里中満智子のレビュー一覧
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【黄金の輝きより美しい、3000年前の枯れた花束の祈り〜】
シリーズ3作目、古代エジプトの少年王ツタンカーメンと王妃アンケセナーメンの苦悩と信仰を描いた歴史ドラマ、ついに完結!
漫画の枠を超えた壮大な物語に心揺さぶられました。
ツタンカーメンの棺に置かれたドライフラワーのエピソードには、2人の愛の証が3000年以上経った今でも残っていた事実に胸がぽっと温かくなります。
ですが同時に、黄金のマスクなどの宝物ばかりに興味を示す現代人に、彼女が抱いた寂しさも痛いほど伝わってきました。
2人の壮絶な戦いと孤独を知らなければ、私も同じように宝物ばかりに目を奪われていたかもしれません。ケースの向こうから聞こえる、彼女の「どうか分かってほしい」という祈り、願いにも聞こえる声が、今も胸に深く刺さっています。
そしてラストのアンケセナーメンの独白が切ない。最後まで生きるとは?神とはを考え続け「理想の世界に、私たちは生きられているのか」という彼女の問いに私は「はい」と答えられるだろうか。
流されず、盲信せず、考えて生きる。
彼女からは「考える事をやめないで」というメッセージが伝わってきました。
歴史から学ぶことをやめないためにも……。 -
Posted by ブクログ
【神と権力争いに翻弄された、13歳の若き王妃】
ツタンカーメンは有名だけど、その妻アンケセナーメンはどんな人物だったんだろう?と興味を惹かれて手に取った作品。
表紙の独特な髪型に「本当にこんな髪型だったの?」と驚きつつ読み進めると、内容はまだ序章ながら衝撃の連続でした。
漫画『王家の紋章』のような歴史ファンタジーとはまた違った意味で、とにかくリアルで面白い……!中身は驚くほど生々しい超一級のサスペンスです。
唯一神の信仰に狂っていく父、純血を守るための歪な婚姻システム、そして王族の肉体を蝕んでいく謎の病……。「これは神の呪いなのか?」と、ページをめくる手が止まりません。
何より、大人たちの権力闘争と親の狂気に巻き込まれていく、当時わずか13歳の主人公の心理描写がとにかくエグいです。
子供ながらに政治や「神とは何か」を考え、悩み、葛藤し、ドロドロした大人の世界で大切なものを失っていく姿が切なすぎる。
純血と権力を守ろうとするエジプト王室の行為は、どこか日本の昔の天皇家に似ているような気がする。
歴史の教科書では数行で終わる「アマルナ宗教改革」の裏側で、この『アトンの娘』がどんな運命をたどるのか、次巻が楽しみです! -
無料版購入済み
鈍感すぎる
大海人が鈍感すぎるww
太田皇女を愛して労わってやるのではなく余計体に負担をかけて死期を早めるww
高市と十市に割って入る大友の三角関係も里中さんらしい。 -
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里中満智子さんによる、30年以上前の作品。
古代エジプトの物語は実写も難しく、当時の習慣や思想、人名等も混乱しがちなのでコミックはとても分かりやすかった。
ネフェルティティの娘であり、ツタンカーメンの妻であるアンケセナーメン。
やはり、胸像やマスクのようないかにも《古代エジプト》的な学術的にも優れた資料がないと、世界史を選択しなかった自分のようなタイプなど多くの人にはイマイチ知名度がない。知らなかったし。
最終的に、あれだけ反発していた母・ネフェルティティと同じ一神教の世界を目指す姿勢は信念とともに健気にも思えた。
〜この世には、納得できないことはたくさんある。
知恵でも、経験でも、努力でも、納得できないことをすべて、神の存在ゆえにすれば、何もかもすっきりする。
あーそういうことなのね。
理不尽でも報われなくても、悔しくても悲しくても
神様のご意志によるもの。
ってことで解決させる。
ざっくりいうと
本当にそう?そうじゃないでしょ。と言いたかったアンケセナーメン。
今風に言えば親ガチャの当たり外れ、献金、お布施問題、それによって私服を肥やす神官たちの悪どさもしっかりと描かれている。
多くの民が感じる理不尽を納得させるシステムが信仰か?
