高階秀爾のレビュー一覧
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しかし、だからと言って、印象派 絵画がチューブ入り絵具から生まれたと言うことはむろんできない。 戸外における現場での制作は、すでに一八三〇年代のバルビゾンの画家たちの時代から、絵画の野望のひとつであった。持ち運びのできる便利な絵具の発明は、それまできわめて困難であったことを容易に実現させてくれるという便利さをもたらしたに過ぎない。ただ、それによって思いのままに戸外で制作できるようになった七〇年代の若い画家たちが、眼の前の自然のな かに、それまでの絵画の知らなかった新しい世界を発見したことは事実である
ところが、モネたちは、太陽の光の下では、自然のなかのものは固有の色を持っていないということを -
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美術分野の素人の書評になりますのでその点はご留意ください。下巻では主に「光」の部分に焦点が当てられます。具体的には美もしくは愛についての解釈です。その際の題材になるのがボッティチェルリの「春」と「ヴィーナスの誕生」ですが、それぞれの絵のなかの登場人物や背景、またこれらの絵が描かれた経緯などが詳しく語られています。詳細についてはぜひ本書を読んでいただけたらと思いますが、本書を通底しているのは「二面性」あるいは「二であり一でもある」というキーワードでしょう。例えば愛情についても現生的な愛と天上界的(理想的)愛情がある。どちらがより優れているとかではなく、これらは愛情の二面性であって、言い換えれば古
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ネタバレ個人的にとくに興味深かった頁をまとめて下に記す。
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p.83
同頁の前章にて、15世紀フィレンツェの「現代版確定申告」のようなものの話がある。この「カタスト」と呼ばれる徴税制度自体も興味深いが、人が自身の収支を行政へ申告する際、なるべく景気の悪いことを書くというのが今も昔も変わらずというのが具体的事例付きで示されており、これはさらにおもしろい。ルネサンスの人々が急に近しい存在のように感じられた。
p.135〜136
同頁の章の前後にて、ルネサンスの時代を境に、イタリア半島における戦争の姿が変わっていくという話がある。著者曰く、イタリアにフランス軍が進軍する以前、半島内の戦争