長沼伸一郎のレビュー一覧
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一応、物理畑の著者による経済数学の入門書とはされているが、初級編から中級編には殆ど数式は出てこない。しかしこの二編だけでもまず中々にアイオープナー。マクロ経済学を重視するイギリス発祥のケインズ経済学を、個人の行動即ちミクロ経済学から演繹してしまおうとするアメリカ経済学界の深遠な野望が、光が常に通過時間を最短とするようにその経路を選ぶというフェルマーの原理に根源を持っていようとは…。数式がちょいちょい出て来る後半を読むのが億劫なら、ここだけでも読む価値はあり。
しかし物理的法則と経済の美しい相似を目の当たりにしたいなら、恐らくは読者のマジョリティを占めるであろう文系(本書ではこの文系理系のバイ -
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久しぶりに買ったブルーバックス。最近、直感でわかる数学みたいな本が多いが、やはり数学を理解するには何のために使うのかがわからないと理解しにくい。物理との組み合わせはとてもわかりやすく、大学でマクスウェル方程式や熱力学、統計力学をやった人であれば、楽しめるに違いない。直観的方法とあるが、数学で表現される内容を物理のなかでイメージできるようにすることがこの本の目的であり、著者の巧みな文章力でこれが効果的に実現されている。
10個のトピックが独立した章になっており、どこから読んでも良いようになっています。大学生のときに読んでいれば、無味乾燥な数式を覚えるよりも親しみをもって対応できたのではないかと感 -
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ネタバレすごい本。
理工系の学生だったので、学部生、特に1、2回生のときに出会っていればと悔やまれる。理工系の学生には、絶対にお勧めできます。
それぞれの内容について歴史的な経緯・関連、なんのために必要とされるのかが書かれているため、理解しやすい(腑に落ちる)。
また、第二版で追加されたという11章は、現代の科学の出発点的な発想になっている「デカルト的合理論」の限界について三体問題の話から行列を用いて指摘し、学問、遺伝子工学、経済にまで発展させているところは非常に興味深い。
(最も、行列によるそのようなモデル化が可能かということについては理解が及びませんでしたが。)
特に経済についての箇所では、( -
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何を学ぶにしても、全体像を理解し、個々の内容について具体的なイメージを持つというのは大変重要なことです。しかしながら、物理数学は定石となる公式の運用に終始しがちで、一応の計算は出来るけど、結局、何をやっているかピンとこない、となりがちです。
本書はタイトルのとおり、物理数学の重要な論点について、読者に対して、あれやこれやの手段で、具体的なイメージを喚起しようとするもの。抽象的な専門書に格段と取り組みやすくなること、間違いないと思う。また、学部の授業のアプローチも本書と極めて近いものだった。良い教育機会を与えてくれた出身校の学科・教官に感謝したい。
私の場合、通商産業出版社から刊行され -
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大学1年の時に買っておきながら、ずっと積ん読→読まないから売り払ったのだけれど、ブルーバックス版になっていたので、暇つぶしの読書で読むか・・・くらいの気持ちで購入。
そして思い知りました。
この本はすごい本です!
もっと早く読んどきゃよかった・・・
(物理)数学を、竹を割ったようにすっぱりと解説してくれます。
フーリエ級数や複素解析論など、どれだけやっても「結局これはどういうことに相当するんだろう?」という気持ち悪さが残っていたのですが、それがこの本を読むときれいサッパリ消え失せていく爽快感がありました。
ここまでイメージ豊かに表現できている数学書はちょっとないと思います。
星25個く -
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「物理数学の直感的方法〈普及版〉」長沼 伸一郎
ブルーバックス・数学。
通商産業研究社から1987年に初刊刊行されたものの普及版。
ベクトル解析、フーリエ変換、複素積分などの物理数学の持つ意味を直観的に解説。非常に噛み砕いて説明してくれる参考書。
物数って、意味を把握してなくてもテクニックとして覚えてしまえばある程度は問題なかった気がする。
そもそもテクニックとして使える、というかテストで点取れるまでが大変で…
数学もイメージで意味を捉えた方が、物理の問題とつながったときにとても面白い。と思う。
ただ、この本を読んで直観的理解をしても、演習で身につけなければいけないのは変わらないだろうな。 -
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2011/9/24 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2011/12/1〜12/13
学生時代に名前だけは知っていたが,見たことがなかった本書。ブルーバックスで刊行されたのを見て買ってみた。
大学にはいってすぐ,厳密な定理の証明を延々繰り返されてさっぱり数学がわからなくなったことを思い出した。この本を当時読めていればもう少し違った道があったかもしれない。いくつかの点については非常に良くわかったけれど,やっぱりわからないものも沢山ある。まあ,数学から離れてかなりたつので仕方ないか。
でも,今現役で学んでいる学生さん達にはおすすめである。 -
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自身が強くなりたい VS 国家として強くなりたい。集団の欲望成就の方が「善であり正義」である。こうやって、自分自身を満たすだけの「下卑た欲望」とより広い範囲への「高尚な大志」とが区別される。この両極の“原動力”の捉え方を、言葉を変え、原理を解き明かす事に挑戦した本という気がしたが、アイデアがぶっ飛んでいて、エキサイティングだ。理数系武士団という主張は置いておいて、私の興味のあったとこのみピックアップしていく。
例えば、これを「世界統合(ローマ型)」と「勢力均衡(ギリシャ型)」という二つのビジョンについて当てはめてみる見方。「世界統合型」の体制は、「パックス・ロマーナ(ローマの平和)」という言