【感想・ネタバレ】米国製エリートは本当にすごいのか?のレビュー

あらすじ

スタンフォードで見たエリートたちの真実
サンデル教授が大人気の日本。
米国留学ブームに沸く中国・韓国。
世界中で、ハーバード、スタンフォードなどトップ大学への需要が爆発している。
だが、われわれは米国のエリート教育とエリートたちについて多くを知らない。
「米国の一流大学は、どこがすごくて、どこが見掛け倒しなのか?」
「米国エリートたちのもつ、強みと弱みとは何か?」
「日本は彼らから何を学ぶべきで、何を学ぶべきでないのか?」スタンフォードでの留学経験と記者としてのリサーチを元に
エリートたちの生態を描く。

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Posted by ブクログ

171012米国製エリートは本当にすごいのか? 佐々木紀彦
1.米国高等教育のすぐれている点(28)
(1)インプット  1週間200ページ✕4コマ=800ページのリーディング量!
(2)プロセス   膨大なレポート ①どの論点に優先順位 ②論理的な厳密性
(3)アウトプット 20名以下少人数セミナーでのプレゼン・討論 授業の7割
→当たり前だが、高等教育で何を勉強するのか それは実質のあるものなのか 日本はなぜ現状?
ロースクール MBA 博士コース 習熟度高い

2.欧米エリートの意識 「自らの評価は歴史の判断に委ねる」
exロバート・マクナマラ国務長官 フォード再建 ベトナム戦争で失敗 →教訓
(1) 敵の身になって考えよ
(2) 理性は助けにならない
(3) 自己を超えた何かのために
(4) 効率を最大限に高めよ
(5) 戦争にも目的と手段の『釣り合い』が必要
(6) データを集めろ
(7) 目に見えた事実が正しいとは限らない
(8) 理由づけを再検証せよ
(9) 人は善をなさんとして悪をなす
(10) 『決して』とは決して言うな
(11)人間の本質は変えられない

3.日本の課題 真のエリート不在
戦略構築を担う者 政治・経済・法律、安全保障、歴史・哲学を総合的に学んだもの 
多面的・総合的戦略を作れる『一流のゼネラリスト』がいない
官僚は二流のゼネラリスト 視野狭窄 省益第一 法学部出身

4.現場依存からの脱却
現場には「戦略転換」ができない
米国の抽象志向「戦略偏重」も向きではない
⇒現場にも戦略にも強く、バランスの良い愛国心を持った、日本オリジナルのエリート人材を創出

福沢諭吉「独立の気力なき者は、国を思うこと深切ならず」学問のすゝめ(33)

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2018年11月10日

Posted by ブクログ

めちゃめちゃおもしろい。
本職が現役のジャーナリストである著者が見るアメリカの世界。単なる留学日記にとどまらず、歴史や文化的背景を踏んだうえでの深い洞察力。またよむ。

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2013年11月19日

Posted by ブクログ

ジャーナリストである著者が2年間の米国留学の経験をもとに(主に日米の対比が中心ではあるが)米国の大学を取り巻く状況から教育・経済・ビジネス・歴史・政治まで幅広く述べている。

現代の日本の現状を知る上で、米国との関係性は切れないものであるため、日米の違いを知る上での入門書としては読みやすく、内容も深くオススメです。

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2013年07月13日

Posted by ブクログ

「エリート」や「リーダー」をテーマに卒論を書いている私にとって、
アメリカの「エリート」や「リーダー」を対象としていることを冷静に振り返ろうと思い手に取った本。

軽く読み終えられると思ったが、
内容も深く、非常に様々な指摘も手に入れられた。

アメリカの「エリート」についてだけでなく、
最後は日本の「エリート」に対しても提言があったので大満足。

国際政治の観点なども指摘されているので、
いろんな人に手に取ってほしい一冊。

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2013年01月03日

Posted by ブクログ

読み終わった。いい本だな。いろいろな新しい発想や意見を初めて読んで感心しました。

さすがビジネス誌記者、書き方を読みやすい、観察したことをsimpleて簡潔に伝える。

アメリカと日本を興味がある方に勧め。

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2012年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

