里中満智子のレビュー一覧
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私が阿倍(孝謙・称徳)について思ってたのは、彼女がどういう女性だったのか…という事。将来天皇となるが故に独身だったのと、後継ぎに恵まれなかったのは史実の通りだが、本当に異性と関わる事はなかったのか、恋愛をした事がなかったのか…。まあ資料(公文書)には、私的な事(特に恋愛)は殆ど書かれる事はないので、真実を明かすのは至難だろうけど、私はきっと資料には書かれない(書くわけにはいかない)ものもあったんじゃないかと…。だから本編のような展開も、そういう点ではありかな…とは思うけど。それはさておき、「恋は盲目」というだけに、阿倍の今後が本当、気がかりだ。
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完結編…。
「とうとう来てしまったか…。」史実辿ってわかってはいたけど、やっぱりやるせない。長屋に皇位への野心がなかったにせよ、その地位が、存在自体が藤原の脅威になったが故の悲劇…。でも理不尽に排除しようとすれば、その代償はいずれ払う事になるのは今でも同じ事。長屋の末路が本編の通りかはともかく、その後疫病の流行や内乱等があったのは事実。まさに因果応報とも言うべき代償を藤原4兄弟だけじゃなく、首(聖武)も払う事になった…。それにしても、氷高の言う「真実の歴史」は令和の今にどのくらい伝わっているんだろう…と考えずにはいられない。後に起きた事件を機に長屋の名誉は一応回復された様だけど、それでも長屋や吉備ら犠牲に
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この作品を読んで思うのは、「真実」って一体どこにあるんだろうということ。不比等が言うように「正義という名の嘘が必要」と言うなら、じゃあ後世に伝わってる歴史では、果たしてどこまでが真実なのか…どこまで信じればいいのか…。後の長屋の運命にしても、名誉回復されてるとはいえ、公式に罪が取り消されたわけではない。(極めて暗示的) それだけに長娥子とのシーンで、彼が「潔く生きたい」と言っていたのは彼の「真実」だったんだと感じた。それにしても、この時長娥子が感じてた事が現実になるとは…。
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古代史は、遺された資料が少ない分謎が多い。この作品にしても、令和の今でも明かされていないものも存在する。長屋は血筋に恵まれ、皇位に最も近かったのに何故天皇にならなかったのか。何故〇ななければならなかったのか。親王待遇だったのに何故「長屋王」なのか…。枚挙に暇がないが、最後の阿閇から氷高への譲位も謎の一つ。かつて持統天皇が孫の文武天皇に譲位する為に即位し、阿閇がそれに習ったのなら、何故直接孫の首じゃなく、氷高を経由したのか…疑問だったので、この作品を見て「なるほど…あり得る!」と思った。この時代の資料にしてもそうだが、書き残すのはほぼ勝者側か当時の権力者だ。だからどうしても敗者側のは抹消されるし
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懐かしい
何故か塾の本棚に全巻揃っていて、小学生4年くらいに読みました。今読んでも、この話は好きです。運命に翻弄されながら最後にはハッピーエンド?で良かった。あと、歴史ぽい所も好きです。
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どう言う家だ…
それぞれが結婚中に伴侶と違う相手と子供を作って
それぞれのお相手も他の人とさっさと結婚して…
血の繋がりと言う障害のない兄弟愛を描きたかったんだろうけど
この時代にちゃんとしたそれなりの家の出来事とは思えん… -
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感想総まとめ
身分の低い女性を差別し都合のいい女扱いする不誠実な男性や、愛のことしか考えない視野の狭い女性親族が大勢周りにいる、みどりちゃん、
ロシア革命で孤児になったサーシャ、
優しいが甲斐性なしの父、有馬家の刀を売ったお金を着物に使い、子供を学校に通わせない非常識な母(せめて最年長のサーシャだけは学校に通わせたら良かったのに)の元に生まれ育った、さくらちゃん、
三人とも家庭環境に恵まれない上に、遊郭でこき使われた苦労人だけど、さくらちゃんは優しい旦那さんと結婚して子供たちに恵まれて、最終回で、みどりちゃんとサーシャが、あすなろの樹の下で結ばれて幸せになって良かった。
あすなろ坂は -
Posted by ブクログ
70年代にマンガを読み始めた人には、「里中満智子」は神様の一人(唯一神ではないけれど)だったと思います。
本書で紹介された「スポットライト」の初掲載号を買ってもらっていました。その時先生はデビュー11年目くらい…でも、「ピアの肖像」でデビューした天才少女の肩書はそのままで、天才の作品は読まなければ!と子ども心に思ったことを覚えています。
その後も多くの才能が生まれますが、やはりさきがけ。そのエピソードの数々にうわ〜と思いながら読み進めました。
一番印象に残ったのは、スペースシャトル搭乗ツアー申込、申込金額、チャレンジャー号の事故によるツアーの自然消滅、円高による返金額の為替差損…(!)約4 -
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感想
里中満智子というと少女マンガのまじめな恋愛ものを描く人だとばかり思っていたが、母子の話ではあるがちょっと変わったギャグマンガを少年誌に乗せていたことに驚いた。もっとも当時の掲載誌の少年マガジンは梶原一騎の作品群や釣りキチ三平などが人気を集め、立ち読みばかりしていた私の目にはほとんどとどまるところが無かった。ちいさな小学生のような姿の麦子の活躍に女性目線の風刺が効いていて、男の読者にも一考を促すような場面があり、ほのぼのとしていながらも毅然とした作者の主張がにじみ出ている気がした。最近、私は当時連載のデロリンマンやイヤハヤ南友を確かめたくて古いマガジンを入手後に、気になってこの電子ブックを購入し
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ヒロインは
今日子がヒロインだと思ってたけどメインは明日香なのかな。
里中さんの作品では女性3代記みたいなのがよくあるのでこれもそのタイプ。
しかしいきなり子供抱いた女性が息子の妻ですって出てきたらビビるわ。
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朝ドラ的
太平洋戦争時の満州を舞台にした作品です。
病院の娘の今日子は敗戦で混乱した満州から引き揚げるのですが、協力した中国人少女が殺されたのがかわいそうでした。 -
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全巻の感想
ワガママだった未来が、進吾との初恋で、素直な性格になり、後に進吾と結婚するシーンをみて、良い恋をすると人は成長するんだなぁと思った。
優等生で面倒見の良い明日香が、いい加減な矢代との初恋、失恋、その後復縁したのは、明日香にも男性を見る目が無いという欠点があり、作者さんが「欠点の無い人間はいない」というメッセージを読者に伝えたかったからなのかもしれない。
個人的に、あした輝くのベストカップルは、万葉集の歌のやりとりがきっかけで結婚した緑川先生夫婦(明日香の実の両親)だと思う。
香さんと今日子さんは、天真爛漫で可愛いカップルだけど、裸関連のエピソードだけは共感出来なかった。
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Posted by ブクログ
一番初めに、皆さんご存知「アンパンマンのマーチ」の歌詞が載っていて、これを見ていたら鼻の奥がツーンとしてきた。やなせたかしさんが来し方を振り返ったり、アンパンマンに込めた思いを語っているのを読み進めていく間も、ずっと鼻はツーンとしたまんま。西原理恵子さんがやなせ先生の思い出を書いている所で、あ~ダメだ、とうとう涙が出た。
テレビや雑誌で見るやなせ先生はいつも笑顔だった。身内との縁が薄く、辛いことの多い人生だったというのは、亡くなって初めて知った。長いこと売れなくて、アンパンマンのヒットは七十近くなってからということも、いつも笑いのネタにされていた。本書を読むと、どこまでもサービス精神旺盛で、