佐々木紀彦のレビュー一覧
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横串を通すことが重要。
特に日本企業は縦割社会で、横のつながりが無いことを痛感している。
本書では編集思考、異質なモノをかけ合わせ、新たなビジネスを生みだす思考法について説明する。
俺自身の経験では、何度も出てくるけど社内論文のテーマ決定から完成までを編集思考をフル活用していたことを思い出す。
普段から持っていた地方交通に対する問題意識、
働き方への疑問、
展示会に足を運んで得た知識、
全て総動員して、BRTの自動運転・隊列走行を提案して社内論文を書き上げたのが3年前、あれほど頭使って書き上げたことはなかった。
そして3年後の現在、編集思考の欠片もない働き方をしている。
頭使ってない場当たり的な仕事してるなぁと感じている。
編集思考は、何か×何かの組み合わせで新しいビジネスを作っている。
本書ではネットフリックス、ディズニーなどの事例が紹介されているが、特に興味を持ったのがウィーワークのビジネスモデル。
ウィーワークの強みは「何を売っているかよくわからない」ことにある。
不動産×テクノロジー、スタートアップ×大企業、会員×仕事の機会。
コワーキングスペースの不動産業にとどまらない、場所というビジネスプラットフォームの提供という理解を得た。
編集思考、間違いなく弊社では必要ないスキルだ。
社内コラボしようとなったら必要な思考法ではあるし、アホみたいに事業内容が広い弊社では発展性のある分野だとは思うのだが。 -
Posted by ブクログ
何年前か、電子書籍が登場した時期に「紙の書籍はこれからどうなるのか」といったような話をあちこちで見聞きし、自分としては「まあ、無くなることはないだろう」と思いながらも、その本というものの存在意義みたいなものについては漠然としたままでした。
その点について本書ではテレビや新聞など様々なメディアの特徴を挙げながら、本というメディアについて「エンゲージメント(読むことには時間を要するため、その分心理的な繋がりが強くなる)」と「情報の質(気軽に発信できるSNSなどと違い、著者の知見が集約されているので情報の質は相対的に高い)」といったような切り口で書かれており、それは自分にとって新鮮な発見でした。
(正確には、本書では「紙の書籍」ではなく「本」という括りでしたが、語ろうとしている事は同じだと思います。)
経済を軸にあらゆることに筆者の考えが述べられており、とても考え抜かれていてすごい、と思うと同時に「読者としては、考えを挟み込む余地が無いな」という印象も持ちました。 -
Posted by ブクログ
大学留学記として読めば、面白い本です。
特に、授業で行われた従軍慰安婦の問題などでは日本に有利な英語で発信された情報ソースが少ない(反日人権団体からのものは山とある)ため、日本人が一方的に攻撃されて終わりというのは、やはり政府広報の弱さとインテリジェンス軽視のしわ寄せが顕著です。(P134~)
米国で一人の大学生が従軍慰安婦について真剣に考える機会もそう何度もあるわけではありませんが、そうした一期一会の授業内容で一方的に断罪されている事実は軽視すべきではありません。
この大学で学んだ米国人エリートが、国家機関で対日本戦略を担う可能性も無きにしも非ずですが、大学でインプットされた日本人像がゆがめられている前提から政策立案すれば嫌日戦略をとることだってありえます。
日本政府は、こうしたボディブローのような影響を軽視しすぎています。
「日本には国際政治、歴史、経済などに通じ、多面的に戦略を描くことができる一流のジェネラリストが少ない。いるのは、2流のジェネラリストである官僚と、テレビ受けの良い電波学者と短期思考の民間エコノミストです。」(P159)
という鋭い指摘や、著者の国防に関するリアリスティックな考え方には好感が持てます。
2011年という米国にとって悪夢の年に出版された本書からすでに8年・・残念ながら日本製エリートの出現はまだのようです。 -
Posted by ブクログ
ハーバード等の超一流大学を卒業し相当なサラリーを手にしている俗に「エリート」と呼ばれる面々がどのような教育を受けているのかざっくりと紹介している一冊。
2011年の本なので内容の一部は古いですが今でも割かし読める本かなと。
彼らは”学術書”を年に480冊も読みこなし「レポート」をまとめ、仕上げに「ディベート」を行う。とてつもないタスク量、それを処理する為の物事の合理化やタイムマネジメント能力は日本の一般リーマンのレベルのそれとは違う。
一言でいえば教養を習得すべく行う「知的トレーニング量」がかけ離れて凄いってことでしょうか。
また、自分には全く無い、過去の歴史を分析して物事を判断するセンスや、文武両道(ここでいう武は「軍事・防衛」)あってこそ一流と考える思想についてもいろいろあるんだな~と思った。 -
Posted by ブクログ
とうとう2020年辺りに大きな変化が日本を襲うようです。東京五輪までは皆で協力して成功させることでしょう、それまでという暗黙の了解のもとで。。それまでに「平成」という元号は変わり、新しい天皇と共に新しい時代を踏み出していることでしょう。
昨年(2016)に、2020年に大規模な大学入試改革が決定していることを解説した本を読んで、その大きな変化に驚いたのを覚えています。そこを卒業した学生が社会人になるのが、2024年から2026年(修士)になり、彼ら新入社員の衝撃は、今の20代の若者以上だと予想されます。
これから大きな変動が予想される日本において、この本は特に、30代以下の若者に向けて書かれた本のように思います。私のように50歳を過ぎた者が読んでどれだけ役に立つか分かりませんが、最後の章の最後あたりに、著者からのメッセージとして「30代の若者の親の言うことは聞いてはいけない」というのが印象的でした。日本3.0を生き抜く若者にとって、前世代(日本2.0)の考え方は役に立たないとのことです。
