容』なんてこと、教科書で読んで知ってましたよ、順番を答えさせる国試の過去問もいっぱい解きましたよ。
でも、そういう上部だけの知識を覚えて、知ったつもりになってただけでした、私は。
実際のインタビューを読むと、患者さんの心の揺れも、聞く側のしんどさも、読んでるこちらまで一緒に揺れてしまいそうなくらい伝わってくる。実際に聞いたら、感じるものは、その比じゃないじゃないんだろうな。
そりゃ、聞く側も避けたくなるだろう。でも、だからこそ、そこを言語化してチームで共有できることが、支援者にとっても患者さんにとっても有益なんだろう。
さて私は、無視したり否認したりせず、受容できるのだろうか。
P84
『患者と接する際には私たち自身の反応をも十分考慮する必要があるということだ。私たちの反応はつねに患者の言動に反映し、その反応ひとつで患者の病状の善し悪しに大きな影響を与える。自分自身を正直に見つめることは成長・成熟を大いに助ける。そしてその目的を達成するには、重病患者、年老いた患者、死の迫っている患者に接する仕事に勝るものはない』
夢中になって、急いで最後まで読んでしまった。また、何度でも、ゆっくりじっくり読み直したい本。 -
Posted by ブクログ
60年近く前に書かれた本の30年ほど前の新訳版だが昔の話という気がしない。ガンの治療はかなり進化し、情報量は格段に増え家族や周囲の在り方も大きく変わっているはずだが、ひとが死に瀕するということはそう変わるものではないのかもしれない。訳者あとがきによるとこの新訳版では末期患者へのインタビューを省略せずに収録したとのこと。自分もその場でオブザーブしているような感覚で読み進められる。
医療スタッフの拒絶や敵意にもめげず、根気よくアプローチを続け、死にゆく末期患者に寄り添うことの意義という従来になかった価値感を創出する偉業を果たした著者が、その後、死後の世界にのめり込んでいったというのが意外な気がした。人間はやはり複雑である。
P15 私たちの無意識にとっては、死ぬのは殺されるときだけであり、自然現象や老齢のために死ぬなんて考えられないのだ。そのために、死は、それ自体が報いや罰を招くような悪い行い、怖ろしい出来事を連想させるのである。
P[19 人間は基本的には少しも変わっていないんだということをを強調したかったからである。死は今なお怖く恐ろしい出来事である。そして死の恐怖は、もう克服したと思っていても、程度の差はあれ、いまだに万国共通の恐怖なのである。変化したのは、死・死の過程・死に瀕している患者に対処する私たちの姿勢のほうである。
P21 そもそも点滴が用いられるのは、大勢の人の手を煩わさず、個別の世話をしなくても身体に必要なものを与えることができるという単純な理由からに過ぎない
P24 (病院の環境は)健康な時だったらとても我慢できないようなものだ。騒音、照明、ポンプ、人声、そのどれもが耐え難く、到底言葉では言い表せない。わたしたちは、シーツと毛布の下にいる患者のことをもっと考え、善意めかした能率主義と大騒ぎはやめ、患者の手を握り優しく微笑みかけ、質問に耳を貸したほうがいいのではないか。
P119 一人でいたいこともありますから。孤独が怖いのではないのです。健康であれば人を必要とすることもありません。怖いのは拷問のような痛みなのです。【中略】(ある種の人間的尊厳を失わないためには)一人ではそれが不可能な時もあります。
P129 あるがままの自分を受け入れてもらってもいいと思うんです。みんなにうるさく要求することになろうと、誰かが何かしてくれるのを待つことになろうと。どちらでも構いません。みんなは私に腹を立てていますが、自分で勝手に腹を立てているのです。私が怒らせたわけではありません。
P132 人に頼むのは精神的に負担かもしれませんが、頼むことは乞うこととは違います。おわかりになりますよね、もっと勇気がいる。
