【感想・ネタバレ】5年後、メディアは稼げるか?―MОNEТIZE ОR DIE ?のレビュー

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ネタバレ

 「東洋経済オンライン」の編集長の佐々木さんが執筆した『5年後、メディアは稼げるか』は、メディアの現在とこれから進むべき道を記した本だ。本の帯には「マネタイズか?死か?」と強烈な煽り文句が書いてあるが、メディアを仕事としている人ならば、これが煽りではなく的確に現状を捉えた言葉であると実感できるだろう

 ウェブメディアの特徴や概観(アメリカ含め)を網羅的かつ客観的に説明し、メディアの稼ぎ方を考察、これからのメディア人(あくまでメディアで食っていこうとする人)に必要なスキルやスタンス、考え方を筆者の私見も交えながら論じている。

 長年編集部に在籍していた経歴があるためか、具体例を交えながら分かりやすい説明を展開している部分は素晴らしい。今まであまりメディアに触れてこなかった人でも楽に読み進められるので、業界研究の入門書として好適だ。メディア志望の就活生も読んでおいて損はない。

 一方メディアに携わっている立場であれば、この本の位置づけは大きく変わる。デジタル主体の媒体展開(ジャンル横断含め)、ユーザー属性をはじめとするデータの重要性、フリーミアム戦略――いい意味で、ここで書かれていることの多くは"当たり前"だ。というより、当たり前のこととして認識していなければならないように思う。言葉として整理されていなくとも、直近のWebの動きを見ていれば感覚として共感できるはずだ。

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2018年10月14日

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この本が書かれたのが2013年、まさに署名にあるように「5年後、メディアは稼げるか」を問う年である2018年にやっと手に取り読みました。既存メディアの実際の経営状態はどうなのかはわかりませんが、書籍では「新聞社崩壊」とか「躍進するコンテンツ、淘汰されるメディア」とか曲がり角に警鐘を鳴らす本がいっぱいです。5年の変化で一番象徴的だな、と思うのは著者が、この本を上程した後、2014年に「東洋経済オンライン」の編集長から「NewsPicks」の編集長になったこと。まさに本書で書かれている、会社よりも個人、というテーマの実践ですね。5年前のメディア界の見取り図ですが、現在でもメディアに関わる人にとっての教科書としてはわかりやすいです。著者の最近の講演を聞いて本書を手にしたのですが、その時に話されていて、本書に書かれていないのは5Gという通信環境と動画というコンテンツの可能性についてです。いつもメディアはテクノロジーが引っ張るのだと思います。

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2018年04月24日

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紙からデジタルへ・・
メディアの世界における、この新しい流れはどこまで進むのだろうか。

日本では数少ないウェブメディア系の成功例の一つ、東洋経済オンライン。
その編集長が書いたこの本には、世界におけるウェブメディアの現在と未来予測が書かれている。

デジタルへと急速に移行するアメリカのメディア界。その一方で日本の出版社や新聞社のデジタル化はまだそれほど進展していないようだ。

しかしその日本においても若者を中心に新聞購読者は激減しており、ネットでニュースを知る人々の割合は着実に増加していると本書で記されている。

有料課金か無料モデルで行くかは世界でも大きく分かれていて、まだ試行錯誤の段階のようだ。

またウェブメディアの世界においては、良い記事が提供できるならば、組織より個人の情報発信者に注目が集まるとの記述も興味深い。

今までは、あふれる情報の中で、個人が自分で知りたい情報を検索して探していた。
しかしグノシーやスマートニュースといった、その人興味がありそうな、またはその人に合った情報を届けてくれる、新しいサービスを提供する会社がウェブメディアの世界で育ってきているようだ。

本書を読んで分かったのは、本人の探す手間を省き、その人にとって重要な情報をいち早く提示できるウェブメディアがこれからは勝利するかもしれないということだ。

現代人はネットに時間を取られすぎている。この時間の短縮するサービスは大いにニーズがあるものと思われる。

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2013年12月07日

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ネット広告は安いから、紙の広告収入を補填できない。課金に成功するには、法人契約、調査、分析がされている価値ある記事になる。新しく稼ぐビジネスモデルを確立出来るか?というのが本書で言う血みどろのたたかい。
出版研究ゼミで教えて貰った話と同じだった。
モノを売ってはいるけど、ウェブになりますからね。大変よ。野菜はウェブ上にはコピーできないし。