米国製エリートは本当にすごいのか? 単行本 – 2011/7/8

スタンフォードで見たエリートたちの真実

サンデル教授が大人気の日本。
米国留学ブームに沸く中国・韓国。
世界中で、ハーバード、スタンフォードなどトップ大学への需要が爆発している。

だが、われわれは米国のエリート教育とエリートたちについて多くを知らない。
「米国の一流大学は、どこがすごくて、どこが見掛け倒しなのか?」
「米国エリートたちのもつ、強みと弱みとは何か?」
「日本は彼らから何を学ぶべきで、何を学ぶべきでないのか?」

スタンフォードでの留学経験と
記者としてのリサーチを元に
エリートたちの生態を描く。


●著者からのコメント

よく「政治家のレベルは、国民のレベルに比例する」といわれます。
しかし、私はこの意見にはくみしません。
確かに、米国や英国は優秀なリーダーを生んでいますが、両国の国民が、
日本に比べてそんなに優秀とは思えません。

では、なぜ両国の指導者のクオリティはこうも違うのでしょうか。
その答えは、「エリート育成システム」にあるのだと思います。
日本は、リーダーの出現を天に任せているため、
優れたリーダーを継続的に生むことができないのです。

日本人にはポテンシャルが十分にあります。
大事なのは、エリートを選び出し、育て、
競争の中で、偽物のエリートをふるい落とすシステムです。
その新たなシステム作りにあたり、
米国のエリート教育は格好の教材となります。

新時代のエリートとなる人々、その育成に携わる人々が、
本書から何かの示唆を得てくれれば、それに勝る喜びはありません。

内容(「BOOK」データベースより)
優れたリーダーが出てこない日本。今の日本に必要なのは、新時代のエリートを生み出す「エリート育成システム」である。しばしば日本のお手本としてあげられる、米国のエリート教育。日本はそこから何を学ぶべきで、何を学ぶべきでないのか。本書は米国製エリートたちの強みと弱みを検証し、これからの日本が進むべき道を示す。

著者について
佐々木紀彦(ささき・のりひこ)
1979年福岡県北九州市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、東洋経済新報社で
自動車、IT業界などを担当。2007年9月より休職し、スタンフォード大学大学院で
修士号取得(国際政治経済専攻)。
09年7月より復職し、『週刊東洋経済』編集部に所属。「30歳の逆襲」
「非ネイティブの英語術」「あなたは世界で戦えますか?」「世界VS中国」
「2020年の世界と日本」「ストーリーで戦略を作ろう」「それでも円を信じますか」
「グローバルエリートを育成せよ」などの特集を担当。


かつて読んだ本。
レビューが失われた為、再度記入したい。

確かスタンフォード大学も周りに遊ぶ環境がないので勉学に打ち込むしかないという指摘を佐々木氏はしていた。やはり人間の記憶には限界がある。読後に読書ノートを作っておく事の大切さを痛感させられる。


米国製エリートが凄い、というよりは米国の上位ランク大学は凄い、という話。

筆者によると日本人もトップクラスはアメリカにそれ程劣るわけではなく、平均値はむしろ日本人の方が高い。しかし日本人は大学の4年間を無作為に過ごすため、大学を卒業する頃にはアメリカの大学生の方がより鍛えられる。本書は間接的だが、日本の大学教育の危うい現状に警告を発しているようにも受け取れる。

米国の大学の入学は簡単だが、卒業は難しい。
これは神話だと著者は言う。
スタンフォードは95%以上が6年以内に卒業し、ハーバード、イェールなども約9割が4年以内に卒業する。
ハーバードの成績分布もAかAマイナスが5割を占め、C以下は1割程度しかいないとのこと。
ちょっとイメージが違ったなぁと。
ただやはり、日本は見習わなければならない箇所は多いなと感じた。
日本人学生と米国人学生の差を生んでいるのはつまるところ学生時代に課される読書量だと著者は説く。
基本的に知識の整理・発信能力の2つは訓練を受ければ一定のレベルには達する。
結局、差を分けるのは読書量と経験だが、米国では学生時代に課される読書量が半端ではない。
だから、日本で教育を受けたものよりも米国製のほうが秀でているのだ。
なるほどなあと。

