高階秀爾のレビュー一覧

  • カラー版 名画を見る眼 印象派からピカソまでⅡ

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    モネ、ルノワールをはじめとする印象派からピカソ、シャガール、モンドリアンに至るまで、美術史の中で、大きな変革の時代を生きたアーティスト達の作品を読み解くポイントを紹介してくれる良書。

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    2024年10月08日
  • カラー版 名画を見る眼 油彩画誕生からマネまで Ⅰ

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    宗教画としての絵画も、識字率の低い時代に聖書を読めない人のためという側面もあるので、元々絵画は読み物であるという観点から言うと、とても勉強になる一冊。
    作品の背景や作家が表現したかった事を知る事で、作品の表象的な理解にとどまらず、深く理解することができる。

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    2024年09月14日
  • カラー版 名画を見る眼 印象派からピカソまでⅡ

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    Ⅰに比べて、著者の美術史観が確固としている。
    特に印象派の影響を受けた画家たちの足跡の描き方が冴えている。
    個別の画家では、スーラとモンドリアンの項がすごい。
    自己の理念を越えて、アートを成し遂げた様を描ききっている。

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    2024年09月10日
  • バロックの光と闇

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    この本ではダ・ヴィンチやミケランジェロ、ラファエロなどのルネッサンス全盛期の芸術とバロックは何が違うのか、どのようにしてバロックの技術が生まれてきたのかということがわかりやすく説かれます。

    特に、この作品におけるベルニーニの解説はまさに珠玉です。これを読めばベルニーニ巡礼をしたくなること間違いなしです。

    バロック芸術そのものだけではなく、その時代背景まで知れるこの作品はぜひぜひおすすめしたい逸品です。ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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    2024年08月22日
  • カラー版 近代絵画史 増補版(上) ロマン主義、印象派、ゴッホ

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    この作品はロマン派絵画についての解説が非常にわかりやすかったのが印象的でした。

    文学や音楽の時もそうでしたが、ロマン派というジャンルはわかるようでわからない、何とも難しいジャンルであるなというのが私のイメージでしたが、この本ではなんとユゴーの言葉を用いてそんなロマン派美術を解説します。

    これは非常に興味深い解説でした。

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    2024年08月18日
  • カラー版 名画を見る眼 印象派からピカソまでⅡ

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    印象派のモネ、ルノアールを皮切りに、難解とされる抽象絵画を分かりやすい言葉で解説している好著だ.ムンクくらいまでは記憶のある絵が出てきたが、マティス、カンディンスキー、モンドリアンになると初見のものばかりだった.絵画を全般的に把握してる著者ならではの言葉遣いで、丹念に、しかも的確な説明は非常に感銘を受けた.抽象画を手掛けた画家たちの内面に触れるコメントも多数で、絵画史の荒波を突き進んでいく快感が味わえた.

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    2024年08月18日
  • エラスムス 闘う人文主義者

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    ネタバレ

    2024年に新しくエラスムスの本が出た事実を嬉しく思う。

    ●エラスムスと孤独とふるさとについて
    「我、何者にも譲らず」というエラスムスの態度をあらためて格好良いなとおもう。
    その一方で、私生児としてうまれ早くに両親をなくし結婚もせず、最後には新旧両派から敵視され友は遠ざかっていった様は、どうしても胸がくるしい気持ちになる。

    ラテン語を自在にあやつりヨーロッパ各地を転々としたコスモポリタンとしての彼が最後にのこしたことばが「Lieve god」(愛する神よ)という故郷オランダの言葉だったことは、非常に示唆的である。

    私生児として生まれた彼は、「デシデリウス・エラスムス」という名前さえ自分で付けた。その名前が父親の「ヘラルド」という名前をそれぞれギリシャ語とラテン語に訳したものであるという。また、彼が常に「"ロッテルダムの"デシデリウス・エラスムス」と名乗ったことを考えると、コスモポリタンたらんとした彼の根っこの部分にある、ふるさとという概念に対する憧憬を思わされる。

    古典に対する愛も、こうした彼のふるさとに対する憧れの延長と見るのは考えすぎだろうか。憧れの気持ちは大いに膨らみ、しかし彼が長年のぞんだイタリアの地で見たのは、教会の堕落した姿だった。教皇が率先して戦いの先頭に立つような時代だった。

    ●微笑ましいエピソードについて
    暗い晩年以前(正確には、ルターが95か条の論題を出す1517年以前)のエラスムスのエピソードはほほえましく思うものも多い。
    ロレンツォ・ヴァラのラテン語をアルファベット順に並べたり、トマス・モアをあらん限りの言葉を尽くして長文で褒めちぎったり。

    イタリア滞在時、当時のイタリアの質素で少ない料理が耐えられず、美食家のエラスムスはひとりで食事していたそうだ。微笑ましいが、人好きなエラスムスをおもうとすこし切ない。
    またイタリアといえば食事が美味しいという思い込みがあったので驚いた。エラスムスはむしろモアやジョン・コレットと出会ったイギリスの料理を褒めちぎっている。これは本当にイギリス料理が美味しかったのか、エラスムスの主観が多分に入っているのかはよく分からない。

