茨木のり子のレビュー一覧

  • 詩のこころを読む

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    なんておもしろく詩を読める本だこと!

    詩人の著者が、
    「生まれて」
    「恋唄」
    「生きるじたばた」
    「峠」
    「別れ」
    の5つのカテゴリーに分けて選んで、
    いろいろな詩人の現代詩を教えてくれます。
    この5つのカテゴリー自体が、ひとつの人生の流れでもあります。

    詩は、感情や感性のもの。
    散文は論理を積み重ねていきますが、
    そうやって分析することができないものを、
    詩人は、詩として表現する。

    だから、
    読んでみて浮かぶ感想ははっきりした言葉にならず、
    大かたは、
    「ああっ」
    だとか
    「はああっ」
    だとか、
    「そうなんだよ!」
    だとかの感嘆や納得の気持ちが多い。

    あるいは、詩は自分の内部に埋もれ

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    2025年07月25日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    ネタバレ

    茨木のり子さんの詩集は、以前にも何冊か読んでいますが、この詩集の高橋順子さんの解説によると、意味を取り違えて読んでいたものがありました。この「永遠の詩」シリーズは解説が1作ごとにあり、とてもわかりやすく、選詩も、選りすぐりのものばかりで、評価されるべきシリーズだと思います。

    「落ちこぼれ」
    落ちこぼれ
      和菓子の名につけたいようなやさしさ
    落ちこぼれ 
      いまは自嘲や出来そこない謂
    落ちこぼれないための
      ばかばかしくも切ない修業
    落ちこぼれにこそ
      魅力も風合いも薫るのに
    落ちこぼれの実
      いっぱい包容できるのが豊かな大地
    それならお前が落ちこぼれろ
      はい 女としてはとっくに

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    2019年09月02日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    ネタバレ

    心に、ぐっと迫ってくる詩ですね。

    詩は、あまり…ほとんど読みませんが…
    こういう詩があるんだな~と、

    ひとつひとつ、詩の背景の解説もあるので、
    より、わかりやすく、初心者に良いです。
    掲載している詩集名ものっているので、
    それぞれを借りたくなりました。
    著者の年齢的な、時代背景などでも、詩の内容が変わってくるのが面白いです。

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    2016年10月05日
  • 詩のこころを読む

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    またとない本。大切なものに出会ってしまった。愛蔵書だよ。嬉しい。人間を過つことなく見つめることができ、背骨がしゃっきっとした。

    茨木のり子さんの文章が美しい。日本語が美しい。視点がしなやか。構成もまた素晴らしい。茨木さんが語ると、その詩が何倍にも輝く。これはすごい。文学について余計な解説が加えられることは多いが、茨木さんの場合はさらに重層的な詩作に昇華している。

    ラングストン・ヒューズ「忠告」
    吉野弘「生命は」
    金子光晴「寂しさの歌」
    濱口國雄「便所掃除」
    安水稔和「君はかわいいと」

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    2025年06月10日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    内定が出たら買うと決めていた一冊第二弾。
    「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」
    一生枕元に置いて幾晩でも共にしたい。
    『落ちこぼれ』に収録されていない「ある一行」が収められているのもうれしい。
    茨木のり子集『言の葉』全三巻がとてもほしいです。

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    2012年06月09日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    鑑賞解説がついており、詩集が初めてでもとても読みやすい本です。
    「自分の感受性くらい」や「汲む」、第二次世界大戦時の青春を唄った有名な詩「わたしが一番きれいだったとき」、亡夫を想う「歳月」なども集録されており、生きるための言葉のひとつひとつに強い意志を感じます。
     
     一度読み始めると素直に詩の世界に引き込こまれてしまいます。
    言葉を丁寧に味わうという感覚と、言葉のもつ強さを感じた本です。

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    2012年04月08日
  • 詩のこころを読む

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    懐かしいこれ!むかし暗記した好きだった詩がいろいろでて来て嬉しい!日本語の美しさを堪能できる。
    ジュニア新書だけれど、大人がゆっくり楽しめる一冊。

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    2022年02月02日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    手元に置いて、ときどき読み直そう。強くて優しくて、ホント、定規で背中を叩かれるよう。
    晩年の亡き夫への愛の言葉に切なさを感じます。

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    2011年08月13日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    「自分の感受性くらい」を読むと、背筋がピンとなる。
    うまくいかないことを他人のせいにしてしまうような
    気持ちが弱っている時に。
    たまには誰かにピシャッと叱ってほしい。そんな時に。

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    2011年02月26日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    『歳月』からの、あまりに艶かしくも鋭い真実の言葉に身体を射抜かれる。女であり、愛する人がいることにより出逢うことのできる情景。

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    2010年08月20日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    bookCafeで、自分の軸や感性を作ったおすすめの本として店主さんがお勧めしてくれた本。一人は賑やか、ダイヤのような日、自分の感受性くらい自分で守れ、が特に好きだった。
    美しい表現が沢山あって、日本語を理解できる人間で良かったと思えた。