米国の大学と日本の大学の差に興味がある方におすすめ。

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2022年09月19日

Posted by ブクログ

著者の留学体験も踏まえて、日本と海外の大学生の違いを説明してくれている。
留学体験無しでは知り得ない、グローバルな違い、アメリカの大学の何が良いのかを浅く広く知ることができた。
また、経済エリートだけでなく、一般に政治エリートと軍事エリートも存在し、各国でのそれぞれのエリートの立ち位置が違うのも勉強になった。
グローバルな視点で考えると、平和な日常が溢れている日本でも、軍事的エリートが一般的な世の中で強く生きなければならないのだなと認識させてもらえた。

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2021年06月13日

Posted by ブクログ

著者の二年間の米国留学からの考察。
内容は現実的であり、米国と日本人の特性をよく捉えていて面白い。
著者の言うとおり、米国エリートがベストなわけではなく、日本らしい日本人エリートを確立する必要があると思う。

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2019年06月12日

Posted by ブクログ

スタンフォード大学に留学経験のある著者が、米国留学について述べた本。岩瀬氏のハーバード留学記に比べると直接的な授業の内容についての記述が粗いが、思いつくままに概要を述べており読みやすい。国際関係論や安全保障についての記述は、日本でも学べる内容であり、記述は浅い。「日本人留学生減少→日本の若者の内向き→日本の国債競争力低下→日本の将来は暗い」はステレオタイプと批判しているが、私は同意できない。巨大米国企業と対等に渡り合い、国際会議の場で世界のリーダーに信頼され、尊敬され、一目置かれるような人材は、米国留学経験が不可欠と考える。米国留学で真剣に教授、学生達ととことん議論し合うことを2年以上継続し、切磋琢磨することによって磨き上げられた知識、技能の取得が、極めて大事だと思う。著者には、岩瀬氏と違い、米国留学に対する向き合い方が甘く、従って、せっかくの経験から持ち帰ってきた知識、技能等が十分ではないと思われ、残念である。(人格的には、素晴らしい人だと思うが。)内容的には、岩瀬氏の本の方が遙かにクオリティは高いと言える。参考になる記述を記す。
「アメリカは日本とさかさまでございます。偉い人が賢うございます(勝海舟)」p1
「エリートときくと、鼻持ちならない秀才野郎を思い浮かべる方も大いかと思います。ですが、本来エリートとは、国民にとってありがたい存在です。彼らは、平時に特権を与えられる一方で、有事には進んで国のために命を捧げてくれる存在なのです。むしろ、気の毒に思いつつ、応援した方が国民にとって利益になるのです。(似非エリートは別にして)」p5

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2018年11月13日

Posted by ブクログ

"スタンフォード大学に留学した経験を語ったのが本書。世界標準というものさしで、日本の学生を眺めてみると何が見えてくるのか?留学生の人数減少、若者の海外離れ、といったデータも見ながら著者の見方が語られている。アメリカの文化、社会を経験してきた著者のコメントは説得力がある。
失敗に学ぶアメリカの文化の力強さを感じた部分を引用しておく。
マクナマラの言葉
教訓1 敵の身になって考えよ
教訓2 理性は助けにならに
教訓3 自己を超えた何かのために
教訓4 効率を最大限高めよ
教訓5 戦争にも目的と手段の 釣り合い が必要だ
教訓6 データを集めろ
教訓7 目に見えた事実が正しいとは限らない
教訓8 理由づけを再検証せよ
教訓9 人は善をなさんとして悪をなす
教訓10決して とは決して言うな
教訓11人間の本質は変えられない
"

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2018年10月20日

Posted by ブクログ

スタンフォードに留学した筆者の体験から述べられる米国大学院の実態から始まり、日本人のメンタリティが如何にあるべきかという議論へ展開。
タイトルの内容は導入に過ぎなくて、筆者の言いたいことは寧ろメンタリティと日本の問題点にある(雇用の流動性とIT投資の相関性、雇用の流動性と出産のハードルの相関性等、非常に興味深い視点であった。)
英語のような表面部分にのみ拘るのではなく、自分の知を追求するという姿勢。まずは経済的精神的に独立して大局を語ること。ここには強く同意する。
知への憧れは強いが、独立も出来ないない自分の状況では何もことは成し遂げられないので、「てめえの仕事を立派にこな」してやろうと思う。