    ●その他
    あの有名な「パンドラの箱」という言葉がまさかエラスムスの誤訳だったとは、なんだか感慨深い気持ちにもなる。元は「パンドラの壺」だとか。
    その他、15世紀末には1500年というひとつの大きな区切りの近づきを目前として、終末感がひろくヨーロッパに漂っていたという。

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    2024年12月24日
  • カラー版 名画を見る眼 印象派からピカソまでⅡ

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    第I巻の15作品は、1434年のヤン・ファン・アイクの作品から1863年のエドゥアール・マネまでの約400年を駆け抜けてきたのに対し、第II巻の14作品は、印象派のモネから始まって造形主義や抽象画に大きく移り変わっていく、わずか100年足らずの絵画の変遷を追っています。
    現代人の多くにとって魅力的で絵画として「完成」しているように感じる印象主義が、絵画としてどのような限界を抱えているのか、そして画家たちがそこからどう脱却して(あるいはそれを極めて)いったのかが分かりやすく解説されています。以前、国立西洋美術館で開催されていた「キュビズム展」と扱われている時代が同じで、おさらいする気分で読むことができました。
    まるで小説を読んでいるような、筆者の豊かな表現力はこの第II巻でも健在です。

    ―モネの「パラソルをさす女」は、印象派の技法による人物表現のいわばぎりぎりの限界であった。色彩分割をさらにおし進めていけば、モネの人物は光の波に溺れて溶解してしまうであろう。

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    2024年04月29日
  • カラー版 名画を見る眼 油彩画誕生からマネまで Ⅰ

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    「西洋美術史入門」の本というにはあまりにも高度で深い解説。取り上げられている15点の絵画は有名なものばかりですが、絵画の技法のみならず、神話、歴史、哲学、宗教や音楽に至るまで様々な視点から論じられていて、まさに「絵画とは全人間的な精神活動(あとがきより)」と感じさせられます。絵について論じる著者のことばの選び方と表現力には舌を巻いて感嘆するばかりでした。絵画の知識を得るだけでなく、文学作品のように読みごたえもある1冊です。

    ―「オランピア」には、今にも崩れ去ろうとする壮麗な建築を最後の一点で辛うじて支えているような緊張感と不安感とがある。

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    2024年04月29日
  • カラー版 名画を見る眼 油彩画誕生からマネまで Ⅰ

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    1969年に刊行されたなんて信じられないほど、分かりやすく新鮮。絵画はただ眺めるだけでなく本質について理解すると、何倍も見て楽しくなる。

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    2024年03月14日
  • カラー版 名画を見る眼 印象派からピカソまでⅡ

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    第Ⅱ作はモネの「パラソルをさす女」からモンドリアンの「ブロードウェイ・ブギウギ」まで。驚いちゃうのはこの間が60年しかないこと。この短期間で印象派から抽象絵画まで遷移している。抽象絵画といえども突然変異で生まれてきたわけでは無いことがよく分かる。

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    2023年11月10日
  • カラー版 名画を見る眼 印象派からピカソまでⅡ

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    モネの「パラソルをさす女」からモンドリアンの「ブロードウェイ・ブギウギ」まで年代順に14の絵の解説です。
    この他、関連する絵も一つの作品につき、2,3点全てカラーで印刷されています。
    これを新書(の値段)で見ることができるのはお得感たっぷりでした。
    私は、やっぱりモネの絵がいちばん好きでした。

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    2023年11月10日
  • カラー版 名画を見る眼 油彩画誕生からマネまで Ⅰ

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    僕のような素人向けの一冊。オリジナルは1969年刊行。今年、カラー版として刷新された。ルネサンスから19世紀の初めまで、ファン・アイクからマネまでが紹介される。主題となった名画だけでなく、参考図版も多く収録されているのが嬉しい。おかげで分かりやすい。西洋絵画のお約束の一端が腑に落ちる。
    続巻は印象派以降を扱っていると思うけど、楽しみだ。

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    2023年10月28日
  • カラー版 名画を見る眼 印象派からピカソまでⅡ

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    古い版から文章はほとんど変更していないそうだが、ごもっともです。
    修正する隙のない名文です。
    日本人の大好きな印象派を抑えるうえで必読の文献。

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    2023年10月14日
  • カラー版 名画を見る眼 印象派からピカソまでⅡ

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    名画を見る眼Iの続編、名画を見る眼II。
    前作のIが、マネまでであったので、IIのモネからが楽しみで読みました。
    モネを数多く所蔵している西洋美術館にいらした高階さん。この人ならではの表現があり、次にモネを見るときにはその視点で見ようと思えるヒントがあったら。
    パラソルの女性も作品がいくつか存在すると知れた。

    出会っていなかった画家も掲載されており、新しいトキメキがありました。

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    2023年10月12日
  • カラー版 名画を見る眼 油彩画誕生からマネまで Ⅰ

