あらすじ
死を告知された患者と、介護する家族の心構えを、簡潔な質疑応答のかたちでまとめた必読の書。
「どうして私が」という当惑と悲しみをいかに克服するのか。
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Posted by ブクログ
タイトルの通りの内容なのだが、著者の回答を読んでいると、死を目前にした患者に向き合うことは、自分の生に誠実であることなのか、と感じた。そしてそれは、相手が生きていることを尊重することでもあり、自分も同じように尊重されることである。
「向き合う」という言葉の意味を考えるきっかっけになった。
Posted by ブクログ
講演者の真価は、「質疑応答」での応答にあると私は思う。
その意味では、本書は「死」という一番、共感が難しい人生の局面で寄り添うことの大切さを、質問を通して説いた希有な書である。
自分も多くの講演を依頼されるが、毎回、新鮮な質問が寄せられることに、自分の問題意識を深めさせてもらっている。新たに産み出された応答が、また、次の講演に活かされていくのである。
清掃係の女性のエピソードは、移動中の読書であったにもかかわらず、涙が止まらなくなってしまい、しばしページをめくる手を休めた。世の中には、深い悲しみを背負いながら、また、だからこそ、人に深い優しさを捧げることが出来る人がいる。
自分も、誰かの最悪の危機に際して、静かな力になれる、心のこもった「人間」でありたいと思った。
Posted by ブクログ
死を忌まわしい、遠ざけたいと思うのは、自分の死を考えることを避けたいのと日頃からそのような場面を経験する事が稀有だからだろう。子どもに葬式に出席させる、このような本を読む事で、死が生の一部である事を感じることができる。臨死の人に寄り添う職業は、問題が起こった時に悪人のように取り上げられるし、それでなくとも精神的にきつい。気持ちの切り替えが大事とあるが、相当な経験と覚悟が必要なのでしょう。2021.7.18