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2015年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

(はじめに)本書を手に取る為の第一歩
「最近の若者は内向き志向で留学に行かない」「東大に行くよりもハーバードに進学したほうがよい」等々。とかく”海外礼賛”の色彩が強い昨今の言説に僕は違和感を感じていた。米国エリートは巷で言われるように優秀なんだろうか?そもそもエリートってなんだっけ?自分も海外留学を夢見て、そして曲がりなりにも異国で留学生として過ごす時間を経験して感じた、各種のモヤモヤした違和感。そんな留学を経て世間に違和感を感じ始めた人にこそ本書をお勧めしたい。

(本論)面白いか、どこが面白いか、なぜそう思うのか
一読して思うのは「単なる留学体験日記でもなく、平凡なエリートとは?論で終わらない、知的刺激に満ちた一冊だな」ということ。結構面白い。米国エリートの考えていること、及びエリート養成のための教育等、現在の日本が取り入れるべきところは多いと感じた。一方で主語を「日本」なんて曖昧にせずに自分自身が成長する上でも知識を大量にインプットし、整理し、発信する力は重要だと反省。また留学を取り巻く各種言説(掲題の「日本人留学生の減少」等)についても、言ってしまえば「日本がかつてほど裕福でなくなり、また若者の数が減っていること」「一方で米国の魅力が相対的に低下している(逆に日本は住みやすく魅力的になっている)こと」という説明にはとても納得した。また留学生を世界に送り出す中国・韓国等の国についても「住みにくいから」という理由は一定の説得力があるなぁと思う。

(終わり)この本を読んで次なる一歩
この本を読んで海外留学、特に英語圏への留学への捉え方が変わったように思う。これまでは漠たる憧れと興味だったものが、今はどちらかというと自己の研鑽一過程として明確化した感じ。また留学に限らず、エリートになるためというわけでなくても、圧倒的なインプット及び思考が足りてないという反省は、明日からの学びに直結するだろう。僕はまず、難しい本から逃げずに読もうと思う。

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2014年03月16日

Posted by ブクログ

・海外エリートの実態は興味が元々あった。
・著者の聞いた話や体験談がメインなので帰納的な結論でしかないが、海外経験が浅く二次情報に頼っていた自分にとっては「やっぱりそうなんだ」と思うような表裏を知ることができた。
・日米等のエリート比較は、ソースが限られている点や大学院生しか見ていないという点でイマイチだった。
・意思決定者になるためには、スペシャリストになるのではなく、様々なスペシャリストを使う幅広い教養を持ったジェネラリストになる必要がある気がした。
・国際政治や国際経済の基本は勉強しなければならない、基本的な関係性が分からなければ、戦略的思考も意味をなさない。
・日本は歴史を軽視する傾向にあるが、確かに各国の現状だけではなくそれに至るプロセスや背景といった歴史を知らなければ本当の姿や関係性は理解できない。「歴史は過去の政治で、政治は現在の歴史」という言葉は言い得て妙だと思った。
・著者に関して、慶應出身者とはいえども、福沢諭吉の言葉が多く引用されている点は、興味深い。

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2013年12月21日

Posted by ブクログ

米国製エリートは本当にすごいのか?
というタイトルに関して、著者の経験談から語られる勉強量の多さに驚きました。
所管として学ぶ環境やシステムが充実しているんだなと感じた。

最低480冊/年 程度の硬い文献を読み解き、レポートに纏め、発表するという
過密スケジュールをこなすことで、得られる集中力やタスク処理能力は仕事の環境でも効果を発揮出来ると感じた。

何より、遣り切ったという自信と将来有望なエリート学友達との人脈はかけがえのない財産である事があらためてうかがえます。


また、日米のベンチャー企業に対する
社会システムの在り方の違いが大きなリスクに挑戦できる米国起業家の活力に繋がっているという事実は興味深く、雇用システムの流動化に対応できる環境という文化の違う日本との違いを感じた。