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    国立西洋美術館館長を務め大原美術館館長の高階秀爾さんが語る名画。

    中野京子さんの書でも感じる、絵と解説が同時になる部分は本当に何か対策がないかと思った。
    とても細かな見過ごしてしまう部位を、プロの眼を持って解説してくださるのに、本の中心に折れてなんだかわからなかったりする。残念でならない。

    絵の上手さから見過ごしてしまうちょっとした細工に気付いて驚きと納得に至る。この感覚は本当に素晴らしい。展覧会でも音声ガイドがメジャーになったが、こうした本の力でもっともっと深く好きな絵が見つかり他の絵を見た時にもその眼その視点が楽しみをもたらす。

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    2023年08月26日
  • ルネッサンスの光と闇(上) 芸術と精神風土

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    本書は15世紀後半から16世紀初頭のイタリア(特にフィレンツェ)に焦点を当てて、その時代の代表的な美術作品から見て取れるルネサンス時代の精神風土を分析した本になります。題名にもありますように、ルネサンスとは明るい側面だけではないこと、確かに強い光はあるが、その裏側には強い闇も存在しているということが本書(上巻)を通じて主張されます。さらに、「ルネサンスとは宗教からの人間の解放だ」という主張に対しては、それが間違っていること、むしろ古代ギリシャ思想がキリスト教と融合したことこそがルネサンス文化の本質である、という旨が主張されています。

    本書によれば、ルネサンス時代の闇とは、終末期思想、あるいは死などへの恐怖であります。20世紀末のノストラダムスの大予言のように、世紀の変わり目には終末期思想が登場しますが、これは500年単位でも起こりうる。そして西暦1500年を迎えるイタリアでは、サヴォナローラという修道僧が終末期思想を説いて回り、これは芸術家や思想家を含む多くのイタリア人に大きな影響を与えたわけです(熱狂的なシンパになる人もいればアンチ派も登場する)。

    光の側面としては、ユマニスト(人文主義者)、あるいはネオ・プラトニズム(新プラトン派)の登場が挙げられます。その旗頭となる人物はマルシリオ・フィチーノで、彼はプラトンの著作を復活させますが、ネオ・プラトニズムの思想が最も如実に表れるのが、ユマニストの影響を強く受けた貴族が画家に委託して描かせた絵画作品である。ということで、15世紀末から16世紀にかけての、ミケランジェロ、ラファエロ、ボッティチェリなどの絵画作品を通じて、古代ギリシャ時代の思想とキリスト教の融合が本書の中で議論されます。

    個人的に興味深かったのは、ネオ・プラトニズムによって古代から持ってこられた「四性論」そして「美」と「愛」の関係性です。四性論とは、人間の性格を冷・熱、そして乾・湿で2×2=4つの性格があるとする考え方で、たとえば、「冷・乾」つまりドライ(乾)で冷たい人間は「憂鬱質(メランコリア)」と称され、典型的にはロダンの「考える人」のように肘掛けをして顎を手で支えるようなしぐさで象徴されるとのことです。西洋美術の素人である私にとっては、このあたり今後絵画を見る際に気を付けようと思いました。また美と愛の関係性は「三美神」に象徴されているとのことですが、個人的にはマルセル・モースの贈与論に記載されている3つの義務(与える義務、受け取る義務、返礼する義務)との類似性を感じ興味深く読みました。また全般的に、ネオ・プラトニズムの世界観と、空海が日本に輸入した密教の世界観に共通項があるような印象を持ち、そのあたり深堀してみたい気になりました。本書は絵画の素人であっても謎解き感覚で読み進められる本ですし、ルネッサンス期における思想についても断片を学べるという意味で知的好奇心を刺激される本でした。

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    2023年05月06日
  • 《受胎告知》絵画でみるマリア信仰

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    時代や背景によって変わるマリア信仰、そしてそれが如実にあらわれる絵画。
    絵画の解説もキリスト教の簡潔な歴史とその背景も盛り込まれていて、わかりやすかった。

    日本人には馴染みの薄いところではあるけれど、美術館や今後観光でヨーロッパ各地を訪れた際には確実に触れる部分だと思うので、この本で学べてよかった。

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    2021年10月22日
  • カラー版 近代絵画史 増補版(上) ロマン主義、印象派、ゴッホ

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    非常に文章が読みやすくて勉強になりました。ただ絵が挿入されているのを期待してたんですが、後付けのためにこっちが挿入されてこれはないのかと感じることが多かったです。

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    2021年05月19日
  • カラー版 近代絵画史 増補版(上) ロマン主義、印象派、ゴッホ

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    美術史をかじったことのない人間でも楽しめました。

    美術史が、美術史単体で存在してるのではない。
    当時の時代背景(フランス革命や、近代化の中で移動が容易になりグローバル化が進む世界)と絡めて美術の変遷を語っているからこそ、非常にダイナミックで、野心的で、多くの人に響く絵画史、という印象でした。

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    2020年08月02日