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教養として、あるいは確かなビジョンを持つための武器として「世界史」を知っていることは大変重要だが、いざ世界史を学ぼうとすると大量の歴史知識が登場する。どうすればよいのかと悩む読者のための一冊を、在野の物理学研究者で『現代経済学の直感的方法』などの著者である長沼伸一郎が上梓した。著者は歴史家E・H・カーに倣って「過去を知るためにはまず『みるべき未来』を定めることが肝要」と述べ、過去の古典でなされた予言を物理の視点で抽象化して、さらに未来に延長し、「みるべき未来」を叙述する。そして歴史上の覇権の構造を見抜き、世界史をその構造で捉えることを提案。そうすることによって、世界史を俯瞰的に把握することができるようになるのだ。さらに「イスラム文明が西欧に敗れて立場を逆転される契機になったのは、微積分学を受け入れなかったこと」と述べ、科学上の発見が当時の思想や社会科学の新たな概念の創出に影響を及ぼした可能性を指摘するなど、「文明の理数系史観」(仲野徹氏)とも呼ぶべき清新な歴史観を提唱する。
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年10月23日
知的制海権、ルールを制定する力、人類全体に影響する原理。ブルーウォーターネービー、予備戦力、国家に依存しない、理数系武士団、歴史に参加する
などの新しい概念が提供される。
歴史を俯瞰している点で、福沢諭吉の「文明論の概略」のアップデート版とも言える。トクヴィル第二巻を読め。
【考察】
ベーコン、デカ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月28日
面白いと評判の長沼伸一郎さんによる世界史の構造分析と日本の取り組むべき道への示唆。
まずは勢力均衡型と世界統合型世界観の対立。いまのグローバル経済は世界統合型で一つの価値観の中にすべてを押し込もうとする働き。中国やローマ帝国が典型。一方でギリシアや英国型統治のように様々な勢力がバランスすることで世...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月16日
本書には「思想の古典」と「物理の視点」で読み解いた世界史、近未来の予想図が示されている。アプローチは斬新だが、導き出された内容には「漠然と感じていたことが見事に言語化されている」と唸らされた。イスラムに関する考察なども目から鱗であった。
著者は在野の研究者のようだが、間違いなく天才だ。次の著作を楽し...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月03日
長沼氏の本は自分が日ごろ使っていない脳の部分を叩き起こしてくれる感覚があり、はまるとクセになる。今回は私の好きな歴史をテーマにしているので構えながら読んだが、私の先入観を裸にしてくれる感覚で期待以上だった。
この本のキーワードである理数系武士団と縮退化は覚えておきたい。人口が減り続ける日本にもチャ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月22日
物理数学、経済学に対して「直観的方法」のシリーズ
今回はなんと世界史
一応お伝えしますと、長沼氏は物理学者である
さらに補足しますと、世界史における構造的な理解なので歴史書ではない
相変わらずの考察力の凄さに舌を巻いてしまうのであるが、面白ネタが尽きないので
うまくまとめられそうもない
興味深...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月13日
著者は表現が独特で分かりにくいものも多かった。以下まとめ。
❶日本の歴史の節目や国難に現れていた理系武士集団
①コロナ問題は今まで潜在的に社会の底にくすぶっていた問題を表面化させた。例えば、実店舗で買い物せずECで済ますなどの動きは今後も進み、逆の動きに戻ることはないだろう。
②戦略の原則では...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月05日
いろいろ面白いのだが、ちょっとトンデモ感がぬぐい切れない… 戦国時代に「文系」「理系」とか無理ないか?! イスラムは女性に支持されて、のくだりも、ではなぜ現在ああなってるのかわからない。ただ、昔の人の年齢の1.5倍掛けとか、理由はわからないけど確かに実感にあうものもあったりするので、あんまり生真面目...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年08月07日
「短期的欲望」は「長期的欲望」に勝ってしまうので、社会制度として、金利を禁止(イスラム教)したり、商人の位を低くするのは、人間の知恵ではなかったか。という点がとても心に響いた。他に、エルサレムを中心としての日本の外縁位置、中国大陸の地形にみる統一王朝の歴史(キングダム見るときに参考になる)などなど、...続きを読む
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