このアドバイスは現在、20代の娘を持つ親としては、肝に銘じておこうと思います。そのような中で、親として子供に何をしてあげられるか、を考えさせられた本でした。
以下は気になったポイントです。
・2020年前後から始まる「日本近代の第三ステージ=日本3.0」は、これまでとは全く異なる思想、システム、人を必要とする(p5)
・ブレグジットに続く、まさかのトランプ勝利は、歴史のターニングポイントを示している、グローバル化の進行の終わりである(p25)
・人材の3段階、1)ルールフォローワー(今日の延長にあさってがある)、2)ルールブレーカー(今日の延長ではあさっては苦しい)、3)ルールメーカー(今日の延長にあさっては無い)(p33)
・2020年の東京五輪は、団塊世代の卒業式になる(p40)
・明治維新の原動力となったのは、移動の自由・下級武士の下剋上である、1869年に関所の廃止と、居住移転の自由を布告した、これにより鉄道の発展とあいまって都市への大移動が始まる(p46)
・不条理な身分格差は6つあった、1)昇進と権利、2)血縁(結婚)、3)家禄・収入、4)教育、5)倹約や生活の仕方、6)風俗(使用人の有無、買い物、銭湯、宴会、帯刀)(p50)
・第二の革命の起爆剤となったのは、移動と下剋上、空襲を避けるために1940年に735万人だった東京の人口は、1945年には349万人となった、また財閥解体・公職追放によりリーダの世代交代が強制的にあった(p53、55)
・第三の革命を引き起こす10のファクター、1)年功序列の終了、2)正規・非正規社員の格差解消、3)男女逆転、4)外国人労働の登用、5)難民、6)業界再編・伝統企業の倒産、7)スタートアップの興隆、8)第四次産業革命(AI・ロボット・IOT・ビックデータ、p160)、9)交通革命、10)グローバル化、今までと同様に身分改革が起きる(p61)
・日本を根こそぎ変える5つの社会変動とは、1)財政破綻、2)政界再編(ポスト安倍は不在)、3)戦争紛争リスク、4)自然災害(地震)、5)天皇の生前退位(p74)
・30代がカギを握る理由は、1)30代はいつの時代においても経験と無知のバランスが最適、2)それ以前の世代と価値観が違う、インターネットとケータイ、何をカッコいいと思うか、ブランド品の否定、3)数が多い、最後の下剋上と成りえる(p81)
・国という言葉には、1)カントリー(地理)、2)ステート(政治的)、3)ネーション(文化、人種をベースとした共同体)がある。日本の場合、この3つの概念が重なりやすい、すると愛国心という言葉を重層的にとらえることができる。自然、伝統は愛しているが、政府は好きでない等(p111、112)
・長い歴史の中では、中国とインドが経済小国になった過去100年間が例外である、しかし一人当たりのGDPは以前より低い(p151)
・2020年を目途に現在のスマホが使用している4Gから、5Gとなるが通信容量は1000倍となり、同時に多数のモノを繋げやすくなり、IOTを一気に実現する(p164)
・IOTに誰よりも取り組んでいるのは、ソフトバンクの孫社長、2016.7には、英国のアーム・ホールディングスを3.3兆円で買収した(p177)
・政府がやるべきは、IOT、自動走行、ドローン、シェアリングエコノミーが普及しやすいように、法律を改正、5G、WiFiなどの通信環境を整備、同一労働同一賃金により雇用流動性を高め、研究開発を強化するため移民制度・教育制度を作り直すこと(p182)
・海外トップ大の学生に人気があるのは、経済・哲学・コンピュータサイエンスであるが、日本ではどの学部にいけば学べるのか(p250)
・2020年からの教育大改革では、1)英語の4技能(話す、書くを加える)、2)センター試験を廃止、知識とは別に思考力・判断力・表現力を重視する2種類の複数受験できる試験を導入、3)総合型の科目、科目を横断する総合的な試験が増える(p285)
・改革が必要なガラパゴス産業は、大学・メディア・医療、である(p289)
・日本はアメリカの大学から経営を学ぶべき、大学の力は、最終的には「歴史」と「財力」で決まる(p290)
・西洋流の教養教育であるリベラルアーツは、ギリシアローマから続く学科で、文法・修辞・論理(弁証法)の3学、算術・幾何学・天文学・音楽の4科である(p295)
・リベラルアーツカレッジの教師は、研究活動を行わず、教えることに特化しているので、教えることにかけるエネルギーは一般の大学よりも上(p299)
・専門か教養か、スペシャリストかジェネラリストか、という議論は不毛なモノで、どちらも重要(p300)
・アメリカの大学では、読む(読書)・書く(レポート)・話す(プレゼン)の訓練をして、学生と先生と徹底的に議論している。これが米国製エリートの知的土台(p303)
・ムラ文化の特徴は、同質性・平等性・大局観の欠如・反権力である、全会一致が原則でそれまで延々と話し合う。イエ社会では、主君と臣下の関係は絶対だが、主君はことあらばリーダーシップを発揮して、大きな過ちがあれば腹切りをする(p351)
・リーダーに求められるのは、1)体力、2)ワールドクラスの教養、3)クリティカルシンキング、4)レトリック(議論・説得力)、5)無私、6)孤独力(読書により鍛えられる)(p399)、7)コスモジャポニズム(日本を愛し日本を土台にして世界に貢献する)(p360)
・今なお、フェイストゥフェイスは、ロゴス(論理:脳と理性に訴える)、パトス(感情:気持ちを読み取り、心に訴えかける)、エトス(徳:本能に訴える)ことができる最善の方法である(p392)
・徳として大事なの方法・ノウハウとしては、一番にあげられるのが「外見」「語彙」「メディアを使い分ける(メール、SNS、贈り物)」(p392)
2017年10月22日作成