世界のトップレベルが経験している日常やそこに集まる知見を著書から感じ取ることが出来、大変勉強になりました。

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2013年12月01日

Posted by ブクログ

タイトルに期待して読むと肩透かしを喰らうだろう。『米国製エリートは本当にすごいのか?』という命題に対して本書は論証も反証もしていない。とはいえ内容自体は面白く、筆者のスタンフォード留学体験と、国際政治に日本人として立ち回り方の話題が中心。

「最強の軍隊は司令官がアメリカ軍人、下士官がドイツ人で、兵士が日本人」と言われるが、一因としてハーバードを頂点とした体系化されたエリート教育が挙げられる。では著しく米国が優秀かというと本書を読む限りそういうわけでもなさそう。金持ちと金融を目指したら、どこの国も大差ないんだなという印象を受ける。日本人の教育水準の高さに触れ、米国人の議論の公平さに触れる。意見が偏らず中立に物事を捉えており、なかなか読み物として面白かった。

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2013年11月19日

Posted by ブクログ

非常に面白かった。

著者は1979年生まれで東洋経済新報社の現役記者である。

2007年より2年間休職して、スタンフォードの大学院に留学した時の経験をもとに
本書を書きあげたとのこと。

アメリカという国に対して、特別な感情を抱かなくなった世代による新感覚のアメリカ論である。
私もほぼ同じ世代なので、それほど新しい感覚はないのだが
考えてみれば、書籍という形でこういうアメリカ論を読むのは初めてだ。

なぜだろう・・・と考えてみると
著者はまだ32歳、物書きとしては若い部類に入る。

そうか、いよいよ我々の世代が社会の中心に入ってきたんだな。
だから、こういう感覚のアメリカ論が日の目を見るようになったのか。




ここ最近「若者内向き論」が世間をにぎわせています。
ありがちなのは、「俺たちが若かったころはみな海外に行きたがったのに、今どきの若者といったら海外旅行も留学もしない。もっと海外に打って出るべきだ。」とお説教するパターンです。

中略

では、最大の理由とは何でしょうか。
それは「日本が成熟国家になったから」だと思います。
言い換えれば、若者が、米国的なものに憧れや魅力を感じなくなったのです。

中略

日常生活のレベルや文化の面で、感動することはほとんでありません。日本のほうが、サービスの質や便利さでは断然進んでいますし、米国の文化を学ぶより日本の歴史や文化を深掘りするほうが面白い。
エルビス・プレスリーの曲を愛する小泉元首相のような、米国への強い憧れが欠落しているわけです。

中略

そもそも、ドイツ人やブランス人の学生が、米国への留学生が減っていることを嘆くでしょうか。
過去十五年間、英国、ドイツ、フランスからの留学生は英国が7000~8000人、フランスが6000~7000人当たりを上下しているだけで、大きな変化はありません。
ですが「米国への留学生を増やさなければ」といった懸念の声をヨーロッパ人から、ついぞ聞いたことがありません。

中略

日本人の留学生数も、これから数年さらに減った後、ヨーロッパ諸国のように一定の水準で落ち着くようになるのではないでしょうか。

中略

やや大げさにいえば、私たちの世代は、米国を冷静に見ることのできる、米国を相対化できるはじめての世代なのかもしれません。米国を目の敵にする人も、米国にかぶれている人も、実のところ、その精神構造は似ています。「好きの反対は無関心」とよく言われるように、反米に燃える人は、奥底で米国に対する愛があるものです。太平洋戦争の「敗戦後遺症」が、米国に対する複雑な感情を生み、バランスの良い愛国心を生む妨げとなっているように感じます。



幼心に米国は敵であると植えつけられ、米国に愛憎半ばする思いを抱いてきた戦中世代、米国に特別な感情を抱き、米国を日本のモデルとして追いかけてきた団塊前後の世代。
そして、その二つの世代に続く、豊かな時代を生き、米国を相対化する目をもった世代---。
この若き世代が日本の中核をなすようになったとき、日本は本当に"新しい日本"を生みだせるのではないかーーー
私はそんな風に思っています。