P195 家族やスタッフは(受容に到達しようとしない)患者を強いと思い込み、最後まで生きるために戦えと励まし、自らの最期を受け入れるのは臆病者のあきらめ、家族に対する裏切り、ひいては家族の拒絶だとほのめかすかもしれない。それでは、患者自身にわずかでも戦う意思があり、しかも医師たちの助力があれば延命の可能性があると思われる場合、どうすれば患者の諦めが「早すぎる」と判断できるのだろうか。医師たちが延命を望むのに対し、患者が安らかに死を迎えたいと望んでいる場合、諦めと需要の段階を見分けるにはどうしたらいいのだろうか。
P240 患者には死について語りたいと思う日がある。【中略】同じ患者が翌日には、人生の楽しい側面についてだけ語りたいと思うかもしれないという事実を、私たちはつい軽視しがちである。しかしそういう患者の気持ちは尊重しなければならない。
P293 家族の怒りが、直接私たちや個人や神に向けられても、広い心で受け入れてやれば、彼らは罪悪感を持たずに紙の需要へ大きな一歩を踏み出せる。彼らが社会的には許されないような考えを口にするのを責めれば、彼らの悲しみや羞恥心や、しばしば肉体的・精神的不調をもたらすこともある罪悪感を長引かせてしまうことになる。
P334 (死とは)すばらしいものだと思います。家に帰るみたいなもの。神様の近くにあるもう一つの家にね。【中略】なんとなく思うのは、みんなに再会できる場所っていうか、とても居心地がよくて、誰か他の…なんていうか特別な人がいるところなんじゃないかしら。【中略】欲求もなくて、ただそこにいればいい。二度と一人ぼっちにならないし。【中略】(食べる必要も)ないと思います。力は自分の中に備わっているのだから。この世のものは何も必要ない。
P403 (シセリー・ソーンダンス医師は)末期患者の大半は死期の近いことを自覚しており、それは告知されていたかどうかには関係ない、と断言する。だから患者と死について語り合っても、決して嫌な思いをすることはないという。
P413 看護婦は私たちにとって生徒でもあり教師でもあり、セミナーのために大きく貢献してくれた。
P425 関心のある人たちが自分を注目していることにはっと気づくのだ。この注目こそが、末期患者を力づけるのである。
P448 「言葉を超える沈黙」の中で臨死患者を看取るだけの強さと愛情を持ったひとは、死の瞬間とは恐ろしいものでも苦痛に満ちたものでもなく、身体機能の穏やかな停止であることがわかるだろう。人間の穏やかな死は、流れ星を思わせる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ愛とはなんだ、愛するという感覚が合っているのか分からなくなり手に取りました。愛は得ようとするものではなく、与えるものであるということがメッセージです。
1. 愛とは何か
愛は感情ではなく、能動的な力であり、習得すべき技術である。
それは孤独を超えて他者と結びつきながらも、自分の個性と全体性を失わない在り方。
成熟した愛とは、
「私はあなたを必要としているから愛する」のではなく、
「私は愛するからあなたを必要とする」状態。
依存でも支配でもなく、自立した者同士の結合である。
2. 成熟した愛の本質
個性を失わずに結びつく
見返りを求めずに与える
相手の成長を願う
自分の生命力を差し出す
自発的に関わる
愛とは「何をもらうか」ではなく、(もらう)
自分の中の生きたものを分かち合うこと。(与える)
喜び、理解、知識、ユーモア、関心、悲しみさえも含めて与える。
幸せにしてもらう=「もらう」しか考えておらず受け身になる。
幸せにしたい=何か行動を起こす=与えること
3. 生産的な愛の4要素
① 配慮(Care)
相手の生命や成長を積極的に気にかけること。
→ 今日、自分は相手の成長や心身を本気で気遣ったか?
② 責任(Responsibility)
義務ではなく、自発的に応答する力。
→ 相手の言葉や沈黙に、主体的に向き合ったか?
③ 尊重(Respect)
相手を自分と同等に価値ある存在として認めること。
→ 相手を変えよう・操ろうとしていなかったか?
④ 理解(Knowledge)
相手を深く知ろうとする努力。
→ 自分の思い込みではなく、相手の世界を理解しようとしたか?