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    2025年11月16日
  • 詩のこころを読む

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    詩についてあまり関心がなかったが、声に出して読んだり解説を読んで、身近な出来事を詩にし、人々の心を動かせるのはすごい力だと感じた。

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    2025年11月15日
  • 詩のこころを読む

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    小さな四行詩に、ささやかな拍手を

    音楽の歌詞でなく、俳句や川柳とも違う「詩」。わたしは詩にそこまで興味はなかったのですが、詩について語る機会があり、なにか参考になる本はあるかと探りを入れてみたところこの本と出会いました。『自分の感受性くらい』等で有名な伝説的詩人・茨木のり子が、今まで詩という大海の浅瀬しか知らなかった私に、「もう一歩だけ沖に近づくと面白いかもよ」と教えてくれるような本で、著者の優しさを感じます。著者がセレクトしたたくさんの詩を、わかりやすい解説とともに味わうことができ、詩の入門書にうってつけです。基本のキである「詩の味わい方」を説いてくれます。

    辻征夫『春の問題』という詩の

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    2025年09月29日
  • 自分の感受性くらい

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    当時の時代背景とはメッセージの背景にある社会は違うだろう。

    しかし、今の時代は昔より他者の声や目がSNSやインターネットで透け、AI大多数の人より「頭」が良い意見をくれる。

    こんな状況において、改めて我々人間に突きつけられてる、激や喝を入れるようなメッセージを私は受け取った。

    一個体生命としての感受性を守り、育てる。そのための栄養を摂取する一つの手段としても読書はあると思う。

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    2025年05月04日
  • ハングルへの旅 新装版

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    よその国の言葉を学ぶということは、その国の歴史や文化、そして自国との関係に目を向けざるをえない。本書は韓国の良いもの、日本と似ているところ、違うところが、何の優越感も横柄さもなく描かれている。
    ハングルを学ぶ人は格段に増えたとはいえ、隣国へのヘイト感情を抱く人は根強くいる。主語を大きくひとまとめにして好き嫌いを判断しがちだが、そんな時はこの本を読み、顔が見えるひとりひとりを思い浮かべたい。

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    2024年05月13日
  • 詩のこころを読む

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    若いときはまず自立して生きていくことに必死で、プラス旅行やら趣味やらひとつひとつ新たな経験ができれば十分満足だった。詩というのはそういう価値観と距離がある気がする。感じ方の木目の細かさに充実感があるというか。折に触れて覚えている詩を思い出して自分の今を思う、というのは素敵だな。私も少し近づけるとよいな、詩に。

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    2023年11月27日
  • ハングルへの旅 新装版

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    「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」
    著書のこの言葉通り、韓国語の森に自分の力で深部まで分け入った彼女の、語学について綴ったエッセイ。

    「その美術を愛しながら、同時にそれらの人々が、作者たる民族に対して冷淡なのに驚かされる。」
    柳宗悦の言葉にもハッとさせられた。

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    2023年08月04日
  • ハングルへの旅 新装版

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    韓国人の友達がいて、韓国に何度も遊びに行って、韓国が好きな自分が、韓国語を話せないことが急に情けなくなった。これから、少しずつ勉強して、韓国語で友達と話したい、とこの本を読んで改めて思った。

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    2023年04月02日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    茨木のり子さんの詩集ですね。
    永遠の詩シリーズです。
    このシリーズはほんとうに、詩との出会いを形づくるきっかけを結びつけてくれますね。
    茨木さんの詩は、初めて味わいましたが、私の心に深くすんなり、ほんとうにすんなり受け入れました。
    詩集を読むのはかなりの想像力と理解力、感性を駆使しますが、茨木さんの詩は、飾りがなくそれでいて、真相を的確に捕らえられていて、情愛と励ましに溢れています。

      みずうみ
     《だいたいお母さんてものはさ
      しいん
      としたところがなくちゃいけないんだ》
     
     名台詞を聴くものかな!

     ふりかえると
     お下げとお河童と
     二つのランドセルがゆれてゆく
     落葉の道

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    2023年02月04日
  • 永遠の詩02 茨木のり子

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    ネタバレ

     お気に入りの書店の本店にて。 
    うずたかく積まれた数多の書籍の中の一冊。
    旅先だから、出逢えた『茨木のり子』なのかも。

    『嘘がつけない人だった。
    詩においても、生活においても
           ーーーーーー谷川俊太郎(詩人)』

    そんな茨木のり子さんに、" 清々しいまでの潔さ " を感じ、カッコいい〜と痺れています。

     やはり、『自分の感受性くらい』は、最高だし、ファンの多い『わたしが一番きれいだったとき』も、ほんとうに素敵。
     だけど、わたしは、変わらず『汲む』が痺れるほど好き。 それは、初心に帰れるから。 自分で自分を包み込むような感覚を覚えるから。

     そして、今回

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    2022年12月21日