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2013年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

米国の一流大学はすごい授業をしているわけではないが、大量の読書都レポートが要求される、楽しくはないが力がつく。
米国は日本以上に学歴社会。
日本から米国への留学生が減っているのは日本が成熟してきて、米国から学ぶものが相対的に減ってきているから。
現代においても(または、現代は特に)、国家にとっては軍事力が大事。
米国では経済力のあるものが権力を得る、中国では権力のあるものが経済力を得る。

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2013年08月20日

Posted by ブクログ

米国製エリートがすごいのかというよりも、米国人エリートの考え方とその歴史的背景、また米国文化などの考察に富んでおり、米国について学ぶ入門書としては参考になる。
また自分と同い年の人間が筆者であり、同い年の人間がここまで米国文化および国際的な力関係そして日本の目指す道について明確に語れるということに刺激を受けた。

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2013年04月02日

Posted by ブクログ

世界のことに対してとても冷静に書かれている本だとおもった。
この一冊で色んな知識を吸収できた。
歴史を学ばなければいけない理由、米国の一流大学のレベルなどなど…知りたかったことがたくさん書かれていて個人的にはとても良かったとおもう。

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2012年09月05日

Posted by ブクログ

 アメリカのスタンフォード大学に2年間の留学をした筆者の経験や経済誌記者としての見聞を交えて、アメリカの大学で学ぶエリート学生の生態、考え方が描かれている。
 そして、それをもとに政治、経済、文化、歴史などにおいて、アメリカのエリートがどのように発想するのか、、、ということについてもいろいろな材料を挙げて記述しているので、「米国製エリートは本当にすごいのか?」という表題とはちょっと違って、アメリカの大学を出たエリート達を通して、日本の各分野における今後を考える材料を提供している本。
 全体としてよくまとまった内容で、著者の勉強ぶり、炯眼ぶりがうかがわれ、私は楽しく読んだ。

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2013年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元ニューズピックス編集長佐々木氏の本。
米国中国などについて著者の立場経験から語られていておもしろい。ただ時代性の部分もあり、今とはまた違っている部分も多分にありそうと感じる。
著者の視点・経験からではあるものの、グローバルパースペクティブを高める本としてはよいかも。


メモ
・中国人の特徴
  個人主義的で空気を読まない
  率直で物怖じしない
  戦略的思考に長けていて思考のスケールがでかい

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2022年10月13日

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英語勉強したいんゴねぇ(2年ぶり7回目)
米国人の考え方や特性をざっくり知るにはちょうどいい読みやすさだった。英語話す人口が15億人いる中でネイティブがたった4億人ってデータは面白くて、非ネイティブとの会話が今後もメインになるのであればネイティブレベルまでは極論要らないってのは自信になるな。

英語好きなのよ。英語好きだけど手を出す暇がないのよ。こういう奴周りにも多いでしょ?暇なんてあるだろって言いたいでしょ?そうだよあるよ?あるけど他に楽しいことがもっとあるからだよ?で?何それ俺が悪いん?あっそ?覚えとけよ?2年後ペラッペラになってっかんな?あん?知らねーぞ?

↑こうして退路でも断たん限りやらんわな

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2021年11月10日

Posted by ブクログ

大学留学記として読めば、面白い本です。
特に、授業で行われた従軍慰安婦の問題などでは日本に有利な英語で発信された情報ソースが少ない(反日人権団体からのものは山とある)ため、日本人が一方的に攻撃されて終わりというのは、やはり政府広報の弱さとインテリジェンス軽視のしわ寄せが顕著です。(P134~)
米国で一人の大学生が従軍慰安婦について真剣に考える機会もそう何度もあるわけではありませんが、そうした一期一会の授業内容で一方的に断罪されている事実は軽視すべきではありません。
この大学で学んだ米国人エリートが、国家機関で対日本戦略を担う可能性も無きにしも非ずですが、大学でインプットされた日本人像がゆがめられている前提から政策立案すれば嫌日戦略をとることだってありえます。
日本政府は、こうしたボディブローのような影響を軽視しすぎています。

