あらすじ
1960年代のデビュー以来、数々のヒット作を世に送り出してきたマンガ家・里中満智子。近年は自らの創作のみならず、日本マンガ界を牽引する立場としての活動も高く評価され、文化功労者にも選出された。
「すべてのマンガ文化を守りたい」との想いを胸に走り続けてきた75年の半生を自ら振り返り、幼少期から現代、そして未来への展望までを綴る。
高校生にしてプロの漫画家デビューを果たした著者だが、決して順風満帆ではなく、ジェンダーギャップで叱責をあびたり、読者からの抗議を受けたり、がんを患ったり、まるで朝ドラを見ているような半生が、これでもかと詰められている。顔の広かった著者ならではの、レジェンドのマンガ家たちとのやりとりも、多数収録。
当時を知る人には共感を、当時を知らない世代には新しい発見をもたらす1冊。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この著者の漫画は読んだことはなかった、少女漫画は萩尾望都、竹宮惠子、山岸凉子等結構読んできたが、何故かこの著者のは抜けていた、だから彼女の漫画人生も知らなかった、しかし漫画黎明期から尽くしてこられた方だということがよく分かった、最近漫画を読むのが辛くなりコレクションだけになってきたが、今や日本の一大文化産業であるので応援しなくてはならない、日本は漫画に限らず文化産業に力を入れず日テレのように漫画を破壊する側に回ったりする輩が存在する、本書にもあったように民主党のような悪辣政党も存在するのだ。
Posted by ブクログ
天上の虹を通読しファンになってから天平時代の連作やギリシャ神話、オペラ、ブッタなどなど様々な作品を家族ぐるみで里中作品を楽しんでいます 勝手にいつか朝ドラの主人公になるはずと思い込んでいたところ発売された自伝に飛びついて購入しました
幼少期やデビュー当初のお話は、思春期特有の悩みや当時の時代背景も合わせて楽しめます 作品のバックグランドになったエピソードなども交えて大変興味深かったですね
読んでみて気づいたのですが自分が好んで読んでいた歴史物や古典の紹介マンガは里中先生のごく一部でそれ以外に多くのマンガを発表されてるという事です
逆に知らない作品の話題は、読んでもピンとこなくて飛ばしながら読んでしまいました
女性がマンガを描くことやマンガ文化に対する偏見などに毅然と立ち向かう姿勢は勇ましく尊敬します
また作品を読み返したくなりました
Posted by ブクログ
70年代にマンガを読み始めた人には、「里中満智子」は神様の一人(唯一神ではないけれど)だったと思います。
本書で紹介された「スポットライト」の初掲載号を買ってもらっていました。その時先生はデビュー11年目くらい…でも、「ピアの肖像」でデビューした天才少女の肩書はそのままで、天才の作品は読まなければ!と子ども心に思ったことを覚えています。
その後も多くの才能が生まれますが、やはりさきがけ。そのエピソードの数々にうわ〜と思いながら読み進めました。
一番印象に残ったのは、スペースシャトル搭乗ツアー申込、申込金額、チャレンジャー号の事故によるツアーの自然消滅、円高による返金額の為替差損…(!)約40年前にそんなことが企画されていたこととそれにチャレンジしようとした行動力。すごい。
でも、先生の半生はそういう選択が随所にあるような。天才だけど才能に溺れない仕事ぶり、今さらながらすばらしいなと思いました。
ただ、正直子どものころ、先生の作品たちに熱狂しませんでした。別の作家さんたちに傾倒したせいもありますが、ストーリー展開が他の作家さんとは別の重さを持っていたせいなのかも、とも思い。本書を読み、あらためて天才であり今の少女マンガのパイオニアの一人である先生の作品、読んでこなかったものに触れてみようと思いました。
戦争感、ジェンダー感なども考えさせられました。
編集さんと結婚されてたのか…あるあるのひとつ。
芸能人の衣装デザインまで!知らなかったですが、当時、本当に先生自身がスターでしたね。それは知っています。
そして、数々の大御所たちとの交流。先生にとっての大先輩や、同世代の作家さん。興味深く読みました。
ある大先生とのエピソードはハラスメントネタじゃない?わからない…
星3つは本当は少ない。3.8くらい。
マンガというジャンルに興味がない人や、最近のマンガの読み手には伝わらないかも…とも思い。
でも、個人的には自分の読み手人生を振り返ることにもなり、とても参考になる1冊でした。