佐々木紀彦のレビュー一覧
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何年前か、電子書籍が登場した時期に「紙の書籍はこれからどうなるのか」といったような話をあちこちで見聞きし、自分としては「まあ、無くなることはないだろう」と思いながらも、その本というものの存在意義みたいなものについては漠然としたままでした。
その点について本書ではテレビや新聞など様々なメディアの特徴を挙げながら、本というメディアについて「エンゲージメント(読むことには時間を要するため、その分心理的な繋がりが強くなる)」と「情報の質(気軽に発信できるSNSなどと違い、著者の知見が集約されているので情報の質は相対的に高い)」といったような切り口で書かれており、それは自分にとって新鮮な発見でした。
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現代のビジネスは既存事業どうしの新たな掛け合わせによって生まれる。その成否を分けるのが編集思考なるスキルであり、本書ではこれを「セレクト」「コネクト」「プロモート」「エンゲージ」の4ステップに分解して解説した上で、ネットフリックスやディズニーなどの企業に当てはめて具体例を説明している。
特に著者が編集長を務めるニューズピックスの編集思考を自ら解説している第3章は読み応えがある。
「0→1の段階ではそのアイデアを尖らせる必要があるので自分の考えだけで進める。周りの人の協力を得るのは1→100の段階になってから」という、ニューズピックス取締役の梅田氏のコメントは今後なにか新しいことをやろうとして -
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大学留学記として読めば、面白い本です。
特に、授業で行われた従軍慰安婦の問題などでは日本に有利な英語で発信された情報ソースが少ない(反日人権団体からのものは山とある)ため、日本人が一方的に攻撃されて終わりというのは、やはり政府広報の弱さとインテリジェンス軽視のしわ寄せが顕著です。(P134~)
米国で一人の大学生が従軍慰安婦について真剣に考える機会もそう何度もあるわけではありませんが、そうした一期一会の授業内容で一方的に断罪されている事実は軽視すべきではありません。
この大学で学んだ米国人エリートが、国家機関で対日本戦略を担う可能性も無きにしも非ずですが、大学でインプットされた日本人像がゆがめ -
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ハーバード等の超一流大学を卒業し相当なサラリーを手にしている俗に「エリート」と呼ばれる面々がどのような教育を受けているのかざっくりと紹介している一冊。
2011年の本なので内容の一部は古いですが今でも割かし読める本かなと。
彼らは”学術書”を年に480冊も読みこなし「レポート」をまとめ、仕上げに「ディベート」を行う。とてつもないタスク量、それを処理する為の物事の合理化やタイムマネジメント能力は日本の一般リーマンのレベルのそれとは違う。
一言でいえば教養を習得すべく行う「知的トレーニング量」がかけ離れて凄いってことでしょうか。
また、自分には全く無い、過去の歴史を分析して物事を判断するセンス -
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とうとう2020年辺りに大きな変化が日本を襲うようです。東京五輪までは皆で協力して成功させることでしょう、それまでという暗黙の了解のもとで。。それまでに「平成」という元号は変わり、新しい天皇と共に新しい時代を踏み出していることでしょう。
昨年(2016)に、2020年に大規模な大学入試改革が決定していることを解説した本を読んで、その大きな変化に驚いたのを覚えています。そこを卒業した学生が社会人になるのが、2024年から2026年(修士)になり、彼ら新入社員の衝撃は、今の20代の若者以上だと予想されます。
これから大きな変動が予想される日本において、この本は特に、30代以下の若者に向けて書か -
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日本が今後変わってくるよ、というのをデータの裏付けをしながら論が進んでいく。
政治、経済、教育など各視点別で論が進行している。
分野によっては、しっくりこないところがあった。
今後の働き方はこうなる!とか、まとめ方がイマイチしっくりこない。8つ程度に分けられると、まとまりがなく感じてしまうからだろうか。
2025年に東京の人口が減ること、ここはしっかり抑えたいところ。これだけで本1冊かけそう。
今後必要なスキルとして、メノンという書籍を知れたのが良かった。
日本人とメノンは、いろんな知識を持っていても、それは表面的で、その知識の源泉、その根本、原因を押さえていません。プロセスを考え抜 -
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明治維新で日本1.0が確立され、戦後の焼け跡から日本2.0が始まったが、それも70年周期で考えると東京オリンピック開催の2020年には終焉を迎え、新たに日本3.0が始まるとして、団塊の世代の卒業と団塊ジュニア(広義の1970年代生まれ)の台頭、天皇の生前退位、東京オリンピック、他には財政破綻、政界再編、戦争紛争、自然災害などをその要因として挙げ、掴みは上々です。
続いてこれからの国家、経済、仕事、教育、リーダーについての論考は丹念に調査されていて至極まっとうですが、既知のことが多く、掴みで放った強烈なメッセージが影を潜めてしまうのが、もっとトンデモ本的な飛躍を期待していただけにちょっと残念な感 -
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スタートアップ企業に欠かせない戦略として、リード・ホフマンは「ブリッツスケール」という概念を提唱しています。ブリッツスケールとは、ブリッツクリークという「電撃戦」を意味するドイツ語に、スケール(拡大)を組み合わせた造語です。ブリッツクリークとは、第二次世界大戦時にドイツ軍が編み出した軍事戦略であり、「必要最低限のものだけを持ち、素早く動くことで、敵の不意を突き、一気に敵陣を攻略する」という手法です。これをスタートアップ経営に当てはめてみると、勝負どころと見極めたら、素早く組織を拡大し、一気に顧客を囲い込み、収益を拡大するということです。まさに電撃作戦です。p189