「日本には国際政治、歴史、経済などに通じ、多面的に戦略を描くことができる一流のジェネラリストが少ない。いるのは、2流のジェネラリストである官僚と、テレビ受けの良い電波学者と短期思考の民間エコノミストです。」(P159)
という鋭い指摘や、著者の国防に関するリアリスティックな考え方には好感が持てます。

2011年という米国にとって悪夢の年に出版された本書からすでに8年・・残念ながら日本製エリートの出現はまだのようです。

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2019年03月08日

Posted by ブクログ

ハーバード等の超一流大学を卒業し相当なサラリーを手にしている俗に「エリート」と呼ばれる面々がどのような教育を受けているのかざっくりと紹介している一冊。
2011年の本なので内容の一部は古いですが今でも割かし読める本かなと。

彼らは”学術書”を年に480冊も読みこなし「レポート」をまとめ、仕上げに「ディベート」を行う。とてつもないタスク量、それを処理する為の物事の合理化やタイムマネジメント能力は日本の一般リーマンのレベルのそれとは違う。
一言でいえば教養を習得すべく行う「知的トレーニング量」がかけ離れて凄いってことでしょうか。

また、自分には全く無い、過去の歴史を分析して物事を判断するセンスや、文武両道(ここでいう武は「軍事・防衛」)あってこそ一流と考える思想についてもいろいろあるんだな~と思った。

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2019年02月21日

Posted by ブクログ

可もなく不可もなく。これから大学院留学する人には、良い情報源になると思う。
英語は暗記・暗唱を繰り返すと上達が早いというのはその通りだろうと思う。

・アカデミックの世界で好成績を残した人間は、高い学習能力と分析能力と地頭の良さが備わっている。
・経済学を学ぶ理由(マンキュー):①自分が暮らしている世界を理解するため、②経済へのより機敏な参加者になるため、③経済政策の可能性と限界とをよく理解するため

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2016年01月24日

Posted by ブクログ

以下の2点が印象に残った。

■知力とは
①良質な知識と情報: 良い素材(=知識・情報)を入手する力
②頭とセンスの良さ: 知識・情報を組み合わせて、論理的且つ
 クリエイティブに纏める力
③対話のスキル: 自分の意見やアウトプットを、他者との対話を通じて
  磨いていく力

日本では②に焦点があたりがちだが、ここはセンス・才能による部分が
大きいので、ここで努力するより、①③を學ぶのが人と違うアウトプットを出す為には効果的。

■日本から米国への留学が減っているのは日本の社会が成熟してきているから。EUは米国への留学が減ったとは嘆かない。

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2013年10月27日

Posted by ブクログ

留学を経験しただけに、米国人学生の実態に関しては既知の部分が多かったが、米国社会及び日本社会のリスク感度の違い、という箇所で、米国には起業を保証する制度があるなど、米国の新たな一面を知ることが出来た。

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2013年09月13日

Posted by ブクログ

留学経験者として、共感できることがたくさんあった。ただ、偏っているところが多々あるのは、他の人も指摘しているとおり。国際政治の部分はとくに。それよりも留学体験記として読んでみると、どんな生活が待っているのかを知る心構えとなる一冊になるのではないかと思う。

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2013年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

米国製エリートのすごいところは「インプットとアウトプットの量がすごい」というところらしい。
学生の時の課題図書やレポートがやたら多いんだって。

それが最初に書かれていて、あとは著者の専門分野の国際政治、国際経済の話が大半を占めている印象を持った。米国は多人種の国だし、大学も様々な国の学生が集まっているから、文化の違いや言語の優位性を持つ米国の実態を知ることはその強みを知ることにつながるとは思うんですけど。

あと、最近いろいろな本を読んでいて共通しているのは、英語が話せるようになるには「フレーズの暗記、語彙を増やす」かなって思います。あとは実践あるのみ。

あとあと、少し前の旬の人の名前をダイレクトに使っているから、何年後かにもう一度読む本ではなく、「今この時」に手に取る本だと思います。

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2013年01月21日

Posted by ブクログ

アメリカ考というよりは対比しての日本考といった感じ。腹落ちする部分は多いが、特に新たな知見が得られる風でもない。

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2012年12月06日

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