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2013年10月01日

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ネタバレ

2013年に東洋経済をビジネス系サイトNO.1に導いた「東洋経済オンライン」編集長の佐々木紀彦氏によってかかれたビジネス本。

「5年後、メディアは稼げるか」という題名のとおり、近い将来メディア界で起こりうる変化や、その変化にともないメディア担当者にもとめられるであろう知識やスキルを、実際のデータをもとに理論的に説明されている内容です。

日本だけでなく、海外の媒体データも取り上げているので非常におもしろいです。

電子書籍の例にもみられるように、媒体が紙からWEBへ移行していっている風潮はいなめませんが、その移行の際にメディア担当者が気をつけるポイントを、紙とWEBの特性を比較した上でわかりやすくおしえてくれています。

ただ、すべてをWEB媒体にしていけばいいってものではなく、情報の種類によりどの媒体がよいか向き不向きがあることも、提供する情報別に分類して説明されています。

媒体は何にしろ、メディアを通じて稼いでいくのに必要な要素がたくさん詰まっている本なので、情報発信することをお仕事にされている方は、今後のお仕事の参考になること間違いなしの1冊です。

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2013年09月08日

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ネタバレ

現・ユーザベース CCOである佐々木氏による、これからのメディア論が語られた1冊。
海外のメディアの事例を取り上げながらも、今後日本のメディアが生き残っていくためにはどのような方向性を模索するべきなのか、ということについて自身の考えを非常に簡潔に述べている。

特に印象的だったのは、メディアの収支モデルの変化。
従来の紙媒体メディアでは、その収入の多くを広告費で賄っていた(米国 約9割、日本 約3割)が、多くのメディアがWeb媒体に変化することによって、広告費の価格が落ち、次第に売り上げが低下しているというもの。これはこれまでは有限の枠しか設けることができなかった広告(紙面上)が、無限に広がるネットワーク上に広がることとなった(Web上)ため起きた、構造上の大きな変化である。

この構造変化を明らかにした上で、著者は日本のメディアに警鐘を鳴らす。アメリカのメディアなどは元々広告費への依存が大きかったため様々な変化をしている過渡期であるが、日本のメディアはそこまで依存をしていなかったため、大きな変化を希求していない。
しかし、このままでは日本のメディアは廃れ、本来の役割を果たすことができなくなってしまう。

ここまで明らかにした上で、著者はこれからは「起業家的ジャーナリスト」が必要とされていると言う。つまり、自分で企画をし、それを形にし、自分でプロモートするという一連のプロセスを実行でき、かつビジネス、テクノロジーへの理解もあるジャーナリストということである。
これは私自身が働きながら痛感していることとも重なる。これからは決まった枠を埋めるだけの記者ではなく、ユーザーのニーズを読み解き、かつそれを満たすことのできるジャーナリストこそ価値を持つこととなる。

メディア業界で起きている大きな変化を分かりやすく解説し、かつその上で方向性を示した良書であると言える。


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以下、特に印象に残った箇所を引用する。

「私自身、ウェブメディアに移ってから、この世界の"ジャーナリズムの弱さ"を痛感させられています。いちばん驚いたのは、当たり前のように、原稿を前もって取材対象者に見せることです。こんなことは、経済ジャーナリズムの世界では考えられません。原稿の事前確認ができれば、取材対象者は自分に都合の悪い話はすべて削ってしまいます。(p. 138)」

「個人的にはいちばん大事だと思っているのが、孤独に耐える力です。ビジネス誌の編集者という仕事柄、起業家などイノベーティブな人物に出会う機会も多いですが、そうした人々には共通点があります。それは、人生のターニングポイントで一度は逆張りをしているということです。進学、就職、転職、起業など、人生の要所で周りから反対されるような決断をしています。では、逆張りする力、自分の信念を貫く力はどこから生まれるのでしょうか。それは、孤独に耐える力です。(p. 171)」

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2018年09月02日

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かなり面白かった。メモ:

タイトルが10倍重要
ウェブは感情、紙は理性
余韻より断言、建前より本音
一貫性よりも多様性
集団よりも個人
本は紙のまま残る

有料会員を増やすヒント:
・広告表示もページ分割もない、特別なレイアウトを提供する
・無料のイベントに会員を優先招待する、もしくは有料イベントを割引する
・好きな筆者に質問を送ることができる
・自分の興味に合った記事が読めるパーソナライズ機能を追加する
・世界中の企業を網羅した企業検索サービスを使える

