秋永真琴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ彼女の目に、僕は、この世界は、どんなふうに映っているんだろう?
森島章子。
彼女をどう切り取るのか。
アーティスティックな孤高なタイプではなく、他の人たちと馴染みたいと思ってる彼女の考えには、共感できるところがある。
私は、章を読み進めるごとに、彼女を知る人たちが語る話を聞き、森島章子という1人の人間に魅了されていった。
彼女の写真を見てみたい。
そこに映っている私は、どんな私だろうか?
彼女のファインダー越しには、何が映されているのか。
彼女は、この世界はどうみているのか。
それを知りたいと思った。
本作のタイトルにもあるように、
「森島章子は人を撮らない」
その理由は何だろうか?
これは、本作にて、明らかに!?
特に、「単焦点トランスレーション」と「露光」が好きでした!
短編集で読みやすい作品です!
悩んだり、傷ついたとき。
そっと背中を押してくれる。
本作と出会えてよかった!
何度も読み返したくなるようなオススメの1冊です!
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Posted by ブクログ
読むのを楽しみにしてた。好きな書き手の人が私が好きな料理をつくることをテーマにアンソロジーって…!
いやー、どれもおもしろかった。ほんとに。さすがでございます…
西條奈加さんの『向日葵の少女』は舞台設定で上品が雰囲気が漂いながらもミステリーっぽい話の進み具合で、大きなテーマを複数かけあわせてまとまったひとつの話にできるのすごすぎるし結末には心があたたかくなった
千早茜さんの『白い食卓』は主人公がいけ好かないやつすぎるのだけど話が進んでいくごとに料理の恐ろしさというか、食事を他者に委ねることってそういうことだよなあ…生きるための手段のひとつを他者へ委ねるというのは尊いとされたり愛情の証左とされたりもするけれど、それは反転させるとどういうことなんだろうね?と冷たいナイフみたいな展開だった。世にも奇妙な物語で見たい
深緑野分さんのはNetflixとかで短編ドラマにしてほしい感じ。ちょっとファンタジーな設定と描写が海外ドラマぽかったしデイジーなすごいかわいくて胸がきゅんとした。その後とかないんですか?続きを読みたいんですが…?
秋永真琴さんの『冷蔵庫で待ってる』は北海道の大学生の女の子の話なんだけど、大学生のときの恋愛ってこういうところがあるよなあ、拙くてでも熱量だけはすごくあって、相手に求められたいということは実は何より相手を求めていて、恋愛感情と承認欲求もごちゃごちゃになりがちで…。自分の楽しみのために料理をするというのは自分が食べたいもの、シグナルをちゃんとキャッチしなければいけないわけである種の自己分析とも通じるところもあって、主人公が自己理解を深めてささやかながらも主体的な選択をしたところがすごいよかったし、ビールと料理の描写がよすぎて出てきたビール会社は何かしら広報のお礼をする必要があるんでは?ぐらいだったな。ちなみにこの話を読んだあとチヂミを作りました
織守きょうやさんのこの曇天っぽい空気が満ちた小説ってほんといいよな…。マジで…。話が進むにつれてある秘密が明らかになるのだけど、ほんとに誰にも苦しさを言えないときってああいう選択肢になっちゃうし、料理を作ることに愛情を込めたとしても伝わらないとかやるせないことになったりもして
どうにもならない苦しみをとりあえず持ち帰ってどうにかしていこうというささやかな希望もあるのが最終的にやさしくていいなと思った
越谷オサムさんの『夏のキッチン』越谷さんの文章ってほんとにリズミカルで登場人物が愛くるしくていい。とあることをきっかけに不登校になった来年中学生になる男の子の振る舞いを書くのがうますぎるし、出不精な自分はコンビニに行くか悩むところでめちゃめちゃ共感した。越谷オサムさん『ひだまりの彼女』もそうだけどあったかくて笑えて一匙の切なさと寂しさを加えた話が抜群にうまい…ほんとすごい…
うう、どのお話もすっごいおもしろかったし同一テーマでこれだけ全然違う話が集まるんだから作家ってのはすごい…
自分だったら料理をテーマに何を書くかなあと思ったけど、コンビニや外食で店員さんとちょっとした会話すらしたくない消極的料理の話になるかな… -
Posted by ブクログ
東京創元社が、社名の「創元=GENESIS」を冠して二〇一八年に刊行したSF書き下ろしアンソロジー第一集。各作品の前に編者による洒脱な紹介コメントも寄せられていて、「日本の現代SF小説界、作家も出版社も一丸となってこんなメンツで盛り立てていきますぜ」という顔見世興行的な気合いの入りようが感じられる。今のところ二〇二一年の第四集まで毎年刊行が続いているようだ。
