茨木のり子のレビュー一覧
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なんておもしろく詩を読める本だこと!
詩人の著者が、
「生まれて」
「恋唄」
「生きるじたばた」
「峠」
「別れ」
の5つのカテゴリーに分けて選んで、
いろいろな詩人の現代詩を教えてくれます。
この5つのカテゴリー自体が、ひとつの人生の流れでもあります。
詩は、感情や感性のもの。
散文は論理を積み重ねていきますが、
そうやって分析することができないものを、
詩人は、詩として表現する。
だから、
読んでみて浮かぶ感想ははっきりした言葉にならず、
大かたは、
「ああっ」
だとか
「はああっ」
だとか、
「そうなんだよ!」
だとかの感嘆や納得の気持ちが多い。
あるいは、詩は自分の内部に埋もれ -
Posted by ブクログ
ネタバレ茨木のり子さんの詩集は、以前にも何冊か読んでいますが、この詩集の高橋順子さんの解説によると、意味を取り違えて読んでいたものがありました。この「永遠の詩」シリーズは解説が1作ごとにあり、とてもわかりやすく、選詩も、選りすぐりのものばかりで、評価されるべきシリーズだと思います。
「落ちこぼれ」
落ちこぼれ
和菓子の名につけたいようなやさしさ
落ちこぼれ
いまは自嘲や出来そこない謂
落ちこぼれないための
ばかばかしくも切ない修業
落ちこぼれにこそ
魅力も風合いも薫るのに
落ちこぼれの実
いっぱい包容できるのが豊かな大地
それならお前が落ちこぼれろ
はい 女としてはとっくに -
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小さな四行詩に、ささやかな拍手を
音楽の歌詞でなく、俳句や川柳とも違う「詩」。わたしは詩にそこまで興味はなかったのですが、詩について語る機会があり、なにか参考になる本はあるかと探りを入れてみたところこの本と出会いました。『自分の感受性くらい』等で有名な伝説的詩人・茨木のり子が、今まで詩という大海の浅瀬しか知らなかった私に、「もう一歩だけ沖に近づくと面白いかもよ」と教えてくれるような本で、著者の優しさを感じます。著者がセレクトしたたくさんの詩を、わかりやすい解説とともに味わうことができ、詩の入門書にうってつけです。基本のキである「詩の味わい方」を説いてくれます。
辻征夫『春の問題』という詩の -
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茨木のり子さんの詩集ですね。
永遠の詩シリーズです。
このシリーズはほんとうに、詩との出会いを形づくるきっかけを結びつけてくれますね。
茨木さんの詩は、初めて味わいましたが、私の心に深くすんなり、ほんとうにすんなり受け入れました。
詩集を読むのはかなりの想像力と理解力、感性を駆使しますが、茨木さんの詩は、飾りがなくそれでいて、真相を的確に捕らえられていて、情愛と励ましに溢れています。
みずうみ
《だいたいお母さんてものはさ
しいん
としたところがなくちゃいけないんだ》
名台詞を聴くものかな!
ふりかえると
お下げとお河童と
二つのランドセルがゆれてゆく
落葉の道 -
Posted by ブクログ
ネタバレお気に入りの書店の本店にて。
うずたかく積まれた数多の書籍の中の一冊。
旅先だから、出逢えた『茨木のり子』なのかも。
『嘘がつけない人だった。
詩においても、生活においても
ーーーーーー谷川俊太郎(詩人)』
そんな茨木のり子さんに、" 清々しいまでの潔さ " を感じ、カッコいい〜と痺れています。
やはり、『自分の感受性くらい』は、最高だし、ファンの多い『わたしが一番きれいだったとき』も、ほんとうに素敵。
だけど、わたしは、変わらず『汲む』が痺れるほど好き。 それは、初心に帰れるから。 自分で自分を包み込むような感覚を覚えるから。
そして、今回