ジャーナリストの条件:
① 媒体を使い分ける力
② テクノロジーに関する造詣
③ ビジネスに関する造詣
④ 万能性+最低3つの得意分野
⑤ 地域、国を越える力
⑥ 孤独に耐える力
⑦ 教養

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2015年11月15日

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生き残るメディアとして、データの活用によりユーザーの動向が分かる必要がある。

それができるのは、雑誌とWebに、同一雑誌のコンテンツが存在するところのみ。

しかも、Web側での何らかのアクションがあることが必須となる。

しかしながら、仮にそれがあるとして、

それでも雑誌編集関係者は、
Webテクノロジーへの理解の低さから、そのデータの存在有無・場所、利用方法がわからない。

一方でWeb開発関係者は、
Webに閉じた世界だけで、あとは適当なブロガーを雇ってコンテンツを淘汰選別することしか知らないから、

雑誌編集者と手を取り合うことは選択肢として頭にない。

逆にそこで手を取り合うことができれば、雑誌コンテンツのWeb上での有効活用ができると言えそうだ。

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2015年11月22日

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p18
以前は、コンテンツをつくったら売りっぱなしモデル。今後ほ出した後が大事、分析、ビックデータのはなし
⇨ソシャゲにも近いな

p20
媒体丸ごとでなく、誰が書いた記事か、どんなテーマか。ituneでアルバムでなく、曲がバラ売りになったのと同じ。

p37
ライバルは日経ビジネスオンライン、ダイヤモンドオンライン?

p38
一般にニュースさいとはpcを重視しがち。スマホは広告で稼ぎにくいから

p41
新聞ほどのタイムリーさはないので、めざすのはクオリティの高い第二報

p64
アメリカの新聞は広告が8-9割、日本は2-3割

p156
キュレーションサービスが人気を博していますが、こうした人間を介さないシステムだけで、読者が満足する日は永遠にこないでしょう

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2015年04月01日

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ネタバレ

・タイトル付けがうまい雑誌:週刊文春、アエラ、BRUTSU

◆アメリカメディア市場
・オンライン広告が安すぎて稼げない
 100:10:1の法則:紙で100万円だった広告が、ウェブで10万円となり、モバイルで1万円となる
<理由>
①広告需要<<広告枠
②巨大なPF覇者の存在(Google,Facebookなどで64%の広告枠を握っている)

◆攻めている米メディア
・Financial Times
30人体制のデータ分析部門:サイト上での読者の行動を分析→有料会員を増やすための施策だし
 -どの分野のコンテンツが好きか
 -どの時間帯に読むか
 -どんな読者が有料会員になりやすいか

・New York Times
①プライシング
-モバイル、PC、タブレットで価格が違う
-特定のカテゴリーだけ読めるプラン(政治とか)を導入
-特別イベントへの参加権とセットの高額プランを導入
②グローバル
-NYTの翻訳記事+現地記者の記事というスタイルで展開
③動画コンテンツの拡充
-動画の広告料は高いから
-無料のニュース動画配信を開始
④ブランドエクステンション
-NYTブランドを使った商品展開をする(ゲーム、Eコマースなど)
-クロスワードパズルは年会費40ドルで提供している
⑤イベント
-コネクションを活かした大物イベントを高額で展開

・フォーブス
-ルイス・ドヴォーキンの手腕:オープン化
-書き手の99%は外部(そのため書き手のプロフィールを詳しく出している)
-編集権限も書き手に委譲(コメントや構成を変えられる)
-ただし、書き手になれる合格率は10%程度
⇒目利きした人をマネジメントするビジネスに変化

◆ウェブメディアの分類
・PVの高さ×ARPUの高さで2by2マトリックスを作る
①PV低い×ARPU高い:ニッチメディア
-代表例はビジネスメディア
→B2B広告に強いので広告料とれる
-日本なら日経ビジネスオンライン、海外ならアトランティックやフォーブスがここ

②PV高い×ARPU低い=マスメディア
・海外だとハフポや英ガーディアン

③PV高い×ARPU高い
・海外:ウォールストリートジャーナル、FT、NYT
・日本:日経新聞(有料会員30万人、月額課金6億)

