あらすじ
絵画における近代は、印象派とともに始まる、といわれる。しかし、印象派の「革命」をもたらした要因がロマン主義の運動にあるとすれば、広い意味でのロマン主義に始まる大きな歴史の流れの中で近代絵画は理解される必要がある。本書は、十九世紀前半から第二次世界大戦にいたるおよそ一五〇年間の西洋絵画を概観。上巻は近代絵画の先駆者ゴヤから、ボナールに代表されるナビ派まで。名著をカラーで刷新。
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Posted by ブクログ
19世紀終わりから20世紀初頭のいわゆるベルエポックなパリに惹かれてしまうのは、何故なのか、という事がこの本を読んでなんか腑に落ちたかもしれない
数々の名画を描いた巨匠は何かしらでパリを通過している
で、上下合わせての批評ですが、
描画の形式から、光の色彩の印象、構造、はたまた思想とそれぞれの形は変化し続けていくが、
その背景を伴う解説がすんなり入ってくる名著だと思います。
Posted by ブクログ
この作品はロマン派絵画についての解説が非常にわかりやすかったのが印象的でした。
文学や音楽の時もそうでしたが、ロマン派というジャンルはわかるようでわからない、何とも難しいジャンルであるなというのが私のイメージでしたが、この本ではなんとユゴーの言葉を用いてそんなロマン派美術を解説します。
これは非常に興味深い解説でした。
Posted by ブクログ
非常に文章が読みやすくて勉強になりました。ただ絵が挿入されているのを期待してたんですが、後付けのためにこっちが挿入されてこれはないのかと感じることが多かったです。
Posted by ブクログ
美術史をかじったことのない人間でも楽しめました。
美術史が、美術史単体で存在してるのではない。
当時の時代背景(フランス革命や、近代化の中で移動が容易になりグローバル化が進む世界)と絡めて美術の変遷を語っているからこそ、非常にダイナミックで、野心的で、多くの人に響く絵画史、という印象でした。
Posted by ブクログ
絵画を学ぶことは人間の心のうちに秘める苦悩や葛藤や喜びといったあらゆる気持ちの変遷や歴史をなぞっていくことである。
ぽっと思いつきで絵が描かれているなんてことはなく、当時の体制に対する批判、常識を覆すことへの気持ちの表れなどが形となってキャンパスの中に表現されているのだ。
誰が見ても魅力的な絵というものは確かにあり、それはそれで大変な価値のあるものだ。
しかし、絵画が描かれた当時の背景、画家の生い立ち、気持ちに触れることで、一枚の絵に対する見方は全く異なってくる。
この一冊は近代から現代へ向かって進む時間の中で、どう絵画が変貌を遂げていったのかを追うことのできるものであることに間違いはない。
Posted by ブクログ
発色の良いカラー版になったことは喜ばしい。しかし、解説に含まれる多くの図版が含まれていないのは、不親切だ。分厚く、かつ、高くなっても構わないので、完全版の刊行を望む。
二度目の読書になるが、内容は今も色あせていない。絵画の歴史をしっかりと語ってくれている。
(上)はゴヤから、ボナールまで。
Posted by ブクログ
ヨーロッパ近代絵画の流れをゴヤから始まって上巻はナビ派まで。さすがの高階先生で相互の関係とか見えてきますね。大体の流れは頭に入ってましたが、時にはこういう纏めたもので知識を再確認するのも大事ですね。