あらすじ
「歪んだ真珠」を意味する語として生まれた「バロック」は、「粗野な」、「劣った」というニュアンスを帯びて使われる一方で、バッハやベルニーニに代表される雄大壮麗な作品とともに知られてもいる。──では、「バロック」とはいったい何か? 西洋美術史研究の第一人者が、多彩な時代と分野を縦横無尽に駆けめぐり、本質に迫っていく旅の記録。多数の図版を収録した原本に、さらに新たな図版を加えた決定版が登場!
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Posted by ブクログ
バロック芸術の成立とその文化的影響を、ルネッサンス後期からロマン派と新古典派の対立時期にかけての時代背景の考察を交えつつ、きわめて簡明な文章で綴る。プッサンのいくつかの作品やヴェルサイユ宮殿にまでバロック的要素が見られる、とするのはやや牽強付会の観もないではないが、その興隆が西洋文化の大きな転換点であったことは間違いない。「バロックは意志である」との著者の言葉が重く響く。
Posted by ブクログ
バロックの意味とその芸術作品における表れ方を的確に分かりやすく解説されていて,頭の中を整理するのにぴったりの本.作品の写真もかなり掲載されていて非常に良かった.
Posted by ブクログ
この本ではダ・ヴィンチやミケランジェロ、ラファエロなどのルネッサンス全盛期の芸術とバロックは何が違うのか、どのようにしてバロックの技術が生まれてきたのかということがわかりやすく説かれます。
特に、この作品におけるベルニーニの解説はまさに珠玉です。これを読めばベルニーニ巡礼をしたくなること間違いなしです。
バロック芸術そのものだけではなく、その時代背景まで知れるこの作品はぜひぜひおすすめしたい逸品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。