◆メディアの稼ぎ方
①広告
②有料課金(メーター制)
③イベント(著名人の講演など)
④ゲーム(NYTクロスワードパズルなど。会員制)
⑤物販(ほぼ日の手帳が代表例)
⑥データ販売
⑦教育(ex.ワシントンポストは予備校事業を展開)
⑧マーケティング支援

◆どうすればネット広告は儲かるか?
①データ志向の徹底
・クッキーでは拾えない深い粒度の情報を拾う
→読者を会員登録させる
・その際に不快感を与えてはダメ。登録すると付加的なサービスを受けられるようにする
(fbログインなどで簡単にするのもあり)
・自社がもつ様々な読者データとひもづけて管理する(イベント出席率など)
→共通IDで管理するのが大前提

②広告を面白くする:ブランドコンテンツ
・商品を直接アピールせず、長期的にブランドを育てるコンテンツ
・売上成長率40%、単価が高い
→参入が相次ぐ

◆有料化を成功させるには?
①ターゲットが経済系かエリート系かデータ系
・人はビジネスや投資に役立つ情報には金を払う
②紙で築いたブランド
・ハフポは有料課金をしても失敗した
③無料サイトとしての実績
・最初から有料化しても読まない
・ただしPVだけでなく、スティッキネス(中毒性)も大事
 -ハフポは月1読者が66%で月30回以上訪れる常連は1%未満
 -NYTは常連が14%、1-30回訪れる人は51%

◆ベンチマーク
・オンラインプロデューサー:ネットマネタイズのプロ
-中川淳一郎:博報堂→雑誌編集者→NEWSポストセブン編集しつつ企業のオウンドメディアのプロデュース
-柳瀬博一:日経ビジネス記者→書籍編集→日経ビジネスオンラインプロデューサー(JICA×池上彰の企画や三浦しおん×コニカミノルタ企画など秀逸)

-編集とマネタイズのプロ:リクルートが多く抱える
→人材をRからひっぱるのもあり

・起業家ジャーナリスト
-津田大介
-渡邊正裕(MyNewsJapan社長)
-アンドリューサリバン(人気政治ブログディッシュ運営)
-タイラーブリュレ(グローバル情報誌モノクル編集長):雑誌を軸にweb,ラジオ、動画配信、カフェ、セレクトショップを展開

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2014年11月16日

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東洋経済ONLINEの編集長である著者が、いかにしてメディアはこれまでの体質を脱却し、新たな収益モデルを作るべきかということを問題提起している。メディア第一人者として示唆溢れる内容で、特に紙とデジタルに関する独自の視点は非常に興味深い。ここで紹介されているのは、これまで老舗で成功した新聞社や出版社がいかにしてデジタル戦略を確立し、新たなマネタイズの仕組みを作ったかというもので、FTやNY Timesなど、広告収入から課金モデルへ転換を図った事例は、過去の成功体験にとらわれて構造改革できない企業が多いなかで、ドラスティックに変革したイノベーションのロールモデルとしても非常に勉強になった。何かのテーマについて考える時、海外や歴史をひもとくという著者。前作の「米国製エリートは本当にすごいのか?」よりも個人的には全然本書のほうが面白かった。

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2014年05月07日

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東洋経済ビジネスオンラインの編集長。「これから5年で、日本のメディア業界が激変する」と言う。
著者がオンライン部門の編集長に就任後、PVをぐっと増やしたことでも有名。ただ、最近では逆に記事の質の低下も実は指摘されている。ただそのことも含めて、「逃げ道をつくらず、炎上をおそれず自分の意見を主張してほしい」というのが著者が主張することであり、その戦略には覚悟もあるのだろう。

今の40代は中途半端だ、紙にも拘ってメディアのウェブシフトにコミットできない(どこかへ行ってくれ)。50代の人は、思い切って30代にバトンを渡してくれ、と自身は30代の著者が言う。会社の上層部がおそらくは読んでいることを考えると、その辺りの言葉は、より挑発的でより覚悟を持っているように思える。
40代の身としては直接メディアの業界人ではないけれども、40代はITネイティブ度の上で30代に劣るというのは身につまされる話だ。5年で激変するのはメディアの世界だけではない。そこで40代や50代の人間がどのようなポジショニングを取るのかは大きな課題だ。