4. 非生産的な愛のサイン
依存してすがる
支配して従わせる
相手を所有物のように扱う
損得で関係を見る
無関心になる
これらは愛ではなく、不安や欠乏の表れ。
5. 利己主義について
利己主義は「自分を大切にしすぎること」ではない。
むしろ、自分を十分に愛せていない状態。
その不足を埋めるために、他者から奪おうとする。
本当の自己愛とは、自分を育てることであり、他者にもその豊かさを分け与えられる状態。
利己的な人は自分自身にしか関心がなく、何でも自分のものにしたがり、何を得られるかという観点からのみ見る。自分しか見えないので、自分の役に立つかどうかという観点から一切を判断する。(96)
利己的な人は、自分を愛しすぎるのではなく、愛さなすぎるのである。実際のところ、自分を憎んでいるのだ。(97)
6. 愛の修練
愛する力は自然に身につかない。鍛える必要がある。
必要なのは:
規律(自分を律し、それをしないと違和感を覚えるレベルまで)
集中(内なる声に耳を傾ける、瞑想など)
忍耐
客観性(理性)
つまり、愛は日々の姿勢そのもの。
〇日々の振り返り質問(レビュー用)
今日の自分は「もらう側」だったか、「与える側」だったか?
相手を変えようとしたか、それとも理解しようとしたか?
相手の成長や幸福を願う行動をしたか?
自分の不安から反応したか、それとも主体的に応答したか?
愛を感情任せにせず、技術として実践したか?
一言で要約すると
愛とは、自立した自分を保ちながら、他者の成長と幸福のために能動的に関わる技術である。
“理解した人”ではなく、“実践した人”になることが一番厳しくて、一番価値のあるところ。 -
Posted by ブクログ
読むべき1冊だと思う。
末期患者と病院という場の相性の悪さを感じた。
この本の中では、看護婦や医師の態度の悪さが度々書かれている。末期患者側からしたら、怒りを感じるだろうが仕方ないのかもしれないと思いながら読んだ。
治療して良くなることを目指す場であるから。だからホスピスという場が生まれたのかもしれない。
末期患者の孤独、不安を汲み取り死をタブー視せずスタッフたちと向き合える病院があって欲しい。
死は死に至る過程が終わる瞬間に過ぎない。患者にとって死そのものは問題ではなく、死ぬことを恐れるのは、それに伴う絶望感や無力感、孤独感のためである。 -
Posted by ブクログ
年末に重たいテーマに臨んだ。誰もがやがて訪れる死。死に至る心の5段階のプロセスは言葉として学んでいたが、この本を読むまでは、200人以上の臨死患者のインタビューが基になっていることや、精神科医である著者がインタビューを行う際に、周りの医師から異端とも捉えられる困難な状況であったことは知らなかった。人が死を迎えるにあたり、決してこの5段階の順序は踏まなかったり、受容まで行き着かない場合もあるだろうとは思っていたが、著者はその点をかなり深堀して、患者に向き合い、死を恐れるのは患者だけでなく医療者側もそうなんだ、その恐れを患者に向かわせてはいけないといった警告も発せられている点はもっともだと思った。多くの臨死患者と向き合い、苦悩や痛みをしっかり受け止めるには、多くの患者と接する経験が必要なんだと改めて感じた。もう少し自分が死に対して距離が狭まってきたと感じた時に再読してみたい。
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Posted by ブクログ
生産性が高い人の8つの原則
著:チャールズ・デュヒッグ
訳:鈴木 晶
ハヤカワ文庫NF
おもしろかったが、各章の分量が多かった。
生産性の向上とは、最小の努力で最大の報いを得られる方法を見つけること
換言すれば、ストレスと葛藤を最小限にして、成功するための方法を学習することである
本書は、生産性の低い人や企業と、生産性の高い人や企業との比較して、その違いは何か、という問いに答えることである
生産性を高めるもっとも重要な8つのアイデアを提案し、探求することである。
気になったのは、以下です。
■①やる気を引き出す:指令中枢
・終身雇用が減り、フリーで仕事をする人が増えるにつれて、やる気や意欲を理解することが重要となっている
・やる気の必要条件は、自分は自分の行動や周囲に対して主導権を握っていると信じることである、それを理解することが重要である
