園村昌弘のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
新説
蘇我入鹿の息子を大海人皇子としたり、中臣鎌足を豊璋としたりが通説とは異なりますが、鎌足、豊璋説は以前から言われており、また大化の改新と呼んでいた蘇我入鹿虐殺も、乙巳の変と呼ぶのが現在(抑々、日本書紀には雄略天皇等や物部氏、葛氏含め悪いことも沢山書かれており、曽我氏の専横を描いた書とした明治時代の読み取りが間違いで)なので、意外と沿っているかと思います。
中大兄皇子が敵役でサイコパスに描かれていますが、元々、奥さんの親を殺して、生首を塩漬けにして、奥さんに送るという逸話が描かれており、抑々、サイコパスだったと思われます。
本巻は、白村江にたどるまでの緊張から、直前まで。斉明天皇の死には、愛されなかった中大兄皇子が直接手を下したとしています。 -
Posted by ブクログ
たまたま書店で見つけて手に取ったのだが、帯にいきなり田原総一朗ががががが。
それはともかく、個人的に関心の深い時代のお話である。主役は大海人で中大兄がヒール。そして関裕二氏などが唱えるように、鎌足の正体は…(ネタバレにつき自粛)というのが鍵か。
大海人は母の出自が謎、というのが公式の記録だが、この作品では(これもネタバレにつき以下同文)。この説も誰かがどこかで書いてた気がする。
「新説」と銘打ってはあるが、定説へのカウンターとして唱えられたさまざまな説から新たな物語を組み立てたストーリーという感じ。しかし決して継ぎ接ぎな印象はなく、描き方が巧みで興味深い。
大海人は青年になるまで、とある隠れ里(遁甲を能くした、という根拠だね)で、その存在すら隠されて育てられたという設定。
一方、中大兄も単なる冷酷非情な悪役ではなく、自己の存在にかかわるある種の傷を抱えている。
始まりは、例の法隆寺の秘仏・救世観音がはじめて姿を現すところから。おお梅原猛先生や!と思ったら巻末には原作者、作画、そして梅原先生の鼎談がおまけとしてついてた(個人的には、あのボリュームで載せる必要あったのか?とは思った。あと「源氏物語」についての意見は首肯しがたいなあ)。