本書の中では、海外のFTやNYTの動きを分析して日本のメディアと比較しているが、もちろんメディアの状況は日本と世界とでは異なる。メディアやブランドの価値やポジショニングも違う。その上で、これから重要なことは、「建前より本音、客観より主観、集団より個人」が浸透してくることはどこであろうと間違いないということには同意できる。もちろんそれは、メディアの世界だけにあてはまることではないだろう。

記者よりも編集者が重要になってくる、テクノロジーも分かっていなければならない、と説く。「これからのメディア界では、一流のテクノロジー人材とコンテンツ人材とビジネス人材が組めば、たとえ少人数でも面白いことがいくらでもできます」と主張する。これからのメディア人が優先すべきは、自分の属する媒体の利益最大ではなく、「読者満足度の最大化」であり「収益機会の最大化」だという。

そういった言葉の端々にも、一刻も早く「ウェブ時代の稼ぎ方」を見出さないと、と少々の焦りもにじむ。

おそらく、著者は早晩、東洋経済を飛び出していくのだろうなと思うのだ。
それが、「建前より本音」で「客観より主観」を重要視して「集団より個人」で動くことの結論ではないのか。この本もそのための戦略的なアクションだろう、と想像しながら読んだ。

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2014年01月13日

Posted by ブクログ

著者は、33歳で東洋経済のオンラインの編集長に就任して、3か月後のリニューアル後に格段にページビューを増やした実績を持つ人。

メディアがインターネットという新しいインフラの中で、紙のメディアからネットに変わらざる得ないとして、どのように収益性を確保するか(マネタイズ)の現状であるとか、今後の方向性についてまとめている。

内容としては、紙とウェブの違い、米国の現状、ウエブのマネタイズ、メディア人の今後目指す方向性などの4章構成になっている。この手のメディア論の本は出版されては、予想が外れることもあるが、大きな流れとして押さえていくのはよいと思う。

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2014年01月13日

Posted by ブクログ

 どうして両方の良いところを共用しようとしないのだろうか。
 Webの良いとこと紙媒体の良いところは明らかにすみわけできるはずなのにこれからはデジタルの時代アナログは古いと一蹴されて終わり。その考え方が人に波状する。だがらもうすでにWebメディアも終わりの予感がする。

 強力な爆弾はすでに埋められた世界は情報の波におぼれてしまうだろう。お若い人たちは気をつけましょうね。

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2014年01月08日

Posted by ブクログ

間も無く30代になってしまいますが。この手の本はこれまで多くあって、そのたびに未来の予言は実現されない。結果として危機感が薄いまま、ずっと時間ばかりが過ぎている。ドラスティックな改革が必要だった海外メディアではようやく成功の潮流がででいる。著者は「起業家ジャーナリスト」の必要性を特に強調している。ビジネスに対する理解の必要性は深く頷ける。かつて時事新報を創刊した福沢諭吉が遂げたイノベーションをもう一度、再現する必要がある。じゃないと、現実問題、15年後ぐらいは食えなくなってしまうかもしれないし。

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2013年11月02日

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ネットのメディアを追いかけていると、知っていることも多い。だが、頭の中が整理されるのはもちろん、整理されていく中で気づかなかった視点が次々に出てくる。
これからのメディア新世界で起きる変化、紙→ウェブへきて気づいたこと、米国製メディアのマネタイズ例、ウェブメディアの稼ぎ方、メディア人のキャリア論など
いかにマネタイズするか?という切り口で統一されているのが面白い。モデルケースは語られるものの、著者もそれがベストとまでは決して明言しておらず、まだまだウェブメディアのマネタイズ方法の完成形は見えていないことが分かる。
こういったウェブメディアに携わる人の本を読みたいが、まだまだ世の中にあまりない。

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2013年10月14日

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業界の状況や分析がまとめられていて勉強になりました。「マネタイズか死か」という見出しはなかなか気合いが入ります。今日も頑張ります(笑)

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2013年09月20日

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メディアの位置付け、これからの方向性が垣間見える一冊。
著者の言うとおり、メディアのこういう分析をした本は少ない。