・自分で自分のやる気を引き出すためには、自分がすべてをコントロールしていると感じていなくてはならない
・自分がコントロールをしているということを証明する一つの方法は、決断することだ
・やる気を引き出すには、まず選択することだ。それによって、自分で自分をコントロールしているという感じが生まれる
・指令中枢とは、統制の所在と呼ばれる
指令中枢が自分の内部にある人は、成功したにせよ、失敗したにせよ、自分を褒めたり、責めたりする傾向がある
指令中枢が自分の外側にある人は、自分の自由にならない外部の要因に責任をなすりつける
指令中秋が自分の内側にある人は、収入が多く、友人も多く、結婚生活は長続きし、職業上の成功をおさめ、満足度が高い
指令中枢が自分の外側にある人は、自分の力では状況をどうすることもできないと思い込んでいるので、ストレスの度合いが高い
・われわれが教えたいのは、命令に従っているだけじゃだめということだ、自分の頭で考え、自分で判断することが必要なのである
・ささやかな抵抗、反逆者にとっては、ちょっとした反抗でも、自分が今も自分でコントロールしていることの証明なのだ
・やる気を引き出すのにいちばん効率的な選択は、2つのことを成し遂げることだ
①自分で自分をコントロールしているのだと自分に確信させること
②その行動に、より大きな意味を与えること
・自分の、あるいは、他人に、内的な指令中枢を強化する方法は、自発的行動には褒美をあたえ、やる気を出した人をほめたたえ、自活したいといったら、祝福をする
反抗的で独善的で頑固な子供には拍手を送り、規則を迂回して仕事をやり遂げる方法を見つけた人には褒美をやるべきだ。
■②チームワークを築く:心理的安全
・あるグループはどんどん人が抜けていき、あるグループでは、人が増えて、やめる人もいない
・社員にチームが成果を上げるのに必要なのは、なんだとあなたは考えるかを質問をした
・どのようなグループでも、時間が経つうちに、適切な行動に関する集団的規範が作られる
規範とは集団の機能を支配する伝統・行動基準・不文律である
・メンバー各人が安全と感じるか脅威と感じるか、気力をそがれるか元気づけられるか、やる気を引き出されるか失うか、それらを決定するのは規範である
・チームを改良する鍵は集団的規範である、重要なのは、誰が、ではなく、いかに、だったのだ
・熱意も忠誠もけっこうな規範だ 熱意はチームを向上させ、忠誠は成果を半減させた
・心理的安全とは、危険を冒すにはチームが一番安全な場所である、メンバー全員が共通して抱いている信念であり、意見を述べても気まずくならない、拒否されない、罰せられないという安心感である
・優秀なチームに共通する行動が2つあった
①良いチームではメンバー全員がほとんど同じくらい発言していた
②優秀なチームは、メンバーの社会的感性が高かった、つまり、メンバーの声の調子、自己抑制の様子、顔の表情などから、各人がどんなふうに感じているかを鋭く見抜く能力が高かった
・チームにとって、重要なのは5つの規範
①自分たちは重要な仕事をしている
②自分たちの仕事は、個々人にとっても意味がある
③目標と役割分担を明確にする
④メンバーは互いに頼ってもいい
⑤チームには、心理的安全が必要である
・心理的安全は、短期でみれば効率は低いが、長期で見れば、より生産的である
■③集中力を上げる:メンタルモデル
・自動と手動を頻繁に切り替えなくてはならないような状況は非常に危険性が高い
・現代のような自動化の時代では、自分の集中力をどう扱うかが、ますます重要になってきた
・反射思考とはつまり習慣に頼ること、でも反射思考には大きな欠陥がある、習慣や反応が自動的になってしまうため、判断力に勝ってしまう
・注意力の使い方のうまい人たちには、いくつかの共通点がある
まず彼らは、こう見えるべきだというイメージを心の中に描く傾向がある
未来をより鮮明に視覚化できる
習慣的に未来を予測することを「メンタルモデルを作る」という
・メンタルモデルに秀でたスーパーモデルはあまり多くの仕事を手掛けない
新しい人たちとであい、新しいスキルを習得するためには、かなり余計な時間がかかるからだ
かれらは、ほとんどつねに、メンタルモデルを組み立てている
