あらすじ
正義の味方コンビ・中大兄皇子と中臣鎌足が、大悪人の蘇我入鹿を成敗して成し遂げた政治改革を「大化の改新」と言う。日本古代史上、最大級の暗殺事件だ。明治17年、美術研究家アーネスト・フェノロサと岡倉天心は奈良の法隆寺・夢殿の中にある謎の仏像を見ようとした。その仏像は「救世観音」と呼ばれ、聖徳太子をモデルにしたとされる。ところが白布でぐるぐる巻きにされて1200年以上も封印され、誰も見ることができない。おまけに、その仏像を見ようとすると天変地異が起こるという伝承まで残されていたのだ。ふたりが夢殿の扉を開こうとすると、恐怖に駆られた僧達が逃げ出すほど。しかも仏像を調べると、後頭部に釘が打ち込んであった!!ありがたき聖徳太子の化身を、なぜ人目に触れぬよう封印し、釘を打ち込み、絶対秘仏とせねばならなかったのか?まるで、その祟りを恐れているかのようである。ここで日本古代史上、最大の暗殺事件の犠牲者が浮かび上がってくる。「大化の改新」の真相は、中大兄皇子(天智天皇)と、父親を殺された大海人皇子(天武天皇)との、壮絶な兄弟喧嘩の号砲だったのだ……!!
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古代ロマン
壮大な歴史ミステリーを読み解いていくようで、おもしろい。
古代の謎を題材としながら、斬新な漫画で驚いた。
もとの紙版では巻末に梅原氏による後書きのようなものが載っていたと思うが、こちらの電子版では載っていなかった。
歴史は勝者がつくるもの。日本書紀はその視点からみての資料であるということを踏まえて読むべきものなんでしょう。
古代のことは資料が少なくてなかなか解らない事が多い中、蘇我氏についての再評価が進みだしている。
それでもちょっと突飛すぎる設定かとは思いますが、物語としてはかなり面白い。人の愛憎劇を見事に描き出している名作です。
大作!
何年か前から気にはなっていたのですが、大作すぎて腰が重くなってました。
結局、クーポンを駆使して一気読み。読み応えありました。
好きな時代の話なので、これまで様々な作品で読んできました。新しい部分を採用するだけでなく、とんでも要素もまぜてきたりと、舵取りが絶妙で、最後まで楽しめました。
歴史とは
中学生の娘の歴史の勉強で、この辺りをやっています。改めて一緒に学んでいるところです。が、私の知っていた歴史をひっくり返されたような気分です。勝者が歴史を造る。まさにそうだと考えさせられました。
信憑性あり
白鳳、奈良時代の人達が生き生きと描かれて素晴らしい始まりとなっています。当時の日本が何故お金持ちだったのかも気になります。あんな大仏や古墳を作るのは内需だけでない産物があったのだと思います。金、銅、水銀、何でしょうね?続きが楽しみです。
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とてもよいです。
自分の中の漫画的な天智・天武兄弟のイメージって、火の鳥太陽編のそれで、天智は心配性の親バカ、天武はタフでドライな策士みたいな感じだったんだけど、この作品は割と違うねー。
天智が細目、髪アップのハイパーエリートクソメンヘライケメンサイコパス的な、天武が爽やかイケメン腹黒太郎的な感じ。どっちも超かっこいい。
中臣鎌足が冷酷だが内に熱いものを秘めたケツ顎ってのもツボ。
天智が最期どういう風に退場して行くかと、最終的に独り勝ちしちゃう藤原氏のメインストリームへの絡み方が気になるところ。
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本屋ぶらついてたら、おもしろそうだったので買ってみました。
「カンナ」もそうだったけど、聖徳太子の存在って、歴史のifに、すごくひっかかるんですね。
いや、今後の展開が楽しみです。
壬申の乱だっけ?このふたりの兄弟喧嘩。違うか、天智天皇死後だものな。
おそらく、クライマックスは、そこに行き着くのでしょうけど、そこまで楽しみですよ。
とにかく、中大兄皇子(天智天皇)の人相が悪すぎ。
そして、対照的に大海人皇子(天武天皇)がイケメンすぎ。
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表紙からしてちょっとBL入ってる?と思っちゃいます。
そんな期待をして買った読者を裏切らず、それとない描写は入っていますが、直接的な場面はありません。
ただ、ストーリーはしっかりしていて、日本古代史をあまり知らなくても楽しめる内容です。
Posted by ブクログ
古代史の中でイッチバン!好きな時代の新解釈コミック。
続きが楽しみです。
ゾクゾクしました。
岡倉天心からか!!!
蘇我入鹿ってもともと私、嫌いじゃないもん。
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こういう設定で中大兄皇子と大海人皇子を描くとは、
びっくり。そして百済の王子が・・・!
