長沼伸一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルからすると直感的な問題の解き方が書いてあるような本をイメージするが、実際には物理数学の公式化された公理、定理の教科書では説明が省略されてしまっている部分、つまり根本部分の理解を促すことを目的とした本であった。このためある程度数学の知識を持っていないと読み進めることは難しい。また、ここで取り上げられている項目について疑問を持っていないと何が問題なのか?ということにすら思い至らない。そういった意味では読む人を選ぶ本である。残念ながら書いてある事の半分もわからなかった。しかし「やや長めの後記」で三体問題に端を発する「ハーモニック・コスモス」が思想化されて現代社会にどのような影響を及ぼしたかという考察は面白かった。面白かったのだが本書の内容からすると蛇足であると感じた。別の論文等で述べるべきではないかと思う。
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Posted by ブクログ
さてどこから書いたものか。
まずこの本を知ったきっかけは、ポッドキャスト「営農とサブカル」のジョンさんの紹介から。
世界の歴史と日本の状況を、物理、数学、要するに理系から見たらどういう解釈になるのか、というのがざっくりとしたコンセプトなのかと思う。
歴史のなかで国家や団体の栄枯盛衰は、時代の最先端の兵器によって様相を変化させてきた。それは100年まえならマシンガンの登場が塹壕を作り、塹壕が戦線の膠着を作り、身動きした方が負けになるような世界が、戦車、毒ガスの登場によって塹壕が無効化された。その後航空機や空母、そして原爆が開発されて、ついに世界は西か東かというだけの争いになった。
地政学が示してきた、陸主体の国、海主体の国、そういう属性が、膨張を求めて緩衝地帯を作るために侵略を進めるか、守りに徹して戦力を温存するのかという、国の性質が、広範囲に高速に影響を及ぼす武器が出てきてからは全く変わってしまった。
さらには、冷戦以後は戦争ではなく経済や貿易によって見えにくい競争が始まり、もはやこの流れは一方通行で戻ることはできない。
そういう論理のもと、その見えにくい競争では何が起きていて、それの何が問題なのかを解き、深掘りしていく。
このところ平易な言葉で書かれた大衆向けの小説やエッセイを読んでいたので、物理学者の書いた文章にはすこしついていけず、難しいと感じた。これでも、著者は手加減していて初心者でもわかりやすくしているらしい。自分の読書体力の無さに少し戸惑った。また文章がどこまで行っても地続きで、前の章を踏まえた続きの文章になっていて、読みづらかった。
僕なりにまとめるなら、
ネット登場以降は地政学は役に立たなくなった。
自由にするとみんな同じになって、同じになると戦う場所も同じになる。
個人商店が立ち並ぶ商店街の近所にイオンができるとイオンに全ての客のがとられ、商店街は潰れ、商店街に行き来していた人がいなくなり、イオンの客が減り、イオンも潰れて地方経済は縮小し、東京に集中していく。 -
Posted by ブクログ
自分は、お金や投資についての知識は学んできたつもりでしたが、経済については全く分かっていなかった。この本を読んでやっと、分かっていない部分が分かったという状態でした。元々の基礎知識が積み上がっていないため、この一冊では全て理解することはできませんでした。でも、経済の中で自分は生きているということを実感したし、ニュースを見ていて、話題になっている根本の理由を考えようとする見方を教えてもらった気がします。
おそらくこの本は、理系の方、文系の方、どちらにも分かりやすく買いている工夫があると思います。勉強してこなくて、理解が追いついていない自分に悔しさを感じます。だから経済をもう少し勉強してまたもう一度この本を読んでみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
ムズイけれども初級編、中級編、上級編に分けられていたおかげで自分の知識量に最適化された理解度は得られたかなと。物理学も経済学も教養課程で一応かじった程度の身からすれば目が開かれる面白さをしっかり感じられた。
経済学って本当に実践に役立つんかいなという疑問は正直昔から解消しておらず、結局は結論を正当化するための理論を紡ぎだすものにすぎないと思ってはいるが、思えば文系の学問の少なくない部分はそういうもののような気はする。そして、あれやこれやの理論をこねくり回して考えているうちに何か経済学マインドと呼べるような識見が身について結果的に妥当なアウトプットを直観的に生み出せるようになるのではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
著者の長沼氏は同い年らしい。独立の研究者。理系の方なのだが、経済学分野でも著作がある。今回は世界史を構造的に理解することを目的に掲げる。
我々は見るべき未来がわかっていないから無秩序で混沌とした歴史的事実からどういうストーリーを紡ぐかがわからない。この無秩序に見える事象をストーリーとして理解するには、古典から未来を正確に予言していたと思われるものを選び出し、そこに力学の抽象化を加えるという方法論が採られる(まえがきの要約)。
歴史の構造的な把握といえば、マルクスの唯物史観がすぐに思い浮かぶ。マルクスも相当当時の自然科学の方法論からは影響を受けているし、人類が行き着く先を措定してそこから資本主義批判を展開した。実践的には階級闘争によって革命を起こすというところまでいった。
本書は決してマルクス主義の立場で書かれてはいないし、共産主義革命を唱導しているわけでもないのだが、その方法論はある意味マルクス主義と驚くほどよく似ている。「現在の国際社会は「軍事力」よりもむしろ「経済力」などの目にみえないパワーによって動かされて」(p.135)いるなど、マルクスが最初に着目し、現代ではほぼ常識的な認識かと思うようなことを大げさに言い立てられるとう〜んと思ってしまう。
最後のほうでは「「歴史に参加できる」という意識は、時に巨万の富の誘惑をも凌ぐことがあり得る」のであり、その意識を一番持ちうるのが「下級貴族層(下級エリート)」だという(p.235)。まさに呼びかけている対象は違えど、立て!万国の労働者!というアジテーションと共鳴するのではなかろうか。
本書ではたびたびフランスの保守主義者アレクシ・ド・トクヴィルの「アメリカの民主政治」が引用され、称揚されているが、その読みが適切なのかどうかはよくわからなかった。その辺の検証などはやや粗雑なのではなかろうか。 -
購入済み
前段で書かれているように、これは巷に不足する、経済学を学ぶための中間レベルを埋めるためのテキストという位置付けを担うようだ。試読版は第3章を扱っているが、まずは大意を押さえるという役割は果たしているように思う。
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Posted by ブクログ
マクロ編は面白かったので喜んで確率統計編に突入するものの、ちょっと風向きが変わっててあまり楽しめませんでした。統計は大体わかっていたのがいけなかったのかも。それで、そのわかりかたは長沼さんの理解の仕方とはちょっと違っていて、どちらも不正確な例え話なので似ていると余計にちょっと違うんじゃねえの?って感じになっちゃう。まあ、アプローチがそのような本なのでこのような読者が出るのは仕方ないかも。マクロ編と違って著者の個人的な考え方が全面に出ているんだけど、この部分は控えめに言ってまあ読まんでもよいかなという感じでした。ブラック・ショールズの説明とか、ルベーグ積分とか、やっぱ知らないことに対しての説明はすごいよいので、まあ知っているか知らないかによって全く評価がわかれるんだろうなと。