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長編歴史ドラマは、ラストをどこに置くか、は難しいところで。
その辺りで少し不安のありましたが、納得のラストです。読者への信頼を感じるというか。きちんと最後まで、描きたかったものを描かれたのではないかと勝手に推測。
悲しくも美しい物語でした。
BLぽい展開から一転して、聖徳太子の謎にまで来たのに驚いています。藤原氏と長屋王の戦いもこの系譜に関連していることを知りました。大仏を建てた日本の当時の経済力にも感心しています。
聖徳太子は蘇我入鹿ですか。蘇我入鹿の怨霊の祟りを恐れて与えた諡号が聖徳太子か。山背大兄王の一族を皆殺しに下のも同姓同名の蘇我入鹿か。聖武天皇や光明皇后は何でもいいから入鹿の祟りを抑えたかったということですね。いいんじゃないですか?何せ7世紀の出来事ですからね。
新しい解釈のもと、編纂された日本書紀の裏側に迫った本作がついに完結。
天智天皇、天武天皇の両主人公から時代が進み、藤原鎌足・不比等ら子孫の光明子と時の帝聖武天皇の世で、どのように蘇我入鹿を鎮めようとしたのかが描かれきっている。
聖徳太子とは一体誰なのかにはじまり、大仏建立に至った経緯、孝...続きを読む謙天皇が即位した成り行き、行信の失脚、そして藤原氏の今日までの隆盛と祟りの行方。
すべて触れ、描き、完結させたのは見事というほかない。
小さなコマに転生したと思しき人物が描かれていたところも、本当は互いをどう思っていたのかが持統天皇目線で語られているところも、読者の心に一抹の清涼を届けてくれたように思う。
謎の多い古代史の中に確かに息づいていた人々に思いを馳せられる良書だと改めて感じる次第。
法隆寺を作った僧、行信が蘇我入鹿の善行を隠して聖徳太子の御業にするとしたということに。
聖武天皇、光明子皇后に伝え、蘇我入鹿の怨霊を鎮魂と考え。
それでも治まらない天変地異に大仏の建立を訴え。さらに法隆寺の救世観の光背を頭にさすのは怨霊の鎮魂としました。
皇族でないのに皇后にさせたり、長屋の王...続きを読むの変も貶めたものですが、
当時、国内の人口が半分になる天然痘の流行りがおきて、これは聖徳太子が法隆寺で行った人痘で治療したことが縋るものであったと思われ、
光明子皇后の伝説、仏様の膿を口ですすった、も人痘に通ずる内容で、藤原が日本を支配みたいな内容には違和感感じます。
Posted by ブクログ 2017年06月24日
兄弟もツボなんですが…なんていうか…姉妹もかわいい。旦那一緒ってのもいいしそれで互いに嫉妬してるんじゃなくて一緒に寝てるんだぜこの姉妹ちょうかわ…。
Posted by ブクログ 2019年03月21日
行信による入鹿怨霊鎮魂、封印から第一回につながるところまで。
最終回が良い。
中大兄と大海人を描いているところは好き。
話全体のベースは、梅原猛、井沢元彦の流れの怨霊とその鎮魂、徳の諡。
勝者の歴史で敗者を鎮魂する。
法隆寺や聖徳太子の不思議な部分をうまく絡めて、扶桑略記などの話も盛り込んだ形。...続きを読む
でもやっぱり、中大兄と大海人の愛憎部分がいちばん面白かった。