長沼伸一郎のレビュー一覧
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物理数学、経済学に対して「直観的方法」のシリーズ
今回はなんと世界史
一応お伝えしますと、長沼氏は物理学者である
さらに補足しますと、世界史における構造的な理解なので歴史書ではない
相変わらずの考察力の凄さに舌を巻いてしまうのであるが、面白ネタが尽きないので
うまくまとめられそうもない
興味深かったもののみ
■凄かった日本(理数系武士団について)
幕末や戦国時代の日本の国難において「理数系武士団」というべき集団がまとまって
出現し、大きな力を与えた
これこそが日本最大の武器
狭い理系の専門分野から脱し、国が進むべき戦略などに関して、これまでの文系的な
一般常識を超えた独創的なビジョン -
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ゆる言語学ラジオで絶賛されていたこちら。最近読んだ「東大生が日本を100人の島に例えたら…」で、経済オンチを自認したので即ポチした。
「東大生が日本を…」を読んだ時も思ったんだけど、余剰の富を蓄積したり、売買や物流を便利にするための手段として機能していたお金が、経済の拡大とともに目的化していく構造が、この本を読んでいてもよくわかる。
一章ごとにそれこそハッとする学びがあり、とてもわかりやすい身近な物理で経済の流れ、構造を例えてくれるので、本当に直観的に理解が進んだ。
それにしてもはしがきからこの点のわかりやすさについて、自らめちゃくちゃハードル上げるなぁ…と、思ってたけど、
著者のまとめとし -
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著者は表現が独特で分かりにくいものも多かった。以下まとめ。
❶日本の歴史の節目や国難に現れていた理系武士集団
①コロナ問題は今まで潜在的に社会の底にくすぶっていた問題を表面化させた。例えば、実店舗で買い物せずECで済ますなどの動きは今後も進み、逆の動きに戻ることはないだろう。
②戦略の原則では、一般的に組織の力を『戦闘力×戦略力』で表す。戦闘力は個々の練度やポテンシャル、戦略力は優れた戦略力で優位なポジションを取るなどの知力である。過去の日本は頭数で優位に立てなかったことで、戦略力を磨いてきた。
③日本に必要なのは独創的なビジョン。先般の話でいうと『突出した戦略力』である。
❷『世界 -
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面白かった。頭でイメージを描きながら読むといいかもしれない。以下、要約。
❶初級編
①確率統計論が本格的に進化したのが19世紀である。ガウスの貢献が大きい。ニュートン力学が17世紀に始まったことを考えると発展は遅れている。
②ガウスの思考を辿ることが確率統計論を本質的に理解するのに必要と考える。ガウスは確率論を真正面から考えていたのではなく『誤差』を基準に考えていた。そして、この誤差を考えて導き出したのが『正規分布曲線』である。
③誤差というものは2つに分類できる。1つは『一定方向に出る誤差』、もうひとつは『+方向と-方向に同じだけ出る誤差』である。前者は逆方向に修正かければ良いので問 -
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経済分析のロジックがどのように裏付けられているか勉強になった。以下まとめ。
❶序文
①そもそも経済数学というものは、物理や天体力学で経済分析に使えそうなものを流用したものが多い。いろいろつまんで使用している分、体系的な理解がしにくい。
②経済数学で難しい理論は2つ。1つは『動的マクロ均衡理論』。2つ目は『ブラックショールズ理論』である。
❷初級編
①経済理論の始めといえば、アダムスミスであるが、その著書の理論的裏付けになったのが、天体力学と微積分である。例えば、価格が需要と供給のバランスによって動くという理論は、惑星や彗星が太陽の周囲でバランスをとって近づいたり、遠かったりを一定周期 -
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ネタバレ長沼節が心地よい、日本に対する警句と進言といったところでしょうか。
「現代経済学の直観的方法」では、経済の根本的な理解を明瞭かつある意味突飛な思考的発展によって助長してくれる名著であったので、世界史に対する同じテイストかなと思ったけれど、こちらはどちらかというと著者の意見を世界史からくみ取って提示するといった様相。
理数系武士団や安楽カプセル(本書の正確な表現じゃないかも)といった急進的な表現を使用しながらも、短期的願望と長期的願望の論理はさすがといった納得感。コラプラー化という短期的欲望がはびこっている社会での閉塞感というか、これじゃないんだなー感は各個人うすうす感じてるんだろうけど、宗 -
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短期的な欲を満たすことで長期的な理想が失われることを「縮退」といい、これによって様々な歴史問題も、現代の資本主義や環境問題も説明できてしまう。目から鱗的に面白い!
«縮退の一例»
資本主義によって短絡的に富を生み出した場合、社会的な資源は無くなっていて、それを元に戻すのは難しい
昔ながらの商店街のコミュニティがショッピングモールに駆逐されたのが分かりやすい例。
更に、自由で平等すぎる社会では短期的な欲望が増幅されやすい。しかも今はSNSという欲望増幅装置もある。
歴史的には宗教や階級制度によって長期的な理想を維持していた。
でも現代の問題は過去に戻れば良いというものではないところが難し -
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近著「世界史の構造的理解」の底本という位置付けで再読した。本書のポイントは次のとおり。
①暴走中の資本主義の駆動原理は次の3つ。
軍事力維持(英国)
未来に夢を与える(米国)
他国の資本主義から身を守る(日本)
これらを全て満たす新たな思想が必要。
②縮退(退化)過程で富が引き出されている。
回復不可能になる前に対応が必要。
鍵は哲学・物理学等と融合した真の経済学。
少なくとも新自由主義では話にならない。
読み返してみて改めて名著だと思ったが、第6章で貨幣の増殖を「また貸し」を前提に語っている部分は明らかに間違い。これほどの論考ができる著者がなぜこのような説明を -
Posted by ブクログ
自分は学がなく頭もあまり良くないので、よくは理解できなかった。それでもスゴいことが書いてあるという感じはあって、興味深く読ませてもらった。
貨幣とか、金本位制などについてその歴史から本質を捉えて未来について語っている気がした。そこから必然的に出来する「縮退とコラプサー化」を扱いまだ産まれていない対抗策の見通しを示す。
どうやら本書は経済に疎い理系の読者を想定している模様。文系の社会発達モデルって、対立する概念の間を揺れ動きながら、螺旋的により高度化していくようなイメージがある。
対して理系のそれでは、「この先にこんな技術がありそう」という方向に一足飛びにジャンプしていく感じ。
個人的には