多神教(アメン)、一神教(アトン)、全く別の対極とも言える信仰。
現代では、どちらも
《古代エジプトにおける、信仰の種類(の学問)》に過ぎないのだろうが
神というざっくりした視点では変わらないんだな -
Posted by ブクログ
天上の虹を通読しファンになってから天平時代の連作やギリシャ神話、オペラ、ブッタなどなど様々な作品を家族ぐるみで里中作品を楽しんでいます 勝手にいつか朝ドラの主人公になるはずと思い込んでいたところ発売された自伝に飛びついて購入しました
幼少期やデビュー当初のお話は、思春期特有の悩みや当時の時代背景も合わせて楽しめます 作品のバックグランドになったエピソードなども交えて大変興味深かったですね
読んでみて気づいたのですが自分が好んで読んでいた歴史物や古典の紹介マンガは里中先生のごく一部でそれ以外に多くのマンガを発表されてるという事です
逆に知らない作品の話題は、読んでもピンとこなくて飛ばしながら読んでしまいました
女性がマンガを描くことやマンガ文化に対する偏見などに毅然と立ち向かう姿勢は勇ましく尊敬します
また作品を読み返したくなりました -
Posted by ブクログ
兄弟である中大兄皇子と大海人皇子。額田王と大海人皇子の和歌が有名であるが、中大兄皇子の妻となった額田王はかつて大海人皇子の妻であり間に子供もいた。
そしてのちに持統天皇となる、大海人皇子の妻は、中大兄皇子の娘。
大海人皇子は壬申革命を起こし、実の兄である天智天皇を倒して天武天皇となる。
この事実だけでもドラマがあるなと思っていたので、それが漫画の物語としてどう描かれるのか興味を持ち手に取った。
それぞれの人物が抱える苦悩や孤独が、史実に基づいてとてもリアルに描かれている。構成も無理がなく抜群だと思った。
リアルな人間ドラマが繰り広げられていて、歴史が単なる事実ではなく、そのとき生きた人間の人生の積み重ねによるものだということを感じる。
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Posted by ブクログ
今回の中心は呪われた国、テバイの話。
テバイを建国したカドモスが、かつてアレスの龍を殺したため、この国は呪われる運命となった。次から次へと子や孫が悲惨な死に方をした。
中でも特に悲劇だったのはライオスとオイディプスの代だったようだ。
テバイの王、ライオスは若い頃犯した罪が元で、呪われていた。予言者によると、「そなたはいずれ、自分の息子に殺されるだろう。」と、
だから、ライオスは自分の息子が産まれると、その足にピンを打ち付け、部下に谷に捨てにいかせた。だがその子は、コリントス王の部下に拾われ、コリントス王の跡継ぎとして育てられた。名前はオイディプス。
オイディプスが大きくなって、ある日アポロンの神託を受けに行くと、
「そなたは、国へ帰れば実父を犯し、実母を犯す。」と言われた。
そんなことを言われたら、もうコリントスへは帰れない。コリントスから遠く離れるため、向かったのは、なんと本当の生まれ故郷のテバイ。途中の道で、すれ違った者と互いに道を譲り合わず、喧嘩になり、相手を殺してしまった。だが、この相手こそ、実父のテバイ王だったのだ。
テバイ国の入口にはスピンクスが居座っていて、道行くものに謎掛けをして答えられないと、相手を食べてしまうということで、みんなが困っていた。「スピンクスを退治したものには未亡人となった王妃を娶らせ、国王とする。」と国のナンバー2に言われ、オイディプスは簡単にスピンクスに勝ち、見事、未亡人の王妃を娶り、テバイの国王となった。でも、未亡人の王妃って、つまり、お母さん…。
二人の間に次々子供たちが生まれ、国は安泰のように見えたが、疫病が流行り、不作になり、次々死者が出た。
そこでアポロンの神託を受けに行くと、「前王ライオスの殺人犯人がこのテバイにいる、そのものを処刑せねぱ、テバイは救われない。」と。
何も知らないオイディプスは、犯人に名乗り出ろと言った。そして「あとから発覚すれば、そのものの目を潰す刑に処す。」と。そんなとき、コリントスから使いが来て、「コリントス王が亡くなったので、オイディプス王子様にお帰り願いたい。」と。そして、その使いは、オイディプスは拾われた王子で、コリントス王の実子でないことを知っていたのだ。次々と明るみになる事実。王妃は自殺し、オイディプスは自分の目を自分で潰した。
神託は実現してしまっていたのだ。
なんか、旧約聖書にもこんな話あったなあ。
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Posted by ブクログ
この世に季節が生まれた理由。それは冥界の王、ハデスが農耕の女神デネメルのかわいい娘、コレーニ恋し、一度は無理やり妃にしたが、コレーとデネメルに乞われて、地上に返した。だが、お別れの際にコレーに柘榴を4粒食べさせたので(冥界の食べ物を口にすると冥界から離れられない)、コレーは一年の4分の1は冥界の妃でいなければならなくなった。その間、コレーの母デネメルが、娘に会えない悲しみに暮れ、農作物が枯れる季節となったから。
いつもおしゃべりばかりして、最高女神・ヘラの怒りを買い、人の話の最後を繰り返すことしか出来なくなったニンフのエコー。
アポロンの息子で医術の達人だったが、死者までも蘇らせ、生と死の秩序を乱してしまったアスクレピオスはゼウスに稲妻で消されたが、その後「医学の神」と崇められるようになった。
機織りの達人だったが、工芸の神、アテナと張り合おうとしたために、殺され、その後、永遠に機織りが出来るように蜘蛛にされた人間のアラクネ。
大熊座、小熊座、オリオン座、さそり座なまつわる神々の伝説。
それにしても、神々の怒りを買うと……というのは神々の自尊心を傷つけると碌なことにならないな。