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2019年06月12日

Posted by ブクログ

メディア業界の全体観(ビジネルモデル)が勉強できました。
ウェブの市場が拡大し、業界全体としてこれまでの戦い方では通用しなくなったことと、アメリカ企業の成功事例を元にこれからの戦い方を上手く説明してくれています。
広告と有料課金が大きな収益元。メディアの属性にも寄るが、個人的には有料課金を取りに行く戦略が重要で、オリジナルコンテンツが勝負の鍵だと思う。メディア業界は面白い。

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2019年04月21日

Posted by ブクログ

単に内容だけを見れば、熱心に反論したくなるような大きな違和感はない。全体を通して肌感覚/大雑把な世論に近いと言っていいと思う。

ただし、良くも悪くも上梓されてから3年、である。本書はタイトルに掲げた「5年」を待たずして陳腐化してしまった。逆に良く言えば(あるいはもっと悪いことには)、本書の内容の殆どが3年経過の段階でその妥当性を失っていない。

というのが、言うまでもなく最大の問題。

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2016年05月12日

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マネタイズ
フリーミアム
メーター制
有料課金
広告
セミナー
物販
データ販売
コンサルティング
ゲーム
リーダーシップは孤独に耐えること

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2016年02月22日

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ネタバレ

フツーの事が書いてあるように感じる
だが、そう考えるのは浅はかなのだろう

誰もが考えているような事ではあるが、それらを体系づけて本にまとめるという事はできるようでできない事

働き方とか働く人の意識といったところが昔とは変わったのは間違い無いと思う
昔は単純な表現をすると「縦割りだった」というのかな。。。自分の仕事だけ理解して、自分の守備範囲だけを守っていればそれで良かった
むしろ、守備範囲外にしゃしゃり出てくる事は良しとはされなかったと思う

しかし、最近はそうではない
これもWeb時代になってからという事かもだけれども、自分の守備範囲外の部分についても多少なりとも理解しながら他者や他社とコミュニケーションをとって仕事を進めていく事が求められている
コミュニケーション能力も含めて、昔よりも幅広い技術や知見を求められる

Web時代になって部品化が進んだという事かな
各部品を作る専門家がいつつも、それら各部品を合わせてどういったサービスを展開するか考える必要が出てきている

部品化を勧めるスペシャリストと、それらの部品を組み合わせて新たなサービスを展開するゼネラリスト
どちらかを目指す必要があり、そういった能力があるかないかで給与や待遇も二極化されてしまっているようだ

おそらく、その傾向は今後も更に大きくなっていくのだろう

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2014年12月01日

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米国新聞発行部数は、10年で半分に。
日本の新聞は、販売店の影響力が強い点。
新聞は集団で作られるがwebは、個人で作られる点。
大きくこの三点かな。

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2014年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【起業家ジャーナリスト】p30
『フリー』『メーカーズ』などの著書で知られる『ワイヤード』誌元編集長で起業家のクリス・アンダーソン、グローバル情報誌『モノクル』のタイラー・ブリュレなど、編集とビジネスセンスを兼備した人材が世界で活躍の場を広げている。

【一貫性よりも多様性】p48
ウェブメディアの記事構成は、テレビ局の番組構成に似ています。テレビ番組には、堅い報道番組もあれば、お笑い番組もあれば、ドラマもあれば、スポーツ中継もあります。同じようにウェブメディアでも、多様性がポイントになります。「東洋経済オンライン」でも、恋愛ネタからお堅い経済ネタまでを網羅した、バラエティに富んだラインナップを意識しています。

【雑誌が紙である必要はあるか?】p56
「速報性のあるもの=ウェブ」「ひとつのテーマを深堀りしたもの=雑誌」というふうにうまく住み分けられれば、ウェブと紙は幸せに共存できます。ウェブの編集部は毎日番組を創るテレビの製作部隊で、雑誌の編集部はひとつの作品を創り込む映画の製作部隊のようなイメージです。

ウィリアム・デレズウィッツ「リーダーシップにとって、真に重要なのは想像力であり、新規かつ逆張り的な物の見方を考え出し、それを表現する勇気です。よきリーダーであるためには、いかにしてひとりの時間をつくるか、ひとりで思考に集中できるか、大多数の一致した意見に左右されないか、をわかっていなければなりません。"孤独”とは、ひとりで静かな時をすごすことへの自信と心地よさです」『週刊東洋経済』(2011年11月26日号)p172