SFに限らず同時代の作家の好きと思える小説に出会えることには、古典名作を楽しむのとはまた違う喜びがある。創元さんの四年前のお薦め、彩り豊かで「ぜんぶ好き」とはいかないが、これだけいろいろ並べて出してくれたことにありがとうという気持ち。
以下、備忘メモ。
■久永実木彦『一万年の午後』
聖典(ドキュメント)に従い「特別」を作らないことにこだわるマ・フたち。マ・フとは、人類が遺した人類そっくりなロボット。
■高山羽根子『ビースト・ストランディング』
ちょっとよくわからなかったけど、木綿が人類を救った?(違)
■宮内悠介『ホテル・アースポート』
やっと読みやすいのがきた。SFなのにミステリー。弦楽器や香水もいい味出してる。
■秋永真琴『ブラッド・ナイト・ノワール』
王族とかヴァンパイアとか、ラノベっぽい。でも嫌いじゃない。好みが似てたのか(眼鏡とか)。片仮名タイトルが続くなあ。
■松崎有理『イヴの末裔たちの明日』
ここまででいちばん好き、王道の、すぐそこの近未来らしさ。AIに次々と仕事が奪われる時代、「人間にできる仕事」というキーワードで求人検索する主人公の姿が、なかなか笑えない。
■倉田タカシ『生首』
不条理もの。夢みたいな目まぐるしい混沌。意味はわからないけど不思議に好き。
■宮澤伊織『草原のサンタ・ムエルテ』
(未読)「本格的近未来アクションSF」とのことだが、私の頭にはぜんぜん入ってこなくてギブアップ。みんな大好きらしいガンダムが私にはぜんぜん見られない感覚と似ているが、この作品がガンダムと似てるかどうかは知らない。
■堀晃『10月2日を過ぎても』
トリは大御所らしい。しかも大阪SFというジャンル?らしい。高齢者ばかりになったマンションの理事をしてる設定もリアル。でもちょっと受け止めきれなかった。 -
Posted by ブクログ
2018年末に刊行された新しめの日本SFアンソロジー。短編8編+エッセイ2編が収録されています。
アンソロジーを読むこと自体、ちょっと良い(と見込んだ)食事処にぷらっと入って「おまかせコース」を頼むようなもので、満足したい気持ちと、意外なものを味わいたい気持ちが同居していると思います。
個人的には両ポイントともにちょうど良い感じの1冊でした。編集者の匙加減の素晴らしさもあるんでしょうが、SFというジャンルの中での振れ幅もなかなか心地良かったと感じました。
(正統派SFもありつつ、一見ファンタジーでは?日記では?となる作品や、突き抜けたシュールさの作品があって、色彩豊かでした)
1編挙げるとすると、個人的には「イヴの末裔たちの明日」が面白かったです。AIに仕事を奪われ、ベーシックインカムで養ってもらう世界を舞台に、「これから人間にできるのは新薬治験くらい」というネットの書き込みを見て治験ボランティアを始めた主人公は…という話。
結末を読んで、こういう世界は本当にあり得るよなぁ…と思いました。でもそれはユートピアなのかディストピアなのか、正直悩んでしまいます。
あと、個人的に短編を読むときに気にしているのが、どれだけ早くその短編の世界を理解できるか、です。
別に早い方が良い訳ではなく(遅すぎると短編だと終わってしまいますが…)、書き出しに個性が出ると言うか。割り切って説明調で書くケースもあれば、最初に象徴的なパーツを掘り下げて書くケースも。
本著を読んで感じたのは、前者のような親切かつクイックな、ある意味ラノベ的な書き出しもアリだなぁというコト。時代に合わせた変化なのでしょうか。
各短編それぞれの個性が組み合わさった、面白いコース料理でした。
次巻も読んでいきたい、出版元の矜持を感じる作品集です。 -
Posted by ブクログ
SF。短編集。エッセイもあり。
これは良い企画。5年、10年と続いてほしい。
久永実木彦「一万年の午後」
人類絶滅後のロボットたち。綺麗な文章が印象的。
高山羽根子「ビースト・ストランディング」
怪獣を持ち上げるスポーツ。相変わらず奇妙な設定が持ち味。好き。
宮内悠介「ホテル・アースポート」
SF設定でのミステリ。ミステリとしては小粒だと思うが、上手くまとまってる。舞台設定が良い。
秋永真琴「ブラッド・ナイト・ノワール」
吸血鬼&マフィアもの。ラノベやマンガぽさが強い。成田良悟『バッカーノ!』風な印象。好き。
松崎有理「イヴの末裔たちの明日」
近未来の技術的失業。リアルなテーマを、静かな文章でコミカルに描く。作者らしい。好き。
倉田タカシ「生首」
かなりの異色作。自分はついて行けなかった。
宮澤伊織「草原のサンタ・ムエルテ」
SFアクション。『裏世界ピクニック』のイメージが強いが、こんなのも書くのか…。
堀晃さんは、日記風ということでスルー。