常に笑顔の大海人皇子、怖いです。
死してなお壬申の乱以降まで続く、
壮大なる兄弟喧嘩、今後の展開に期待・・・かな?
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たまたま書店で見つけて手に取ったのだが、帯にいきなり田原総一朗ががががが。
それはともかく、個人的に関心の深い時代のお話である。主役は大海人で中大兄がヒール。そして関裕二氏などが唱えるように、鎌足の正体は…(ネタバレにつき自粛)というのが鍵か。
大海人は母の出自が謎、というのが公式の記録だが、この作品では(これもネタバレにつき以下同文)。この説も誰かがどこかで書いてた気がする。
「新説」と銘打ってはあるが、定説へのカウンターとして唱えられたさまざまな説から新たな物語を組み立てたストーリーという感じ。しかし決して継ぎ接ぎな印象はなく、描き方が巧みで興味深い。
大海人は青年になるまで、とある隠れ里(遁甲を能くした、という根拠だね)で、その存在すら隠されて育てられたという設定。
一方、中大兄も単なる冷酷非情な悪役ではなく、自己の存在にかかわるある種の傷を抱えている。
始まりは、例の法隆寺の秘仏・救世観音がはじめて姿を現すところから。おお梅原猛先生や!と思ったら巻末には原作者、作画、そして梅原先生の鼎談がおまけとしてついてた(個人的には、あのボリュームで載せる必要あったのか?とは思った。あと「源氏物語」についての意見は首肯しがたいなあ)。
Posted by ブクログ
中大兄と大海人のお話。
この兄弟の話大好き。
「天上の虹」で持統天皇の目線で読んでいたので
大海人の目線で見るのは新鮮。
しかしやはり中大兄は性格悪いなw
それも好きだ。
Posted by ブクログ
大胆な仮説をもとにした新解釈が面白い(信じるかは別。物語として)。
キャラ分けが明確で、中大兄の突き抜けた感じがいい。
長い歴史をどう描き切るのか、聖徳太子との繋がりは等、先が楽しみだ。
Posted by ブクログ
そうきたか!という感じ。藤原鎌足が?中大兄皇子結構エグい。。。
歴史は勝者に都合の良いものに書き換えられるというが、いやはや・・・今後の展開に期待。
Posted by ブクログ
梅原猛『隠された十字架』を面白いと思った人にお勧め。大化の改新で殺された蘇我入鹿は○○○子と同一人物で、法隆寺は罪なく殺された入鹿が怨霊化するのを封じ込めるアイコンだった……という前提で、中大兄皇子と大海人皇子の史上最大の兄弟喧嘩を描くのだそうだ。第一巻は壮大な兄弟喧嘩の序章の序章だが、万葉集や日本書紀好きな人にはウハウハな登場人物絵巻。
着眼点は面白いが…
藤原氏が百済の王子豊璋の子孫?
蘇我入鹿が実は超善人?
大海人皇子が蘇我入鹿と皇極天皇の子?
ちょっとトンデモ説過ぎるんじゃないだろうか?
古代日本の話なので創作は当然アリだが、これはちょっと…。
もっとも、その設定自体は面白い。
トンデモ説ではあるが、物語としてはアリかも。
この、「誰もが知っているけれど物語のテーマに選ばれにくい」時代に着目したのも、非常に新鮮味がある。
ただ、乙巳の変に至るまでの流れが駆け足過ぎる。
好青年・蘇我入鹿もどこまで本当かわからないうちに亡くなる。
豊璋に至ってはわき役から突然主役に躍り出てきた感じ。
そもそも、中大兄皇子が蘇我入鹿を殺す理由が唐突過ぎる。
ここまでを3~4巻ほど使ってじっくり描き、豊璋も徐々に「=中臣鎌足」という事を分からせるような展開にした方が良かったのではないかと思う。
ところで、本作の絵を描いているのは中村真理子。
彼女は今個人的にかなり気に入っている「卑弥呼」でも、リチャード・ウー(=長崎尚志)と組んで作画を担当している。
「卑弥呼」の展開は完全に長崎尚志によるものかと思っていたが、本作との類似性を考えると中村真理子自身の発想も多いのだろうか?
これまた「原作者問題」が出てきそうな疑問だ。
新解釈過ぎる
大海人皇子が蘇我入鹿と皇極天皇の息子。衝撃的な新解釈でした。中臣鎌足の素性もビックリ設定。ただ物語は上手く流れて進んでいて読みやすかったです。夢殿の救世観音像からの始まりは良かったです。
Posted by ブクログ
古代史まんがで読んでない…読むぞ!ということでひとまず1巻を購入してみました。
法隆寺夢殿の話から始まるのには心が踊りました…!
なので最後まで読みたいと思います。
中大兄の顔立ちがなんともうけつけないですが、がんばります。豊璋=鎌足、大海人=入鹿と皇極の子