・自分の注意力をコントロールができ、メンタルモデルを作る習慣が身についている人は、業績もよく収入も多かった
・思考を代わってもらうことはできない。人間は決断を下さなくてはならない。そしてその決断には、何に注意をはらうべきかという問題も含まれている。鍵となるのは、無理をしてでも自分で考えることだ。考えさえすれば、あとはほとんど勝ったも同然である
■④目標を設定する:ストレッチゴール
・企業にとって、大胆な目標に向けて全社で取り組むのだ、前進するには、経営陣と全部門が、具体的で達成可能でタイムリーな目標を設定するだけでなく、ストレッチゴール(理念的目標)を設定しなければならない
これを、新幹線的思考という
・大胆な目標を達成するためには
①社員をどう教育するか
②どのような社員を採用するか
③工場をどう経営するか
に関してほとんどすべてを変える必要がでてくる
・ストレッチゴールは、自己満足を打破し、新しい思考法を促進する。衝撃的事件の役割を果たす
組織全体の希望を大幅に拡大することによって新たな未来に目を向けさせ、組織全体のエネルギーを増大させる
・すぐに片づけられる簡単なことだけで、TODOリストを作ってはいけない
かといって、ストレッチゴールだけの、TODOリストもいけない
一つの解決法は、ストレッチゴールとスマートゴールの雑じったTODOリストを作成することだ
そしてそれを短期で具体的な部分に分解する。実行可能は小さい目標は、「近い目標」と呼ばれ、大きな野心を小さい目標に分解できれば大きな目標を実現しやすくなるとが、わかっている
■⑤人を動かす:コミットメント・モデル
・欠陥があるとわかっている車を組み立てるのがいちばんいやなんだ。結局あとで分解するので、自分のやったことがムダになってしまう。
・トヨタ生産方式(リーン生産方式)では、いちばん下のレベルが方針決定をする。問題点を最初に発見するのが組み立てラインにいる工員たちだ。どんな生産工程でも避けられない故障のいちばん近くにいるのは彼らだ。
だから、彼らに解決法を見つける最大の権限を与えるのは理にかなっている
・企業文化を5つのカテゴリーに分ける
①スター・モデル 優秀な社員だけで会社をつくる
②エンジニアリング・モデル
③官僚モデル
④独裁者モデル
⑤コミットメント・モデル 社員が引退するか死ぬまで辞めない、ゆっくりと着実に成長するという価値観
・もっとも巨大な企業に成長した会社は、スター・モデルだ。がしかし、倒産数がおおかったのも、スター・モデルであった
・失敗例がもっともなかったのは、コミットメント・モデルであった
・コミットメント・モデルは、いちはやく株式を公開し、利益率が一番多く組織がスリムで中間管理職が少ない
採用にじっくり時間をかけるので、自立心の強い人材を採用できる
・もし自分が起業家で、ひとつの企業にしか、投資できないとしたら、コミットメント型の企業に投資したほうが賢い
・決定権を分散すれば、だれもが専門家になれる
・組織は、私たちの誰もが脳内にもっている膨大な専門知識を活用することはできない
・思いやりと信頼の文化は百発百中ではない。だが、このぶんは偉大なアイデアを生むための適切な状況を確保する、最良の選択である
■⑥決断力を磨く:ベイズの定理
・平均寿命が正規分布に、興行収入がべき乗分布になることを学生たちは知っていた
・直感でパターンを理解するこの能力を、ベイズ認知とか、ベイズ心理学と読んでいる
・ベイズの定理の核心にはひとつの原理がある。手元にほんのわずかなデータしかなくても、推論を立てて、その推論を私たちの世界観察に基づいて修正することで、未来を予測できるという原理である
・学生たちの推論は正しかった。ファラオの在位の計算は、アーラン分布(確率分布)に従うということを
・最も優れた企業家たちは、成功した人々たちとばかり話すことから生じるリスクをつねに意識している
・良い選択ができるかどうかは、未来を予測できるかどうかにかかっている
・不確実性とどう和解するか、ベイズの定理を使えば、人生においていかによりよい決断ができるかだ
■⑦イノベーションを加速させる:古いアイデアを新たな形で組み合わせる
・他の作品からすでに成功が証明されていた伝統的なアイデアをもってきて、それを新しいやりかたで組み合わせるという方法は絶大な効果を上げた
