あらすじ
アマチュア写真家が集う社会人サークル〈札幌フォトジェニック〉に所属する大学生の森島章子。彼女の撮るものは、日常の何気ない景色ばかりなのに、どこか人を惹きつける不思議な魅力を具えていた。章子に撮ってもらいたいという人は多く、周囲もポートレイトを撮ることを勧めるのだが、 彼女はかたくなに誰にもレンズを向けようとせず……。元恋人、サークルの知人、小説家志望の歳上の女友だち、家庭教師として勉強を教えている中学生。周りの人々の目に映る章子の横顔と、章子がファインダー越しに覗く世界を描いた、心揺さぶる青春群像劇。/【目次】フォトジェニック/ファインダー越しの、/単焦点トランスレーション/ぼくのポートレイト/露光
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Posted by ブクログ
彼女の目に、僕は、この世界は、どんなふうに映っているんだろう?
森島章子。
彼女をどう切り取るのか。
アーティスティックな孤高なタイプではなく、他の人たちと馴染みたいと思ってる彼女の考えには、共感できるところがある。
私は、章を読み進めるごとに、彼女を知る人たちが語る話を聞き、森島章子という1人の人間に魅了されていった。
彼女の写真を見てみたい。
そこに映っている私は、どんな私だろうか?
彼女のファインダー越しには、何が映されているのか。
彼女は、この世界はどうみているのか。
それを知りたいと思った。
本作のタイトルにもあるように、
「森島章子は人を撮らない」
その理由は何だろうか?
これは、本作にて、明らかに!?
特に、「単焦点トランスレーション」と「露光」が好きでした!
短編集で読みやすい作品です!
悩んだり、傷ついたとき。
そっと背中を押してくれる。
本作と出会えてよかった!
何度も読み返したくなるようなオススメの1冊です!
Posted by ブクログ
「フォトジェニック」
「ファインダー越しの、」
「単焦点トランスレーション」
「ぼくのポートレイト」
「露光」
5話収録の連作短編集。
初読みの作家さんだったが、繊細で柔らかな文章が心へ染み込んでくる作品だった。
主人公は、アマチュア写真家の社会人サークルに所属する大学生・森島章子。
彼女が人と接する時の淡々とした距離感。
そして、彼女が頑なにポートレイトを撮らない理由は?
コミュ障という言葉では片づけられない違和感を感じながら頁を捲った。
最終話で「人を撮らない」理由に触れた瞬間、彼女の心の淵に指先が届いたような感覚に陥る。