ショーペンハウアー「文体は精神のもつ顔つきである。それは肉体に備わる顔つき以上に、間違いようのない確かなものである」『読書について』p174

<メモ>
cakes

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2014年03月19日

Posted by ブクログ

紙からWebメディアへ。
この流れはある意味当然な流れである。

スペースが限られる紙と、無限大のスペースを持つWeb。
一回手にすれば流しでも記事を読む雑誌と、記事ごとに選別されるWeb。

自分自身、日経電子版、有料メルマガなどWebメディアを活用していることから考えてもWebの潜在可能性はまたまだあると思っている。
ダイヤモンドも紙で定期購読しているが、結局iPadで電子紙面で読んでいる。

まとめサイトなどこれからはライターでなくキュレーターとして活躍できるという話も面白かったなー

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2014年01月04日

Posted by ブクログ

自分にとっては、発展し続けているウェブメディアについての考え方が参考になった。自分もなんとなく紙よりも自由に表現できるというイメージはあったけど、よりウェブメディアの可能性について考えさせられた。
•ウェブメディアにおいてもっとも大事なのは、文章力よりも経験や知見の面白さ。
•二流の記者が書くIT分野の記事よりも、IT分野で活躍するビジネスパーソンに書いてもらった記事のほうが、コンテンツ力が高く読者のニーズにも合致しうる。
•ウェブメディアにとって大事なのは、ひとつの方向性に読者を誘うことではなく、さまざまな意見を読者に提供し、読者の頭の中を刺激することだと思っている。
メディアはどうなるのかというよりもウェブメディアについてより興味を持った。

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2013年12月06日

Posted by ブクログ

タイトルの通り、本書では近い将来のメディア業界について述べています。

その中で、稼げるメディア人と稼げるメディア人について語られています。
両者の違いは7つあり、そのうち一つは「教養」。
著者のいう教養とは、企画力とほぼイコール。
各人の出す企画には、その人の教養や世界観が滲み出るのだとか。
そして、その教養を身に着ける最も身近かつオーソドックスな方法は、やはり読書です。
読書といっても、どんな読書をしたら良いのかというと、特に古典を深く読み込むことが効果てきだと著者は言います。

「教養としての読書では、体にいいものを、よく噛んで味わいながら食すことが肝心です。
食べ物の場合は、新鮮なものが体にいいですが、本の場合はむしろ、古いものに当たりがあります。日進月歩である科学技術分野では、新刊から得られる知識は貴重ですが、それ以外の分野では、”教養”を積むのに適した新刊には滅多に巡り会えません。」(p.176)

確かに、自己啓発だのビジネス本は古典の焼き直しが多いですね。
古典さえ押さえておけば、あとは自分がそれを応用すれば、現在の状況にも対応できる。
そういうことなんでしょうか。

でも、そもそも古典て、何を指すんでしょうか?
とりあえず、岩波文庫を全部読んでみましょうか。

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2013年12月01日

Posted by ブクログ

松岡正剛の千夜千冊に載っていたのでkidle版で購読。電子版で正解。半年経ったら価値を失う情報。今ならぎりぎり鮮度が残っている。

紙には紙の、ネットにはネットの作法がある。どちらにしても通信社の仕事、すなわち速報性(≒抜き抜かれ)の無意味な競争を繰り広げている日本の新聞に未来はない。

ネットメディアをマネタイズする、という難しくもおもしろい課題を克服した先にしか、ジャーナリズムの次世代形を見出すことはできない、という本。

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2013年11月20日

Posted by ブクログ

フリーミアムで有料購読者。テクノロジー駆使、読者ビッグデータを分析して収益化。多媒体を横断的に使いこなせる編集者個人。

欧米のすさまじいトライ&エラーによって、暗い未来から、すこしづつ次の姿が見えてきた、というところでしょうか。

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2013年12月15日

Posted by ブクログ

『東洋経済』で紙の担当から、ウェブの編集長になった筆者が、紙媒体がウェブ化される中、ウェブメディアが儲かるようにするにはどうするか、そのためにどのような人物が必要かなど、語る。アメリカで起きているマネタイズのビジネスモデル、それを日本のメディアに持ち込むとどこがうまくいくか、うまくいくための要素など、おもしろい見方だと思う。

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2013年09月23日

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