・独創的な論文は短く、独創的でない論文は長い
・すべての独創的な論文には、少なくとも一つの共通点があった
たいてい、すでに知られているアイデアを新しい形で組み合わせていた
・科学論文の分析:科学はほとんど普遍的なパターンを踏襲していた
・古いアイデアを新たな形で組み合わせれば、イノベーションを実現しやすい
・自分の捜索プロセスの生産性を上げる3つの方法
①自分の経験に対して敏感である
②創造のプロセスで、パニックやストレスを経験したからといって、すべてがだめなわけではない
③創作プロセスにおける大前進は心地よいが、他の可能性を見えなくしてしまう危険性がある
・創造性とはたんなる問題解決のことだ
いったん問題解決だとわかると、創造性は神秘的でなくなる
もっともクリエイティブな人とは、恐れを抱くことは良い前兆であることを知っている人のことだ
創造性が湧きだして来るまで自分自身を信じなくてはいけない。
■⑧データを使えるようにする:注意深くデータを分析する、問題を小さな問題に分割して解決をする
・情報失明:データが多すぎて、データを受け付けなくなる、処理しきれなくなることを意味する
・創造的非流暢性:目の前にあるデータにとにかく取り組んで、それらの情報を一連の質問あるいは、選択肢に変換して、情報を操作することだ
・重要なのは、なんらかの作業をすることである
文章がよみにくいと、それについて深く考えるようになるのと同様、データを理解するためには、余計な時間と労力を注ぎ込むこと
・研修後に、メモを読んだり、コンピュータの画面をみたり、研修でならったことを実践する人は皆無であることを、管理者は知っていた
・コールセンタで、すべての通話を記録し、書留め、隣のデスクで電話している同僚に何がおきていたのかがわかると、それまで気が付かなかったことに気が付くようになる。いろんなことが見えてくる
・仮説をおもいつき、それを検証することを通じて、流れ去っていく情報に対する感性がどんどん鋭くなっていく
・毎朝とどく膨大なデータを、より理解しやすくなるようなフォルダーに分類する方法を教えた
毎朝うけとるメモと、自分の電話をつかって、何かをする方法を伝授した
そして、その結果、部下たちの学習能力も向上したのである
・フローチャートや、エンジニアリング・デザイン・プロセスのような一定の形式にのっとった決断システムが必要である
システムに従えば、それまで見えてこなかった、問いがみえるようになり、考えいなかったような選択肢が現れる
・どんな問題も、段階を追って行けば、必ず解決策が見つかる
何か壁にぶつかったら、それを小さな部分に分解すれば、うろたえずに対処ができる
・講義中に手書きでノートをとる人と、PCにノートをとる人では、手書きの人のほうが多くを学ぶことができる
新しい情報に出合い、そこから、なにかを学びたかったら、その情報を用いて、何かをする必要がある
手を動かすほうが、より多くの情報をえ、深い知識を得ることができる
目次
はじめに
第1章 やる気を引き出す―ブートキャンプ改革、老人ホームの反乱と指令中枢
第2章 チームワークを築く―グーグル社の心理的安全と「サタデー・ナイト・ライブ」
第3章 集中力を上げる―認知のトンネル化、墜落したエールフランス機とメンタルモデルの力
第4章 目標を設定する―スマートゴール、ストレッチゴールと第四次中東戦争
第5章 人を動かす―リーン・アジャイル思考が解決した誘拐事件と信頼の文化
第6章 決断力を磨く―ベイズの定理で未来を予測(して、ポーカーに勝つ方法)
第7章 イノベーションを加速させる―アイディア・ブローカーと『アナと雪の女王』を救った創造的自暴自棄
第8章 データを使えるようにする―情報を知識に変える、市立学校の挑戦
付録―本書で述べたアイディアを実践するためのガイド
訳者あとがきmbgg
ISBN:9784150506087
出版社:早川書房
判型:文庫
ページ数:432ページ
定価:1360円(本体)
2024年03月10日印刷
2024年03月15日発行 -
Posted by ブクログ
現代人は死に触れ、死者のことを思い、死者を哀悼することを忘れてしまったのだ。
沈黙を前にした時、私たちは生存本能や生物学的特性を意識的に否定しなくてはならない。そのとき、私たちの答えとか説明とか確実性とか、天国への導きだけでは、私たちの疑問や疑念や不安は解消できないことを悟る。死よりも沈黙を恐れているのかもしれない。
人間の内部には、恥や恐怖に一度も傷つけられていない秘密の場所があるように思う。その無垢な場所では、私たちはありのままの自分でいられ、自分は愛されているのだと信じることができる。そこでは完全で完璧なふりをする必要もなく、仮面をかぶる必要もなく、傷を隠す必要もない。しばしばその場所は、死によって明るみに出される。
エデンの園では、弱いことが当たり前であり、恥の感覚などは力を持たない。 -
Posted by ブクログ
生産性について考察したものですが、近年稀に見るほどの面白さと学びを得られる本でした。
群を抜いて生産性の高い人や企業とそうで無い人や組織の違いはなんなのかを考察しています。ToDoリストを早くこなすというようなものではなく、本質的な考え方とそれに基づく行動がなんであるかを解きほぐしています。8つの視点で生産性の全体像を紐解いていくのですが、それぞれの視点で紹介される実例がとても興味深いものばかりで、その物語にも引き込まれます。
一つ目の視点「やる気を引き出す」です。
海兵隊の新兵が取り組む初期訓練と、敏腕経営者ロバート氏がある日突然に無気力になってしまった病が紹介され「やる気を引き出す」ことについて考察しています。
やる気なんてものは、本人の意思でどうとでもなるような類のものだと思っていました。その人が、取り組むべき課題に対して、どれくらい真剣に考えていて、責任感を持っているのかという個性に近いものと捉えていたのです。つまり、やる気を持って取り組むことや、やる気になるタイミングはその人次第であり、周りからの働きかけがあろうとなかろうと大した差は生まれないものだと。短絡的な思考と言えるかもしれません。本書を読むと、そんなものでは無いことがわかります。自分で選択する、自己決定をするような場面を作ることが、やる気を引き出すことに繋がっていることが、エピソードの紹介(海兵隊やロバート氏の事例)から浮き彫りになってきます。
二つ目以降の視点は、「チームワークを築く」「集中力をあげる」「目標を設定する」「人を動かす」「決断力を磨く」「イノベーションを加速させる」「データを使えるようにする」です。
それぞれの視点で紹介される事例がどれも興味を引くものばかりで、ページを捲らずにはいられなくなります。ほんの一例をあげてみます。伝説のテレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」のチームワークの構築が語られ、ポーカーゲームの大会優勝者から「ベイズ定理」による決断力を高める考え方に迫り、ディズニー映画「アナと雪の女王」制作現場からイノベーションを加速する手法がスリリングに紹介されます。
付録に、著者が本書を書き上げる際に使った8つの生産性を上げる視点を活用して実践してきたかを解説してくれているので、自分ごととして本書の学びを転用しやすくしてくれています。簡単にできるとは思いませんが、自分なりにもがきながら、本書の学びを実践していきたいと考えています。 読んでいてとても刺激を受けるし、読者を飽きさせない著者の語り部としての能力の高さのおかげで、読み進めることが苦ではありませんでした。お勧めの一冊です。 -
Posted by ブクログ
『幸せとは、自分の生に対する肯定である。」/西研
哲学の章 ヘーゲル『精神現象学』の章を読めただけでも大満足。
これほどヘーゲルの哲学を分かりやすく噛み砕いて説明するのがすごい。
西研さんはニーチェの本もよかったけど、今回はさらに良かった。
今の時代、ニーチェの哲学は受け入れやすいし、ちょっとしたブームになることもあった。
だけど、あと何十年かしたら次はヘーゲルの哲学が脚光を浴びそう。
より多くの人がなるほどこれは確かに価値があるという感じられる「事そのもの」
それを目指そうとする「良心」
大事なことはここに詰まってると思うのでまた読み直そう。 -
購入済み
自分への問いかけ
とても読みやすい本です。
読み終わったあと、もう一度初めから読んでみよう。何度も何度も読んで、自分へ問いかけたい。
本当の意味で人を愛したことがあるのか、と。
そう思わせてくれる本です。